イラスト付き
結婚したら、好きな顔を一生眺めていられるんだよ?
夜光先生初のオメガバースで、溺愛+ファンタジーのラブコメになります。
こちら、スパダリ攻めに平凡受けが溺愛されるのね~と楽しみにしてたんですけど、その認識は完全に間違ってました。
受け、全然平凡じゃない。
何と言うか、かなりの面白キャラですよ。
いやもう、思考回路とか突拍子も無いんですけど、男らしいしめちゃくちゃ格好いい受けだと思うんですよね。
イケメンでスパダリでアルファである溺愛攻めが霞んじゃうんだけど。
とりあえずストーリーとしても、笑えてキュンキュンしてと最高なので、溺愛ものや明るいラブコメ好きの姐さんに、ぜひオススメしたいです。
内容です。
綺麗な顔に目が無い、ド平凡なβリーマンの佑馬。
仲がいいイケメン同僚でαである人見を、推しとして崇める日々。
そんなある日、何故か人見から突然、プロポーズされてー・・・と言うものです。
で、自分のようなモブキャラとは釣り合わないと拒否するも、人見からは猛アプローチ。
調理師が夢である佑馬は、とりあえず従業員として人見の実家の旅館で働く事になるんですね。
しかし、その旅館は普通では無くて・・・と言う流れ。
まずこちら、主人公である佑馬ですが、平凡なβ。
・・・と、本人は思ってるんですけど、結構な変人と言うか面白いキャラでして。
えーと、攻めである人見が大好きな、モブ根性のキャラと言うんでしょうか。
こう、親友である人見を見ては、「ああ、今日も人見はかっこいいなぁ。尊い・・・。神・・・」とかってやってるんですよね。
また、ここがキモになってくるんですけど、嘘がつけない正直な性格でして。
そのせいで言わなくていい事まで言っちゃって、人間関係でトラブルが絶えないんですよね。
まぁそんなワケで、現在の接客業(旅行会社)が自分でも向いていないと分かってるのです。
そこで、転職も考えていた所に、渡りに船で攻めの実家で働く事を決意した。
また、そんな主人公を溺愛するのが、イケメンαである人見。
えーと、今回、攻め受け共に、夜光先生のキャラでは珍しい印象なんですよ。個人的には。
こう、キラキラしくて優しくて穏やかで、ひたすら溺愛の攻めに、平凡な受け。
これ、そんなスパダリ攻めに、受けが溺愛されまくってるのが楽しいなら、受けの斜め上にズレた反応も面白くて面白くて。
人見からプロポーズされれば、喜ぶのでは無くて「お前みたいな国宝級のイケメンが、俺みたいなモブキャラにプロポーズなんて! 頭がどうかしたんじゃないのか!?」みたいな。
また、それでも攻めがめげずに、手を変え品を変え猛アプローチするのにニマニマしちゃって。
こう、すかさず作戦を変更し、「俺と結婚したら、好きな顔を一生眺めていられるんだよ?」みたいな。
これでアッサリ丸め込まれちゃう受けに、これまた笑えちゃうんですけど。
これ、人見が策士なのか、佑馬がチョロいのか、どっちなんでしょうね?
両方なんでしょうかね?
あとこちら、ストーリーとしてもとても面白いのです。
実は佑馬が働く事になった旅館ですが、客は人外ばかりと言う妖怪専門旅館だったんですね。
そこでケガをして休暇中の料理人に代わり働き始めるワケですが、初っぱなから調理場はゴミ溜め、女将は個性強烈って感じで。
そんな中で、様々な厄介事に見舞われながらも、主人公が料理人にとして奮闘するのが楽しいと言いますか。
また、こちらオメガバース。
佑馬はβのはずですが、何故か客であるタコのバケモノに襲われた後、Ωのように激しい発情を起こします。
そこで、佑馬のフェロモンに抗えず、抱いた上に番にしてしまった人見。
果たして、二人の恋の行方はー?
って感じで。
いや、う~ん。
実は序盤ですが、受けのキャラに引っ掛かったんですよね。
正直なのはいい事だけど、社会人としてどうなのかって感じで。
それが、読み進めるうちに、どんどん彼の魅力にやられちゃって。
えーと、女将がキツイと言うか、良く言えば裏表が無い、悪く言えば自分勝手ってタイプなんですけど、そんな女将に佑馬もズバズバ返す。
や、間違ってる事は間違ってると、しっかり言ってくれるのが気持ち良くて。
あと、自身がΩになってしまった事、番になってしまった事でショックを受け、旅館を辞めて実家に戻った佑馬。
ここからのオチが、最高に滾っちゃって。
いや、繰り返しになりますが、主人公はめちゃくちゃ男らしいと思うんですよ。
マジで思考回路が突拍子も無いと言うか、ある意味一貫してると言うか。
いや~、こう来るかと言う結論に、爆笑。
普通、感動して萌えまくるシーンのはずなのに、爆笑。
これまた、「最後まで良く分からない・・・。幸せにする」と言う人見の返事にも爆笑しちゃいましたよ。
なんか、笑って萌えてと、読者としても忙しい。
最後になっちゃいましたが、受けだけで無く、攻めのキャラも大変魅力的でした。
いやね、本当に受けを大切にしてて、健気でもあるんですよ。
彼が佑馬をこれほど好きな理由も、しっかり書かれてるのが素敵でした。
ちなみに、なかなか強烈な女将ですが、個人的には好きでした。
問題ばかり起こしてくれるんだけど、どこか憎めないんですよね。
でも、自分の姑にはゴメンだけど。
作家買い。
タイトルからも推測できるように、今作品はオメガバースもの。夜光先生お初のオメガバースもの、ということで発売を楽しみに待っていました。
平々凡々のβの佑真は旅行代理店に勤務するリーマン。
彼はとにかく美形好き。自分の好みの美形を追っかける性癖があるが、そんな彼の現在の推しは同僚の人見。
小学生だった時の同級生で、中途採用され入社してきた人見はとにかくイケメンで、自分がこうなりたいと思うビジュアルをしている。しかも優しく、中身もパーフェクト、そして有能なαでもある。
推し(=人見)を目で見て愛でるだけで満足している佑真だが、ある日人見に「ずっと好きだった」と告白され、彼の実家の旅館で一緒に働くことになる。
が、そこは妖怪たちが訪れる妖怪専門の旅館で―?
というお話。
「オメガバース」というバックボーンがありながら、今作品はさほどオメガバース色は濃くありません。特に序盤は、「人見がαだ」というその一点を除けばオメガバースものということを忘れてしまうくらいオメガバース感がない。オメガバースもの特有のドシリアスさとか、痛い展開は皆無な作品なのです。
佑真の美形好きで素直過ぎて嘘がつけない性格という強烈な個性に圧倒される形で進むストーリー。さらに「妖怪専門の旅館」が舞台になっていることから、お客としてやってくる妖怪の気持ち悪さとか、そういったお客さんに対応できる破天荒なおかみさん(人見の母親)の個性も相俟って、非常にコミカルに話は進みます。
夜光さん、と言えば壮大な世界観で紡がれるファンタジーものを多く書かれる作家さま、のイメージが個人的に強いのですが、こんなにコミカルな作品も描かれるのか、とその引き出しの多さにちょっと驚きました。
が。
まあ、何というか非常にご都合主義的にストーリーは進みます。一家で運営する旅館を維持するためには人見たち姉弟(人見にはめっちゃ美人な姉がいる)がそれぞれ家族を作り、子を成すことが必要になってくるわけですが、佑馬はβなので人見との子を成すことはできない。
そこはどうすんのかなー、なんて思って読み進めたのですが。
おお、そういう展開とは…。
壮大なネタバレになってしまうので詳細は書きません。ぜひとも手に取って読んでいただきたい。
かなりのごり押しです。力業です。
好みが分かれるところかと思います。
が、ですよ。
この力業がなしえるのは、夜光さんの作家さんとしての技あってのことかなと思いました。
個人的にはめっちゃ面白かった。
オメガバース。
妖怪専門の旅館。
個性豊かな登場人物たちに、妖怪たち。
こういったバックボーンをフルに生かし、こうもコミカルなオメガバースものを作り上げるとは…。
さすがです、夜光先生。
夜光さんが描くと、オメガバースものは画一的なものではなく、こんなにも独創的な作品になるのだと、その技量に圧倒されました。
人見はとにかく男前。
佑馬は、そのビジュアルにKOされていましたが、中身がとにかく男前です。
佑馬の意向を聞いている…ように見えて、実はかなりの押しの強さ。自分に目を向けてもらうために、彼は手段を択ばない。
さわやかなイケメンに見える、彼のその腹黒さがめっちゃツボでした。
そして佑馬の方も。
美形が好き、推しを愛でて楽しみたい、というアクの強さが前面に出ていますが、彼は凄く誠実なんですよね。それが彼の生きづらさでもある。
が、彼のように素直に自分の感情を表に出して生きていくことができたなら、それはすごく羨ましい、理想的な生き方だとも思うのです。
彼は自分の感情を素直に出してしまいますが、そのどれもが悪感情ではない。非常に素直な青年なので、彼の不器用さが可愛くって仕方なかった。
みずかねさんの挿絵も綺麗で優しくって、この作品のイメージにぴったりでした。
特にカラーの口絵。
いやー、素晴らしい。
可愛く、そしてこの作品の内容をギュギュっと凝縮したイラストで、読後に眺めるとその素晴らしさに萌えが滾ります。
評価で悩みましたが、この独特な世界観が描けるのは夜光先生しかいない!ということで、ちょっとおまけして神評価で。彼らのお子の話も読みたかったし、世界観が非常に面白かったので、ぜひとも続編を書いてほしいなと思います。
和ものの妖怪が登場するオメガバースのコメディ。
この作品が、初めてのオメガバースの作品なのだそう。そのせいか、単純で拗れることないストレートな展開なので、物凄く早く読了してしまいました。
誰も傷つかない平和なストレス無い内容なので、短時間で気分転換したいときにお勧めの作品。
昔から綺麗な顔には目がない、ド平凡β会社員の佑真。
佑真の最推しは、頭脳明晰で仕事もデキるイケメン同僚のα・人見蓮
嫁に来て欲しいと、憧れの連から告白されて連の実家の温泉旅館に行ったら、妖怪専門の湯屋だった。
色々な妖怪が来る温泉旅館は、せんと千尋の物語の湯屋と似ているけど、違うのは、客の妖怪が酒好きでエッチという点。
ある日、蓮の母の計らいで承諾なく佑真がタコ妖怪にβからΩにバース転換されてしまう。
承諾なくΩに変えられた佑真は傷心して実家に帰る。
単独里帰りではなく、憑き物も同行していたため、温泉旅館が寂れてしまう。
Ωになじめない佑真の希望で、またタコ妖怪にβに戻してもらうことに。
バースを元に戻す場面まで、佑真は蓮の人柄より外観に惹かれていたみたい。蓮の綺麗な顔が好きだった。人柄は二の次。でもタコ妖怪を探しに行く件で、蓮の誠実さに感動。
この種が宿っているとタコ妖怪に告げられると、Ωのままを希望して、蓮と結婚することに。
そして、連に似た美しい男子を出産して佑真は泣いて喜んだ、というお話。
出産に至るまで、佑真が悶々と葛藤する色々な出来事があって、蓮が嫉妬深かったり、飽きない話題がもりこまれていてとても面白かった。
初電書小説です。
見やすいですね、びっくりしました。
ちるちるさんのくじで当たったクーポンで買いました。
夜光さん初のオメガバースもの。
後半まではほとんどその意味がわからなかったのですが、なんと!な展開で。
夜光さんの作品は本当に読みやすいですね。そしてとっても面白い。
普通ってなんだ?いかに普通に育つのが恵まれたことかわかりましたね。
推しは特殊なアルファ?
人見は珍しい能力を持つために眉目秀麗才色兼備ながらも本気の恋をできずに生きてきて。
受けは美しい顔が大好きなモブ顔の平凡な人で。でも人見にはキラキラ輝いて見えて、好きで愛しくてたまらなくて。
どうしてそんなに受けを好きなのか、そして受けは攻めを好きになれるのか。
なまじ推しだけにややこしくて面白いですね。
人見の実家の旅館や女将、姉、お客さん、甘いものを欲しがる女の子、みんなみんな意味がオメガバース問題につながっていくんですね!
とっても読み応えあります!
エロも満喫、波乱万丈で受けと一緒に推しを眺めてうっとりしたいな。
「夜光さん、初クロスノベルスだっていうのにかましてくれるじゃないですか!」って思ったんですよね。
だってこのお話、かなり異色だよ。この異色ぶりがかなり面白かったんですけど。
でも、これを読んで「?」ってなっちゃったり、怒るかあるいは下手をすると気持ち悪くなっちゃったりする姐さまもいるんじゃないかと思うんですわ。
後者の件に関しては「本来私も怒るべきことなのかもしれない」とも思ったんですけれど、なんかこの辺『狙ったトンチキ』の様に感じちゃったんですね。私、トンチキならどんなものでも美味しく消化しちゃうんで(苦笑)。
異色その1。
「果たして恋愛?」という点ですよ。佑真の方なんですけれども。
彼の『人見推し』っていうのにLOVEはあっても、BL世界で書かれる『恋愛』とは違うよなぁ……恋愛脳って乙ゲーになることだと思うんですよ。でも、いつまで経っても佑真の人見に対する眼差しはボブゲなのよね。
途中で乙ゲーにググーッと近寄るんですよ。
そのまま自然に任せていたらLOVEが生まれたかもしれないんですけれど……
異色その2
放置しておけばきっとLOVELOVEしい雰囲気になったと思うんです。
それを敢えて、人見の母に謀をさせて引っ掻き回す。
夜光さんは2人をくっつけるためにこの謀を持ち出したんじゃないと思うの。
むしろ逆。
2人の間に『甘い恋愛的なもの』を作らないためにやったんじゃないかと思うんです。それもかなり確信犯的に。
佑真の人見に対する捉え方の変化って、次のような感じに思えるんです。
推しの同僚→家族経営での頼りになる上司兼親友→家族
……ねぇ、恋人は?恋人期間がなくない?
恋愛体質の人っていますよね。
道を歩いていてもすぐ恋におちる。
私はよく解らんのです、これが。
で、多分解らないからBL小説を読むのだと思う。
そんな私は、佑真が良く解る様な気がするんですよ。
人見のことを恋愛的な意味で好きだと自覚しても、謀がなかったら佑真は彼からの求愛を受けなかったんじゃないかな?
だって彼は腐女子の心を持っているんですもの!
絶対、自意識が邪魔をする。
2人がくっついて、幸せでも、何となくすれ違いがあるというこの感じ。
佑真の自意識は自分が甘々になるのを決して許さないと思うんですよ。
だから、あらすじはトンチキ方面に暴走させつつも、受けさんを盲目的な愛とロマンの渦に巻き込むことなく、腐女子的な俯瞰の目線を確保させたままでお話は着地。
こういう技、見事だと思いましたよ。