アスク・ミー・ホワイ

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アスク・ミー・ホワイ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神23
  • 萌×25
  • 萌0
  • 中立2
  • しゅみじゃない4

38

レビュー数
8
得点
137
評価数
34
平均
4.2 / 5
神率
67.6%
著者
古市憲寿 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
雲田はるこ 
媒体
小説
出版社
マガジンハウス
レーベル
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784838731114

あらすじ

今年No.1ロマンチック・ストーリー
装画は雲田はるこさん。

過去はね、変えられるはずなんだよ。
もしかしたら、未来よりもずっと簡単に

初めて港くんと会ったのは、大寒波が到来した冬の日だった。
港颯真・元俳優。写真週刊誌のスキャンダル報道によって、彼は、
少し前に芸能界から姿を消した。
ヨーロッパの街を転々としていたようが、
ここアムステルダムに住み始めたという噂は本当だったのだ。

初めはブルーやグレー、
途中から淡いピンクが重なったり。
彩りはあるけど、虹色と括れなくて、
すごく好きな世界でした。ーーー乃木坂46 高山一実

心も、身体も、酒も、誤解も。
溶け始めた瞬間が、最も艶めかしく、
意識の奥底を温める。
この物語には、人々の瘡蓋を溶かす、
蒼い陽射しがある。 ----リリー・フランキー


表題作アスク・ミー・ホワイ

(仮)港颯真,27歳,元俳優
(仮)ヤマト,アムステルダムの日本料理店勤務

同時収録作品アスク・ミー・ホワイ

金髪の外国人男性,ベーシスト
港颯真,27歳,元俳優

レビュー投稿数8

異国の地で己と向き合う二人の、再生と共生の物語…

 いわゆる「BL」作品ではありません。多くの商業BL作品が有するようなエンタメ性や、過激な性描写はありません。これは文学です。
 舞台はオランダ、アムステルダム。美しい異国の地で出会った二人の、お互いに向ける友情とも恋情ともとれる想いや、はっきりとしない彼らの関係性にもえる作品です。
 そして是非、読み切った後に「アスク・ミー・ホワイ」について考えてみてください。題名に秘められた仕掛けに気づければ、いっそう物語の世界観に引き込まれることでしょう。

0

リアルなのにどこかリアルじゃない

散々に迷って、この評価。
だって、とても読みやすく普通に読み物として面白かった。でも読み終わってふと気づいたんです。
あれ?
自分の中に何も残ってないんじゃないだろうか。

それぞれの人生で躓きを味わった港とヤマトが、日本から遠く離れたアムステルダムで出会い、恋愛のような友情のようなそれでいて確かな関係性を築いていきます。
エピソードを重ねて互いに感化され合い、やがて心開ける相手になってゆき、停滞していた二人の人生を進める優しい物語です。

でもその一方で感じるのは、恋愛、友情、挫折と再生、生活クラスの違い、異文化の海外での生活の苦労や発見…そういう色んなものをあまり掘り下げずに上澄みを掬ってるということ。
それがこの作品のカラーなんだと分かってはいるんだけど、作品を味わい噛み砕いて自分の血肉にするのではなく、ショーウィンドゥに飾ってあるものを眺めるような距離感が最後まで残ってしまいました。

金銭感覚、性に対する考え方、人生観、交遊関係等々、港とヤマトは基準や経験がわりと異なるんですよね。でも、大きな摩擦がない。いや触れられているんだけど焦点は当ててないんです。異なるものが出会った時の化学反応を見せてくれない。
だから二人とも、本当は一体どういう人間なんだろうと思ってしまった。人柄の輪郭は分かる。でも生身の人間性が掴みきれなかったのです。

アドバイスになるような素敵な言葉やはっとする言葉もたくさんあります。でもそれはエピソードに委ねきらず、結局は台詞や思考で語らせている。
だからかな。リアルなのに、どこかリアルじゃない。

自分が泣きたい時、笑いたい時、癒されたい時、辛い時、ロマンスを味わいたい時、独特の世界観に浸りたい時、自分の視点では得られない新しい発見がしたい時等々…人生には色んな時機が訪れるけど、どのタイミングでも私はこの作品を思い出さない気がするのです。

8

アムステルダムでキュン死

いや~、やられました。。古市氏ってキュンのわかる社会学者だったんですね。
雲田先生でコミカライズされないかしら?と思えるくらいにBLでした。

恋人と別れ、やりたいことも見つからず、鬱々とした日々を送るヤマトと薬物報道がきっかけで芸能界を引退した元・俳優の港が、アムステルダムで出会って始まるやっさしーい恋愛小説です。

冒頭でミスリードしてしまった私には、いい意味で裏切られる結末でした。
港とヤマトの格差にハラハラしたのは私だけなのでしょうか。港くんの超さびしがりやさんで奔放な感じが危うげで、どっかで出奔するか、勢いで死んじゃうんじゃないかな(!)とか、無駄に心配しちゃいました(^-^;

港が身に着けるお洋服のブランドや、ヤマトが作る料理の具体的すぎる描写にイマジネーションを刺激されました。とにかく、彼らの日常を彩る様々なものが視覚や臭覚にうったえてくる、情報量の多い作品です。特に、港はそのルックスや香水から描写される場面が多くて、そのことが港を官能的な存在にしていると思います。

どう見ても恋愛はじまってるやん!なのに、一線をひこうとする二人の様子が切なくてたまりませんでした。試行錯誤の結果、「(男とか女じゃなくて)俺は君が好きで、君は俺が好き」と腹をくくるところが、もうBL味強め、というか、そのパターン好きなのでもってかれました。「セックス失敗しても気まずくならない関係」、もう最強じゃないですか。

社交的な自信家に見えて超繊細な港と、何事においても踏み込む勇気も自信ももてないヤマトが、戸惑いながら一生懸命に、そもそも生じている”誤解”を解こうと試行錯誤し、互いの欠点を補いあえる存在、かけがえのない存在に発展していく過程が尊いです。

タイトルになっているビートルズの曲を知らずに読了した私は、港の気持ちを確信しきれなかったんですが、その歌詞の意味から、ヤマトに対する想いを知り、やっと安心することができました。

互いの存在にそれぞれの居場所をみつけた二人が、その後どうなっていくのかも見届けたい気分です。


4

独特な世界観に引き込まれた

書店でサイン本を見かけて購入させていただきました。
とっても可愛いサインを書かれるんですね。
内容も素敵でした。
大切にします。

一冊通して、愛を伝えている本作。
〝Ilove you〟から始まるビートルズの「ASK ME WHY」の歌詞そのまま。

この人を好きでいられて幸せ。
私があなたを好きで、あなたは私が好き。

大きな愛を、静かにしっとりと伝えてくれます。

この人といられるだけで幸せ。
きっと、この人は私を不幸にしない。
ーーこんな愛、最強だと思う。

読みやすい文章にも、結末が読めないストーリーにも引き込まれて、一気に読みました。
他の作品も読んでみようと思います。

2

光あるお話

読みやすくてスラスラいけました。

海外の空気感。
美味しそうな料理。
着ている洋服のブランド、などなど。
何気ない描写が細かく丁寧で、彩りを加えている。
自然に物語にも溶け込めました。

一番印象的だったのは、
『夢を叶えることと同じくらい、願った夢を忘れないことも大事』
というところ。

いいな、って思いました。

些細な夢をたくさん浮かべては叶え、幸せを増やしていく。
そして叶った夢がたくさんあることを忘れずに、それを力だったり勇気に変えていきたい。
そんな風に前向きにもなれました。


私は基本的にBL小説でキャラ萌えするタイプなので、常に自分はどっかにいっているのですが(笑)
このお話は自分の中でとても響くものがあって、私自身も光を浴びたくなりました。

5

ほろ苦く、優しく、爽やか

私は普段あまりTV番組を見ないため、大変失礼ながら著者様のTVでの発言等を存じ上げませんので、純粋に作品を読んで感じたものしか分かりません。

こちらの「アスク・ミー・ホワイ」という作品。
ちるちるにBL小説として登録されていて驚き。
確かに、内容的にはBLど真ん中。
ただ、個人的には恋愛小説でありながら、一歩前へ進むための勇気や、誰かを大切にすることの難しさをメインに描いたお話という印象が強いかなと感じました。
良い意味でジャンル分けは不要だと感じる作品だったというか。
どう受け取ってもいいと思います。
好きになった相手が同性だった。ただそれだけ。
ちょっぴり苦くて、優しくて、爽やかな恋を描きつつ、誰もがほんの少しの勇気で前に進めるという、前向きなメッセージ性もある素敵なお話。
とても好きな雰囲気の作品でした。すごく優しい。
きゅんとするロマンチックさもありますよ。
カバーイラストとシンプルな装丁も作品の世界観にぴったりだなと。
男性が書かれたお話ならではなのか、性描写ひとつでもBL小説ではあまり見かけない表現があったりもして面白いです。
普段からBL小説を読まれている方にもおすすめですし、普段あまり小説は読まないという方も読みやすい文章だと思います。

主人公の「僕」こと、ヤマト視点でオランダを舞台に語られる物語。
かつて交際していた女性と共にアムステルダムに移住をしましたが、浮気をされ別れて以来、希望も夢も特になく「なんとなく」で日本料理店で働きながら日々を過ごしているヤマト。
ある日偶然、ドラッグ使用・ゲイ疑惑のスキャンダルによって芸能界から姿を消した、元俳優の港颯真と真冬のアムステルダムで出逢うことになる。

ビー玉のようにきらきらと輝くような、ヤマトが知らなかった、知ろうとしていなかった世界を見せてくれる港颯真という美しい人。
ヘテロセクシャルの男性が、ゲイセクシャルの男性と過ごす内に親密になっていく。
内容を述べるのならば、この一言で終わってしまいます。
でもですね、このシンプルな展開を丁寧に、繊細に描いているのがすごく良いんですよ。

はじめに、あまりBLとは思わずに読んだと書きました。
それはなぜかというと、ヤマトが"同性の港"ではなく、港颯真という個人に惹かれていく描写が多かった事と、愛情や信頼関係が深まる様子がごく自然なものだったからなのかもしれません。
◯月◯日と、日記のように港との日々が綴られる文章が、2人の心の距離の縮まりをより自然で身近に感じさせてくれている気がします。
読者も同じ歩幅で一緒に歩いているような感じ。

ヤマトと港という、生まれも育ちも生きて来た環境も異なる2人が、会って、話して、食べて、お互いを少しずつ知っていくうちに、気が付けば信頼のおける大切な人となっていた。
この関係がなんなのかについてはっきりとは書かれていません。
おそらく恋人関係となったんだろうなと思うのですが。
僕はあなたが、俺はきみが好き。
無理に何かの枠に当てはめなくても、物事というのはそんなシンプルな言葉だけでも十分なのではないでしょうか?

そして、恋愛面だけではなく、心の成長と意識の変化がしっかりと描かれていたのが良かった。
人は自分で気付くことでしか考えを改められないかもしれないけれど、少しの気付きで過去は未来よりもずっと簡単に変えられる。
自分がどう物事を解釈していくかによって世界の見え方は変わってくる。
確かにその通りだなと、ストンと胸に落ちて来る言葉でした。
ヤマト視点で語られるので、自分とは正反対の性格の港と出逢って以来、彼から卑屈さがなくなり、少しずつ成長していく様子が爽やかで気持ちが良い。
気持ちが前向きになり、真っ直ぐ港へ向き合おうとする姿に成長を感じる。
一方の港は、一見華やかで奔放だけれど、内に複雑なものを沢山秘めていて。
時折港が口にする、スパイスが効いた皮肉めいた言い回しや表現が好きでした。
数多くの人から裏切られ、だめだと分かりながら薬物に依存し、助けを求めていた臆病で孤独な優しい人。
上っ面だけの友人や知人、お金。
彼にとって本当に必要だったのは信頼出来る人ただ1人だったのかも。
ヤマトと暮らすようになって、自然とドラッグをやめていた港は心安らげる場所が欲しかったのかななんて。

作中の「愛の言葉と言い訳は似ている」という言葉がとても好きで。
わざわざ「好きだよ」と口にするのは、好きじゃない可能性を否定するため。
世の中には無数の可能性が潜んでいるからこそ、今相手に伝えたい言葉。
つまりは、どうしようもなく今あなたが好きだということ。
なんだかすごく優しい解釈だなと思います。
作中にある、他の小さなエピソードのひとつひとつも優しいんです。
この関係がいつまで続くのかは分かりませんが、これからも2人はきちんと言葉で気持ちを伝え合うのでしょうね。
夜でも朝でもない薄明の中で、2人の世界が動き出していく。
ミカンと桃がほのかに香る、誰かを好きになる幸せが詰まった作品でした。
舞台描写も細やかなので、アムステルダムの街で暮らしているかのような気分にもなれますよ。
食事の描写もかなり丁寧です。

この作品にこのタイトルを、そして、港の鼻歌にタイトルと同様にビートルズのアスク・ミー・ホワイを選んだ古市さんのセンスの良さが素晴らしいです。
作中に湊からヤマトへの「好き」の言葉が少ないなと感じた方は、ぜひ歌詞を調べてみてください。
あとで曲の歌詞を調べたヤマトが一体どんな表情と気持ちになるのかを思わず想像してしまいますね。

8

素敵な異国情緒溢れるBL

安心してください。非BL表示にはなってますが、内容はガッツリBLです。しかもかなり後味の良いタイプの。生々しいエッチシーンはないけど好きになるまでのキュンキュンとかとても丁寧に書かれてます。これを男性が書いたとは…男性の方が繊細な部分があるかもしれないですね。

私作者のファンになってしまいました。テレビで辛口コメントしてるだけの方じゃなかった。インテリの書いたBL小説って感じでした。多分何冊かBL小説読んで研究されてたと思う。もしそれがなくてこれが書けるなんて相当センスあるよ。腐女子狙いなんて言われてて、もしそうだとしても丁寧に書かれた薄っぺらくない素敵な物語だと私は思います。

真冬のアムステルダムを舞台に物語は始まるんですが、平凡なノンケ主人公が元芸能人の美しいゲイに恋していってしまうストーリー。好きだったのは主人公が運河に落ちそうになったシーン。あそこで2人の何かが始まったロマンチックな場面だと思います。あと主人公のヤマトが優しいけどちょっと卑屈な所もある子で、でも人間誰しもこんな所あるよねって所々で共感できました。逆に自由奔放な港君もとても魅力的でした。

あと日本を離れた元俳優…あの有名な彼の影が頭にチラつきます。古市さん芸能人の友達多そうだからゲイ友も普通にいそうだなってリアルに感じてしまいました。主人公が料理人の設定なので出てくるちょっとした料理の描写がとても美味しそう。ご本人チョコが主食とか言ってたのでちゃんと調べたんだろうな。参考文献が最後にあったから。

雲田はるこさんの装丁も最高。表紙もいいけど裏表紙もとても良い。いとしの猫っ毛と同じ作家なのでこの作品の2人もリバが似合うと思ってしまいました。猫も登場するしね。さすがに中の挿し絵はなかったけど大満足でした。買って良かった!

※追記…非BL表示が外れてました。BLレーベルではないけど展開がもうBLですから。一般文芸とBLカルチャーのいいとこ取りみたいな小説です。

6

読後の余韻が心地いい作品

BLを読みだしてからBL小説は購入しても中々読めていなかったのですが、
今回ミーハー心が疼いて電子ストアで試し読みをしたところ、
もっと読みたいと購入に至り、そのまま読む手がとまらず一気読み…
幸せな余韻の残るステキな作品で、ドキドキもキュンもエロもあるBL小説で驚きでした。

時折差し込まれる毒舌やイジワルな文章を読んでいると、
古市さんの顔が薄っすら浮かんでしまうのは個人的にマイナス要素でしたが、
可愛らしくてロマンチックな描写の数々と、
毒舌だけで終わらない情を感じさせる表現の上手さに、作者の印象が少し変わったかも。

蓮の葉シーンと、裏表逆のTシャツシーンは萌えたなぁ…こんな描写をもっと読みたい。

これを機に、今までまとめ買いして積んでいたBL小説を読みたくなりました。

取っ付きやすくて読みやすい文章なので、
今までコミックしか読んでなかった方にも是非読んで貰いたい作品です。

雲田先生の画が作品のイメージそのままで、ほんとに表情が素晴らしい。
コミックでも読みたいなぁ。

11

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