• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作hand which

沢津,24歳,会社を辞めたばかり
宇高,24歳,レンタルCD店店長

同時収録作品シェイク ア ハンド

黒島,リーマン,大学時代の同級生
高田,リーマン,大学時代の同級生

同時収録作品正味なココロ / 正味なコトバ

竹馬,22歳,惣菜屋
続木,リーマン,バツ1

同時収録作品お世話になります

青野,家政夫
岩田,絵本作家

同時収録作品半径10メートルの引力 / 直線上にして8メートル

亀岡文造,少年画像のサイト運営
秀明,専門学校を卒業して実家に戻って来た青年

その他の収録作品

  • hand which 番外編(描き下ろし)
  • あとがき(描き下ろし)

あらすじ

一流企業を辞めた途端に彼女にフラれた沢津は、大学時代の友達5人とヤケ酒。「俺ァ、ホモになるぞ!」と叫んだ翌日、目覚めると友達のひとりの宇高と素っ裸で寝ていた。放心状態の沢津に宇高は「沢津がずっと好きだった」と告白し、「もう二度と会わない」と出て行った…。友情と愛情の狭間で戸惑う男たちのじれったい恋を描いた表題シリーズ他、衝撃のデビュー作や描き下ろしも収録したファン待望のファーストコミックス!

作品情報

作品名
hand which
著者
鈴木ツタ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス 麗人セレクション
発売日
電子発売日
ISBN
9784812464625
3.3

(74)

(11)

萌々

(15)

(41)

中立

(3)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
23
得点
241
評価数
74
平均
3.3 / 5
神率
14.9%

レビュー投稿数23

ライトに萌えを摂取できる短編集

◆hand which(表題作)
 表題作であるこの作品の攻め受けのタイプが一番好みだったので、できればもう少し読みたかったです。これから盛り上がるんじゃ?というところで終わってしまったのが残念でした。なんといっても、学生時代から一途にノンケの沢津を想い続けていた宇高の健気さが愛おしいんです。いざ沢津の方からぐいぐい来られるとすっかり押されて消極的になってしまう、人の良さが滲み出ているところが可愛くて。この2人のその後がとても気になります。

0

その手を取れば。中々ビターな短編集。

人生は幾つかの選択である。どちらかの手を取れば。また違った結末が訪れたのかもしれないが。

◆ 表題作「hand which」
ドノンケの沢津は、一流企業を辞めた事で彼女にフラれ、荒れていた。いつもつるんでいる大学時代の仲間と呑んで潰れた勢いで、どうやら友人の宇高と一線を越えてしまったらしい…。いくら酔っていたからといって、それは許されないだろうと思いきや。宇高の方は、学生時代からずっと沢津を好きだったのだと言う。責任を取ると言う沢津を制して、離れようとする宇高の気持ちが切ない。沢津はノンケだから。その気持ちは一時的なものだろうと。
けれど。沢津はよくも悪くもシンプルな考えの持ち主。そんな健気な宇高を幸せにしたい、と思えるのだ。そう、彼は無敵。学生時代の仲良し5人組で、圧倒的光属性の沢津は無敵の赤レンジャーなのだ。というお話。

◆ 「シェイク ア ハンド」
表題作には続きがあって。こちらはスピンオフと言える。沢津の仲良し5人組の1人、黒島は、密やかに宇高を好きだった。けれども沢津の様に告白する勇気を持てなかった。ただ見つめていただけだ。高田は、そんな黒島の気持ちを看破していた。男同士とか、何だとか、は「あっさり越えられる。」と、半ば誘惑される様に口付けられ、これまたアッサリと一線を越えてしまう。彼女持ちの高田を彼女から奪うと決意表明した黒島のその後は巻末へと続く。

◆「正味なココロ」「正味なコトバ」
お惣菜屋を営むイケメン竹馬は、色白で儚げなリーマン続木の偏食の酷さを見かねて、彼の昼食を提供する事になる。少しずつ食べれるものが増えて行く内に、心も近付いて行く。青白リーマンの続木は見るだにエロいけど、バツイチというのにビックリ。まず何で結婚出来たのか、とか。その偏食ぶりの理由とか。気になり過ぎるんだけど、そこは描かれない。

◆ 「お世話になります」
この中で一番胸くそ系攻め。子供向けの優しい絵本を描くという作家の岩田は、アシスタント兼、身の回りの世話として雇っている青野に対して、気に入らなければ殴る蹴るの暴君ぶり。青野は元々岩田のファンというのもあって、絶賛片想い中なので、そんな事にも耐えていられる。若干Mだとしても。これはちょっと酷いのだ。で、結局はいかにもひ弱そうに見える青野が攻め。岩田が抱かせてやったと見るべきか。

◆ 「半径10メートルの引力」
 「直線上にして8メートル」
幽霊屋敷の様な隣家に住む、謎の男・文造。
彼に興味をそそられた秀明は、文造が少年達の半裸姿を撮影しては、WEBに上げるという怪しげな仕事をしているのを見る。興味本位で近付いた筈なのに。文造に自分だけを見て欲しいと思い始める秀明。フニャっと笑うヘタレっぽい文造は、もちろんヘタレでは無い。「いつでも逃げていいよ。」と、微笑みながら、その実、秀明を絡め取ってしまうのだから。悪い大人だなぁ。私は文造が被写体としていた少年たちの何人かとはヤッていると思っている。可愛い秀明が大人になってしまったら。文造はまた少年たちの1人に手を出してしまうのかなぁ。悩ましい。

◆ 「どういうことになったのかといいますと」(描き下ろし)
「hand which 番外編」というものの、これは「シェイク ア ハンド」の、黒島 × 高田 のその後。黒島は高田を彼女から奪還する、事に成功する。柔道をやっているらしい彼女からの餞別は黒島にはボディブロー。高田は顔を張られたらしい。男に恋人を寝取られてしまった彼女の心痛や如何に。

◆ あとがき
には、作者にとって初の単行本で。「半径10メートルの引力」が、初のオリジナル作品だということが分かる。この中の幾つかがその後の作品群の租となっているか、どうか。作者の嗜好が仄見える様で、それはとっても味わい深い。
それはそうと、ツタ先生が、商業誌デビューが嬉し過ぎてドッキリかもしれないと思ってたというのが可愛い。

0

デビュー作から完成度高い

大きく4つの話が入っている短編集。今また読んでみると、ツタ先生は絵柄が変わりましたね。私は今のもこの頃のもどちらも好きです。

「hand which」
友人から恋人へ、のパターン。
とはいえ受け・宇高の方はずっとノンケ・沢津に片思いの切ない年月があり、沢津は失恋したからホモになる、なんていう無神経。その上酔って女と間違えて宇高に手を出すとか。
そんな始まり方だけど、宇高の気持ちを知って自分も応えて、付き合うと決めたら何も恥じることなく真っ直ぐで。なんだ、いいヤツじゃん。

「シェイク ア ハンド」
「hand which」の宇高の事が実は好きだった友人の1人・黒島。勇気がないから告れもしなかった…
なんとなくのヤケ酒に友人グループの1人・高田を家に呼ぶ。しかし、高田は急に『やろっか』と誘ってきて…
この高田、底知れない。ビックリです。ア◯ニーが好きなんだ、と言ってたけど、本当は黒島の事が好きだったのかなぁ?
黒島も今度はストレートに『おまえのこと彼女から奪いたいんだけど』と言えました。

「正味なココロ」
イケメン年下総菜屋さんx超偏食リーマン。
食べられるものが物凄く少ない続木さんに完食勝負?を挑んでいるうちに、心配から恋に変わるストーリー。
思わず抱きしめてしまいもうダメだと思った瞬間、続木さんが妖しく誘う……って続木は別にゲイってわけじゃなくて、元々「魔性」成分があったのでしょうね。

「正味なコトバ」
「〜ココロ」続編。恋人同士になった総菜屋さん・竹馬(ちくば)と続木ですが、相変わらず口下手な続木は言葉が足りず竹馬に遠慮がち。
竹馬に喜んで欲しくて考えた事は……やっぱり続木さんは魔性系だ。

「お世話になります」
乱暴な絵本作家と住み込み家政夫のカップリング。
家政夫の青野はある日溜まっていた岩田先生に素股でヤられたが、その後1週間顔も合わせず放置され、嫌われたと思って辞表を出すが…
サプライズあり!リバの予感♡

「半径10メートルの引力」
隣の家(見た目オバケ屋敷)でコソコソ少年達を引き込んでる男性が気になって仕方ない秀明。
彼・亀岡はその家で少年画像サイトを作成している。怪しいがニコニコといい人そうなので誘われて家に行き来しているうちに…
この一編ではほんとに亀岡がいい人なのか怪しい人なのかわかりません。でも秀明はのめり込んでいきます。

「直線上にして8メートル」
亀岡視点。
10代の子は範疇外だったはずだけど、秀明が可愛くて自分もメロメロ。仲良しCPになってよかったよかった。

「どういうことになったのかといいますと」
「シェイク ア ハンド」その後。高田の彼女(空手4段)にお互い殴られた高田と黒島。でもこれで晴れて恋人になりました。よかったよかった。

短編ですが、どれもきちんと着地していてフラストレーションなし。上手いなーという印象です。
最後、絶対カバー下見て!私はホモが大好ぶ…………そうなんだけど、そう言わないで!

0

鈴木ツタさんの初単行本

全部で5組のカップルのお話が収録されています。
表題作と『シェイク ハンド』はリンク作です。
この表題作シリーズの2組のカップルは両方とも予期していなかったハプニングから生まれたカップルでした。
特に『シェイク ハンド』の高田君は何を考えているのか分からない所があって、先の展開が楽しみでした。
表題作カップルの方はゲイの宇高君が健気で男前でとても好きなタイプの受け様でした。

他にはハンサムな惣菜屋店長が登場する『正味なココロ』と『正味なコトバ』のシリーズも良かったです。
大人しそうな地味なリーマンが意外な積極性を見せてくれたり、ハンサムな年下攻め様が健気でした。

個人的に絵柄は地味めだと思うのですが、どこかオシャレ感も感じる作品集でした。

1

お気に入りは弁当屋の話

個人的お気に入りは弁当屋店主×会社員のお話でした!
短編集内の名脇役賞を2話目の受けの彼女に与えたいw

■hand which■
沢津(転職活動中・24歳?)×宇高(レンタルCD店店長・24歳)

一流企業を辞めた途端に彼女にフラれた沢津は、大学時代の友達5人とヤケ酒。
「俺ァ、ホモになるぞ!」と叫んだ翌日、目覚めると友達のひとりの宇高と素っ裸で寝ていた。
放心状態の沢津に宇高は「沢津がずっと好きだった」と告白し、「もう二度と会わない」と出て行った。

ノンケ×ゲイです。
学生時代からずっと沢津のことが好きだった宇高。
ノンケの沢津が酒の勢いで関係を持ってしまったことへの逃げ道の与え方が…んもぉ切ない。
「自分の毒牙にかかった」なんて悪役してからにっ!
思い通じ合ったときに「ばかじゃないの」って涙ぐむ宇高がとても可愛らしかったです。

沢津は思い切りが良い人ですね。
それにしても…思い通じ合ってさて、コトを致そうかというときの言葉の情緒のなさwww

■シェイク ア ハンド/どういうことになったのかといいますと■
黒島(銀行員・24歳?)×高田(車のディーラー・24歳?)

宇高のことが好きだったけれど、一歩を踏み出すことができないままだった黒島。
そうこうしている内に宇高が片思いしていた相手とくっつき…何となく飲みたい気分になった黒島は友人の高田を誘うが…。

…マジかよ。
高田さんの言動に黒島と一緒に( ゚д゚)ポカーンとなったわ。
なんというカミングアウトをしれっとしおってからに。

描き下ろしの高田彼女、お気の毒なんだけどワロタw
「男かよ!!」鞄バシーンと叩きつけてからの強烈なボディ。
男二人の負傷ぶりw

それにしても大学からの友人5人組中4人がくっつくとは…。
※1人は学生結婚。

■正味なココロ/正味なコトバ■
竹馬(弁当屋店主・22歳)×続木(バツイチ会社員・主任)

弁当屋“おまち堂”店主の竹馬は、ひょんなことからとんでもない偏食王・続木と知り合う。
絶対完食させてやる!

続木主任の「おいしいです」の表情にキュンキューン♡
なんかほんわかした雰囲気で好きです、この話。
付き合ってからも相変わらず思っていることを表に出せない続木主任。
そんな彼が一晩考えて出した結論が押し倒しw
更には自分はムッツリだと自覚する主任。
微妙にずれてるところが面白可愛い。

■お世話になります■
青野(家政夫)×岩田(絵本作家)

岩田の大ファンで編集さんの商会で住み込み家政夫をしている青野。
いつものように岩田のために風呂の準備をしている青野だったが、欲求不満が溜まった岩田に突然素股をさせられて…!?

普段乱暴な岩田先生の「犯られる…!?」と我に返って焦る姿がwww
それにしても岩田さん、奥さんにもこんな態度とってたならそりゃ逃げられるよ。
いや、青野くんレベルじゃなくてもね。
煮詰まるとイライラぶつけるらしいし。
青野くんは岩田さんよりもガタイがいいし、大ファン過ぎてポジティブシンキングだから痛々しさはないんだけども。
絵本内容は全て元奥さんのところにいる息子のためとはいえ…ちょっと好きくないタイプです。

■半径10メートルの引力/直線上にして8メートル■
亀岡 文造(少年画像サイト運営)×秀明(専門学校卒業したて・10代)

専門学校を卒業後、実家でぼーっと過ごしていた秀明。
ある日、母のパンツが隣のお化け屋敷みたいな家に飛んでいって…!?

…少年画像サイト運営。
ってか秀明、10代後半設定のようなんだけどもショタい!
中高生に見える!

…あれ?ここまで書いてふと疑問。
高校3年生で18歳よね。
作中に10代って表記ある&専門学校卒業しているってことは…秀明が通っていたのは1年制の専門学校ってこと?
…どんなところ行ってたんだろう?
2年制とかは割りと聞くけど1年制って珍しいよね。

4

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP