アスク・ミー・ホワイ

ask me why

アスク・ミー・ホワイ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神31
  • 萌×29
  • 萌0
  • 中立2
  • しゅみじゃない4

274

レビュー数
15
得点
193
評価数
46
平均
4.3 / 5
神率
67.4%
著者
古市憲寿 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
雲田はるこ 
媒体
小説
出版社
マガジンハウス
レーベル
発売日
電子発売日
ISBN
9784838731114

あらすじ

今年No.1ロマンチック・ストーリー
装画は雲田はるこさん。

過去はね、変えられるはずなんだよ。
もしかしたら、未来よりもずっと簡単に

初めて港くんと会ったのは、大寒波が到来した冬の日だった。
港颯真・元俳優。写真週刊誌のスキャンダル報道によって、彼は、
少し前に芸能界から姿を消した。
ヨーロッパの街を転々としていたようが、
ここアムステルダムに住み始めたという噂は本当だったのだ。

初めはブルーやグレー、
途中から淡いピンクが重なったり。
彩りはあるけど、虹色と括れなくて、
すごく好きな世界でした。ーーー乃木坂46 高山一実

心も、身体も、酒も、誤解も。
溶け始めた瞬間が、最も艶めかしく、
意識の奥底を温める。
この物語には、人々の瘡蓋を溶かす、
蒼い陽射しがある。 ----リリー・フランキー


表題作アスク・ミー・ホワイ

(仮)港颯真,27歳,元俳優
(仮)ヤマト,アムステルダムの日本料理店勤務

同時収録作品アスク・ミー・ホワイ

金髪の外国人男性,ベーシスト
港颯真,27歳,元俳優

レビュー投稿数15

映像化して欲しい作品

あの古市さんが書く恋愛小説ってどんなの?
表紙が雲田はるこ先生なの?
めっちゃ気になるやん!って事で買った、のに積んでた本。
やっと読んだら、めちゃくちゃいい話じゃないかーーーー!泣いてしまった。

薬物疑惑で芸能界ドロップアウトした若手俳優 港くんと
付き合ってた彼女にオランダ移住しようと言われてついて来たのに、浮気されてここに居る意味見失ってるヤマトくんのお話。
あるキッカケで2人は出会って積極的な港くんのおかげで急速に仲良くなっていく。
港くんはゲイ、ヤマトくんはノンケ。
だけど、キラキラ芸能人オーラのある港くんに
ドキドキしっぱなしのヤマトくん。
一緒に居ると楽しいし、バイトあるのに港くん優先して当日欠勤してしまう事しばしば。
この気持ちは、恋愛的な意味じゃないって何回も自分で確認してる。(不安になってる時点でラブの意味で好きだよ)

セレブと一般人の非日常なストーリーって
ふと、ローマの休日みたいじゃね?って今思い浮かんだ。身分違いの恋的な。
切なさは同じだけど、このお話の結末の方が未来がある感じで私的にすごく好みでした。
反響によっては、続編もと言われていたそうで是非続き書いて欲しい。

古市さん、ワイドショーに出られているだけあってその体験や感じられた事をお話に組み込まれているのかなって思いました。
あと、他の小説に比べて時事ネタや固有名詞、作品名、ブランド名がとっても出て来たのもびっくりしました。確かに、どんなブランドを身に付けてるかでキャラクターがわかりやすくなったり、曲名でイメージ膨らんだりするかぁーと思ったり。
読んだ後に、ビートルズのアスク・ミー・ホワイ聴きながら歌詞見て更にジーンときました。

映画化してくれないかなー。
めっちゃ観たい。
勝手に港くん誰がいいかはもう考えてます。

0

悲しくないのに泣きたくなる

出版時から気になっていた作品でしたが、やっと読めました。
TVで見かけるあの方が作家さんとは知らなかった。(本業は社会学者だそう)
雲田はるこ先生が好きなので表紙も大変お気に入りです。
非BL作品ですが、中身はガッツリ男性同士の恋愛のお話でした。

物語の始めから、相手の港が遠く離れた場所に居る存在であることや会えて良かったと過去系で書かれていて、これは失恋のお話なのかも…とちょっと心がザワザワ。
文章はとても読みやすく、難しい単語などもなくスイスイ読み進められました。

アムステルダムには行ったことがありませんが、冬の厳しさや建物の古さ、夏の日の長さなど想像しながら読むのが楽しかったです。

ヤマトと港は他人から友人へ、友人からゆっくりと恋人関係になります。
普段BLを読み慣れてる者としては、非常にもどかしかったです。
早く恋愛関係になってくれーと思いながら読んだので、かなりページを捲るのが速くなってたと思う。

ヤマトの目線から感じられる港がとても美しくスマートかつセクシーで萌えました。
あまりに美しい造形をしていて、いい香りがして、フレンドリーにされたら同性であろうが好きになっちゃうよね、わかるよ〜などと頷きながら読む。
港の言動に一喜一憂しちゃうヤマトがとても可愛らしく思えました。

港目線では語られないので、ヤマトの事をどう思ってるのかなかなか分からなくて、もどかしいし不安でした。
俳優をするくらい素敵な男が、本当にヤマトを好きになるのかなって。
こんな不安が最後まで残ったままだったんですが"ASK ME WHY"の歌詞の和訳を読んで一安心。
良かった、港はまたアムステルダムに帰ってきてまた一緒の時を過ごせるねと思えました。

「あらゆる関係は永遠ではない」のだけど、「それでも誰かをずっと愛してみようと誓う」の言葉が切ないような温かいような不思議な余韻を残す作品でした。

0

どこか遠くの世界での、彼らの幸せを願っています

作家さんと作品テーマが気になって読みました。
ヤマトの目線で紡がれるアムステルダムの街並みは、行ったことのない場所なのにどんな風景か想像できてしまう、そんな文章でした。

このような言葉で表現するのはあまり良くないと思いますが、ヤマトくんはとても日本人らしい日本人の青年です。
偏見の目に晒されることを恐れ、自分が人を傷つくことを恐れ、また傷つけられることを恐れる。
アムステルダムという土地で1人逞しく、とまでは言いませんが彼なりに自分の人生に言い訳をしながらも努力をして、1人のありふれた、普通の日本人(異国の人間)として生きていました。
そんな彼の目の前に現れる湊さんは、職業柄もありますが、彼に無いものばかり持っています。
でもそんな彼にもないものは沢山あります。

お互い自分自身に不満があって、それでも言い訳して、そうやって言葉を交わして、少しずつ距離を詰める。
空気を読む、察する、を美徳とする日本において、言葉の大切さがすごく伝わってきました。

非BLということで商業BLをメインジャンルにしている人には少し手を取りづらい作品かと思いますが、買って、読んで絶対損は無いです。

アムステルダムという、想像もつかない異国で過ごす、彼らの日々をぜひ読んでいただきたいです。

1

アムステルダムの恋

BLじゃない本を探していて、カバー絵が素敵すぎて買ってしまった作品です。

個人的に冒頭で結末を匂わせるような描写がある書き方はそれに捕らわれて好きじゃないのですが、切ない思いを持って読み始めました。

薬物スキャンダルとゲイ疑惑で芸能界を去ったイケメン俳優の港と
彼女とアムステルダムに移住して相手の浮気で振られたレストラン勤務のヤマトがだんだん恋をしていく過程が素敵でした。

ヤマトは、大学入試からずっと思い通りにならない人生に後ろ向きで、同棲していた恋人をイケてないオヤジに寝とやれたことを恨みに思う根の暗そうな青年というイメージでしたが、港と出会ってからの心情が恋する乙女チックでかわいらしかったです。

ちょっといいレストランで待ち合わせたときに、ブラックスーツで現れた港を見たヤマトが胸きゅんした後に、ほかのパーティーのために装ったついでだったと知ってがっかりしてしまうところなんて、もう恋だよね、無自覚だけど…という場面に読んでいるこちらもキュンしました。

後半で、新しいことに踏み出すのに躊躇するヤマトに対して港が言った言葉がいいなと思います。
「同じ才能を持った二人がいたら勇気のあるほうが勝つ」というもの。
才能があるかどうかわからないけれどそれがわかるのは動き出してからなのだから勇気を出して挑戦したほうが勝ちだというのを心に留めておきたい言葉だと思いました。

3

表紙絵とマッチするような儚さを持つ内容

読んだあと悶絶しました。
冒頭は特に何の変哲もないストーリーでしたが、後半から怒涛の萌でした。   
特に、旅行から先のシーン!
作者さんがtvでも活躍されている有名な方だったので暇つぶし程度に読みましたが、なかなかハマれるストーリーで、つい、読む手が止まらなくなってしまいました。
イラストも雲田はるこ先生の仕上げということでやわからな物語にマッチしていてイメージが容易に湧くと思います。個人的には好みのお話でした。

4

二人の関係性を示すセリフに撃ち抜かれた

一週間くらい余韻に浸りたい、なんかもうめちゃくちゃに泣きたくなる作品だった。

主人公のヤマト目線で語られる一人称小説で、独り語り感が強い文章。柔らかく繊細な描写で入り込みやすく、作品世界に没頭すると時間の流れがゆったりしているように感じる。リアルと二次元の融合具合が独特で、世界観の構築が素晴らしかった。

冒頭から時事ネタの羅列で雑念が入りそうになるが、たぶん自身の中に在るこの雑念もこの作品を読む上で必要な要素なんじゃないかと思う。まさに“今”だから出てくる意見が多くあり、鮮度が高いが普遍的でもあると感じた。

ヤマトは気の毒になるほど気を遣って異国の地で生きている。対する港は、最初はよく分からない。だがセリフは論理的と見せかけておいて屁理屈を織り交ぜ、軽い毒を吐く。そこから推察する精神状態は、少々荒んでいたんじゃないかな。港につられたのか、一緒にいるときのヤマトのモノローグは皮肉が分かりやすかった。
そこから交流が深まるにつれ、港のセリフはポジティブなものばかりになっていく。ヤマトのネガ思考を、視点を変え発想を転換し前向きな解釈を述べる。ヤマトもまたつられるようにして、考え方や物事の捉え方がプラス方向へと変わっていった。

非BLカテだが、ヤマトは後半かなり恋愛脳に近い状態で、ずっと港との関係性に悩んでいる。ベッドシーンまであるのには驚いたが、その翌朝に港から与えられた答えで撃ち抜かれた。
「セックスに失敗しても気まずくならない関係」
!!!
関係性を示す言葉で、今までで一番衝撃を受けた。もう言葉にならない。すごい。

最後まで読み終わり、再度序章を読む。初読み時は悲恋の匂わせかと思われたそれが、その先の幸せが見える独白に変わっている。
ラストの歌の歌詞、うっかり調べて涙腺が決壊した。

4

作品全体の雰囲気が素敵

正直作家さんのことはあまり好いてはいなく、でも読まずに批判なんて出来るはずもない……と読んでみたのが始まりでした。
読了した今、白旗を掲げて呻きつつこのレビューを書いている次第でございます。

序盤でいきなりキスとかしちゃうんだ!? と、ドキドキしながらページを捲るも、その後は逆にもどかしいくらいに関係が進展せず、何度「いやもうそれは恋だから! 恋なんだから……!!」と背後からヤマトくんを突き飛ばしたくなったことか……。

港くんの危うくて不安定なのに決断力のあるところとか、ヤマトくんの優しいようで優しくないとこや臆病だったり欲張りだったりするところが、すごく人間的で、読み終える頃にはめちゃくちゃ二人が好きになってしまったので、あのエンドで本当に良かったという気持ち……!!!

個人的にドキドキしたシーンは、ベーシストとのプレイをベッド下で聞く羽目になったヤマトくんのシーン。あと、終盤のAV流しつつの不埒な絡みが良かったです……(具体的すぎる感想)
想いを通じ合わせてからのヤマトくんの甘えっぷり、めちゃめちゃに可愛いので、ほんと何度でも言いますがこのエンドで良かった……!!!!

めでたく今年読んで良かった本の1冊になりました!!

5

異国の地で己と向き合う二人の、再生と共生の物語…

 いわゆる「BL」作品ではありません。多くの商業BL作品が有するようなエンタメ性や、過激な性描写はありません。これは文学です。
 舞台はオランダ、アムステルダム。美しい異国の地で出会った二人の、お互いに向ける友情とも恋情ともとれる想いや、はっきりとしない彼らの関係性にもえる作品です。
 そして是非、読み切った後に「アスク・ミー・ホワイ」について考えてみてください。題名に秘められた仕掛けに気づければ、いっそう物語の世界観に引き込まれることでしょう。

3

リアルなのにどこかリアルじゃない

散々に迷って、この評価。
だって、とても読みやすく普通に読み物として面白かった。でも読み終わってふと気づいたんです。
あれ?
自分の中に何も残ってないんじゃないだろうか。

それぞれの人生で躓きを味わった港とヤマトが、日本から遠く離れたアムステルダムで出会い、恋愛のような友情のようなそれでいて確かな関係性を築いていきます。
エピソードを重ねて互いに感化され合い、やがて心開ける相手になってゆき、停滞していた二人の人生を進める優しい物語です。

でもその一方で感じるのは、恋愛、友情、挫折と再生、生活クラスの違い、異文化の海外での生活の苦労や発見…そういう色んなものをあまり掘り下げずに上澄みを掬ってるということ。
それがこの作品のカラーなんだと分かってはいるんだけど、作品を味わい噛み砕いて自分の血肉にするのではなく、ショーウィンドゥに飾ってあるものを眺めるような距離感が最後まで残ってしまいました。

金銭感覚、性に対する考え方、人生観、交遊関係等々、港とヤマトは基準や経験がわりと異なるんですよね。でも、大きな摩擦がない。いや触れられているんだけど焦点は当ててないんです。異なるものが出会った時の化学反応を見せてくれない。
だから二人とも、本当は一体どういう人間なんだろうと思ってしまった。人柄の輪郭は分かる。でも生身の人間性が掴みきれなかったのです。

アドバイスになるような素敵な言葉やはっとする言葉もたくさんあります。でもそれはエピソードに委ねきらず、結局は台詞や思考で語らせている。
だからかな。リアルなのに、どこかリアルじゃない。

自分が泣きたい時、笑いたい時、癒されたい時、辛い時、ロマンスを味わいたい時、独特の世界観に浸りたい時、自分の視点では得られない新しい発見がしたい時等々…人生には色んな時機が訪れるけど、どのタイミングでも私はこの作品を思い出さない気がするのです。

10

アムステルダムでキュン死

いや~、やられました。。古市氏ってキュンのわかる社会学者だったんですね。
雲田先生でコミカライズされないかしら?と思えるくらいにBLでした。

恋人と別れ、やりたいことも見つからず、鬱々とした日々を送るヤマトと薬物報道がきっかけで芸能界を引退した元・俳優の港が、アムステルダムで出会って始まるやっさしーい恋愛小説です。

冒頭でミスリードしてしまった私には、いい意味で裏切られる結末でした。
港とヤマトの格差にハラハラしたのは私だけなのでしょうか。港くんの超さびしがりやさんで奔放な感じが危うげで、どっかで出奔するか、勢いで死んじゃうんじゃないかな(!)とか、無駄に心配しちゃいました(^-^;

港が身に着けるお洋服のブランドや、ヤマトが作る料理の具体的すぎる描写にイマジネーションを刺激されました。とにかく、彼らの日常を彩る様々なものが視覚や臭覚にうったえてくる、情報量の多い作品です。特に、港はそのルックスや香水から描写される場面が多くて、そのことが港を官能的な存在にしていると思います。

どう見ても恋愛はじまってるやん!なのに、一線をひこうとする二人の様子が切なくてたまりませんでした。試行錯誤の結果、「(男とか女じゃなくて)俺は君が好きで、君は俺が好き」と腹をくくるところが、もうBL味強め、というか、そのパターン好きなのでもってかれました。「セックス失敗しても気まずくならない関係」、もう最強じゃないですか。

社交的な自信家に見えて超繊細な港と、何事においても踏み込む勇気も自信ももてないヤマトが、戸惑いながら一生懸命に、そもそも生じている”誤解”を解こうと試行錯誤し、互いの欠点を補いあえる存在、かけがえのない存在に発展していく過程が尊いです。

タイトルになっているビートルズの曲を知らずに読了した私は、港の気持ちを確信しきれなかったんですが、その歌詞の意味から、ヤマトに対する想いを知り、やっと安心することができました。

互いの存在にそれぞれの居場所をみつけた二人が、その後どうなっていくのかも見届けたい気分です。


4

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