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悪気がないことが尚悪いタイプのクズ主人公でした。主人公の言動が結構酷いです。
学生時代、自分に告白してきた同級生の八木に「五年経っても好きならお前のことを好きになる。まずは友達から」というような事を言って告白を有耶無耶にした主人公。
五年後、自分の発言をすっかり忘れていた主人公は、自分から離れて行こうとする八木を引き止める為に八木と付き合うことにします。
舞台俳優の主人公のちゃらんぽらんで自己中心的な言動がクズキャラとして良かったです。
そんな主人公が自分の気持ちを恋愛感情として受け入れて八木に告白。初主演の舞台に挑むまでは楽しく読めました。
しかし二人の気持ちが通じてからの波乱の置き方がちょっと……そこでかなり萎えてしまいました。
主人公の初主演舞台、八木は主人公のキスシーンを受け入れることが出来ずに観劇途中で離席してしまいます。
主人公の本気の演技を見た八木が、主人公からの告白を演技だと疑ったのかな、と思ったのですがそう言った切り口はありませんでした。
主人公に演劇を勧めたのは八木なので、舞台中に離席して別れ話にまで発展するなら、恋人のラブシーンが不快だった以外の理由が何かしら欲しかったなと思いました。
正直、お前が役者として背中を押したのに!? と思ってしまいました(笑)
しかし八木が主人公に友だちに戻ろうと言うシーンは因果応報な感じがして良かったです。
やり返した形なので八木の印象は悪くなりましたが、主人公にはかつての自分の発言を省みて欲しかったです。
結局二人ともイマイチ反省せず。後日談でもラブシーン問題は解決しておらずで、ちょっとずつモヤモヤが残るストーリーでした。
「天に唾する」展開が、駆け引きめいていて面白かった。
その場の流れで、思い付きの言葉で常に裕紀は凌いてきた。
そして自分が出した言葉の果を受けていく。
--高校卒業前
●原田裕紀:高校の文化祭で女役を演技。
八木の告白を受け、つなぎとめたくて「5年もし・・」と返答。
●八木弘道: 高校の剣道部主将。
卒業前、裕紀の演劇を観て、一目惚れを告白。真面目で一途。
--五年後
●八木:大卒後、市役所勤務。マンションで独り暮らし。
五年後のその日、約束を失念した裕紀に「別れ」を告げる。
●裕紀:大学中退、劇団「夢一夜」所属の役者。
裕紀を励まし続けたのは、八木。
八木を引き留めたくて抱き合う。愛情の好きと友情の好きの違いに悩む裕紀。
演劇のニューハーフ役になり切ることに努める。
--舞台終了後
●八木:裕紀の恋愛場面が耐えられない。見合いをして、「友人に戻る」と告げる。
●裕紀:舞台は大成功。次の仕事が来る。孫を望む八木の両親を見て悩む。
八木の気持ちを受け「二度と会わない」と、泣きながら帰る。
--八木と別れた後
●裕紀:仕事で忘れようと、演技の幻想世界に没頭する。
丸山が八木に千秋楽を伝えて・・再会、ハピエン
「やっぱり君が好きだった」・・八木の要望で、ドラマ撮影の衣装のまま帰宅した裕紀。
変わっていく二人の気持ち。何度も山場や節目があって、読み応えありました。
★削除済みID・粗文・意味不明の嫌がらせコメは、荒らし行為として、運営に通報済み。
あらすじを読んでも思い出せないので、再読してみたけど、そうだった……。
攻めのドン引きポイントがあるんだった……。
五年前いきなり八木から告白された時、「五年間好きでいてくれたらお前のこと好きになるよ、だからいきなり付き合えないけどまずは友達から」みたいなことを言った裕紀。
それから五年間。
五年前の約束なんか覚えちゃいない裕紀はコロコロと彼女を変えつつ(酷い)、八木とは友達付き合いを続けている。
ところが五年目のある日、八木から二度目の告白をされ、今や唯一無二の親友である八木を失いたくないからと、付き合うことにする……。
攻めの八木は実直で、一途で、途中までは好印象。
だけど、裕紀が主役のお芝居で、他の男とキスしている演技を見て耐えられなくなり、上演中に席を立ってしまう箇所が個人的にアウトすぎる。
もし自分だったら、あ……無理……別れよ……と思ってしまう。
(気分が悪くなったとか、そういう不可抗力で席を離れるのは仕方ないけど)
全身全霊で演じている裕紀をあからさまに否定するような行動&周囲の観劇の妨げとなるマナー違反なんてことよりも、「他の男とキスするのは見たくない」という自分のお気持ちが一番大事な男なんだなって。
ここが本当にがっかりポイントですね…。
受けの裕紀はナチュラルに無神経だし、恋愛も生き方も根無草っぽいんですよね。
それがマコという役をきっかけに演劇にのめり込んでいく過程がとてもいい。
フラフラしていた裕紀の中に、少しずつ確固たるものが出来上がっていく様子がとても良かった。
正直、二人の恋愛よりもここが一番好き。
他の皆様も仰ってる通り、夜光花先生作品にしては非常にストレートに甘いお話。
いつもはもっとホラー/オカルトテイストがあったり監禁があったりトラウマがあったり…ですが、本作は非常に読みやすいです。
主人公が高校生の時から物語は始まります。
モテて女の子に不自由してないけど、「恋」はしてない裕紀。
高3の冬休みが終わっていよいよ高校生活も終わり。そんな時にいきなり剣道部の主将・八木に告白される!
焦る裕紀は、八木と友達になれれば自分も変化するきっかけになるかも…そんな気持ちで5年間好きでいてくれたら…と返事する。
そして時は過ぎ、舞台役者になった裕紀は八木とは親友付き合い。あの時の自分の言葉はすっかり忘れていたが…!
…という展開ですが、裕紀からすればどうしよう⁉︎というコメディでも書けるし、八木からしたら絶望というシリアスでも書ける題材。
しかし夜光花先生は限りなく中立的に裕紀視点のシリアス寄りで淡々と話を進めていきます。
八木との友人関係を失いたくないから、と恋人になる返事をする裕紀はある意味無責任で残酷でおバカ。
はじめは性行為が怖いと思っているんだけど、次第に八木の本気に引きずられていくのか、何よりも八木の存在が大きくなってくる。この辺の心理状態は余り細やかには書かれいないのでなぜ裕紀の方も思いっきり本気になっていったのかはわかりづらいけれど…
八木が裕紀の演じるラブシーンに反対したり、八木が見合いをする危機などありつつも、最後はしっかりハッピーエンドになって優しい物語になったと思います。
「やっぱり君が好きだった」
本編後。
TVドラマに出演している裕紀。ゲイ役で、男性とのキスシーンが放映される日。
八木と一緒に見るとまた嫉妬するかも、とそのシーン近くになると八木にフ◯ラを…
でも私ももし恋人が役者でラブシーン・Hシーンあったら、なんかモヤモヤしそうですけどね…隠されるのもイヤかなぁ。
夜光花作品としてはわりと普通仕立てですが、中でもとりわけ好きなお話です。タイトルもキュンとします。
高校生同士の友情から始まり、五年を掛けて成就する一風変わったラブストーリー。今まで読んできた友人→恋人ものの中では切り口が斬新で、それまで作家さんに抱いていた作風のイメージを覆す萌えをいただいた作品です。
高校の文化祭で上演した劇で、女装役が見事にハマった原田裕紀。その姿に衝撃を受けた(一目ぼれした)剣道部主将、ガチ硬派の八木に突然告白されます。
裕紀は完全にノンケ設定で、若さの割にはBLにありがちな告られた相手へのよろめきが全く無くて、八木とは友達だから離れたくないよ!五年後にまだ自分を好きでいてくれたら気持ちが変わるかもしれないけどぉー、なんて自分に都合のいいこと言って八木を繋ぎとめるんですよね。ヒドイ…
いやいや、八木にしてみれば裕紀と恋人になれないんだったら、友人として会い続けることすら辛いからスッパリ諦めて友達もやめようっつってんだからさぁ、八木がかわいそうだよ…
周囲にも自分にも無頓着で、これといった趣味も特技もなかった裕紀は、八木のおかげで演劇に目覚めます。
親の反対も聞かず、大学を中退してバイトで生活費を稼ぎながら劇団員として地道に活動していた裕紀でしたが、同じ劇団に所属する高校時代からの同級生、丸山が書いた作品の主役に抜擢されるチャンスが巡ってきます。
その役柄とは、丸山が裕紀に当て書きしたマコという名のニューハーフ。初めての主役に意気込み、役作りや稽古に励む裕紀は、マコと自分をダブらせることで八木との関係性をも見つめ直す機会を得るのです。
マコを通して裕紀が八木との関係をより深いものにしていく過程がナチュラルに説得力があって、ものすごく面白い!
駆けだしの舞台俳優がずっと「待て」をさせてきた堅物公務員と恋人になるまでの道のりが楽しめます(特に真面目すぎる八木が可愛い♡)。
夜光花さんのお話では自然と攻め厨になってしまうのですが、本作の裕紀はなかなか魅力的な受けでした。