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表題作野良猫とゆびきり

榛名悟,市役所職員
佐久間絢斗,22歳,フリーター

あらすじ

不遇な環境でひとり生きてきたフリーターの絢斗(あやと)。
ある日突然、音信不通だった母親から幼い妹を預けられる。
市役所に保育園の相談に行った絢斗の前に現れたのは、真面目で堅物の職員・榛名(はるな)。絢斗の事情を知らない榛名は「責任もって子育てできないなんて野良猫以下だ」と説教を始める。「てめえがオレの何を知ってるんだよ」と逆上する絢斗だったが……?

堅物公務員×苦労人フリーター。最悪の出会いから徐々に互いの過去の傷を癒し、魅かれ合っていく。人を信じることに臆病になっていた二人が交わす約束のゆびきりとは?

作品情報

作品名
野良猫とゆびきり
著者
高津あき 
媒体
漫画(コミック)
出版社
スタジオC.I
レーベル
ハルト
電子発売日
3.5

(12)

(2)

萌々

(7)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
1
得点
41
評価数
12
平均
3.5 / 5
神率
16.7%

レビュー投稿数1

王道のストーリーながら、萌えポイント多し。

初読みの作家さま。
電子でさわりだけ読んで、すっごくツボに入ってしまってそのままお買い上げしました。

ネタバレ含んでいます。ご注意ください。




主人公はフリーターの絢斗。
子どものころに父親が蒸発し、以来優しかった母親は豹変。入れ代わり立ち代わり男が出入りするようになり、ネグレクトされ続けてきた絢斗は母親とは疎遠になり孤独に生きている。

そんな絢斗のもとに久しぶりに母親が訪ねてきた。
と思ったら、父親違いの妹の恋(「れん」と読む)の面倒を見てくれと言い放ち早々に帰ってしまう。フリーターで金銭的な余裕もなく、小さな子どもである妹を放っておけず公的な援助を求めて市役所に向かうが、そこで出会った児童福祉課の職員・榛名に反対に説教されてしまい―。

というお話。

絢斗という青年は紛うことなき薄幸青年です。
母親の連れ込んだ男たちに暴力を振るわれ、母親からは愛情をもらうことなく、一人で生きてきた。
恋を置いていかれ、手に余りつつも懸命に恋のために奮闘する。

それは、子どものころに愛されなかった自分のような思いを恋にさせたくないから。

そんな絢斗と出会ったのが榛名。
榛名は、市役所に絢斗が初めてやってきた時、子どもの世話もしない責任感の無い若い父親、だと絢斗のことを勘違いし説教してしまうが、実はそうではないと知る。

事情を知りもせずに発言してしまったことを恥じた榛名が絢斗にきちんと謝罪することで二人の距離は縮まっていくけれど。

榛名という男性は、四角四面で不器用な男性ですがそれもこれも真面目に職務に向き合っているから。誰からも後ろ指の差されることのないよう、彼は日々真面目に生きている。

なぜか。

それは榛名の過酷な過去に起因していて―。

絢斗。
そして、榛名。

二人の不器用な男たちが出会い、そして恋に堕ちた。

もうね、絢斗の可愛さがたまりません。
誰に守ってもらうことなく、必死に生きてきた彼が榛名という男性と出会ったことで少しずつ素を取り戻していく。タイトルについた「野良猫」って絢斗のことだと思うのですが、まさに言いえて妙。

少しずつ榛名に懐いていく絢斗の可愛さに萌えが滾って仕方ありませんでした。

そして榛名も。
両親亡きあと自分を可愛がって育ててくれた祖父母に報いたい。
その一心だけで突っ走ってきた彼が、絢斗と出会い、そして恋を知り。自分が欲しいと思ったものを欲しいと言える強さを、彼は得た。

絢斗を取り巻く大人たちは外道ばかりで、絢斗だけではなく恋のことも置いていった彼らの母親には呆れるばかりですが、絢斗、恋、そして榛名、榛名の祖父母がとても優しく、読後気持ちが温かくなる。そんな優しいお話でした。

恋や榛名の祖父母たちが、とにかくいい味出してます。
可愛いです。
そしてタイトルの「野良猫」も可愛い!

濡れ場はほぼなくあっさり目なので、そういう描写が少ない作品はちょっと…、という腐姐さまにはお勧めしづらい作品ではあります。ストーリーも、バッサリ言ってしまうとよくあるお話で王道といっていい展開のお話ではあります。が、絵柄も綺麗で、読みやすく、多くの腐姐さまの萌えを呼びそうな作品でした。

次回作も期待して待っていようと思います。

3

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