ボタンを押すと即立ち読みできます!
可南先生はもともと好きな作家さんです。でも今回はこの本が目当てではなく、ある肌色の激しい新刊一冊を購入するのに、恥ずかしいので隠すものとしてたまたま見つけ、軽い気持ちで手に取った本です。
区役所から保健センターに異動した理人(受け)は、そのセンターの所長で、高校時代に片思いをしていた先輩の及川(攻め)と再会します。
頭脳明晰、大病院の跡取り息子で、生徒会長を務め、イケメンクールだった及川は、11年経った今ではよれよれの白衣と寝癖のついた髪、不真面目な態度、と、高校時代とまるで変わっていました。
それでも日々接するうち、過去に封じ込めたはずの気持ちが沸き起こってきて、理人はいたたまれず、つんつんした態度を取ってしまいます。
ある日、飼育放棄されたラブラドールの「クロ」を理人の自宅で一時的に預かることになるのですが、理人は犬に触れないため、及川が散歩を手伝うことになります。高校時代の一番楽しかった頃のような日々に、理人の心が騒ぎます。
理人は潔癖症(病的な酷いものではない)で、及川との辛い恋の結末を未だに忘れられず、恋に臆病になっています。及川は辛い過去のトラウマを抱えていました。そんな二人の思いに切なくなりました。
そしてクロとのエピソードがとても心温まるものでした。
このお話には萌えどころがたくさん散りばめられています。
理人が「クロさん」と敬語を使って話しかけ、そっと撫でてあげるところは「理人可愛すぎ~」と萌えました。
普段は名字で呼んでいる理人ですが、エッチのとき、及川に違うだろ?と言われ、「映、先輩。」と呼ぶところ!…悶えます。
他、色々萌えどころ満載でした。
あとがきで河南先生が書かれていましたが、「地味」な一冊です。派手さはまったくありませんが、保健センターを舞台に、仕事と向き合い、恋や人間関係に対して前を向いていこうとする主人公の姿勢が丁寧に描かれ、読み応えがありました。
たまたま手に取った一冊でしたが、ラッキーな出会いでした!
全体的にほのぼのした作風なのですが、その根底にあるシリアスな苦しさも
二人が11年目にしてやっと誤解が解けた事で恋い焦がれていた相手を
手に入れて幸せを感じられるような作品で素敵でした。
高校時代の先輩後輩関係の先輩で優秀でクールなモテモテの生徒会だった及川と
11年ぶりに再会するのが保健所の所長と事務方と言う再会。
再会してからも、昔と変わらず親しげに接してくる及川に過去の苦しい思いが
甦ってくるようで、いつも冷たくあしらう理人。
11年も前に吹っ切った思いが、及川を見ていると甦りそうで、それと同時に
封印している苦しい思いまでも溢れだしそうに。
学生時代も二人は生徒会の先輩後輩の関係で恋愛関係にあった訳でもないが、
理人は憧れの先輩に密かに思いを寄せていて、ふとしたきっかけで理人の家で
及川が勉強するようになっていた頃、眠っていた及川に触れた理人は及川に
汚いと言われ、拒絶されてしまい、それがこだわりになっていて、元々綺麗好きが
ちょっと過ぎるくらいの潔癖症になってしまっているのです。
それが保健所に捨て置かれた飼育放棄のワンちゃんがキッカケで二人は少しずつ
昔のような関係になって行くのですが、過去の汚い発言が実は理人が思っていた事実と
全然かけ離れていて、及川の過去の辛さや苦しさが胸を打つ展開でしたね。
思春期時代にこんな辛い目にあった及川が、外科医より予防に力を入れる、
病気を診るより人を診たいと思えるにはどれくらいの苦しさを味わったのかと
思うと切なさを感じてしまいました。
二人の長年の誤解が解けて、相愛だった事が解り、最後の一歩を踏み出すのが
まだどこかで過去に囚われている及川では無く、理人からの一歩と言うのも良かった。
ラストもほのぼのした中に甘さが見える感じで素敵でした。
ほのぼのとしていて、読んでて心が温かくなりました。
舞台は保健センター。
そこの若き所長、及川と、事務の理人のお話です。
及川は、過去に大学病院勤務の優秀な外科医だったにも関わらず、今は保健センターで地域の方と和やかに日々を過ごしています。
ちょくちょく席を離れてフラフラしてしまう為、その都度理人が小言を言いながら連れ戻したりするのが日常になってますが、そんな彼らは実は高校の先輩後輩関係。
高校時代、生徒会長で文武両道だった及川に憧れていた理人は、生徒会に入り直接話すようになって、段々とその気持ちが憧れを越えて好きに変わっていきます。
自分を一途に慕う理人を及川も可愛がり、ふとしたことから理人の家で一緒に勉強したり食事をするようになって、彼らの距離はより縮まっていきますが、些細なすれ違いをきっかけに、卒業と同時に二人は離れていきます。
再会した後も過去のわだかまりが溶けないまま、理人は及川につんつんした態度を取ってしまいますが、一方及川はそんな理人によくちょっかいをかけて楽しそうにしてます。
が、そんな一見明るい及川も、家庭環境での辛い過去があり、「綺麗な存在」である理人に対して、自分からは一歩も踏み出せません。
そんな彼らの距離を縮めるキーパーソンならぬキーアニマル?が、保健センターに捨てられていたラブラドール。
この子、恐らく飼い主に余り可愛がって貰えなかっただろうに、非常に人懐っこく大人しい賢い子なんです。
この子が直接何かをするという訳ではないんですが、クロさんの素直さに勇気付けられて、理人は及川に自分の気持ちを伝えていきます。
及川が過去のトラウマもあって、理人を想うあまりにちょいヘタレ気味なので、その分たどたどしいながらも理人が頑張ります。
この理人が本当に素直で真面目ないい子なので、「映先輩」って言わせて構い倒したくなる及川の気持ちがよく分かります笑
二話収録されており、表題作が二人が恋人同士になるまで。
続きの「離れるなんてできないけれど」には、恋人ならではの不安などが書かれていますが、基本的に甘々でほっこりしてます。
穂波先生の挿絵も、手の描き方が何かとてもセクシーで、どきどきしてしまいました。
ほのぼのとしたお話や、犬好きの方にお勧めの一冊です♪
はー…やっぱりいいですね可南さんの作品は。
読んだ後幸せな気分になれます。今まで読んだどの物語も、カップル二人がただラブラブな描写だけではなく、脇役が魅力的だったりします。二人を支えたり、見守ったり、ときには壁となったりする人物もいるわけですが、今回の二人を繋いだのはラブラドールのクロでした。
あらすじは他の方が書いて下さってますので割愛させていただきますが、クロさんがいなければ恐らく及川が理人の家に頻繁に訪れることもなかったでしょうし、まさにキューピッドですね。長生きしてもらいたいものです。
大病院の跡取り息子で、学生時代は生徒会長で、誰もが羨む優等生だった及川の過去は、結構凄惨でした。
そして、好きな人から「汚い」と言われて、その意味を勘違いしたまま大人になり、潔癖になってしまった理人の純粋すぎる心が痛々しいです。
及川と付き合いはじめ、クロのおかげもあって少し改善されたみたいで良かった。
あと、理人の作ったご飯、私も食べたい。とくにいなり寿司…。
今作も、夏が舞台の物語で今の時期読むにはぴったりでした。
可南さんの本は、福山雅治の『ひまわり』でも聴きながら読みたいですね〜。
保険所を舞台にほのぼの進行するお話。
ホテル申請や感染症予防など、地味ながら身近な話題が興味深い。
それらのエピがメイン二人の距離を縮めるのに効果的に使われていることもあり、冗長感なく読めるお仕事BLでした。
保険センター職員の理人と、所長の及川。
高校の先輩後輩で、11年ぶりに再会した二人。
理人は、当時片思いしていた及川に拒絶されたトラウマから
親しげに接してくる及川につれない態度をとってしまう。
しかし、保険所に置き去りにされた犬を理人が預かることになったことで、及川が昔のように家を訪ねてくるようになり…という話。
理人の高校時代のトラウマ。
うたた寝していた及川に触れたとき「汚い」と拒まれたこと。
そのせいで、元々あった潔癖症が悪化してしまいました。
しかし、「汚い」とは及川自身に向けての言葉でした。
義母に性行為を強制され、荒んだ家庭で十代を過ごした及川。
純粋でキラキラした理人の存在や温かい手料理は心の支えでしたが、
自分が触ったら綺麗な理人が汚れると自制していました。
誤解が解けた二人は、理人の家でラブラブに♪
ここでの萌えポイントは、及川の敬語ですね~~。
「俺だって好きな子とするのは初めてですよ?」とか、
本気の告白のときテレ隠しで敬語になる感じが変にリアルw
敬語と言えば理人も。
犬を「クロさん」と呼び、
「よければ少し…触らせてもらってもいいでしょうか?」とか、
おっかなびっくり感が可愛いし、丁寧な口調に誠実な人柄が出ています。
ただ、クロさんを理人に押しつける及川がちょっと嫌でしたw
「動物に触れない」って言ってるのに、アレルギーや噛まれたトラウマの可能性も考えず押しつけるのは、無神経じゃないかな~~。
まあ結果的に理人も慣れて、クロさんも幸せそうで良かったんですけど。
辛い過去も表に出さない及川は非常に強い人物ですが、
心の支えである理人の前ではちょっと可愛くなる感じに和みましたv
トラウマを扱ったシリアスな題材ながら、暗い気持ちにならないのは
及川のキャラクターや、クロさん飼育エピのおかげでしょうか。
心がじんわり温かくなるような優しい物語でした♪