BLコミック&BL小説、業界最大級の品揃え!
攻めと受けが再会して学生時代(恋人になって別れるまで)を回想しつつ互いの誤解が解け、復縁するまでが前半。
復縁し恋人になるも、受けの母の症状が一時的に悪化したり、父が家族を捨てていったトラウマで、妹が長野の病院へ移る攻めに着いて行こうとする受けと衝突し、和解するまでが後半。
前半は、攻めと受けの視点が交互に描かれてたので、どちらの心情にも共感できて切なさでいっぱいで、キュンキュンしましたし、再びくっついた時は2人とも末長く幸せになってくれと思い、涙が出ました。
後半は攻めと受けが復縁し傷も癒え、これからラブラブな日々が描かれるのかなって思ったのですが、妹と受けが中心に描かれてたのが残念だなって思いました。家族からも容赦なく責められる受けが不憫で少し萌えましたが、まあ現実はそう甘くないですよね。リアリティという言葉はあまり好きじゃないですが、現実味がありました。
SSも妹の結婚式が中心で残念でした。せめてSSが攻めと受け中心のその後の幸せな日常が描かれてたら間違いなく神評価だったと思います。
高校時代に人知れず触れ合った久住と尚哉。
それは久住の母親と、家庭環境から終わりを告げる。そして9年後、二人は再会するわけですが、久住を裏切り目の前から消えた尚哉はあの時を忘れられず。
もう、二人の気持ちと表に出る言葉や態度がすれ違い、周りの環境(主に尚哉の母や妹)もあって、また離れそうになります。
しかし、尚哉がずっと大切にしていた、裏切りの結果である切符を久住は見つけてしまいます。その時、久住は尚哉の気が付きます。都合のいい解釈かも知れないと思いながらも、尚哉と対峙します。
その時、切符は手を離れ落ちていくのですが、歩道橋から身を乗り出すほどに必死で取ろうとする尚哉、「もう、久住との思い出なんてこれしかないんだ」というセリフにグッときました。
そして「好きなやつ」としっかり言葉にして伝える久住。
もうね、やっとですよ、コレで二人は幸せになれるんだ、と思いました。
が、まだまだ彼らには試練が…
そう、尚哉の妹さんという強敵が。尚哉は優しく家族を捨てるなんて簡単には出来ない。だからこそ久住と離れるべきか、と思うんですが、そこは久住も学習しています!俺はもう、手放す気はない、とキッパリ言うし、最後には「間違えるなよ、俺の幸せは周囲が決めるもんじゃない。お前でもない」と力強い〜!
久住が男前すぎてくらっくらしました。
私が読んだのは旧版ですが、文庫が出ていて書き下ろしが追加されているんですね。
文庫版も読みたくなりました。
評価に違わず良い作品でした。
王道的な「過去のすれ違いからの再会」からはじまる今作ですが、かなり家族というものに重きを置いている作品だと思います。
すれ違う原因となったと言える久住の母親の存在や、見捨てることや見捨てられることへの恐怖を尚哉たち家族に植え付けた尚哉の父親の存在、そして尚哉の母親と妹の存在。それぞれがとても重要な作用を主人公たちの心や行動に及ぼしています。
家族だからこそ大切で、でも家族だからこそ時に傷つけあってしまう。そこに愛する同性の恋人という存在が絡まれば、事態はより複雑に……。二人が愛し合っていればそれでいい、では終わらない一筋縄ではいかない恋愛が描かれています。
また、家族と恋人との間で揺れるジレンマも読みどころではあるのですが、久住と尚哉の甘くて苦い過去や、再会してからの胸が苦しくなるようなすれ違い、想いが通じ合ってからの甘い時間、こういった恋愛部分が本当に良かった。読んでいると胸が痛くなったり、胸がいっぱいになったりしました。
二人が互いを強く求めあっていて、人生でたった一つだけの恋をどうにかしようと悩み苦しんでいて……。とても切なかったです。そのぶん、ラストでは熱いものがこみ上げてきました。二人の道はまだまだ続くのだとしても、「ようやくここまで辿り着けたんだな」とそんなふうに感じられました。
読んで良かったです。
円陣闇丸先生の挿絵も雰囲気に合っていて素敵でした。
切ない作品を読みたい、でもハッピーエンドがいい。そういった方は地雷がないようでしたら是非読んでみて下さい。おすすめです。
※余談注意
余談ですが、個人的にこの作品のイメソンにはglobeの「DEPARTURES」を頭に浮かべてました。季節は違うんですけどね。切ない感じとかがぴったりだなと……。
最後に好き勝手書いちゃってすみません。ほんとに余談ですね!
水に眠る恋は、全部で3つの章からなります。
1章目が本編であり、タイトルと同じ「水に眠る恋」です。
出会いから9年後の再会愛。お互い思いあっているのに、すれ違うという王道ストーリーです。
ここでは攻めの母親が見識の高いキツイ女性で、二人の間を引き裂こうとします。受けはその母親からお金を受け取り、攻めの前から消えるのですが、事実とはかなり違っておりました。でも攻めはそのことをずっと根に持っていたため、最初の出会いはきつかったです。攻めが受けを抱くときは実際痛みを感じたほどです。あぁ、何という鬼畜攻め、辛い、と思いました(>_<) 全編を通じて受け視点が多かったこの作品。ですが途中攻め視点もあり、そのお蔭で攻めの冷酷なイメージが薄れました。それどころか、溢れるほどの受けへの愛を知ることが出来、とても良かったです。
攻めから受けへの過去の誤解が解けて、二人の心が寄り添い、通じ合うまでの描写が本当に素晴らしかったです。
2章目が「幸福の在処」です。
受けとその家族との衝突がメインです。家族を取るか恋人を取るかの選択を迫られます。葛藤し、苦しみ抜いたあと選んだのは、愛する攻めとの悲しい二度目の別れ。でも最後にようやく決断した攻めとの未来。ここに辿り着くまでがホントもどかしく苦しかったです(*´Д`)
やっぱり家族の反対というのは、同性愛者にとって、他の何ものよりも厳しい試練なのだと改めて思い知りました。あとがきで可南先生も「いっそ昼メロ調を目指したい」と仰ってましたが、こうした家族との軋轢に悩む受けの姿を、小説を通して知ることが出来て本当に良かったです。勉強になりました。彼方を立てれば此方が立たず、と諺にもありますが、全ての人を喜ばせ納得させるのは難しいし、あり得ないことなのだと分かりましたorz
3章目が「運命の人」です。
受けの妹の結婚式から始まります。この妹が2章目で受けと攻めの間を引き裂こうとした張本人ですが、兄である受けをとても大事に思っていることが伝わってくるため、キツイとは思いましたが酷い子とまでは思いませんでした。大団円でした(*^ワ^*)
何れも攻めが久住廉で、受けが上原尚哉であることは間違いなく、とても長い道のりを経たけれど、美しい愛の物語でした。皆様もまだお読みになったことがないというのでしたら、是非、お手に取って読まれてみてはいかがですか。私は沢山涙しましたし、最高に良い作品に出合えたなと胸を熱くしております。有難うございました。
『旦那様の通い婚』が面白かったので、可南さんの本をいくつか衝動買いしてしまいました。
あぁ、切なくてもどかしいですね。
9年前、確かに心を通わせていたはずの二人が引き裂かれたのは、他の誰でもない身内のせい…。
久住はただでさえ人を拒んできたのに、やっと好きになった相手に裏切られたと知ったときはどれだけ悲しくて、辛い想いをしたことだろう。
とても感動的でいい話なのですが、久住が遊び人やってた過去にちょっぴりガッカリ…。
あと、最後の方がほぼ妹メインの話になってしまってるのが私としてはいただけなかったです。尚哉が家族の理解を得るのは必要な描写だとは思いますが、エピローグが妹の結婚式というのはちょっと…。
10年の時を経て漸く結ばれた久住と尚哉の感動は何処へ。エピローグは長野でのラブラブな二人が良かったなー。