仕上げに──噛むぞ

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ベビーシッターは溺愛アルファと天使に愛される

babysitter wa dekiai alphato tenshi ni aisareru

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表題作ベビーシッターは溺愛アルファと天使に愛される

芹沢篤,出版社の編集者
乃南凛,22歳,保育士を目指すスーパーで働く青年,Ω

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

ブラック企業で働くオメガの凛は公園で寂しげな幼児・はるみを時折見かけるようになった。ある日膝を擦りむいたはるみの手当をしたことから懐かれ、彼の保護者であるアルファの芹沢と出会う。恋などしたことのなかった凛だけれど芹沢と目が合った瞬間から身体の奥底が甘くピリピリと刺激されてしまい──。
初めての感覚に戸惑う凛に芹沢ははるみのベビーシッターになってほしいと求めてきて…!?
凛の人生は天使のようなはるみと蠱惑的なアルファ・芹沢に薔薇色に変えられる♥

作品情報

作品名
ベビーシッターは溺愛アルファと天使に愛される
著者
秀香穂里 
イラスト
上原た壱 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
発売日
電子発売日
ISBN
9784773060881
2.4

(7)

(0)

萌々

(0)

(4)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
3
得点
14
評価数
7
平均
2.4 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

誰かのためではなく

今回は出版社のデスクと保育士を目指すアルバイトのお話です。

攻様の甥のシッターを引受た受様が彼らの家族になるまで。

この世界にはアルファ、ベータ、オメガという
第二の性があります。

アルファは生れながらにして心技体に恵まれ
どの分野においても際立った際を見せ
様々な世界で自然とリーダーとなる希少な者達です。

ベータは温厚で心根が優しく平穏を好み
一番数が多い性となります。

オメガはアルファよりもさらに希少ですが
美形が多いオメガは男でも女でも子宮を持つ上に
3か月ごとのヒートで発するフェロモンは強烈で
昔からトラブルに巻き込まれる事の多い性でした。

しかし、
今はオメガの人権と安全を守る法が制定され
ヒートに対する抑制剤も効き目が良く
体に負担のかからないものが年々開発されています。

受様はオメガ同士の両親から生まれたオメガですが
母は出産で儚くなり、父も5才の時に病死したため
子供のいない叔母夫婦の元で育ちます。

叔母夫婦を受様をとても可愛がってくれますが
叔母が実子を不慮の事故で亡くしたと知って以来
彼らの好意をそのままに受け取れなくなり
大学入学をきっかけとして1人暮らしを始めました。

今は店長が高圧的なスーパーでバイトをしつつ
保育士になる夢のために試験勉強に励む毎日です。

そんな生活を送っていた受様でしたが
夕暮れの公園で1人で過ごしていた男の子の
怪我の手当てをした事から彼の叔父である
攻様と運命的な出会いを果します。

受様は攻様に挨拶されて視線が絡みついた瞬間、
稲妻のような甘美な痺れが走り抜けたように感じます。

攻様は出版社のデスクの地位にある編集者で
人見知りでなかなかベビーシッターと仲良くなれず
受様に甥のベビーシッターになってくれないかと
頼まれる事となります。

受様はバイトで疲れ果て勉強がままならない状態と
攻様の甥の可愛さと攻様自身ヘのトキメキを胸に秘めて
ベビーシッターを引き受ける事にします。

この受様の選択がもたらす未来とは!?

保育士を目指す受様が知り合った男の子のシッターとなり
叔父の攻様と恋を実らせるオメガバースになります♪

このところ、秀先生のクロスノベルズの新作は
オメガバースが続いています。

どのオメガも出自で生活に苦労はしてはいるものの
オメガだからと差別されたり、虐げられたり
しんどい目には合わず、

スパダリな攻様に溺愛されてハピエンなので
オメガバース初心者さんには読みやすく
ちょっと変わったオメガバースを読みたい方にも
面白く読めるかなと思っています。

本作もオメガに優しい世界設定で
2人の鎹となる攻様の甥に関わるように
甥っ子の元シッターと幼児誘拐未遂事件を
上手く絡めていてハラハラも有り
ハピエンまで楽しく読ませて頂きました。

でも恋愛パートよりも
子育て要素に重点が置かれて
萌え要素としては物足りなかったかな (^-^A

受様も攻様もお互いに出会った瞬間、
都市伝説だとまで言われる"運命の番"だと思っていて
わりと簡単に結ばれとしまうので

都市伝説と言って稀感を出しているのに
あまり"劇的"な雰囲気を感じなかったです。

健気受が幸せになるお話は好きなのですけど
今回の評価も「萌」とします。

1

ほのぼのなオメガバースもの

最近、秀さん作品をよく読んでる気がするなー、と思ったら今年になってすでに3冊目?筆早ッ!と衝撃を覚えつつ。

秀さんはドシリアスな作品も書かれますが、最近はほのぼの系も多い気がしています。今作品も、このタイトルにこの表紙。ほのぼの可愛らしいお話かなー、と思いつつ手に取りました。

オメガバースものは作品によって若干世界観が異なりますが、今作品はオメガは搾取される存在ではなく法によって守られている、という世界観のお話です。





主人公はオメガの凛。
早くに両親を亡くした彼は叔母夫婦に引き取られ、そこで愛情をたくさんもらって生きてきた。が、やはり両親に甘えるようにはいかず、常に「いい子」であろうとしていた。そのことが、現在の彼の性格を形作ったと言っても良い。

人の嫌がることを率先して行う、そんな真面目でいい子の凛だったが、彼は保育士になりたいという夢を持っている。今は国家試験突破を目指しスーパーでバイトしつつ日々奮闘している。

そんな彼はある日公園で一人ぼっちでブランコに乗っている男の子を見かける。気になって声をかけたことで、その男の子・はるみと仲良くなった。そしてそのことがきっかけとなり、はるみの保護者である芹沢にベビーシッター兼ハウスキーパーとしてはるみの世話を頼まれることになり―。

一言で言ってしまうと、すんごく王道のストーリーです。
子育てもので、健気なオメガに、スパダリのアルファ。多くの腐姐さまの萌えツボを押さえましたよー、的な?

その王道のストーリーにスパイスとして加わるのが、凛の前にはるみのベビーシッターとして雇われていた川奈という見目麗しいオメガの青年と、子どもを狙った幼児誘拐未遂事件。

お?もしかしてちょっとミステリーの要素があるのかな?

と、期待したのですよ。
なにしろ秀さん作品なので。

が、うーん。
ああ、そういう…?
という、尻すぼみ感が否めなかった。
川奈という男性の存在はともかく、幼児誘拐未遂事件は必要でしたか?というくらいあっさり感。

肝心の凛と芹沢の恋の行方も。
「運命の番」という言葉で片付いてしまう恋なら、陳腐すぎる感が否めない。オメガバものということもあるのでしょうか、早い段階で二人は身体の関係を持つに至ります。それ故にエロ度はやや高めで、二人の間には何の障害もないため甘々ですし、エロエロです。

甘々、エロエロな作品が読みたいときにはかなりお勧めかと思いますが、二人の恋愛の成就とか、誘拐未遂事件とか、そういったバックボーンに広がりがないために今一つ萌えきれなかったのが残念。

お子のはるみが可愛くって癒されはしましたが、んー、もう一声ほしかったなというのが正直な感想です。

7

またもや…

初めは萌にしていたんです。
そして今まで読んで来た秀先生のオメガバも萌にしてましたが、今回は敢えて中立にしました。

オメガが誰も辛くなって無いのは良かったし、溺愛攻めも大好きなんですが、いかんせん盛り上がりに欠けるんです。またもやって感じです…。

あらすじにあるように出会った瞬間に、芹沢に対して凛は特別な感覚を覚えています。そして芹沢も凛に対してそうだったようです。

そしてオメガバでは特別な関係である「運命の番」であると言う言葉も作中に登場するのです。
それなのに「運命の番」に特別感が無いのが、この作品の欠点なんです。

しかも「好きだ」と言う言葉だけで、芹沢が直ぐに凛に手を出しているのがなんだかスッキリしませんでした。

そもそも、このオメガバの世界観がハッキリしてないんです。アルファとオメガでの同性婚はあるのか?それとも当たり前過ぎるから書いてないのか?それがハッキリしてなくて気持ち悪かったです。

ずっと一緒に居ようとかは言ってますが、「結婚おめでとう」という言葉は凛の育ての親の叔母からしか出て居ません。凛はパートナーが出来て一緒に暮らす事になったと電話で報告してるんです。結婚したのかしてないのかが分からないなんてあります?

頸を噛む時にも結婚しようとか一言も言って無いのにモヤモヤしました。

溺愛でスパダリだとあとがきにありましたが、全然そうは思えませんでした。

途中の事件も前任のベビーシッターのオメガを疑うような記述があったり、でも凛は良い人だと感じていたり、しまいには急に彼がやって来て事件解決を協力したりと、フェイクのつもりなんでしょうが全てに置いて中途半端だったと思いました。

今月末に出る作品はオメガバでは無いみたいなので、そちらに期待してみようと思います。

7

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