ボタンを押すと即立ち読みできます!
前作『ロイヤル・シークレット』を読み終わった後に、私はこれよりももっとガチャガチャした(事件が多い)続編を想像していましたが、それは見事に外れました。
どっちかって言うと、じっくり書き込まれています。だからベンとジェイムズの心情に寄り添って、ジレジレしながら読めるんですよ。
これがねー、つらさもあり、それ故の輝くような喜びもあり。
心をあっちこっちに連れて行ってくれます。
まあホント、面白い本ですなぁ……
お話の中に出て来るのですが、本のタイトルは『王族の恋人』の意だそう。このタイトルの通り、今回はベンの葛藤が読みごたえがありました。
彼がどうして特定の恋人を作らず、一ヵ所に定住せず、いわゆる一匹狼的な生き方をして来たのかが良く解りました。
ジェイムズが慎重で、我慢強く、恋に臆病であった理由が『彼の今まで』から形成された様に、ベンだって『今まで』があったんです。そこから発想すると、ベンがロイヤルファミリーに『閉じ込められて生きていく』のは不可能に近いと思わざるを得ないのよね。
2人は今後の人生を共に過ごしていきたいと切望しているんですよ。
でも、ジェイムズは自分が生まれた家が持つ責務を果たすべきだと考えていて、ベンは何物にも縛られないで生きていきたいと思っている。
2人の願いはぴったりと重なり合うことはないのです。
ジェイムズのカムアウトを国民が支持してくれるのか?
英国国教会がゲイの国王を認めるのか?
王位継承2位のジェイムズの妹、インディゴの抱える精神的な問題は?
ベンはこんな事件が起きる度に、パパラッチから執拗に追いかけられる日常からジェイムズを連れて逃げ出せるのではないかという希望を抱きます。
だからこそベンが『(ジェイムズの)務め』について話す457pのシーンで、私はとても感動してしまったのね。
ベンは『ジェイムズが譲ってはいけないもの』を解っている。
で、自分が自分の為に守ろうとしているものについてずっと考え続けるんですよ。
ジェイムズを失うほどの価値なのか、ということを。
全体で512pのこの本。
「457pでこんな感じか……終われるんかいな?」と激しく心配したのですが、ライラさん、伏線の張り方がお上手!
人は変わることが出来るんですよ。
大切なものを守る為に。
過去を理性的に振り返ることによって。
今まで捕らわれていたものの見方を変える努力で。
そういう意味で、とても勇気づけられる本だと思います。
濡れ場は控えめ。
でも、この手の抑え方は余計エロく感じますねぇ。
メンタルとフィジカルのリンクが大層お上手に書き表されているのが好みでした。
本当にただ最高の一言に尽きます。
内容が盛りだくさんなのは、本の厚みで分かる通り。その内容ひとつひとつが本当に素晴らしい。
ひとつひとつの問題を、2人で解決していく様は本当に素敵でした。
特に妹 インディゴの問題のシーンは涙が出ました。本当にベンが素敵です。男らしく愛する人を支える姿に胸を打たれました。
本当に辛いシーンではありますが、何度でも読み返したいシーンです。
幸せになれて本当に良かったです。
基本リバは読めません。でもこれは読めます。そんなに性的表現が少ないからかもしれませんが。
それに!もうゲイクラブのシーンは悶絶モノです。ニヤニヤが止まりません。
あと、私キンバリーがめちゃくちゃ好きです。かっこいい!ベンの次にカッコいいです。
この作品の凄いところは嫌味なキャラも最終的には全員愛してしまうことでしょうか。キャラ ストーリー ともに素敵でした。
あり得ない内容?もしかしたらそうかも?
でも最後には納得してしまう。この世界を愛してしまう。ヤバく最高にあり得ない(かもしれない)結末をどうか堪能してみてください。
24日に電子発売されたこちらの作品は、私にとって最高のクリスマスプレゼントとなりました。
今年も終わりに近くなりましたが、こんな素敵なお話が読めるとは感謝です。
ウィットの効いた会話
皇太子として国民に向けた声明文
テレビでのインタビュー内容
お見事すぎてこわいくらい。
王になるとされている立場の人間の性的指向と宗教と国が絡んだお話なんて、考えるだけで禿げそうなのに書ききっててすごいなと思いました。
しかも作家のご都合主義が許される架空の国や宗教じゃなくて、実在する「英国」「英国国教会」が相手ですからねぇ……。逃げ場がない。
それにしても、なんど読んでて袋小路に陥った気分になったことか!
綺麗事では済まされない、予想以上にヘビーな現実が次から次へと押し寄せる。
それらに直面したベンとジェイムスの心が一進一退を繰り広げる様子が丹念に描かれているので、どちらの気持ちにも寄り添うことができるんですよね。
どっちの気持ちもわかるし、何が正解なのかわからない。
私自身、何が彼らにとって幸せなのか彼らと一緒になって悩みました。
それだけに最後に出した結論が胸に迫るし、読み終わってから表紙を眺めると格別の思いがします。
群衆からは見えないけどもちろん想像できるし、鏡に握ってる手が映ってる!
ベンの表情も萌え転がる〜。
それにしてもベンかっこいーなぁ……文句なしで、痺れた。かっこいい……。
元からいい男ではあったけど、いまや無敵のかっこよさ!
あの王妃様のお気に入りになるとは、さすが。
「善意の筋肉質」には思わず笑ったわ。ベンには申し訳ないけど。
それにジェイムスも国を背負って立つ男としてかっこいい……。
皇太子として自分を律し続けてきた男だけど、素顔はとてもラブリー&チャーミング。
そして妹の危機の際に見せた脆さや苦悩……。
それを包み込み、「ジェイムスが真実を知っていればそれでいい」と思うベン。
ぎゃーー!!ベンがかっこいいよぉぉ〜!!!と萌え転がった。
あんなの全世界が惚れるわ。
かっこいい男二人の真摯なラブストーリー、最高でした。
夢中になって読み耽りました
今年のナンバーワン小説はコレです。
すごいボリュームと読み応え‼︎
前編にあたる、『ロイヤル・シークレット』からの続きです。
最後までどうなるか分からない展開にハラハラドキドキが止まりませんでした。
前作で、ジェイムスのそばにいる事を選んだベン。
ジェイムスは国民にゲイであることをカミングアウトし、パートナーがいることも明かします。
そして、ベンの生活も波乱に満ちたものになっていきーー…
覚悟していた以上に生活が一変してしまったベン。
自由が欲しい、プライバシーが欲しい、一瞬一瞬を正直に生きる権利が欲しい……と、思っていた以上にベンの心は蝕まれていきます。
そんなベンの葛藤に怯えるジェイムスは、ベンが離れていくことを何よりも恐れているのです。
前作ではジェイムスへの想いを貫くベンの姿に感動したのですが、本作では言葉と行動全てでベンへの愛情を伝えるジェイムスに心打たれまくりました。
王位を継ぐことよりも、ベンとの未来を選ぼうとする愛の大きさに泣いた。
すれ違う2人が切なくて、その恋の行方から目が離せませんでした。
序盤から終盤にかけての感傷的でシリアスな展開から急転するラスト。明るく幸せいっぱいなエピローグは見所です!
意味深な表紙にも繋がっていて、胸が熱くなりました。
特に際立っていると感じたのが女性陣の存在。
ベンの背中を押すカサンドラ、2人を助ける超有能な秘書・ツェン、病気と戦う決心をしたインディゴ。
そして、ベンを気に入った女王──と、とにかく女性達の存在感が大きかったので、そこにも注目して欲しいです。
叔父の策略、宗教の問題、民意……
様々な壁を乗り越えて2人が選んだ未来に感動しました。
人生において、何より大切なものは『愛』だとハッキリ示している作品だと思います。
英国王室を舞台にした独特の世界観で、忘れられない一冊になりそうです。
想像を超えてきました。
2人で共に歩むことを決めたけれど、その先にあると分かっていた苦しみを描きます。様々な人物が様々な出来事を通して登場します。全員が惹きつけられるキャラクターです。そして2人のカミングアウトによるバタバタから一息つけるところまで展開していく技量に改めて驚かされました。主人公2人のキャラクターは一巻目のそのままでも十分魅力的でしたが、2巻目になると更に感情豊かでリアルです。2人の心中を思うと涙が出てきました。特にジェイムズ!こんなに情熱的なのに忍耐強く正しいことをしようと24時間戦ってる。愛する家族とベン、国民の為に。イラストも更に男性らしいジェイムズが描かれていて、yoco先生最高…。