特典付き
カバーイラストに惹かれて購入したのを積み本箱から発掘。。
このカバーイラスト、帯を外してよく見ると肌色率ほぼ100%なのに、上品できれいで、さほどエロエロしく見えないのは、絵の上手さとポージングと、あと帯の色使いかな。
内の絵も、美大で知り合った絵を描く人達のお話ということもあってか、とにかく絵がしっかりお上手。
とくに手や足のパーツがすごくいい。
内容は、表題作が、最初のセックスを間違いにしてしまったためにすれ違う両片想いののお話。
メインカップルと、カップルの片割れの双子の兄弟、この3人の心の動きが丁寧に描かれていてよかったです。
それと、表題作とはつながっていない短編が1本。
この短編、受けの黒髪の見た目が表題作の受けとかなりかぶっていたので、ちょっと戸惑った。
これ、なしでもよかったんじゃないかな。
初読みの作家さまでしたが、表紙が綺麗で思わずジャケ買いしました。
内容をざっくりと。ネタバレしてます。ご注意ください。
主人公は若葉。
美大卒業後、老舗画廊の「上田画廊」でスタッフとして働いている。
そんな若葉にはセフレがいる。上田画廊の専属作家の紅太だ。
若葉の大学時代の友人の双子の兄弟の紅太と蒼太。
彼らは上田画廊の息子。蒼太は画廊の跡取りとなり、紅太は専属作家として働いている。なぜ紅太とセフレになったかというと、疲れて意識がもうろうとしている時にセックスしてしまい、その時に顔面蒼白で謝る紅太を安心させるために「(セックスの相手は)他にもいるから心配するな」と言ってしまったからだ。
以来、紅太に対する恋心は封印したまま、「セフレ」という立ち位置から抜け出せずにいる―。
序盤、若葉の一方通行の恋、だと思って読み始めましたが、実は紅太も若葉に恋心を抱いている。という事で、王道の両片想いのストーリーです。
「好き」という一言を言えないまま、すれ違う二人。
好きな人(=紅太)に遊び人のレッテルを張られて切なさMAXの若葉。
若葉を好きなのに若葉を理解しきれず苦しむ紅太。
と、バックボーンは文句なしに萌えツボを刺激されました。
が、この二人のぐるぐる加減がとにかく長い!
モダモダ進む恋心を描いた作品なのである程度仕方がないと思える部分もあるのですが、もう少しサクサク進めないものかと。
というのも、この作品にはほかにも萌えどころは沢山あるんです。
紅太の双子の弟で上田画廊の跡取りとなった蒼太。
両親亡きあと、若葉を引き取り育ててくれた伯父(戸籍上は義父)の小田さん。
彼らの存在も非常に魅力的で、話を膨らまそうと思えばもっと行ける。
なのに、終始、二人のモダモダで進んでしまう。
もったいない!
ほぼ1冊表題作が占めていますが、終盤に短編が1話収録されています。
タイトルは『もっと酷くしてよ』。
付き合い始めたばかりの大学生の竹田くん×小池くんの2人。
お互いまだわからないことだらけの中、セックスの時に優しくしたい竹田くんに対し「もっと酷いことをして」と頼む小池くん。
小池くんが「そう」言う理由が少しずつ見えてくるのですが、うーん、短編という事もあってこちらもなんだか消化不良気味。
2作品とも絵柄は綺麗だし、設定はナイスだし、キャラも魅力的。
萌えツボはがっつり掴まれ、なので、余計にもう一声ほしいなと感じました。
違う作品も読んでみたいと思います。
表題作と、他に1作品を楽しめます。
☆嘘つきのアトリエ
どうすれば気持ちが伝わるのか、どうしたら嘘を終わらすことが出来るのか、もどかしい両片思い作品でした^^
お気に入りは本編終盤の、若葉(受)の描いた絵に紅太(攻)が手を重ねて見つめるシーンです。若葉が何の絵を描いたのか…それは"紅太が絵を描いている手"。絵が描けなくなったこと、好きな人に嘘をついていること、それは若葉が紅太に感じる嫉妬や罪悪感が関係しており、素直に愛する気持ちや思いを表現できない理由にも少し通づるように感じました。若葉が紅太を描いたこと、さらにその絵は、紅太が"絵を描いている"シーンであること、そこに意味を感じて、グッときました。単に思いを寄せるだけでなく、そこには嫉妬も絡み、とても人間味を感じました。相手の才能を羨ましく思うこと、尊敬すること、妬むこと、それらには線引きのできない、他人にはわからない感情があるように思えました。
紅太も、若葉がまた絵を描くことについて、自分への目が向けられなくなる恐怖と、絵を描く若葉が好きという純粋な気持ちや喜びに、葛藤が見られて、もがく姿がいいなって思いました。
好きだから嘘をついて、好きだから嫉妬して、好きだから喜んで…湧き出てくる感情は愛あってのことで、そこに愛おしさを感じました。
☆もっと酷くしてよ
傷めつけられて興奮する小池(受)に手を煩わせながらも、嫉妬したりドキドキしたりと一途な思いを向けてくれた竹田(攻)。そんな竹田がラスト"オレの愛し方"と言いながら、傷めつけられることとは真逆の愛し方をします。それは単純に優しくするというより"思い"がこもった愛し方で、すごく素敵だなと思いました。
"じゃあオレの愛し方覚えてよ"
独占欲も嫉妬心も感じるけど、束縛する感じはあまりなくて、でも"お前は俺のもの"感は伝わってきて、これ言われてぇー!!!!って大興奮しました笑。
作品自体は短編作品でしたが、その中でキュンキュンを感じることが出来て素敵な作品でした。
表題作の他、短編が1話掲載されています。
うーん…(。_。)
すれ違い・両片思いの設定はしっかり盛り込まれているけれど
漫画としての拙さがちょこちょこ気になったかな…。
(ごめんなさい、私の好みと合わないだけかもです;)
設定は楽しめるのに世界観には浸れないのがちょっぴり不完全燃焼でした。
攻め:紅太は上田画廊の専属画家で、
受け:若葉は上田画廊でデザイナーの仕事をしています。
+攻めの双子の弟・蒼太がメインキャラに加わり展開します。
元々両片思いだった紅太と若葉。
ある日勢いでエッチをしてしまい翌朝なんとも気まずい空気が…。
若葉は思わず遊び慣れてる風を装ってしまい、友人からセフレへと関係が変わってしまいます。
出だしで躓いてボタンの掛け違いをしてしまった若葉と紅太。
そのまま進んだところで掛け違いは正されません。
けれどやり直し方がわからない。戻れない。
そんなある日、紅太はある誤解から若葉を無理矢理犯し
拗らせた関係に改めてショックを受けた若葉は紅太の前から消えることにします。
紅太の絵を見てから筆を折っていた若葉でしたが
自分を変えるために再度筆をとりーーーと展開します。
紅太と若葉の噛み合わなさがとても焦れったいです。
長く続くすれ違いは萌えが中折れした感は否めないかな;
恋心が目を曇らせたのでしょうか…。
若葉の性格を考えれば遊んでるわけないのに紅太はアッサリと信じるのも鈍いけれど、
若葉もなぜ紅太がセフレ関係を求めるのかと疑問に感じないのも不思議でした。
「どうして紅太はおれを抱くのだろう」って最初に行き着く疑問だとおもうのですが…。
この辺りを掘り下げないので少々違和感がありました。
あー、それだ。
すれ違いも両片思いもグッとくる割にスッキリしなかったのは、
私自身もこのお話の出だしで躓いてたんだ。書いてて気付いた。
また2人の間に距離が出来てしまい、悶々と拗らせてる時間は切ないものの、
若葉が絵に専念することで何が変わったのか私には読み取りきることが出来ませんでした。
紅太の才能に劣等感を持っていたけれど、再度絵を描くことによって対等を得た…ということかな…?
才能の差に対する感情と恋心のザックリ混ぜた感じが中途半端に思えてしまいます;
すれ違いでキュンとくる場面もあるし、
個人的には冒頭のセフレとしての楽しげな絡みがすきです。
けれどうーん、なにか物足りなさがついてまわりました;
◆もっと酷くしてよ
受けのビジュアルが表題作の若葉ソックリで、若葉が別の男と!?と一瞬混乱しました;
あ、よく見たら目元にほくろがあるや。違いはここか。
受けは幼少期のトラウマが歪に形成され、愛されたい欲が"もっと酷くしてよ"となるのですね。
手酷くされるほど愛されてると誤認識しているような部分が切ないです。
けれど攻めは好きな人にこそ優しくしたいと思う真っ当なお人でホッとしました。