一人でいるほうが楽だ。 誰かに否定されることもない――。

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表題作となりの男

上久保侑葵(ユキ),21歳,大学生
須藤広隆,27歳,隠れゲイのサラリーマン

その他の収録作品

  • 描き下ろし①②
  • カバー下

あらすじ

ゲイであることを隠している須藤は
最近、となりに引っ越してきた男・ユキが
女と修羅場になっている場面を目撃する。

せっかく見ないふりをしたのに、
飄々とした態度のユキに流されて、
彼を家にあげることになり――、一線を越えてしまう。

「相手がいないなら、
 丁度いいと思わねぇ?」

"欲求不満解消の相手"として関係が始まり
それ以上になることはないと思っていたが…。

作品情報

作品名
となりの男
著者
hagi 
媒体
漫画(コミック)
出版社
KADOKAWA
レーベル
あすかコミックスCL-DX
発売日
電子発売日
ISBN
9784041110294
4

(87)

(28)

萌々

(37)

(17)

中立

(4)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
10
得点
343
評価数
87
平均
4 / 5
神率
32.2%

レビュー投稿数10

空腹にソースの匂いはずるい

空腹のときに一番抗えない匂いって何だろう。
カレーは結構来るな。イカを焼いて醤油を垂らしてる匂いも魅力的。
でも焼きそば。
ソースの匂い、たまらないですね。

飲み会帰りに小腹が空いて、具はもやしのみの焼きそばを作っていたら、イケメンが釣れたという話です。

自分が男を好きになる人間だと気付いてから、周囲に対して取り繕ったり、合わせたりしないで済むというだけで、ひとりでいる方が楽になったリーマンの須藤。
アパートの隣に越してきた大学生のユキは、気まずい場面を目撃した相手に対してグイグイ来るゼロ距離なタイプで…。

「1人の方が楽」は、「1人が好き」とは全然違う。
出会いを求めて外に出る手間や時間、知らないひとと知り合うためにする気遣いなんかと天秤にかけたら、こっちの方がいいというだけのことで。
傷付くことはないけれど、楽しいこともない。
何も変わらない毎日の中で、ただ生きているだけという無気力な感じが漂う須藤。

「1人でいるよりマシ」は、「みんなといるのが好き」とは全然違う。
寂しいから誰かと一緒にいたいけど、その「誰か」は誰でもいい。
寂しさと天秤にかけたら、誰かといる方がまだ「耐えられる」というレベル。
そういう考えだから浮気もするし、相手に何かをしてあげたいとも思えないんだろうな、というのがユキの印象。

そんな2人が出会って、ユキの軽いノリが発端で体の関係になって…。

外に対してカチカチに構えていた須藤が柔らかくなっていくのが、とことん可愛いんです。
しがみついたりしておきながら、初めての朝はテンパって0.5秒でユキを追い出したり、最中は積極的なのに、致した後、恥ずかしさにいちいち丸まったり。
初めて経験した人肌のあたたかさと快楽に溺れたい衝動に理性でセルフツッコミするのも可愛い。

回を重ねるごとに、相手を知るごとに、「欲求不満解消の相手」「つなぎ」「セフレ」という言葉が重くのしかかってくる辺りの、核心を突かずに、周辺をもやもや回るような心理描写がさすがです。
須藤は心理描写で、ユキは表情の描写で見せるやり方も憎い。

後半、ユキの母、須藤が高校時代好きだった親友に元カノまで登場します。
元カノの登場の仕方は「そんな偶然ある!?」という流れでしたが、詰め込みすぎ感もなく読みやすかったです。

hagiさん初のR18作品(あとがき参照)ですが、いきなり濃いえろす!ではなくて、修正いらずのテレビで放送できる範囲。
作品の雰囲気を損ねない、甘さしか伝わってこない描写にときめきました。

「1人でいる方が楽」だったのは、誰かといる心地良さを知らなかったから。
「1人でいるよりマシ」だったのは、一緒にいたいと思える相手に出会っていなかったから。
孤独に慣れるのではなく、孤独から逃げるでもなく、「一緒にいたい」と思える相手に巡り逢う幸せに浸れる作品でした。

9

丁寧な心理描写は流石!

hagi先生初のエロあり作品ということで、とても価値ある一冊になりそうな予感。

相変わらず、微妙な心の揺れを描くのがお上手です。
身体から始まった2人の間で恋が芽生えていく様子、地味で真面目な受けが快感に溺れていく姿が見どころ!

チャラい大学生・ユキ×クローゼットゲイのリーマン・須藤
ひょんなことから隣人・ユキを家に上げた須藤。
須藤はずっと隠してきた秘密…ゲイである事をユキに暴かれ、流されるままに体の関係を結んでしまい……と、いう展開。

「気持ちよかったでしょ?セックス」
「今後ともよろしく」
…と、一方的にセフレにされてしまった須藤。

ユキの事を理解できないと憤りながらも、セックスの気持ちよさを思い出しては体を火照らせていきます。
真面目な須藤がセックスを知り、身体からユキに溺れていく様が妙に色っぽいです。
タガが外れたっていうんですかねえ。
男に抱かれたい──これが、須藤の本来の姿だったんですね。

チャラく見えたユキですが、二股はしないし優しいし、それでいてどこか寂しそうで……
これはモテる男ですよ!
初めは軽そうに見えたユキが、実は恋に期待していなくて、それでいて相手に捨てられることに怯えてるのだと分かりました。

自分の性的嗜好・過去の恋愛に後ろめたさを感じる須藤と、本気の恋を知らないユキ。
きっと、2人とも恋愛下手なんですよね。
わざと距離を置いたり、気持ちをセーブしたり、勘違いですれ違ってしまったり……と、ここがもどかしくて切ない。

身体だけの関係のはずが、いつしか相手を独占したい、失いたくないと思うようになります。
意外だったのは、告白が須藤からだったこと。
頑張ったねー、という気持ちでいっぱいです。
ユキにとってもこれが初めての恋なんだろうなあ。

大きな波はたたないけど、ずっと水面がゆらゆら揺らいでるような感覚の雰囲気ある作品でした。
ラブラブな描き下ろしも良かったです。

エロも綺麗で萌え。
優しい気遣い溢れるユキも、ぎゅーっとしがみ付いてくる須藤も可愛かった♡
これからも先生のエロがもっと見たいです!

7

チャラ度が絶妙

初めましての作者さんの作品でした。
作画が好みで、キャラの表情が良いです。

隣に越してきたイケメンが彼女に振られた日、自分も酔っていてなりゆきで部屋に入れたことから身体の関係が始まるというお話。

須藤の欲望を見抜いて、人肌恋しいからといって躊躇いなく男に手を出すユキに「生粋のヤリチン」を感じましたが、案外優しいところに須藤と共にコロッとやられてしまいました。
イケメンのギャップずるい。

共通点も無くただ隣に住んでるだけの2人が引き寄せられて、若干の誤解もありながら…という王道展開でした。
ユキの母親や、須藤の元カノ、女性の脇役の絡ませ方が程よく効いていて良かったです。
ユキ目線のパートもあるのですが、女性と付き合うより須藤のほうがいいってなる理由にもう少し何かあればなぁと思いました。

エロに初挑戦されたそうですが、玄関でいたすのが良かったです。
1番初めの時の、ネクタイをシュルッも「ああッ」ってなりました(//∇//)

5

うっかり始まった関係は

ゲイを自覚してから、他人と深くかかわることを避けていた主人公が、女性と修羅場を繰り広げていたアパートの隣室のチャラい大学生と、なりゆきで、つい、うっかりセックスしてしまい、、、。

身体から始まった関係が、ちゃんとした両想いに落ち着くお話。

主人公が、自分がゲイだと自覚するきっかけとなった高校生時代の話や、隣室の大学生(ユキ)の人格形成と母親との関係の話など、エピソードもバランスよく加過不足ないし、スッキリした品のある絵柄とサッパリ目なエロ描写とのバランスもいい。
オマケマンガの、寝ぼけてしてしまう癖のお話も可愛かったです。

1

須藤さんが可愛い!

何となく手に取って読んだ作品だったけど、めちゃくちゃ良かった!
須藤さんとユキが出会えて良かった

ユキとゆっくり幸せになって欲しい

0

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