てんてん
本品は「オメガは運命に誓わない」の文庫挟み込みのアンケート送付
すると頂ける全員サービスペーパー(現物は小冊子)です。
本編後、黒江視点で食事会を企画するお話です。
黒江の祖父は長年小さなレストランを営み食べる事や飲む事、皆が
楽しくおしゃべりするのを眺めるのが好きな人で、自分の葬儀に
きて下さった方には最高級のアペリティフを楽しんでほしいと遺言
するような人でした。祖父亡き後は叔父夫婦があとを継いでいます。
千里がパートナーになって半年、関係はすっかり落ち着き、週末は
必ず黒江の家で過ごすようになっていました。そろそろ一緒に暮ら
そうという黒江の再三の提案にやっと千里がその気になってくれた
ところです。
一緒に暮らすなら報告も兼ねて叔父の店で両家で食事会をしたいと
の黒江の提案に千里は難色を示します。千里は必要に応じて両親に
連絡はしているものの、実家には数年帰っておらず、あまり自分の
家族と上手くいっていないのです。
その為、黒江との家族と叔父夫婦とで食事をすることになります。
千里はマッチングをかたくなに拒んでいたくらいで、黒江の伴侶と
して紹介される事はあまり気が進まないのではとも心配した黒江で
すが、千里はあっさりと否定して黒江の家族に会えることを楽しみ
だとさえ言ってくれます。
そして迎えた食事会にて黒江は・・・
前作「運命の向こう側」同様、告知段階ではペーパーでしたが、
文庫サイズの小冊子というボリュームアップバージョンで届きま
した。今回も応募して良かったです ヾ(≧▽≦)ノ
つくづくオメガは不思議だと思います。千里は黒江の家族や叔父
夫婦と和やかに歓談していて感心させられたのです。アルファは
そこにいるだけで周りに緊張を強いるのに、母も千里も当たり前の
ように周囲に和み、さらにその場を和ませていたのですから。
会食はつつがなく終わり、黒江は千里に巡り合え伴侶になっても
らえた幸運をかみしめます。そして千里に黒江をパートナーとし
て紹介したいと言われて、自分が愛する伴侶を寂寥から守れるの
だと嬉しく思う
・・・と言う幕引きまで黒江が幸せをかみしめるSSでした。
本編では頑なな雰囲気が強い千里ですが、黒江との関係がとても
良好な事が感じられます。だからこそ疎遠な両親に黒江を紹介し
たいと言い出された事は黒江にとってなによりの喜びだったと
思います。
小説誌が少なくなって商業の番外ってなかなか読めないので、
こういう企画は貴重です。ショコラが新書から文庫レーベルに
合った様な全サ小冊子企画がまた復活して欲しいです!!