イラストあり
アルファとオメガの本能で求め合うのではなく、純粋に「相手が好きだ」という気持ちでする、初めての恋ー
発情期が来ると、心は嫌がっても体がアルファを求めてしまう、そんな自分のオメガ性を受け入れることができない主人公千里(せんり)の葛藤に共感し、読みながら拳をぐっと握ってしまいました。
『運命の向こう側』のスピンオフ作品である、こちら。
スピン元未読で読んだのですが、特に問題ありませんでした。
でもスピン元のカップル達が何度か出てくるので、知っていたらより楽しめる気がします。スピン元も後で読んでみよう…
個人的に、偉そうなアルファってなんだか好きになれないことが多いのですが。(そしてアルファは大概偉そうにしてる!!!)
何故か分からないけど、千里のこと「あんた」とか言うし最初は体の関係からだし「発情を収めやった」なんて思っていた黒江(攻)なんですけど!!!!
この攻め様、可愛いいいいんだ…!!!//
発情してしまった千里が「嫌だ」と否定する意思を見せたのに体を重ねてしまってからの、しょぼんとした大型犬のような様子。
連絡手段を全てシャットダウンされながら、どうにかして千里とコンタクトを取ろうと千里の知人に片っ端から連絡を取る。そして千里の姿を見つけると、まるで主人のご機嫌取りをするワンコのように不安そうに様子を伺う。
許してもらいたくて、声をかけてもらいたくて、祝賀パーティのレストランの隣の席でちらちらと隣の千里を気にしている描写とか、大好きな千里に頭が上がらない様子に、めちゃめちゃ萌えてしまいました( *´艸`)
作中にもあるように、「ただの一般人」同士としてなら、ほぼなんの問題もなくカップルになれていたであろう二人。
それなのに、「アルファ」「オメガ」という第二の性のせいで、本能の赴くままに体を重ねてしまい、自分の「意思」が一体どこにあるのか?ということが分からなくなってしまうー
…ううう、めっちゃ切ない。。
終盤、強力な抑制剤の効果で発情を抑え、やっと千里が落ち着いて自分の心を見つめられるようになった時は、心の中で拍手と快哉を叫びました・:*+.
バース性に悩んできた二人が、バース性を飛び越え、そんなものが関係ないところで結ばれる物語。タイトルどおり、「運命に誓わない」強い強い絆を感じさせてくれる物語でした。
一般人からはビビって遠巻きにされちゃうような「俺様αがΩにだけは弱い」関係性が読みたい人にはオススメです!
Ωの苦悩やαの孤立感など、他とはちょっと違うオメガバースの世界観が良かった。ふわふわしてないオメガバースというか。
表紙絵から、もっと俺様大人な攻め様かと思ったら率直で少し子どもっぽいような魅力を持つαの攻めでした。そして、俺様なんだけど受けに対してはワンコみがある。
受けは…うーん、本人も言っていたけど、一番バース性に囚われてがんじがらめになってる感じ。
本能と心は別…ごっちゃになってしまうような体質と環境だったので理解は出来るけど、、周りから見ると受けも攻めが好きなのは明らかなのに、あまりに攻めが振り向いてもらえなくて片思い状態で可哀想(笑)
前作未読ですが、お話は楽しめました。
複数CPと子どもたちの説明は誰が誰やら…でよく分からなかったけど本筋には関係ないので無問題。
受けが発情しちゃうところは色気がすごくて、こちらまで色気に当てられてクラクラするし緊迫感がある。
エロはエロい。
アート作品の描写が美しい。(実際に見てみたい)
それらがきちんと伝わってくる安西先生の文章力に脱帽です。
個人的にはお話もキャラも嫌いじゃないけどハマりきれなかったけれど、安西作品は読みやすく、一定以上の面白さがきちんとあるので大好きです。
ガツンときました。感動しすぎて戸惑ってます。
もともとオメガバが苦手設定なので、積極的に読もうと思ってなかったのですが、最新“普通<ベータ>の恋人”があまりによかったので、こちらに遡ってきたのですが…。いやもっと早くに読めばよかった。でも読めてよかった。安西先生すごいな…と震える傑作でした。もしかしたらこれが一番好きな安西オメガバかも…、特殊設定で描かれているのに、普遍的なテーマ性を感じて感じて仕方ない!もうこれはBL好き以外の読者にも読んでほしいくらい、ジェンダーと恋愛、そして偏見について考えさせられる良作だなと思いました。さらに、ミドリノエバ先生のイラストが、スタイリッシュな二人の雰囲気にめちゃくちゃハマってて、装丁含めて神+くらいの評価にしたいです。
すでに他のレビュアー様が、”ほんそれ!”な感想を寄せていらっしゃるので詳細はそれを参考にしていただきたいです(笑)。ただ私は、 “え?まさかのアルファの片思いで終わっちゃう!?”って本当にハラハラするくらい、かなり後半まで切ないモードでした。だからこそ、ラストの感動が大きかったです。私の貧困な語彙力を駆使して数百文字で表せられないくらい、いろいろと押し寄せるものがありました。感謝です!
二人ともお互いに気がない関係から始まるのが新鮮で、どの段階で好きになるんだろうと読んでいて楽しかった。
子供ばかりがいる部屋のシーンでは、自分も千里同様「うわっ」ってなった。臭くてうるさそうなのが伝わってくる。
黒江のまえで二度目の発情してしまって、また黒江に抱かれてしまう。終わったあとで好きだと気持ちを伝えられて、拒絶する千里。
白根沢に失恋した千里も、つけ込んだような形になってしまった黒江も、両方の気持ちも汲み取って考えるとつらい。
発情の限界点に達して理性が吹っ飛び、ただ黒江を誘惑することしか頭にない千里がえろ過ぎた。反して「二度とあんなことはしない」と千里と約束した手前、必死で耐える黒江も健気で良い。
面白かった。
「運命の向こう側」の関連作。今作で、小野は双子の母になってました。
小野のグルプ会社の社員、千里は、ややこしいこだわりを持っているオメガ。
オメガバースのバースルールの中で 本能の衝動なのか、 本当の愛なのかハッキリ線引きできず、恋に踏み込めない。
オメガの千里とアルファの黒江の二人が出会う。二人とも、自分のバースを非公開で社会の中で活動している。
黒江は千里がとても気になり、惹かれている。
でも千里は、一般人の教授が好き。その教授の教え子の一人が黒江。
色々あって、発情していない状態で確認したら、千里は黒江に惹かれていると分かり、一段落。でも結婚はしない。子供が生まれるまでそのまんま。
色々ややこしいΩの千里。ややこしくて、拗れ具合が面白い。
自分自身に鈍くて素直じゃないな、と思ったけれど、それが面白さの一つになっていました。