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表題作竜王子の天翔ける花

ヴィルヘルム,ケメルマイデン王国第一王子
梧桐ルカ,19歳,天涯孤独の無職の青年

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

天涯孤独で身寄りのない梧桐ルカは、十九歳のある日、ケメルマイデン王国という国に召喚される。そこは半竜半人の人々が住む竜神国で、ルカはその国の第一王子のヴィルヘルムと彼の叔父に召喚されたらしい。なぜ自分が呼ばれたのか、この国で何をするべきなのか、ヴィルヘルムに尋ねても何も教えてもらえない。そんな時、ヴィルヘルムの弟・アーベルと出会う。アーベルは過去の誘拐事件をきっかけに口をきくことができなくなっており、そんな彼の面倒を見ることを申し出たルカは、王宮の手伝いをしながら日々を過ごすことになった。弟想いのヴィルヘルムとの距離も縮まり、王国内でようやく自分の居場所を得ることができたルカだが、召喚された本当の理由は、実は竜神への生贄になるためで――?

作品情報

作品名
竜王子の天翔ける花
著者
戸田環紀 
イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344846333
4.1

(28)

(13)

萌々

(9)

(3)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
4
得点
112
評価数
28
平均
4.1 / 5
神率
46.4%

レビュー投稿数4

丁寧に作られていて描写が美しい

王国の第一王子 x 日本人の孤児の青年

異世界トリップもの。
異世界トリップものって、個人的には設定自体があまり萌えを感じないので、なかなか手が出ないのだが、『君の瞳に愛をささやく』が良かったので、こちらも読んでみた。

トリップということを除けば、好きな作品だった。
小山田あみ先生のイラストも素敵。

柴犬が出てくるのだが、それがまた可愛いし、王子の弟の子供も出てきて、それがほんわか癒される。

内容は、王子の叔父がとある理由で受けのルカを召喚し、孤児だったルカがその異世界で愛すること、愛されることを知っていくってお話。

読んでいて飽きることがなく、一気に読めた。幻想的な異世界の描写は、その名称等、戸田先生がブラジルに在住なので、その外国の中で見聞きされたものが散りばめられているのかなと想像して読むとまた面白かった✨

そして、心情や表現力に魅力を感じる作家さんだと感じた。
特に王子ヴィルが悪人を許せず、その国自体を焼き払おうと思ってしまったことを悔い、それをルカが、ヴィルの所為ではなく、悪人が悪いのだと慰めるシーンで言ったヴィルの言葉。

ー連鎖する悪において、源だけが悪いということはないのだー

この言葉に衝撃を受けた。
こういう言葉を生み出せる作家さんが私は好きだ。
それは『君の瞳に愛をささやく』でも感じた、この先生の持ってる本質に共感を覚えたってこと。

上からっぽくなるようで申し訳ないが、あと一歩切なさに物足りなさも感じるので、そこを今後は作品を重ねるごとにさらに開花し、熟れていくことを大いに期待したい。
間違いなくこの作家さんは、今後ますます伸びると思う。
底知れない才能を感じる。

5

泣けました

不憫な人生を歩んできたルカが、犬の風太と異世界へ転生されてしまうお話。今まで友人も家族にも恵まれてこなかったルカが徐々に周りに受け入れられていく姿には思わず涙が出ました。
また、攻め様の弟アーベルが話せない理由、異世界へ転生された理由を知ったときにも涙が出ました。
脇キャラたちもすごく魅力的で、もう1つの恋の行方も気になって仕方なかったです。
少し会話が不自然かな、とか、キャラの変わりように違和感を感じる部分もありましたが、それを除いても真っ直ぐで純愛な物語に心癒されました。
読んでよかったと思えた作品でした。

8

悲劇のヒロイン風です

作者さんのデビュー2作目で、1作目がとても好みだったため、楽しみにしてました。
孤独に生きてきた主人公が、異世界で真実の愛を掴むまでを感動的に綴った、とてもあたたかいお話でした。

で、この評価って、申し訳ないんですけど。
なんか、微妙に引っ掛かる部分だったり、違和感を覚える部分だったりが多くて、個人的に乗り切れなかったんですよね。
もちろん、私がヒネくれてるだけで、大いに萌える方もたくさんおられると思うんですけど。

ザックリした内容です。
天涯孤独で、施設で育った青年・ルカ。
唯一の家族である風太(ワンコ)が車に跳ねられ、「なんでもするから」と必死で助けを求めると、嵐に巻き込まれ、気がつくと異世界へと来てたんですね。
そこで、第一王子であるヴィルヘルムの庇護の下、周囲の人々とあたたかく優しい関係を築いて行くルカ。
しかし、自分が召喚された真の理由を知ってしまいー・・・と言うものです。

まずこちら、大筋としてはとても面白いです。
ルカを召喚したのは王弟になりますが、この人物が何かを企んでいそうだと最初から匂わせてあるんですね。
で、そんな王弟を牽制し、ルカを自分の庇護下に置く攻め・ヴィルヘルム。
ここから、ルカですが、ある事件をキッカケに口をきけなくなってしまった第二王子との関わりを通して、周囲の人々とあたたかい関係を築いてゆくー。
こう、親に捨てられ胸のうちに孤独を抱えて生きてきた主人公が、紆余曲折の末に異世界で自分の居場所や真実の愛を見つけると言う、感動的なお話なのです。

ただ、もうこれは完全に個人的な好みの問題ですけど、主人公が合わない。
えーと、すごく健気だし一生懸命ないい子だと思うのです。
思うのですが、やたらこう「私はかわいそうです」みたいのが強調されてるのにイラッとくると言うか。

何だろうな・・・。
丁寧な心情描写が作者さんの魅力だとは思うんですけど、今回、それがやや過剰と言うんでしょうか。
ヴィルヘルムですが、最初からルカの召喚に反対してた模様なんですよね。
また、召喚されてしまったルカを、なんとか元の世界に返してあげようと尽力する。
で、彼の誠実で真摯な人柄に、恋に落ちるルカ。
すると、自身の恋心を自覚した途端、メロドラマなみにヴィルヘルムへの愛おしさを訴えだす。
こう、会いたくて恋しくて涙が落ちる。
会えないと苦しくて堪らない。
彼の事を考えて涙が一筋流れ落ちた時に、恋をした自分を知ったー。
みたいな。
なんか、自分に酔ってる感じで萎える。

また、後半で、ルカが召喚された衝撃の理由が分かります。
すると、何故自分がー、と絶望する。
で、「どうして、神様」みたいな。
申し訳ないけど、全然共感出来ないんですよ。
言い方はキツイけど、私はこんなに不幸ですと、悲劇のヒロインぶるのはヤメロみたいな。
なんか、悲しみようが演技がかってると言うか、やたらオーバーと言うか、上手く言えないけど違和感が大きいのです。
そもそも「なんで自分ばかりこんな目に」系の悲しみ方って、卑屈だし自分本位に思えちゃって好きじゃない。
もちろん、私がヒネてるからそう感じちゃうだけで、かわいそうだと心を打たれる方も大勢おられると思うんですけど。

この後ですが、この世界を救う為に、自身の運命を受け入れるルカ。
で、そんなルカへの愛を打ち明け、残された時間を共に過ごすヴィルヘルム。
これ、どうしようもない運命に引き裂かれる恋人達と、すごく切ない展開なんですよね。
ヴィルヘルムの苦悩だったり、愛する人の幸せの為ならと、ルカの健気な心情が丁寧に綴られて。
こういうのにめちゃくちゃ弱いので、普段なら涙無しには読めない。
ただ、そもそもヴィルヘルムですが、いつルカを好きになったのか?
いきなり「愛してる」とか言い出した印象なので、二人が涙、涙で限られた時間を過ごしていても、ちっとも共感出来ない。
私は完全に置いてけぼり状態。
なんなら、メロドラマかーーーい!と、ツッコミを入れたくなっちゃう。

あと、あれもこれもと申し訳ないんですけど、細かい部分で引っ掛かります。
とある事情で口をきけなくなってしまった第二王子。
彼はルカにだけは懐き、そんなアーベル(第二王子)との関わりを通してヴィルヘルムとも親密になっていきます。
ただ、アーベルですが、そもそもなんでルカにだけは懐いたん?
このへんがしっかり書かれてない為、心を閉ざした第二王子が、主人公だけには懐くって都合がいいな!?と。
他、本当に細かいんだけど、ルカが拝謁する事になった王が「よい目をしている。地獄を見た目だ」とか言うんですよね。
いや、地獄は見てないと思うんだよ。
「孤独を知っている目だ」なら「うん、うん」って納得なんだけど。
なんかね、妙に細かい部分でやたら引っ掛かるという面倒臭い性格が時々出てきちゃって、申し訳ないとは思うんですけど
ついでに、あらすじでネタバレしちゃってない?
召喚された理由が、そのものズバリ書かれちゃってる。
本編ではちゃんと、後半まで引っ張って書かれてるのに。

まぁそんな感じで、個人的には違和感を覚える部分が多くて乗り切れませんでした。
ただ、ストーリーとしては素敵だし、主人公も健気でいい子なのは確かなのです。
心情描写も丁寧だし。
こんな風に感じるのって、私がヒネくれてるだけの可能性が大ですしね。
なので、素直で心根の優しい姐さんはぜひ。

14

永遠の希望を感じさせる物語

優しい竜と天涯孤独な青年が織りなすラブストーリーです。
主人公・ルカの成長と召喚の謎、そして美しく強い竜たちーー
自然あふれる美しい世界観の異世界トリップファンタジーです!


うーん、あらすじ通りの展開なのですが、
その中でネタバレしちゃってるんですよね^^;
ルカが召喚された理由は、竜神への生贄でーーという所。
だけど、これ本当の真実では無いというところがポイント!
読み進めて読み進めて、最後の最後に見えてくる真実……
物語の進み方が面白かったです。

ルカが事故にあった飼い犬・風太のため、〝何でもするから助けて欲しい〟と願ったことから始まる物語です。
異世界に飛ばされ戸惑いつつも、ルカは優しい侍従のフェリクスや頼りになる王子・ヴェルヘルム、ヴェルヘルムの護衛・ザシャらと交流を深めていきます。
親の愛に恵まれず、施設では〝いらない人間〟と言われ、
不遇な時代を過ごしながらも決して腐らず、人を恨まないルカ。
傷つきながら生きてきた為、人の痛み敏感で、とても優しい子なのです。

ヴェルヘルムの弟・アーベルは1年前に誘拐されたことを機に、
人に心を開かなくなってしまいました。
ルカはそのアーベルにも寄り添い、少しずつ心を解かしていく過程は微笑ましくも感動的です。
そんなルカに惹かれていくヴェルヘルムと、ルカに生きる意味を教えてくれたヴェルヘルムに恋するルカ……
身分違いの恋、ルカが召喚された理由が2人を苦しめ、
物語をドラマチックにしています。

竜人であるヴェルヘルムは美しい銀の竜に姿を変えるのですが、
竜のヴェルヘルムとルカがデートする場面はとても素敵でした。
ラストは驚きの裏切り展開ですが、悪意に打ち勝つ強い思いと、
人を許せるルカの器の大きさに胸アツです。

そして、輪廻の速さを合わせ、未来永劫巡りあう「剣珠の契り」がとてもロマンチック♡
スケールの大きい愛ですが、たった1人の人と何度も巡り合うって、とても素敵ですよね(´∀`)

Hは少なめなのですが、ヴェルヘルムのtnkには鱗の名残である凹凸があり、天然のイボイボに生唾ものでした。
あと、ルカが仮性包茎だと思うのですが、それを慎み深いと言って剥きながら可愛がるヴェルヘルムがイイ(//∇//)
とても楽しそう(笑)

13

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