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表題作晴るかす青

沖 輝清(α),本土から島へやって来た青年
永瀬 弓生(Ω),島に住む神社の息子

その他の収録作品

  • その後の島
  • ガーゼ
  • あとがき

あらすじ

" α(アルファ)禁制の売春島。"


そこは因習が続くΩ(オメガ)のよりどころ。
αは金を支払って秘密裏に上陸するのがしきたり。

母親の影を追うα攻め
×
初めての客から逃げようとするΩ受け



パートナーは、座敷牢に入れられたΩ(オメガ)。

母の死をきっかけに、とある島を訪れることを決めた青年・清輝(きよてる)。
その島は表向きはα(アルファ)の上陸を禁止しているが、実際にはαを相手にした売春で成り立っていた。
船頭に金を握らせて入島する清輝。その先では予約していた売春宿に通される。
しかし自分の相手をするはずのΩは逃走をはかり拘束されていた。興味を抱いた清輝は牢へと足を運ぶ。
そこにはふてくされた弓生(ゆみお)が座っていた。

身を売りを産業とする因習の島で巡り会った2人、環山わた デビューコミックス。

作品情報

作品名
晴るかす青
著者
環山わた 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ふゅーじょんぷろだくと
レーベル
POEBACKS THE OMEGAVERSE PROJECT COMICS
発売日
ISBN
9784865896138
3.7

(36)

(10)

萌々

(11)

(11)

中立

(4)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
12
得点
131
評価数
36
平均
3.7 / 5
神率
27.8%

レビュー投稿数12

素晴らしいオメガバース作品がまたひとつ…

これはすごいな…すごい作家さまが出てきたなあ
最近の作家さまの初コミックスのクオリティが半端ない

オメガバース
何故か獄〇島とかの横溝シリーズ的な読後感
(いや…別に人は殺されませんよ?)
でもなんだろう…うーん
昭和初期っポイ閉鎖空間と現代がうまく融合したようなお話。

そして画力がスゴいのも『読ませる』力かも。

生を放棄する為に島を訪れたα・輝清
島で客を取る事に抵抗し続けるΩ・弓生
利害関係の一致で数日間を一緒に過ごすうちに芽生える気持ち
唐突に来た発情期でカラダを重ねてからの想い

この結末は多分最良だったと思うんですが、もう少し…もう少し甘い二人を見てみたかった。
そう考えると輝清の方が繊細(笑)で、弓生の方が男っポイなとも思った。

5

"読ませる"作品

まず、思わず手に取ってしまうような美しい表紙イラストとデザインが素晴らしいです。
帯の色合いやタイトルまでもが美しい。
耽美で、どこかレトロで、やや陰鬱で物静かな雰囲気が漂う本編とぴったりだと思います。
デザイナーさまと作者さまのセンスの良さがひしひしと感じられます。
こちらが作者さまのデビューコミックスとのことで、完成度の高さと作品テーマの深さ、そして画力の高さに感嘆するばかりです。
トーンは少なめで、特に植物や自然のもの…ペン画のような細かなタッチの線が本当に素敵。
第3話の扉絵のタチアオイが綺麗です。
表紙の2人を囲む泰山木にも圧倒されました。
原稿用紙3枚に渡って描かれたそうです。圧巻。

帯を見ると"売春島"や"発情期のセックスは必ず妊娠する"等、やや扇状的な煽り文が書かれていますが、内容は結構なシリアスさ。
オメガバースものではありつつベッドシーンは本当に少なく、性的なものを描いたというよりも、それぞれ異なるしがらみに縛られた青年達の出逢いと救済、解放の物語でした。
陰ながら売春島と呼ばれており、αを相手にした売春で生計を立てている…と言っても過言ではない、身売りを産業の一部としている島を訪れたαの青年が今作の主人公。
ここだけを切り取るとかなりダークな印象を受けます。
しかしながらそのあたりについては生々しく描かれていないので、あくまでも仄暗く淡々とした空気が続きます。
女手ひとつで自身を育ててくれた亡き母親がこの島の出身だという事を知り、残されていた数枚の写真を頼りに、島で生きていた当時の母親の足跡を辿りに来た輝清(てるきよ)。
表向きはαの立ち入りは禁じられているので、立ち入るαは島のΩを買わなければなりません。
宿で輝清の相手をするはずが、この島で暮らすΩの運命を受け入れられず逃げ出し、牢で拘束されていた弓生(ゆみお)。
この2人が出会い、輝清の母親が残した写真に映る島の風景を巡りながら共に過ごした数日間。
島の人々の暮らしや、母親の過去、αであること、Ωであることについて、互いに深く静かに考えていく。
そして2人が出した答えとは。

どうにもならない理や理不尽な現実の中で、自由を求め、己の存在証明をしたいともがく青年達のお話なのかな、と感じました。
非常に不思議な読後感で、感想を上手く言葉に出来ないというか…物語を読んだ後の正解が分からない。
2人の結論もひとつの選択ですし、島で生きる人々の選択も正解なのでしょう。
もしかしたら正解なんて無いのかもしれない。
読後すっきりとはしないと思います。
けれど、なぜだか余韻が抜けずにいる、本当に不思議な魅力に溢れた作品でした。
モノクロの短編無声映画のような雰囲気。
読ませる・考えさせる作品をお求めの方には間違いなくおすすめの作品。
合う合わないがはっきりと分かれる作品かも。

5

何度も読み返してしまう

発売になって割とすぐに購入したのですが、オメガバースの作品の中でも1番と言って良いくらいに好きな作品なので今でも何度も読み返したくなります。
本当に好きだなと思える作品なので、ちるちるではじめてレビューを投稿しました。

デビュー作とは思えないほどのストーリーの良さと、絵の美しさに惹かれました。夏の島の自然と空と海の情景が目に浮かんでくる美しさです。

細かいストーリーの感想などは上手く書けないのですが、とにかく好きです。素敵な作品なので読んで損はしないと思います。

2

古めかしい雰囲気のあるオメガバース

「晴るかす」とは、古語です。
〝もどかしく思い詰めた気持ちを、少し晴らそう〟の意。
タイトル通り、心を晴らして青く染めるような、攻め受け双方への救済のお話です。

売春島を舞台にしたオメガバースですが、エロは非常に少なく、情感あふれる作品でした。


母の死をきっかけに、母の生まれ育った島に上陸した輝清(α)。
その島は、α禁制の売春島でーー…!

輝清にあてがわれたのは、Ωの運命に抗う弓生でした。
もともと、輝清は母のルーツを探りにきたのであって、
Ωを買いに来たわけではないのです。
しかし、売春が嫌で逃走した弓生に興味を持ち、表向きは客として、その実、島のガイドとして生活を共にします。

古い因習から売春を産業としている島ですが、風紀が乱れているわけでもなく、Ωたちもそれぞれのんびり暮らしている印象を受けました。
その中で、身売りを拒み続ける男が弓生です。

αの子が生まれれば養子として売り、そのお金で生活している島民たち。
胸くそ悪いったらないですよね。
でも、そういう汚い部分はあまり見せてこない。
美しい雰囲気を損なわない描写になっています。

運命に抗う弓生に惹かれていくのは、亡き母を追いかける寂しいα・輝清。

島で身篭ったΩの母は、父であるαに捨てられてしまいました。
輝清を売らずに島を出、一人で育て上げた母。
母親を亡くして、頑張る意味を失ってしまった輝清は、
本当は死んでもいいとさえ思っていました。
一人になるのが怖くて寂しい輝清は、発情した弓生を番にしてしまおうと考えますが、結局出来なかった。

臆病で寂しがりやな輝清に惹かれた弓生は、2人でひっそりと島を離れーー
島では、2人のヒートセックスを知っている住民たちが、
弓生の懐妊に浮かれてているというシュールなラスト。
お互いの本心をさらけ出し、寄り添い生きていくことを決めた2人。
そこに作者がいう、解放と救済があったのかなと思いました。

なんとも愚かな島ですが、そこに甘んじて暮らす他のΩ達にもドラマがありそう。
診療所の先生(β)に恋する洋太(Ω)がとても気になりました。
スピンオフあるかな?

全体的に不穏な空気が漂いながらも、主人公2人は清く美しかったです。
不思議なオメガバースでしたが、嫌いじゃなかった。

6

島は、

このカバーデザイン、とっても素敵。
このカバーイラストだけで神にしちゃってもいい位。

でも、、、、

オメガバース設定というファンタジーを絡めたことで、うまいこと、切なきれいにまとまった売春島のお話。
絵はきれいだし、お話は最後はちゃんとハッピーエンドになるし、オメガバースと売春島って材料の魅力を実に良くまとめてて、本当にお話の作り方がうまいなあと感心した。
うん、コミックの出来としては凄くいい。

でも、、

アルファとオメガだから惹かれ合うんじゃなくて、ただ人として愛し合いたいって葛藤するところがオメガバースの魅力だってわかってはいるの、
他に産業のない島での昔からの生業が売春で、それとオメガバースが凄く相性が良いっていうのもわかるの、

でも、なんだか、私的には、その相性の良さが過剰に感じて、萌という点では、ちょっと削がれちゃったかなぁ、
なので、カバーデザインの美しさとプラスマイナスで萌2です。

2

雀影

セルフツッコミ
うまく言葉にしづらいんだけど、結果としては、オメガバースがあんまり好きじゃないのかも

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