特典

  • 眠れる森の王 コミコミ特典ペーパー 眠れる愛は永遠に

眠れる森の王 コミコミ特典ペーパー 眠れる愛は永遠に

nemureru morino ou

商品説明

文庫発刊記念・コミコミスタジオ特典書き下ろしSSペーパー
B5版4つ折り両面にてイラスト1頁+小説7頁
フィセがオーレリアンに頼んで墓地に赴くお話です。

作品情報

作品名
眠れる森の王 コミコミ特典ペーパー 眠れる愛は永遠に
著者
犬飼のの 
イラスト
笠井あゆみ 
媒体
特典
発売日
付いてきた作品(特典の場合)
眠れる森の王(但コミコミスタジオ購入時のみ) 
4.4

(5)

(3)

萌々

(1)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
22
評価数
5
平均
4.4 / 5
神率
60%

レビュー投稿数2

フィセの涙

フィセはオーレリアンに王族の墓地まで連れて来てもらいます。

それは亡き王妃に謝罪する為でした。3年もの間オーレリアンを王妃から奪ってしまったこと、その間にどれだけ王妃が不安で寂しかったかを謝って、フィセは王妃の為に白薔薇を咲かせるのでした。

それを見ていたオーレリアンはフィセに感謝して、王妃なら喜んで抱きついて年甲斐もなく懐くはずだと言いました。

王妃は亡くなる時に「私は幸せでした」と言い、オーレリアンが幸福な王になる事が望みだったと教えてくれました。国が潤い民が幸せで王が慕われても、オーレリアン個人が幸せで無ければならないと王妃は母親として揺るぎない願いがあったのです。そしてそれはフィセのおかげでかなったとオーレリアンは言うのでした。

フィセと同じように王妃の眠る石碑の前にオーレリアンは膝をつくと、フィセに指輪を差し出して受け取って欲しいと言います。

フィセは困惑しますが、その指輪の金は王妃から薔薇王にと託された物だと言うのです。

王妃が嫁いでくる前に恋人から貰った指輪を溶かして金塊にした物で、オーレリアンが授かるまでのお守りだったそうです。

フィセへの愛を貫くオーレリアンに理解を示した王妃に、オーレリアンは公に結婚は出来ないフィセを花嫁として王妃に紹介する為に墓地を訪れていたのでした。

泣くまいと堪えていたフィセは結局はオーレリアンの腕の中で泣いて、2人で永遠の愛を生きると決意したのです。

4

幸せであるように

本品は『眠れる森の王』のコミコミスタジオ特典ペーパーです。

本編後、フィセがオーレリアンに頼んで墓地に赴くお話です。

茨の檻から初めて出た日、フィセはオーレリアンに頼んで、歴代の国王
と王妃が眠る墓地に連れて行ってもらいます。

身も心も生まれ変わったと思える今、先王に対する感情は随分薄れます
が、それはフィセ自身の傷が癒えただけであり、彼が幼い我が子を傷つ
けけていたことへの侮蔑と憎しみは消えていませんでした。

やむを得ず墓の近くに入ったものの、石碑の名に目を向けることはせず、
オーレリアンの次に会いたかった王妃に向き合います。

すでにこの世の人ではなく、謝罪の言葉は届かないけれど、茨の檻から
出たら真っ先にここに来たいと願い・・・叶ったけれどオーレリアンと共に
みつめるのは冷たい石碑です。

地中に埋められた棺の中で眠る王妃をどんなに想ったところで、言葉は
届かないだろうと思っても、大切な王子を己の未熟さから3年も奪って
しまったこと、そして存命のうちに詫びられなかった事を心から深く
謝罪しました。

フィセは心を籠めて白薔薇を咲かせます。王妃として己の感情を制し、
気さくでありながらも常に立場を忘れなかった彼女の生き方をフィセは
見習いたいと思っていました。

知らなかったとはいえ、彼女の夫と交わってしまった事も、薔薇王と呼
ばれる立場に生まれながら感情に揺さぶられてオーレリアンの命を危機
に晒した事も、謝っても謝り切れないけれど、許されない事をしたと言
いながらも敬愛する彼女に嫌われたくはなかったのです。

そんなフィセにオーレリアンは・・・

B5サイズ4つ折り両面にてフィセが前王妃であるオーレリアンの母の
墓を訪れるお話になります。

母上のために素晴らしい薔薇をありがとうと言い、きっとおもいきり香気
を吸って感極まってフィセに抱きついて年甲斐もなく懐かくだろうなと
言います。

フィセにはにわかには信じられませんが、オーレリアンは母上は本当に
少しも怒っていなかったから、フィセにこんなふうに謝られたらすごく
恐縮しているはずだと言います。

オーレリアンが眠っていた3年間は苦労があったと思うけど、元気な姿で
帰還して誰からも祝福されて戴冠式を行った事も、ダイヤモンド鉱山に
よって再び国が潤った事もとても喜んでいたし、母上の一番の願いは
フィセのおかげで叶ったから今も天国で喜んでいるよというのです。

母上の一番の願いは、僕が幸福な王になることだった。
それが遺言だったんだ。

母上は王妃として、息子を持つ1人の母として、両方を揺るぎなく願い、
息子が子を成せない事を攻めず、フィセへの愛を誰よりも理解してくれ
たのだと言うのです。

オーレリアンの言葉にフィセの視界は滲み、オーレリアンに片を抱かれた
ままフィセは白薔薇の絨毯に膝をついてしまいます。

そしてオーレリアンは母の形見である金塊を融かして作った指輪をフィセ
に贈り、母上なら美しい息子が増えたと喜んで天国で微笑んでいるに違い
ないからと言い、泣いてしまったフィセを抱き寄せる

・・・というフィセの亡き王妃への思いが語られるお話でした。

オーレリアンが素敵なスパダリさんに育ったのは王妃様のお陰ですよね。

2人の恋を愛を陰から支えた王妃を忍ぶお話はちょっとセンチメンタルな
お話でしたが、辛い今よりも、過ぎた過去よりも、未来を見据える素敵な
お話でもありました。読めて良かったです (^-^)

2
PAGE TOP