ボタンを押すと即立ち読みできます!
一癖アリなIT起業家×奥手な商社マンの、 メールが育む秘密の恋♡
2014年の雑誌掲載作に加筆修正、その後の二人を書き下ろしての文庫化になります。
女性が苦手で恋愛経験に乏しい商社マンの深澤。
恋愛に興味が無い自分に悩み、占いサイトに相談するんですね。
すると、親身な返事についついやりとりを続けるように。
そんな中、直接会いたいと誘われー・・・と言うものです。
こちらですね、印象としては、とにかく甘くて可愛くてエロいなんですよね。
この、待ち合わせ先に現れた青年・司ですが、年下ながら包容力があるモデル張りのイケメン。
彼から「愛される経験」をしてみる事が悩みの解決に繋がるんじゃないかと提案され、お試しで恋人として付き合う事になる。
で、この司青年。
めちゃくちゃ甘くて献身的なのに大胆でもあって、隙あらば際どい接触なんかも求めてくる。
そんな彼に振り回されつつも、いつしか自分が恋に堕ちてしまった事に気付く深澤・・・って感じでしょうか。
これね、要は、不器用なクール美人が、年下ながら包容力のある攻めにデレデレに甘く口説きまくられ、気がつけば落とされちゃってたってお話なんですよ。
若干、ノリがライトと言いますか、エロ先行気味な部分もあるんですけど、とにかく可愛いんですよね。
これまで恋愛に興味が無くて、そんな自分がおかしいのでは無いかと気になっていた深澤。
彼は恋愛経験が乏しい故に、とにかくウブウブ。
や、クール美人である深澤がですね、年下男子に翻弄され、調子を崩して赤くなったり青くなったりとアタフタしてるのが可愛いのです。
また、そんな深澤を口説きまくる司。
彼は結構策士な部分がありまして、自分の手練手管を駆使して深澤を落とそうとする。
や、はじめはですね、出会って早々に口説きまくりな為、深澤をいつ好きになったんだよとモヤモヤしたのです。
終盤で明かされる事実に、なるほどね!と。
思わずニヤリとしちゃったりして。
2014年の作品だけあってか、元々掲載された雑誌のカラーがあってか、エロ先行気味ではあるのです。
ただ、不器用な大人の可愛い恋愛+エロって感じで、個人的にはとても楽しく読めましたよ。
ちなみに、書き下ろしが司視点での後日談。
こちらでは付き合いだした二人のちょっとしたスレ違いなんかが語られます。
これ、司がですね、年下ならではの青さみたいのを見せてくれて楽しいのです。
や、表題作だと、常に落ち着いて包容力があってと、翻弄されてるのは完全に深澤だったから。
誰だって、好きな人に対しては弱くもなるし不安にもなるよね、と。
彼は意外とワンコでしたよ。
うーん、甘い。とっても甘いです。
仕事は出来るけれど、恋愛に関しては不器用な年上が、あることがきっかけで出逢った年下の青年からこれでもかと溺愛されるお話。
甘い溺愛ものが読みたい方や、糖分をチャージしたい方におすすめの1冊です。
あと、ちょっとえっちです。
少し前に掲載された作品という事もあって、設定的に「うん?」と思ってしまう部分もあるのです。
アダルトグッズ製作会社の社長がなぜ占いアプリを?だとか、占いというよりは恋愛相談じゃない?だとか、会って初日にそれ?だとか、冷静になって気になる部分を挙げればポロポロと出て来てしまう。
でも、なぜかそこまで気にならず楽しめたんですよねえ。
かなり手直しをされたとのことだったので、今の秀先生の作風と過去の作風が上手く交わって、甘く読みやすいお話になっているのかも。
なんというのかな…表題作は6年ほど前の作品のはずなのですが、もう少し前の2005〜2010年頃の懐かしい感じのBL小説のような印象がありました。
あくまでも個人的な感覚ですけれど。
大人同士で、ありえなさそうな設定の出逢いで、葛藤はあまりなくトントンと進んで、でも可愛さもあって、ラブもあって、いつの間にかくっついている…どれも少しずつ楽しめるお弁当箱みたいな。
なので、設定を気にせず軽めの読み心地で楽しむのが良いのかなと思います。
こちらの作品、上にも書いた通り甘くてちょっとえっちなんですよ。
エロスじゃなくてえっち。
そして、なんだか雰囲気が柔らかくて可愛いんです。
恋愛に対して不器用で、自分に恋は無縁なものなのではないか?と、恋愛にもセックスにも自信が持てないでいる由貴史が、酔った勢いで占いアプリを通して司に相談メールを送ったことから始まったお試しの関係。
この年下の司という人が、とにかく甘く辛抱強く押しまくる!
もう、口説き方がずるくてですね。
ちゃんと少しの逃げ場所を用意しておきながら、好きですよ。可愛いですよ。あなたのここが魅力的です。俺はあなたにこうしたいけどあなたはどうかな?
なんて、包容力のある甘いマスクの年下が、強引過ぎない絶妙な塩梅でぐいぐいアプローチするんです。
これは恋愛初心者にはたまったもんじゃない。
セレクトショップの更衣室でねっとり触ったり、映画館で直接的に触ったりするあたりはやり過ぎな感じもしますが、そこは由貴史から貰ったぬいぐるみに喜んだり、可愛らしいラテアートを作ったりするギャップを出すためだったのかも。
何気ないほのぼのとしたメールのやり取りから、言葉責めのような夜の雰囲気が香る扇情的なメールを送ってみたり、押したり引いたりしながら一貫して甘い態度の司に、初心な由貴史があっという間に翻弄されていく。
司の事が気になって仕方がなくなっていく由貴史がちょろいんですけど可愛いんです。
最後には恋愛に対する臆病さも認めて、すっぽり司の中に収まった感じでしょうか。
ただこれだけだと、アプリを通じてなのに?司はちょっとうさんくさすぎない?となってしまうのですが、ここで効いて来るのがさり気なく張られていた伏線なんですね。
読み終えてから、ここか!と読み返すのも面白いですよ。
後半部分は書き下ろし。攻めの司視点です。
ううん、年下って可愛いなと思いました。
余裕がありそうに見えた司だけれど、そんなことはなく、由貴史とは職種も年齢も異なりますし、ほんの些細なことで不安になってしまったり。
なかなか家に上げてくれない由貴史に焦れて不安になる司が可愛い。
由貴史さんのすべてを知りたいけど…と悩んだ末に知った、頑なに由貴史が家に招かなかった理由が笑えます。
すれ違いものではありますが、深刻なすれ違いではないので、こちらも軽い読み口で楽しめるかと思います。
タイトルの「箱の中の約束」は、スマートフォンアプリの中のスケジュール共有のことかなと。
最後に記入した言葉が現実になるのもきっと遠くはないはず。
肩の力を抜いて楽しめる、大人の可愛らしいお話でした。
過去の雑誌掲載作品を根本から書き直したのが表題作の「恋に無縁なんてありえない」だそうです。
そして文庫本にするにあたり書き下ろしたのが、後半部分の「箱の中の約束」らしいです。
私には書き下ろしの「箱の中の約束」の方がとても好みで面白いと思いました。
表題作は攻めの司と受けの深澤が占いアプリを介して知り合い、実際に会うようになり恋に発展してやがて恋人同士になるお話です。
司に心を開いて行く過程も身体に触らせるのも性急な気がして、更にもともとは前から深澤に司が一目惚れしていたのも、こんなに都合良い展開がある?って正直言ってお話に入り込む事が出来ませんでした。何年前の作品か分かりませんが、見合いを頻繁に勧めてくる上司も今の世情には合いませんよね。
だから前半だけだと外してしまったなとガッカリしてしまったんです。でもですね後半の「箱の中の約束」で印象はガラリと変わってしまいました。
恋人同士になった2人の司目線でお話が進みます。前半では謎だらけの司でしたが、仕事や家族の事や過去が詳しく語られていて、何より深澤に夢中な事が良く分かります。
そして深澤の家に行きたいと言う願いを何度もサラリと躱されている事に気が付きながらも、目の前の楽しさを壊したくないのと深澤の意志を優先させてしまう司が歳相応の青年で好感が持てました。
占いアプリの相談者とホテルのラウンジで会っていた時に偶然見つけてしまった、深澤と綺麗な女性に司は動揺してしまいます。
冷静になろうとトイレに入ったところに深澤がやって来て、司は一気に頭に血が昇るのです。
言いたい事を一気に言う司にスッキリしました。読者なら司と同じ気持ちだったと思うからです。
深澤の理由はちょっと肩透かしでご都合主義な感じもしたので、もうちょっと揉めるような内容であって欲しかったと思ってしまいました。
結局は司を家に呼べなかった理由は想像した通りでしたが、好きで相手が望んでいたなら少しでも改善出来ただろうとも思いました。
でも司が嬉々としていたので割れ鍋に綴じ蓋でお似合いなカップルだと思いました。
こちらは【恋に無縁なんてありえない】とその書き下ろし【箱の中の約束】から成り立っていますが、圧倒的に前者が好みでした。
基本的に前者は受け視点、後者は攻め視点です。
前者は切なくてほろっときてしまうシーンもあり、すれ違ってしまうのかとハラハラしたりもしました。
後者はカップルになってからのお話です。
この作品、初出が2014年なんですね。それでも違和感なく古臭さも感じずに読めました。ただ攻めの仕事の設定がちょっとだけ時代を感じたかな(笑)
エロ具合ですけど、攻めが受けに出すメールの内容(願望と妄想)がとてもエロかったです。
2014年に雑誌掲載の表題作と、本作発行にあたり書き下ろされた攻め視点の中編の2作の収録です。
「恋に無縁なんてありえない」
元々の作品ではありますが、本編だけだと尺が足りない感じ。
そしてその尺の足りなさがゆえに冒頭のツカミやその後の展開がムリ筋というか…こんなのないでしょ…みたいな感想を抱いてしまった…
主人公の商社課長・深澤(31)。
部長からしつこく見合いを薦められるも、恋愛や結婚に消極的なので困り果てている。いつもはスマホの占いサイトなど覗かないのだけど心が弱ってつい…
そこで返答してきた「つかさ」とやりとりするようになり……からのあれよと実際に会う事になり……男性だった司と初対面のその日にあんな事そんなこと……
読者的に置いてけぼりな展開だと思いました。
深澤本人も混乱する通りに、これは司への恋なのか、快感を知ってのめり込んでるだけなのか。
私には快感に流されている方が強いように思えてしまった。
なぜ司の方も深澤に惹かれているのかもよく見えません。
だから、やっぱり司も本気でした、深澤はイケメンの司に見初められて愛されて両想いハッピー!というラストには、このまま終わり?と思ってしまいました。
「箱の中の約束」
司視点の中編。
明るくてイケメンで性にも積極的なモテ男。なのに初めてのメールから深澤に惹かれてた…という前提からしてどうもピンとこない。
まあベテランの秀香穂里先生ですから、設定に乗り切れなくても面白いですけど。
こちらは深澤がどうしても部屋に上げてくれない、そんな時に美しい女性と会っている深澤を見てしまい…というお話です。
部屋に上げない理由は一番ありがちなアレ。
雨も降らずに地固まった2人です。
特筆すべきはイラストの金ひかる先生。
真面目でお堅い深澤がもうキッチリその通りのイラストで。素晴らしいです。