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  • やさしく殺して、僕の心を。

やさしく殺して、僕の心を。

yasashiku koroshite boku no kokoro wo

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表題作やさしく殺して、僕の心を。

室生龍壱,32歳,暴力団幹部
神崎菜央,19歳,三流ジゴロ

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

自分の美貌を武器に生きてきた神崎菜央は、持ち前の性格が災いしてトラブルに巻き込まれがち。
ある日、刺されそうになったところを助けてくれたエリート然とした男に、数ヵ月後本当に刺された菜央は再び助けられる。
身体目当てか、と疑う菜央に「ガキは興味ない」と言い放つ男は、大手暴力団の幹部・室生龍壱で…。

作品情報

作品名
やさしく殺して、僕の心を。
著者
神奈木智 
イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
やさしく殺して、僕の心を。
発売日
ISBN
9784344806672
3.6

(13)

(2)

萌々

(5)

(6)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
7
得点
48
評価数
13
平均
3.6 / 5
神率
15.4%

レビュー投稿数7

もう一度読みたくなる作品

投げやりな暮らしをする主人公のピンチに偶然居合わせるという一軒ありきたりなスタートでしたが、内容はかなり盛りだくさんでした。

暴力団幹部である攻めに「最期に傷つくのは自分」と分かっていながら惹かれていく様がいじらしいです。
危険な目に合うと分かっていながら、実際危険にさらされると大切なものを守ろうという気持ちも魅力的な主人公でした。
ラブラブとまではいきませんが、お互いを必要なものと認識していて、裏社会好きの私は大満足です。

4

『ジゴロ』に違和感あって困った。

これは、私が神奈木さんで唯一好きな作品、というかシリーズです。

私は、とにかく菜央(受)のキャラクターが好きなんです。言ってしまえばそれだけなんですよね。もともとヤクザものはあまり好みではないですし。
だから、シリーズはCPを変えながら続きますが(最後・4作目でこちらのCPに戻ります)、私はこの室生(攻)×菜央がいちばん好きです。

作中、室生が菜央を指して『三流ジゴロ』を連発するんですが、『ジゴロ』って聞かなくなって久しいんだけど・・・しかし言葉の新旧ではなく、菜央と『ジゴロ』がどうも違和感ありまくりでした。

とにかく金さんのイラストがホントによかったですね。もし金さんイラストじゃなかったら、別に気にも留めなかったかったんじゃないかなと思うくらい、イラストの力が大きい(私の感覚では6割以上はイラスト)シリーズだと思います。
私はどうも、神奈木さんとは相性が悪いんですね。ごく初期からかなりの数を読んだんですが、多少なりともいいと思ったのはこのシリーズくらいです。

4

奈央ちゃんが健気

このシリーズ、ずいぶん前にシリーズ2作目の「おまえは愛を喰う獣」のドラマCDだけを聞いたことがあって、その後原作本シリーズを揃えたけど積み本の山に埋もれさせていました。
で、たまたまちょうどいい薄さだったんで、金ひかるさん繋がりもあって、引っ張り出して読んでみました。

奈央ちゃんが健気で、なかなか泣かせる展開で、まあ、いいんじゃないかなっと。

「おまえは~」のCDでは小野D×三木眞のカップリングに結構違和感があったんだけど、この話を読んだ限りでは、優先生が三木眞はアリだと思った。
でも、このシリーズ、当初から3カップルのお話を連続展開する構想で書かれていたのかな?
この後の本に登場するキャラ達も顔を揃えているけど、みんな既にしっかりキャラが出来上がっている感じ。
だとしたら、どうして優先生に三木眞をキャスティングしたんだろうなぁ。

1

みんなちょっとずつ足りない

 神崎菜央は、二歳で両親と死別し、その後は施設で生活をしてきた。
 そんな菜央は、住むところを確保するために、自分の顔だけを武器にして、好きでもない相手の家を転々としていた。
 ところが、その相手との別れ話がこじれ、菜央は殺されかけてしまう。
 そんなピンチを助けてくれたのは、エリート然とした男で、数ヶ月後、今度は本当に刺された菜央を再び助けてくれたのは、同じ男だった。
 意識が遠のく間際、思わずその男に対して、「助けろ」と口走った菜央は、目覚めた時には、潜りの病院のベッドの上にいた。
 実は菜央を助けた男は、大手暴力団の幹部・室生龍壱で、すっかり病気のよくなった菜央は、二ヶ月だけ、の約束で、室生の立て替えた借金を返すべく、室生の元でアルバイトをすることになる。
 どうして室生が自分なんかのために、そこまでしてくれるのか、理解できなかった菜央だが、生まれて初めて貰う、身体の関係抜きの優しさに、次第に菜央は惹かれていって……


 という話でした。
 菜央自身はあんまりそうは思ってないので、あんまりジメジメした話にはならないのですが、時折菜央が見せる寂しさの片鱗は、読んでて、ぎゅっとなってしまう感じで。
 そこを、上手に室生が甘やかしているんだけれど、室生自身にも、どうして自分が菜央に対してそういうことをしているのか、はっきりとはわからないという鈍さ。
 でも、やっていることは、優しいし、甘いし、で十分に楽しめる話でした。
 もちろん、ヤクザものなので、菜央が抗争に巻き込まれて攫われてしまったりなんていう要素もしっかり入っていたので、そういう面でも、楽しめる話だと思いました。

5

三流ジゴロにほだされて

三流ジゴロって言葉が良く出てくる。
しかし、この話でいえば「ペット」or「かわいいヒモ」ではなかりけり?

主人公である奈央くん。未成年で親無し家無し、顔がとりえの男の子。
別れ話がこじれて刺されてまさしく絶体絶命。
そこにあらわれたのが室生龍壱。一ノ瀬組ヤクザで、次期跡目候補のお目付け役もしている。
「助けろよ」
死にかけてるのに命令口調。すごいよ、奈央ちゃん。
そいでもって道に落ちてるモノを拾うかのように助けた室生。
出会いはこんなもんです。

この二人を中心として、奈央ちゃんを治してくれたモグリの医者である小田切優哉とそのセフレである一ノ瀬組次期跡目候補の響くん。響くんの双子の兄で病弱な彗くんがしたってる刑事の橘さん。

以上、このシリーズのメインキャスト。

「やさしく」は奈央ちゃんと室生のお話。
ジゴロのわりに、変に律儀な奈央ちゃん。野良猫を拾ったけど、世話はするぜ、的な室生。病弱な彗くんの話相手をさせます。

どうにもこうにも、室生は冷たいです。なんつーか、いじめる冷たさではなく、無関心な冷たさ。
二ヶ月って期限をつけて部屋に置くし、ご飯を食べてないと夜中でも買い物につれだすのに。
いまいち室生の気持ちが読めなかった。

奈央ちゃんは可愛いです。今までは生きる為に媚を売ったりしてたけど、そうしなくていい環境になったら持ち前の情の厚さがでてきます。
ヤクザと刑事って間柄で会えなかった彗と橘を会わせようと一生懸命になったり、彗と二人さらわれたら殴られないようにかばったり。
だから、最初は胡散臭げだった響も少しずつほだされちゃうんですね。

ラストは感動します。「んっとによーー」って舌打ちしたくなるほど甘甘です。

金センセのイラストに釣られて買いましたが、いやいやお買い得ですよ。
もちろん、イラストは文句なし!クールな室生と可愛さの中にスプーン一杯の情の厚さが見えるような奈央ちゃん。
同じ顔なのに強さと柔らかさがある双子。
もちっとがんばれ、橘刑事。
次回作が楽しみです、優先生(今回イラスト無しだもん)。てな感じ。

2

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