小説

  • 拾った熊が僕のベッドに棲んでいます。

拾った熊が僕のベッドに棲んでいます。

hirotta kuma ga boku no bed ni sundeimasu

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表題作拾った熊が僕のベッドに棲んでいます。

熊辻旭,29歳,熊の獣人
小鳥遊深月,19歳→20歳,大学生

その他の収録作品

  • 描き下ろし

あらすじ

ある朝目覚めたら、僕のベッドに大きな熊が寝ていました――。両親を亡くし、天涯孤独に生きる大学生の深月。唯一の楽しみは大ファンのギタリスト・旭の演奏を聴くことだったが、ある日その旭が怪我をして行き倒れているところに遭遇してしまう!! 何やらわけありそうな彼の身を案じて、自宅に連れ帰った深月。すると翌朝、大きな赤毛の熊に姿を変えた旭がそこにいて…!? 赤熊族の御曹司と孤独な青年のキュートなほろ苦ハートフル・ラブ。

作品情報

作品名
拾った熊が僕のベッドに棲んでいます。
著者
藤崎都 
イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344845985
3.2

(8)

(0)

萌々

(3)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
5
得点
25
評価数
8
平均
3.2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数5

モフモフファンタジー

藤崎都先生の作品、久しぶりに読みました。
私の購入基準なので、金ひかるイラスト作品は問答無用で内容ノーチェック予約したからなんですが。
もう、このカバーイラストの、精悍でガタイのいい攻めに、攻めよりはずっと小柄だけど別に女っぽくはない普通容姿の受けってところからツボです。
更に、ストーリーも、薄幸だけど自立して頑張っている健気な受けと、ちょっとヘタレ入った攻めが運命の再会を果たして、その上モフモフ熊さん要素まで盛り込んでと、初心者だったころの私に向けて、絶対好きなやつだから読め!と言いたくなるような、そんな王道バンザイな作品です。
この本の難点を強いてあげると、ノベルスのリンクスロマンスレーベルから出ている事でしょうか。
文庫版にして、少しでも安く敷居を低くして、初心者さんに手に取ってもらいたい本です。

3

熊のモッフモフ感が堪らん!

無性にタイトルに惹かれてしまい、手に取りました。
熊の獣人×孤独な大学生の人外ファンタジーです。


内容としては、憧れのギタリストは熊の獣人・旭で、
深月は路上で怪我した旭を保護して連れ帰るーー
というところからストーリー展開していきます。

旭はワケあって同族から追われており、
匿う深月は旭にどんどんに惹かれていきます。

実は二人は15年前、深月と両親が巻き込まれた事故の際に一度会っています。
その事で旭と深月は気持ちの行き違いが生じてしまうのですが、
深月が当時の事故と向き合うことで誤解は解けていきます。
惹かれ合う二人は〝赤熊族〟の掟に従い番になるのです。

二人が惹かれ合うのがちょっと早すぎるかな?と思い、
そこは少し違和感が……
だけど旭の家族がとても温かく受け入れてくれ、
早くに両親を亡くし、ずっと家族が欲しかった深月の気持ちを考えると嬉しくなりました。

「うちの子を好きになってくれてありがとう」

旭の母のこの言葉ーー素敵ですね♡
誰もが一度は言われてみたい言葉なんじゃないでしょうか?


ストーリーとしては驚くような展開はなく、
それほどドキドキもワクワクもしないのですが、
熊の獣人という点においてそのモフモフさには非常に癒されました。
実際のクマよりもフワフワでモフモフな感じで描かれていて、
いい匂いまでしてきそうなほどです。
途中途中のイラストも可愛すぎて顔がニヤケます^^

安心して読めるハートフルストーリーです。
モフモフに癒されたい方は是非ご一読ください!



4

読みやすく、かわいい

『朝起きたら赤毛のクマに抱きつかれて眠っていました』なんて、もうそれだけで幸せいっぱいになれるエピソードではございませんか!
モフモフ萌えってこういうことを言うのね……良く解りました。

小鳥遊の両親は、彼が幼い頃に土砂崩れで亡くなっています。
彼を医者に連れていく途中の事故だったので、罪悪感をずーっと感じているんですね。
で、その頃の記憶が彼にはない。ただひっそりと生きていこうとしているんですけれども。
そんな彼がASAHIというギタリストの演奏を聴いて心を揺さぶられる。
地味で控えめな彼には珍しく、そのギタリストの大ファンになっています。
ある夜、大怪我をした男性を助けたら、なんとそれがASAHI!
介抱の後、家に泊めた翌朝、目が覚めたら冒頭の様なことに……

『小鳥遊の両親が亡くなった真相と旭の正体』を解き明かしていく中で、2人の恋が進んで行く様が書かれていますが、読みやすい文章でさらりとお話が進んで行くので、さらりと読めます。
かわいい。
出てくる人たちも、お話もかわいい。
言っていることと、やっていることが『深読み』しなければならない登場人物はおらず、胸糞悪いエピソードもありません……なので、強いて言えば「その分、喰い足りない感じがする」という感じを持つ方もいらっしゃるかも知れません。
『滅多にしない肉体労働』をやらねばならず、筋肉痛に苛まれている今週の私にとっては、ジャストフィットなお話でございました。

2

過去を乗り超え未来を掴む

今回は赤毛のギタリストで熊人の末裔と天涯孤独の大学生のお話です。

受様が怪我をした攻様を拾った事から始まる同居生活の顛末と
攻様の実家での一コマを切り取った幕間的短編を収録。

受様は幼い頃からひどい喘息持ちで、両親は養生を兼ねて山荘暮しを
始めます。しかし、ある嵐の日に受様の体調が急激に悪化し、医師の
元へと向かう途中の道で土砂崩れに巻き込まれ、受様だけが奇跡的に
助かります。

大学生になった今も受様は生きていくことに必死でただ毎日を過ごす
のみでした。そんな受様の心を動かしたのは、あるギタリストの演奏
でした。

それは友人の代理でバイトに入ったステージの生演奏が売りのバーで
偶然耳にした演奏で、繊細なのに力強く、暖かいのにどこか寂しく、
抱きしめてくれるような包容力があり、受様の心に寄り添われている
ようで、受様は涙が止まらなかったのです。やむなく洗面所に駆込み、
何とかフロアに戻った時には彼の姿はもうどこにもありませんでした。

もう1度、次は客として聴きたいと思った受様でしたが、そのギタリ
ストはファンが多いのにも拘わらず神出鬼没でした。やっと友人のバ
ーのステージ予定が入って楽しみに向かいますが、閉店時間まで待っ
ても彼は現れませんでした。

約束を反故にするタイプではないらしく、店長も連絡のつない事を心
配していた様子で、1ファンでしかない受様は事故や、病気でない事
を祈る事しかできません。

暗い夜道を肩を落として家路についた受様は、自宅アパートの階段下
に座り込む男性に気付きます。黒いギターケースを抱きしめた男性は
怪我をしている様で、受様は思わず声を掛けるのですが、煩わしそう
に振り払われます。

しかし、立ち去ろうと立ち上がった男性の顔に外灯が当たった事で彼が
受様が憧れるギタリストだと判明するのです。彼が今回の攻様です♪

攻様は受様がバックレたステージを見に来ていた事を知ると、すまなそ
うに謝罪して去ろうとするのです。しかし受様は手当だけでもと譲らず
部屋に連れ込みますが、攻様はかなり弱っていたようで発熱してしまう
のです。

受様も疲れていて攻様の脇で眠りに落ちますが、目覚めた受様が見たも
のはベッドに横たわる赤茶色のもふもふとしたクマだったのです!! しか
も目覚めたクマは人語をしゃべり、受様は本能的な恐怖に血の気が引い
て倒れしまうのです。

再び目覚めた受様は室内を見回しますがしゃべる赤いクマはおらず、
キッチンのほうにいたらしい攻様がやってきて「昨夜は迷惑をかけた」
と言いますが、攻様の頭には毛むくじゃらの耳があり、受様は凝視し
てしまいます。

指摘された攻様はやたらと焦った挙句にキッチンに逃げ込みますが、
ベッドから飛び下りた受様がキッチンを覗くと、大きな赤毛のクマが
所在なさげに立っていて、受様は事情が有ると言う攻様に帰す言葉が
ありませんでした。

攻様は自分はある組織の実験によって生み出されたクマと人間の融合
した突然変異だと告白します。何年か前に組織から逃げだして、今は
バーでギターの演奏をしたり、作曲の依頼を受けて生活しているらし
く、受様にこれ以上迷惑をかけたくないので出ていくと言います。

そして出ていくために人間に変化しようとしますが上手くいかず・・・
攻様は怪我が完治して人の姿を保ち続ける事ができるようになるまで
受様のアパートで世話になる事になります。

そうして受様は憧れのギタリストの攻様と同居生活を始める事になり
ますが、攻様はスキンシップが激しく、変化もなかなか安定しない為
受様は人間姿の攻様に抱きつかれる羽目になり、なぜかドキドキが止
まりません。

攻様は本当に謎の組織から狙われている実験体なのか!?

憧れのギタリストだった攻様が熊になれる獣人だという秘密を知って
しまった受様が攻様のお世話をするうちに恋に落ちるもふもふファン
タジーです♪

攻様の実験体云々は受様を自分の事情に巻き込まない為の嘘なので、
胡散臭すぎてわりと早々にバレてしまいます。受様は大学のネット検
索で熊人伝説の存在を知り、攻様は受様を信用して自分達が伝説の
赤熊族の末裔だと語りだします。

特殊な一族故にその一族の力を絶やさないよう、変化できる攻様を当
主にと強く願う従弟と衝突したのが怪我の原因だったのです。攻様は
務めは果たすつもりですが、東京に出てきたのは昔縁があった子に
もう一度会いたかったからだと言い、受様はなぜか胸に痛みを感じる
のです。

やがて攻様を探していた従弟が受様が目を付けられて、受様と攻様が
昔出会っていた事、そしてそれが受様の両親の死と無関係ではないら
しい事をちらつかされた受様は攻様が信じられなくなってしまいます。

攻様の言葉の端々に攻様が探す子供って受様じゃないの?! 的なふりが
あり、明らかに両想いなのに離れ離れになる2人にヤキモキしつつ、
2人の過去と攻様が隠していた秘密が明らかになって結ばれるまで
楽しく読ませて頂きました♪

誤解やすれ違いはあるものの、受様の身内も攻様の身内にも私利私欲
に走る悪人が出てこないので、BL展開としては王道もので安心して
ハラハラできるお話です (^-^)

事故の真相はちょっと予想できませんでしたが、ドキドキ要素がちょ
っと足りないかなと思うので、今回は「萌」評価とさせて頂きます。

金先生のイラストがお話の雰囲気にぴったりです。もふもふ大好きな
ので完全なクマさんにドライヤーかけたり、抱き締めたりするのがす
ごく可愛いかったです♡

1

タイトル買い

熊拾うんですか!と思って購入。タイトル通り、拾われたくまちゃん大活躍なので、熊が好きな方にはおススメしたいと思ったお話「本編240P弱+本編後半あたりのお話10P+あとがき」です。くまのモッフモフ感やト●ロのような腹の上で寝るといった記載は嬉しかったですけど、王道だったので中立にしました。読みやすいので小説ビギナーさん等には良いのではと思いましたがどうでしょうか。

幼い頃事故で両親を亡くした深月(みづき)。居酒屋でバイトをしながら大学に通っています。ある日自宅アパートの階段下に人が座り込んでいることに気付き、声をかけたのですが、どうやら怪我で出血している様子。「放っておいてくれ」と言ったその顔は、大好きなシンガーのASAHIで・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
中川(受けの大学友人)、樹(攻めの親族)、沢村(受けの幼い頃のかかりつけ医)、最後の方に攻めの親族色々。

++以下内容に触れる感想

捻りがなくって読みやすいのでは。
受けさんは自己肯定感少なめなタイプですが、ちゃんと前向くようになりましたし、欲しいものを欲しいと言っているので、良いなと思います。
攻めさんはクマちゃん変身あるのと、ちょっと力足りなくて耳シッポが残っちゃうところがあるので、どちらかというとコミカルより。完全なスパダリという雰囲気にはあまり感じません。ただ人たらし能力は抜群っぽく感じる魅力的な方だと思いました。

攻め受けに激萌えるところは無く、ヒール役っぽい方が出てくるとは言え、お話も王道だったので中立になっちゃいました。クマちゃん姿で寛ぐ挿絵や耳ありイケメンの表情には、「おおー」と思ったんですけどね。少し盛り上がりが足りなかったです。

3

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