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険悪だった僕たちの、ハネムーンのすべて。

kenakudatta bokutachi no honeymoon no subete

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表題作険悪だった僕たちの、ハネムーンのすべて。

深山樹
強引な見合い相手,24歳
鷹束秋人
大手不動産会社勤務,24歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

親代わりの伯父の命令で男と見合いさせられた秋人。幸い相手の樹にも結婚する気はなく破談になるはずが、二週間後、秋人は樹に勝手に籍を入れられていた。混乱し婚姻無効を申し立てる秋人に、〈結婚する必要〉があるらしい樹は爽やかな好青年の仮面を捨て激怒。「ハネムーンが終われば別れてやる」という謎の条件で、秋人をスペインに連行した。横暴な男だと思っていたのに、トラブルのたび自分を救ってくれる樹に秋人は次第に惹かれるが――。

作品情報

作品名
険悪だった僕たちの、ハネムーンのすべて。
著者
Aion 
イラスト
北沢きょう 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
ISBN
9784778127916
3.6

(35)

(7)

萌々

(13)

(13)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
10
得点
127
評価数
35
平均
3.6 / 5
神率
20%

レビュー投稿数10

まるで旅行ガイド本 面白かった

著者のペンネームが、個性的。
アイオーンとは、 αἰών, aiōn で、古代ギリシア語で「・・の時代や世紀」といった意味。

先に読んだ「・・伯爵はこの結婚をあきらめない」が、
ほどほどに面白かったので、著者の前作も購読。

この作品のほうが、起伏の山が在って面白い。
文章の歯切れが良くて、進捗テンポも良い。

冒頭は、見合い結婚に至るまで。
伯父が持つ不動産の一つが、莫大な課税対象物件になる。
税金対策として政略結婚の見合いを秋人に親代わりの伯父から命じられる。
そして見合い、転居、結婚、ハネムーン・・樹は勝手に進めていた。

勝手に入籍手続きをした樹は、
「ハネムーンが終われば別れてやる」と秋人に言う 

新婚旅行に行く二人。
BLというより、旅行記、読みながら、行った気分になってしまう。
日本➡ジブラルタル➡乱気流のため予定変更。モロッコ➡スペイン・・と、観光地を巡る二人。
秋人は国内旅行も経験がないので、未知の海外旅行先で、スリに逢ったり、暴行未遂に遭ったり災難続き。
色々あって、見合いに応じた理由を知って、理解が深まる。
帰路の機内では手を綱いで・・別れる訳がない。

2

暴走溺愛攻め、健気すぎー!(TдT)

無理矢理新婚旅行とか、暴走溺愛攻めに惹かれて購入です。

で、こちら、デビュー作との事ですが、とてもそうは思えない完成度の高さでした。
こう、しっかりしたストーリーに、瑞々しい情景描写、そして王道の萌え!
いや、インタビューからドタバタ系のラブコメを想像してたんですよね。
それが、じっくり丁寧に読ませてくれる、あたたかい感動作でもあって。
終始、主人公である受け視点で進むのですが、他人だった攻めと恋人では無く、家族になると言うのにグッと来ちゃうんですよ。
彼の背景とかを知ると。
まぁそうじゃ無くとも、旅を通して変化して行く二人の関係に、単純に萌えちゃって仕方ないですけどね。
これは確かに暴走溺愛攻めだわ。
そして、何だかいじらしいわ。

ザックリした内容です。
親代わりの伯父の命令で、強制的にお見合いさせられた秋人。
どうも相手も結婚する気は無いようで、破談にして貰えそうととりあえず話を合わせたんですね。
ところが、二週間後ー。
何故か勝手に籍を入れられ、更に無理矢理新婚旅行に連れて行かれー・・・と言うものです。

まずこちら、主人公になる秋人ですが、ちょい鈍感な美人。
えーと、何だろう。
ごくごく普通の等身大の青年なんですけど、育ちの良さからどこか無防備と言うか。

で、そんな彼と強引に結婚するのが、暴走溺愛攻めの樹。
彼はですね、実は最初のうち、結構イヤなヤツだったりするんですね。
そもそも見合い当日、したり顔で「話を合わせろ」とこっそり言って来た為、秋人は破談にしてくれるんだと思い込み、「(結婚相手は樹で)問題ありません」的に言ってしまった。(法律で同性婚が認められていると言う設定です)
それが、気がつけば籍を入れられ、自宅アパートは解約されと、樹の元に行くしかない状況にされてしまう。
当然、秋人は混乱して怒るワケですが、逆に「合わせすぎだ! 勘違いしただろ!」とキレられる。
更に、終われば別れてくれるという条件で、ハネムーンに無理矢理連れて行かれるー。
いやもう、主人公と共に、何だこいつ!?ですよ。
えっ!? どのあたりが溺愛?ですよ。

まぁそんなワケで、最初こそ攻めにイラっとくるんですよね。
そして、設定が強引すぎるんじゃないかと違和感を覚えるんですよね。

が、上手いのがここから!
ハネムーンに出た二人ですが、ジブラルタルに着くはずが、悪天候からモロッコに降ろされてしまう。
で、目的地を目指して陸路を移動して行けば、荷物を盗まれたり、ストで足止めをくったり、迷子なったりと、もう次々アクシデントに巻き込まれるんですね。

これな!
秋人は海外旅行自体が初めてで、ハッキリ言って平和慣れした甘っちょろい日本人なワケです。
格好のターゲットです。
で、アクシデントが起こる度に、そんな彼をフォローしてテキパキ解決に向け動いてくれる、樹が格好いいのです。
いや、ありがちではあるのですが、近い距離で一緒に過ごし、共にアクシデント乗り越えて行く事で、二人の絆が育って行くと言う、この部分が萌える。
また、アクシデントばかりではなく、あたたかい地元の人との出会いや、美しい景色に感動するー。
そんな素敵なエピソードも盛り込まれていて、いや、何だろう・・・。
こう、読みながらどんどん引き込まれていっちゃうんですよ。

あと、個人的ツボだった部分。
秋人ですが、しつこいですが鈍感です。そして無防備です。
これ、秋人視点で進みますが、樹が秋人に惚れ込んでる事は、早い段階で読者に丸分かりなのです。
こう、予期せず秋人と間近で顔をあわせれば「おまえの目は宝石か?」みたいな。
これ、口説こうとして言ってるのでは無く、思わず漏れちゃった本音って所にニヤニヤしちゃうんですよ。
この後も、目の前で着替えを始められては慌てまくり、服が無いから裸で寝ると言い出されては、強引に自分のTシャツを着させる。
好きな相手が自分を全く意識してないって、地獄だね。
振り回されてて、気の毒ながら笑いが止まらんがな!と。

と、こんな調子で距離を縮め、樹に次第に惹かれてゆく秋人。
しかし、この旅の終わりが、二人の別れなんですね。
更に、樹が列車事故に巻き込まれ、生死不明の事態に・・・と続きます。

これ、繰り返しになりますが、最初の結婚自体が、やや強引に感じたんですよね。
何故、樹がここまでグイグイ来るのか的に。
が、ここに来て明かされる、秋人が忘れていた過去ー。
いや、これにより、全てに合点が行くんですよ。
なるほどね!と、ニヤリとしちゃうと言うか。
また、これを踏まえて、これまでの樹の行動を鑑みると、もうすっごい健気で一途でグッと来てしまう。
あのお見合い時、樹は秋人も同じ気持ちだったんだと、とても嬉しかっただろうなぁと。
確かに暴走気味だけど、それも一途な愛のなせるワザだったのねぇと。
いそいそと結婚する為の手続きを済ませる樹を想像すると、微笑ましくなるし、迎えた秋人から拒否られた彼の気持ちを考えると、何だか切なくなってくる。
秋人、実は酷い男じゃないかよ!
ちゃんと覚えててあげてー!!

まぁそんな感じの、笑いあり、切ないあり、感動ありと言った、とても素敵な作品でした。
ちなみに、二人の初エッチですが。
暴走溺愛攻めと言う冠に負けぬ、樹の暴走ぶりに笑いました。
「乱暴にしないって言った!」だの「ゆっくりって言ったのに!」だの、泣きを入れてる秋人が可愛すぎて悶絶しましたよ。
まぁ、念願叶ってだもんね。
押さえが利かなくても、仕方ないよね。

13

BLも旅も楽しめます!

親代わりの伯父の命令で見合いをしなければならくなり、出向いた先にいたのは男。相手も乗り気ではないと勘違いして、話を合わせて過ごしたら、数日後婚姻届が出されており、強引に引っ越しまで。。。
挙句の果てに、新婚旅行から帰ったら離婚届を出すからと言われ、渋々ハネムーンに。

両親を早くに亡くし、伯父に引き取られた秋人にとって頼れる誰かを欲する気持ち、幼き頃に約束した結婚をずっと夢見ていた樹。

最初は強引過ぎて、少し引いてしまいましたが、早いうちから樹の優しさが描かれており、喧嘩もありましたが、その度に秋人が樹の強さや優しさに触れ、心を許していくストーリーが、とても心地よかったです。災難も何のそのという樹が心強い!
また、危なっかしい秋人ですが、小さい頃から習っていた居合いや茶道により、いざという時に、自分を守ることができるのも、ナヨナヨし過ぎないで、好感が持てました。
海外の知らない土地を舞台にしているので、話の流れは予想できても、どんな出来事があるかは想像できず、ドキドキしながら読めました。美しい情景や、旅でののんびり過ごす1日など、読んでいて羨ましくなります。
この時期だからより楽しめる一冊なのかなぁと思います。

4

オレンジの片割れ


ものすごく最悪な旅行かと思いましたが、タイトルほど険悪というわけでもなく、険悪な関係で始まった新婚旅行がトラブル続きのなか少しづつ距離を縮めていくという感じでした。

<あらすじ>
不動産会社に勤める鷹束秋人(受け)は早くに事故で亡くした両親の代わりに自分を育ててくれた伯父から突然見合いを強要されます。
しかし、当日現れたのは伯父の大学時代の友人の息子であるという深山樹(攻め)という男。
相手が男だと知らなかった伯父は当然激怒。
その場は適当に話を合わせて帰り、そのまま話は流れてしまうものだと思っていたら、2週間後には勝手に引っ越し手続きが取られ婚姻届まで提出されていました。話の展開が読めないうち、そのまま脅されるように新婚旅行に行くことになってしまったのです。
見合いの時の好青年ぶりは何処へやら、常に不機嫌な様子で説明もしない樹の態度に腹を立てた秋人はうんざりするのでした。

と、険悪な様子で始まるのですが、トラブル続きでそれどころではなくなります。
悪天候のため到着する空港が変わったことからはじまり、海外旅行が初めての秋人はことごとくトラブルに巻き込まれてしまうのです。
そのたび、旅行慣れしている樹に助けられます。
初めは樹の態度に腹を立てていた秋人も、思っていることを樹にぶつけ歩み寄るようになってからは、比較的穏やかに(トラブルに巻き込まれながらも)旅を続けます。


秋人視点ですが樹が秋人のことが好きなのは最初のほうから丸わかりです。
でも、秋人はすごく鈍感なのです。
作中何度も樹が「好きだ」と言いますが、家のために我慢してるのかなとか、人間として好きだってことかなとか、優しいなというようにことごとくスルーしてしまいます。
さすがにちょっと樹が不憫になりました。
それと同じようなことが秋人の伯父さんにも言えると思いました。
ちょっと不器用な伯父さんのようだったので、秋人のことを大事に思っていただろうに、秋人はそれに気が付かず好かれていないと勘違いしていたようです。

秋人が押し黙ったり考え込んだりするとお腹減ってるといろんな人から勘違いされるのが面白かった。


旅慣れない秋人を引っ張っていってくれる樹をいつしか好きになるのですが、秋人が樹を好きだと気付くのはちょっと唐突な感じがしたし、吊り橋効果のような気がしないでもないし、家族が欲しかっただけなのではと思わないでもないですが、すごく一途でストーカー一歩手前な樹の愛情を一身に浴びるのは愛情不足だった(受け取るのが下手だっただけでそこそこ愛情込めて育てられていたと思う)秋人にはちょうど良いのではないかと思います。

ただ、最後の列車事故に関してはちょっとわざとらしかったように思いました。
ストライキでいつ次の列車が出るかわからないからといって、とりあえず今買えるチケットを一枚だけ買ってあとから追いかけるって、後で合流するのに先に向かわせる意味がわからない。
領事館でのエピソードを入れるためにわざといれた感じがしました。
一緒に事故にあって片方の行方が分からないとかの方が説得力があったんじゃないかな。


秋人がかなり天然な箱入り息子だったので、秋人視点しかなかったのはちょっと残念だったかも。
樹からみた秋人はすごくあぶなっかしくて一緒に旅をするのは大変だったんじゃないかと思うのです。ちょっと目を離すと怪しいカフェに誘われるは、スリにあうは、襲われるは、ナンパされるは、自分の恋心ちっとも気づかず裸で寝ようとするは・・・
一生懸命面倒見る樹視点、絶対面白いと思うのですが・・・



3

樹〜!頑張った!

昨日作者さんの最新作を読んでハマりこちらも読んでみました。

ハネムーン日記ですかね?
それにしても樹の一途さや暴走にびっくり!
こんなに長年計画立ててたのに一気にたたみかけるように押し切って、まず話し合いなよ!
誤解の同意?であっという間に入籍新居へ引っ越し明日の朝からハネムーン!え?パスポートは?仕事は?とついていけない秋人。

樹もびっくりで。ええ?秋人が同じ気持ちって言ったのは…?

険悪なままハネムーンへ出発ですが、樹は態度悪いし旅行の説明すらしないし横暴だし怒ってばかりですが、理由がわかると…(泣)
なぜ確認しない?なぜ話し合わない?

いやいや、マイナスから秋人は樹を知って好きになって。
樹には好きな人がいるのに…なぜ僕と?は最新作と似てますね。

秋人が旅行にほとんど行ったことがないからか、油断しすぎ!でもいきなりの海外旅行、しかもハネムーンでバックパッカー旅はハードル高いですよね。
でも年齢、旅行ルート、ハイライトと樹が全部約束守ってる〜!

旅行記としてもBLとしても楽しめました。
樹の苦労に萌2で。

2

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