心優しき貿易商×異国の花嫁+ちびっこの、戦うお嫁さんファンタジー!

遠い国の小さな花嫁

tooi kuni no chiisana hanayome

遠い国の小さな花嫁
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神15
  • 萌×25
  • 萌2
  • 中立2
  • しゅみじゃない2

184

レビュー数
5
得点
103
評価数
26
平均
4.1 / 5
神率
57.7%
著者
あべちか 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
六芦かえで 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
Ruby collection
発売日
ISBN
9784041090718

あらすじ

雪深い町に、遠い国から男の花嫁がきた。
たった一人で嫁いで来たサガルは、妻に先立たれ幼い息子を持つローランの妻になった。
貿易商の仕事で一年で冬の間しか町にいない彼の代わりに息子の子育てを担う一方で、寡黙だが優しいローランと穏やかで温かい夫婦の絆を紡いでいくサガル。
しかし彼には、夫には秘密にしている別の姿があった。
平和な幸せを壊したくないサガルだが、その素性を追う者たちが次々と町に現れ――。

表題作遠い国の小さな花嫁

ローラン、1年の大半を王都で過ごす子持ちの貿易商
サガル、遠い国からローランに嫁いだ男の花嫁

その他の収録作品

  • ぼくたちの家族旅行
  • 冬を待つ
  • あとがき

レビュー投稿数5

哀しい人造の生き物

なんで、そんなに評判になっているの?と興味深々読みました。
サガルは、ポケモンの「ミューツー」に似ている。

凄く悲しい、近未来の南の国(多分日本国)で、王族が開発した試験官ベビーのSF・サスペンス。
一章進む毎に「嫁に来たサガル」の秘密が明かされる、展開が遅い前半、気が長い人向けの小説。
印象深い箇所をメモ。

神父の紹介で結婚したサガル。
婚礼式の翌日、夫は出稼ぎに出立。
青いサガルの花嫁衣裳を、都で夫がうっかり貴族に売却してしまってから起きる、謎の「姫の靴」事件。

実は「サガル」とは南の国の人間兵器の名称
指令の解除が必要なサガル。
外観は全く人でも人じゃない。サガルは、感情を制御された不死身の究極の生物兵器、
ラウルの嫁は、サガルの中でも特別な「姫のサガル」だった。
試験官の中にいるサガルを覗いて呟いた姫の言葉「貴方は私の希望」は、姫のサガルの宝物。
「人権というものを蹂躙され尽くしてきたサガル」に、姫が呟く解放の言葉は「幸せになるのです」。

造った後に困るようなものは作っちゃいけない。読後、凄く悲しくなった。

0

読み応え充分な一冊

とても分厚い本で更に2段組で、いつ手をつけようかと思っていました。

でも読み始めると止まらなくなるほど面白いです。一冊でシリーズ物を読み終わった満足感がありました。

初めは打算でサガルと結婚したローランが、彼を愛するようになって大事にして行くのに何年も掛かっているのがとても良いです。
でもダラダラした文章で無いのが読み易いのです。

必要な箇所で他者視点で書かれているのも分かりやすくて面白かったです。

サガルの正体や強さに後半はワクワクしました。
そして遠い国の姫さまが登場してから、彼女視点で語られるサガルとの過去には涙が溢れました。

心配だった貴族と平民の問題も姫さまが解決してくれたので最後は安心出来ました。

登場人物全員が必要不可欠な物語でした。

年末年始の時間がある時期に是非読んで欲しい一冊です。

1

重厚壮大な物語

花嫁、子ども、体格差、避けがち三要素だけどもフォロワさんのヤバBLということで読んでみたら!ちょっとワケありな花嫁がちょっとどころじゃなくて上の上の上の展開!人情、日常、異国の風情、策略、温かみと血生臭さ、心の在り方、壮大すぎて深くて重くて優しくて!どすんです。 ふわふわファンタジーかと思ったら骨太だった!
無骨なローランと健気なサガルが何年も時間をかけて心を通わせるのがね、もどかし~2人の人柄が端々に感じられて、お互いを思うからこそ出てくる言葉、出てこない言葉にギュッとなる。受け入れる準備をこっそりするサガルちゃん、可愛すぎ~二人とも潔くて守るもののためにはすごい行動しちゃうのとかカッコイイ!!!

0

ほっこりファンタジーだと思ったら

あらすじ斜め読みかつ‘あ、なんか子育てファンタジね、好き好き’と見切りで購入。
ちょっとお高いわ~と思ったけど、全然お値段相応の内容でした。

エンタメBLというか、戦闘モノSFというか、さらに子育モノかつ
身分差・体格差etcといった萌え要素も織り込んでいて、非常に個人的好みをついてきます。
なにこれ面白いとよくよく本書のあおり文言をみると「~戦うお嫁さんファンタジー」とちゃんと書いてある。見落としてた。
結構ガチで戦ってます。
最初はちょっとしたふれあいが年いちペースで続いて、あっというまに
5,6年経っちゃたりして、そのわりにはページ数すすまないし大丈夫かなこの二人、数十年かけてのふんわり触れ合いの末合体するの?と思ってたら、徐々にお話の角度が変わってくる感じです。

主人公二人(攻・受)どちらとも秘密が多くて、なかなかそれがお互いや
読者に開示されないのがもどかしいんだけど、それがぐんぐん読ませるし、その内容もわかってみれば納得できるものがあって、
‛そんなことでお互いを悲しませてたんかい’というツッコミ不要感もよかった。

またメインキャラはもちろん、サブキャラモブキャラそれぞれ人物像がしっかりしてるなあ、と。
特に貴族のお嬢様に関しては、その心情に一番感情移入できてしまった
(貴族でもないのに)。

色々な要素盛りだくさんで、最初にこんな作品かいちゃったら、次の作品
大丈夫かな?と心配になるくらい。
ぜひ作者様にはその心配を裏切る、本作に負けない次回作を書いてほしいです。

2

可愛い花嫁モノではありません

今回は平民ながら自国の流通の要を担う子持ちの貿易商と
遠い国から嫁いできた訳ありそうな青年のお話です。

身分制度に縛られる攻様が妻に迎えた受様の事情に巻き込まれながら
苦難を超えて親子3人の幸せを掴むまでと後日談的短編2本を収録。

攻様の育った北の国の田舎町の男達は一年の大半を出稼ぎに出、家族
とは冬の一時のみ過ごす生活をしています。

攻様が継いだ家は代々王都での行商と貴族の護衛を生業としています。
攻様の妻は息子を出産して亡くなり、攻様はまだ1才の息子と留守を
任せられる人物を探していました。

しかし、町の神父から紹介されたのはなぜか再婚相手の青年でした。
その相手こそ今回の受様です♪ 受様は花嫁としてずっと南の遠い国から
やってくるのです。

受様は婚礼衣装とわずかな荷物のみで攻様の元にやってきます。攻様は
かなり大柄な男で受様はかなり小柄だったことから、初めて見た受様を
花嫁とは気づかず、手伝いの子供と勘違いして「この結婚は形だけだ」
と言って受様を驚かさせます。

しかも花嫁を待たず酒宴は進められていて、受様はせっせとつくった衣装
を身につけられぬまま、神父の前で攻様とともに誓いの言葉を言うハメに
なります。

攻様は宴を抜けて向かった寝室で「形だけの妻」という最初の言葉を取消
はしませんでしたが、息子を紹介して「受様が来てくれて良かった」と言
ってくれます。受様は攻様の真摯な眼差しに彼と息子と供に歩いて行く事
を誓います。

その夜は攻様は宴会に呼び戻され、受様は嫁入り道具の荷ほどきだけで疲
れて眠ってしまいます。翌日も攻様はかなり忙しく、沢山の荷物の整理を
始めます。そのうち近所の人が手伝いに現れて家の事と色々と教えてくれ
ました。

そしてその夜、攻様はやっと2人になった受様の荒れた手にクリームを塗り
込みながら、自分が行商と傭兵をしている事、冬の間しかこの家にはいな
い事、明日には出立する事を告げ、翌朝には一団を率いて旅立ちます。

それから受様は攻様の一人息子を育てながら、冬毎に村に帰る攻様をまつ
暮らしを始めます。この町で4度目の冬の訪れを待つ頃、受様は神父から
領主の嫁の話し相手をして欲しいと頼まれます。

領主の嫁は貴族の三男で受様より年下の男嫁です。元々王都で騎士見習い
をしていただけあって背が高くガタイもよい男ですが、ベッド以外で興味
がないのに毎夜挑んでくる夫への不満を愚痴るのですが、受様には惚気の
ようにしか聞こえません。

そもそも受様は攻様と身体を繋げたことがないのです。受様は毎年、息子
と攻様の帰りを楽しみに待ち、3人で穏やかな日々を過ごします。攻様も
受様を妻として大切にするのですが、攻様は受様に言えない秘密がありま
した。

この国では貴族と平民には明確な格差があります。平民はどんなに財力が
あっても貴族に対抗する事は出来ず、理不尽な言いがかりにも否とは言え
なかったのです。

攻様は4年前に王都に戻った際に行商の品に紛れていた受様の婚礼衣装を、
雇い主である貴族の娘に売ってしまっていたのです。翌年の冬にはその事
を知り、雇い主の娘と交渉しますが、面白がっているのか娘は全く聞き入
れてくれません。

しかも彼女はガウンを纏って出た舞踏会で、背の低い姫君にその入手元を
熱心に訊かれたと言うのです。その上、攻様は酒場で受様と同じ名前をも
つ足の悪い脱走兵を探しているゴロツキと出会うのです。

受様を自分の妻として守ると誓っている攻様ですが、嫌な予感がしてなり
ません。

果たして受様の過去には何があるのか!?
そして2人の恋の行方とは!?

WEB小説サイト「ムーンライトノベルズ」にて連載されたWeb小説に加筆
修正しての書籍化で、北方の国を舞台にしたファンタジーです♪

最初は寡黙な攻様に過去を秘密にしたまま嫁いだ受様の花嫁モノなのかな
と思って手にしたのですが、主役2人の状況は幸せな恋を育むにはかなり
な難問を抱えていて、2人の恋物語では終わらないすごく深いお話でした。

身分制度に縛られた攻様は前妻が受けた苦労を息子と受様にさせない為に
受様には自身の家業について詳細は秘しています。そのため受様の手が
荒れていても脚に銃創があっても足指が欠けていてもそれについてあえて
訊ねる事はしませんでした。

受様は自分の名「サガル」を「よくある名前」と言い、攻様が出会った同
じ名を持つ女は「特別な存在の名」だと言い、ある人物を探す女は「複数
の人間につく呼称」だと言います。

攻様は受様の名を持つ人物を探す者達がその名を持つ者を「脱走兵」「裏
切り者」と呼び、その命を狙っている事に不安を覚えていきます。そして
受様はその出生と過去ゆえに他の人々同じように考えたり、行動したり出
来ないモノだったのです。

本作には様々なシーンで鍵となる言葉や言動が潜んでいますが、受様と
皆の探す「サガル」が受様とは重さなりません。受様の過去に迫る攻様と
一緒にハラハラしつつ、とっても楽しく読めました (^O^)/

そして真実が明かされても、誰かにとっての正義が誰かにとっての悪で
あり、誰かの幸せが誰かにとっての不幸になったりと、全員にとっての
大団円ではありません。

それでも受様の主人であった人は受様の幸せを祈り、受様は攻様と彼の
息子を脅かされる事の無い力を与えられ、物語としての終幕はとても
スッキリしていて読了感もすごく良かったです。

でも受様が男嫁でなくてもよくないか!?とも思えてしまったので、評価は
「萌2」としました。貴族の後継問題で同性婚(領主の後妻も男嫁)ありで
受様が男嫁設定なのも無理はないのですけどね。

次作に大いに期待したいです♪

今回はレーベル繋がりで栢本みおりさん『悪逆貴族の身辺整理』をおすす
めとしたいと思います。こちらも設定がとても面白いお話です。

4

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