電子限定描き下ろし付き
初読みの作家さま。
もしかして、今作品がデビュー作なんですかね?綺麗な絵柄の表紙とあらすじに惹かれて購入してみました。
あらすじからもわかるように、今作品はオメガバースもの。オメガバものは作家さまによって、あるいは作品によって若干バックボーンが異なりますが、今作品は受けさんは社会的弱者である、という世界観のお話です。ネタバレ含んでいます、ご注意ください。
主人公はDKの基己。
彼はオメガでありながら努力を忘れず、成績も優秀で学校で生徒会長をしている男気のある少年。オメガであるというただその一点において彼は周囲の人たちから見下されることもあるが、それをはねのける強さと努力を持つガッツのある人物です。
彼は子どもの時にアルファに襲われた過去を持つためにアルファが大嫌い。が、そんな彼には幼馴染の親友がいる。豪だ。豪はアルファ。けれど、その性を超えて二人は常にニコイチであり続けてきたという歴史がある。寡黙で、いつも基己に寄り添う豪と、豪胆な性格の基己。正反対に見える二人はいつも一緒にいる。
が、ある日基己の抑制剤が紛失してしまう。発情期を迎えていた彼は恐慌に陥るが、そこで彼の前に現れたのは豪。そのまま、無理やりに豪に抱かれてしまう基己で―。
というお話。
序盤は、完全に王道の流れっていうのかな。あー、はいはい、そう来るよね、的な展開。正直に言ってしまうと萌えなくはないけれどありきたりなストーリーにちょびっと萎え萎えな気分で読み進めたのですが。
この作品は、完全にキャラ勝ちです。
豪と基己。友人も多少登場しはしますが、ストーリーの多くはこの二人の関係で成り立っています。舞台も学校か、それぞれの家が多く、非常に狭い世界で完結するお話なんです。
が、そのストーリーに厚さを与えるのが二人の人間性。
オメガであることから弱者の立場になってきた基己。
家庭環境に恵まれず、アルファでありながらそのことに自分自身嫌悪し続けてきた豪。
ちょびっとずつ欠けた「何か」を持つ彼らにとって、お互いの存在はその欠けた部分を補い合う、そんな関係なんですね。
もうね、その二人のもがきとか、苦しみとか、葛藤とか。
めっちゃ萌える…!
常にそばにいて、それが当たり前だった彼らに、「発情期」というきっかけが現れたことで二人の関係は大きく変化していきますが、だからこそ、なんでしょうね。それを期に二人は自分の感情に直面していく。
DKという若く青い青年たちが主人公だからこその意義がきちんと描かれていて非常に萌えました。二人を支える友人が登場しますが、彼も良い。彼のスピンオフとかどうでしょう、奏島先生。
序盤で書きましたが、もしこれがデビュー作なら凄いです。絵柄も、ストーリーも非常にお上手で、ちょっと凄い作家さまが出てきたなという感じ。次回作も期待して待っていようと思います。
作者さんのデビューコミックだそう。
1話の試し読みの吸引力に引き寄せられ、読みました。
男子高校生のオメガバースモノです。
Ωの基己はαに襲われそうになったことがあり、すっかりα嫌いに。
しかしその時に助けてもらった豪だけは唯一信頼しているαだった…というストーリー。
豪がある行動を起こす事で2人の関係性が変わり始めるのですが、その行動を起こした理由がちょっと理解出来なかったです。
そんな事をしなくても基己はヒートの危険性を理解してたと思うし、豪の事を特別なαだと思ってたんだけどな…豪には伝わってなかったのかな?
ヒートの危険性をちゃんと理解してなかったのは豪でしたね。
高校生の青さ、未熟さを感じられてそれも良かったのかもしれません。
お互いに1番近くにいたはずなのに、本当の気持ちや隠された一面に気づかなかった、その裏側を知ってから豪への気持ちが動き出すというむずキュン展開が良かったです。
お互いに好きなんだからもう番になればいいのに〜って思ってしまうのですが、基己の将来の事や可能性を考えて自制している豪はスパダリ予備軍な雰囲気がプンプンしますね。
でも吉川さんの例みたいなことあるし、ちょい心配。
基己が番についてどう考えてるかも知りたかったな。
2人の信頼関係が凄すぎてこの2人じゃないとこんな話にならない替えの利かない存在なんだなと思ったし、進展具合がリアルで幼馴染とか親友から恋人になるってこんな感じなのかなと思いました。
2人とも第二の性を嫌っていて、Ωの梶野は辻田以外のαは敵だと思っていて、αの辻田は梶野の隣にいるためと、父親やその他大勢のαみたいにならないように気を張っていて、素直になれば楽なのにこだわりが強く息苦しそうだなと思いました。
梶野は鈍感で、辻田にまわりくどいことをされるまで自分を好きだと知らずにいたし、長い間一緒にいるのに好物のハンバーグもお母さんに言われて初めて知ったくらい辻田の事をわかっていなくて驚きました。
辻田は薬を隠したのは最低だと思ったけど、鈍感で悪気がない梶野にいつも他のαとは違うと言われていて特別な存在であろうと努力していたのに我慢の限界がきて爆発したのかと思うとしょうがないかと思いました。
両想いになっても番にならなかったのに驚いたけど、梶野がずっとこだわっていたので番にならない方が2人らしいといえばそうなのかと思うし、最後まで2人の絆がすごかったです。
描き下ろしの2人のイチャイチャと照れっぷりが可愛かったです!
初めて読んだ奏島ゆこ先生の作品です。
奏島ゆこ先生のデビューコミックスになります。
オメガバース設定です。
高校2年生 辻田 豪(α)と同級生 梶野 基己(Ω)のお話。
高校の同級生で生徒会も一緒の豪と基己。
2人の出会いは小学生の時――公園でαに襲われそうになった基己を通りかった豪が助けたのがきっかけでした。
それからは、αとΩという関係を通り越してお互いが「特別」な存在に。
ある日、学校で基己が抑制剤を飲もうとすると鞄に入れた薬が入っていません。
ここはαばかりのエリート校…発情期の基己はなんとか保健室に行こうとします。
その時、生徒会室にαの生徒が入って来て…。
第二性に翻弄される思春期の高校生 豪と基己。
彼らのやるせなさと切なさが痛いほど伝わる等身大の物語に仕上がっています。
奏島ゆこ先生が繊細で不安定な高校生の心理描写を丁寧に描かれていました。
また、絵柄はやや粗削りな部分もありますが、ストーリー構成はきちんと考えられているので、最後まで読み応えがありました。
ただ、豪が行動を起こしたタイミングなど不明な点があったのは残念だったかな。
成績優秀でイケメン Ωの基己はαだらけの進学校で生徒会長をしています。
過去の経験もあり、Ωを虐げるαが嫌いでした。
幼馴染で親友の豪以外は。
一方、家庭環境が複雑な豪は、αではなく「自分」を見てくれる基己のことがずっと好きでした。
発情期が遅かった豪は「発情しないα」と基己から勘違いをされています。
しかし、それが基己の傍に居られる唯一の理由で…。
信頼関係で繋がっていた2人ですが、豪が起こした行動から予期せぬ展開になります。
――俺一人がお前の“特別”でありたかった
信頼を築くのは一生ですが、壊れるのは一瞬。
そして、一度壊れたら元通りには戻らない。
基己から離れようとする豪と向き合おうとする基己。
お互いが大切で特別な存在…それは同じ「好き」なのか?
このお話には、当て馬は登場しません。
豪を慕う女子や基己に告白するモブなどはおります。
脇キャラとしては、生徒会の会計 3年生の吉川さん、書記 2年生の五十嵐くんが登場します。
個人的には、吉川さんの辛い体験に胸が締め付けられました。
あぁ、スピンオフで吉川さんを幸せにしてあげて欲しい(泣)
Hシーンは、本編に2回あります。
どちらも基己の発情期によるものですが、状況が全然違うんですよ。
とくに、両想いになった2人の気持ちが通じ合った2回目は良かった~。
かなりのコマ数を費やして、息遣いが感じられるほど細密に表現されています。
2人の純粋な愛情と共に歩んだ軌跡が溢れていました (〃艸〃)♡
セックスに及ぶまでの経緯は必見ですよ。
描き下ろしは、本編のその後のお話です。
大学生になった2人は温泉旅行に行くのですが…。
最後は、モノローグやナレーションなしで突然 大学生になっていました(笑)
ちなみに、吉川さんと五十嵐くんも含めて4人は同じ大学のようです。
2人の理解者である吉川さん達が一緒で良かった♡
第二性がもたらした運命によって、より強い絆で結ばれた豪と基己。
それは、この先も永遠に変わらない。
…早く番になってください(泣)
スピンオフを期待しつつ、次作も楽しみにしています。
不器用でひたむきな2人の青春ラブストーリー。
気になっている方はご覧いただくことをおすすめします。
α×Ωのオメガバースが大好物です( ◜◡◝ )♡
最近は、作品数が膨大になりなかなか目新しいと言うお話にはあたりませんが、この表紙!!
正面を向くふたりが衝撃的に向かい合っているのが伝わります。
色使いが鮮やかで初夏と青春を感じさせるとても目を引く表紙絵に惹かれました!
こちらは男子高校生の青く切ない青春群像劇にオメガバースがプラスされたもの、
オメガバ設定のお話はどちらかと云うと濃厚で大人なものが多いかな?っと思うので(当社比)新鮮な感じでした。
健全かつ鈍感な子が子供の頃から友達である子に対し、自分にある不可解なこの感覚が好きと言う感情なのだと自覚していくまでじれじれと悩みもがく‥
青春恋愛ストーリーと
オメガバの性別蔑視、格差社会を背景にこの好意はただの本能からか相手を愛する真実の感情なのかとの葛藤などなど‥
オメガバお約束の問題を乗り越え、心を交わす2人です。
本は厚めでふたりのやり取りが丁寧に描かれており読み甲斐がありました。
二人を囲む仲間たちも個性豊かで良かったです。
DKものですがわちゃわちゃ系ではなく若さゆえのもがきや悩みを焦点にしたお話が好きな方にはオススメかと思います。
デビュー作とは思えない力強い作品だったかと思いますが、やはり絵がまだ洗練されていないというか雑なところがありますのでキャラの見分け等、少し読みにくさがありました。
でもでも!気付くの遅かったんですが表紙裏!向かい合う二人の表情の変化が美しい!
とても大事に描かれているなと!作家さんのキャラ愛が感じられとても良かったです!
細かいことですがこういう所にも注目して欲しいっ!!
これからどんどん上手くなっていかれるのではないでしょうか!!
今後の作品にも期待します!
♡ (╹ᴗ╹) ♡