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多くの腐女子を『魔道祖師』という沼に叩き落した墨香銅臭さんの新刊。その墨香銅臭さんの新シリーズの幕開けということで非常に楽しみに発売日を待っていました。『天官賜福』はアニメもあるようですがそちらは未聴。なので今作品についての予備知識は一切ない状態で読み始めました。
今作品も分厚くさらにタイトルに「1」とついていて、今シリーズも壮大なお話なんだろうなあと思いつつ手に取りました。アニメを見ている方はご存知だと思いますが一応ざっくりと内容について触れたいと思います。ネタバレも含んでいますので苦手な方は注意されてください。
架空の古代中国が舞台。
この世界には「三界」がある。
人が住む人界(下界)、神が住まう天界、鬼が住む鬼界の3つだ。
人は徳を積み苦しい修行を乗り越えると神官(神)となり、天界へと昇っていく。
その時の状況を「飛昇」と呼ぶが、神官によってはその波動が凄いのだという。
そして反対に地に堕ちると鬼になる。
鬼には強さによる階級があり、悪→厲→凶→絶(悪が一番低く、順に高くなり絶が一番強い)の4段階がある。
今作品の主人公は神官の謝憐。
彼はもともと人だった時は仙楽国の王太子という高貴な身分で、その境遇から己がこの世の正義、と考えている節がある青年だった。が、実際に正義感が強く、美しい美貌を持つ彼は一人の少年を救うという出来事を介し神官となった。
が、その後2度の天界追放を受け、3度目の飛昇を果たし神官へと戻ったところから物語はスタートします。数度にわたる追放を受けていることから天界からも人界からも信頼を失っている状態で、「三界の笑いもの」という不名誉なあだ名がつけられてしまっている。
そして3回目の飛昇の際に他の神官の私物を破壊してしまい、その弁償をするために地上で起きている「異常」を調べるために下界へと降りていく。
そこで起きていた事件とは、花嫁たちの失踪事件だった―。
とある山を越えて嫁ぐ花嫁たちが突然いなくなってしまう。
何の痕跡も残っておらず、嫁に行くのが嫌だった女性たちが逃げたのでは。そんな風に思われていた時期もあったが、花嫁の従者のものと思われる人物のちぎれた人体の一部が遺されていたことから鬼に喰われたのではと推測されるようになる。そして、その事件の解明に謝憐は乗り出すが。
鬼とか、人が喰われる、とか魔道祖師のような雰囲気を醸し出しつつ、けれどストーリーとしてはかなりコミカルに進みます。この作家さまの作風なんでしょうかね、序盤、細かい説明がないままストーリーが始まります。が、そこから少しずつ伏線を回収しつつ物語が進んでいく。その手腕に脱帽です。
『魔道祖師』ははじめからすごく分かりづらくて理解するまでに時間がかかりましたが、今作品はすんなりと理解できる。序盤は登場人物が少ないからですかね。
まず主人公の謝憐。
彼が下界で花嫁失踪事件を追う時に手助けしてくれる扶揺と南風。
そして、花嫁失踪事件解決後に出会う、不思議な少年・三郎。
この四人が序盤の主な登場人物なのですが、彼らがまた等しく魅力的。
扶揺と南風という青年たちは、800年前にはじめて謝憐が神官になった時の仲間である慕情と風信の二人の部下たち。扶揺と南風にとっては謝憐はいわば上司の友人にあたる人物なのですが、謝憐に対してすごく塩対応なのが笑えます。なんか理由があるのかな。でも、塩対応ですが、謝憐を凄く信頼し大切にしていて、守りたいという気持ちがあるのが分かるので読んでいて気持ちがいい。それは謝憐にとっても同じ感情らしく、扶揺と南風の二人の能力を認め信頼している感じが伝わってくる。
その一方で、三郎くん。
見た目は16,7歳くらい。綺麗な顔に上等な着物を着ていて、驚くほど知識が豊富。家出をしてきて帰る場所がないという彼を放っておけずに、一時的に三郎を保護しようとしたことで、その後共に過ごすようになっていくけれど。
凄く面白いなと思うのは、花嫁失踪事件がその後の話にきちんとつながっていること。そこで見かけた銀の蝶、謝憐の前に現れた青年、そして、鬼の中でも最も強いとされている「絶」の一人・花城という名の鬼。どのエピソードにも一つも無駄はなく、そのすべてに意味がある。
めちゃめちゃ面白い…!
三郎くん、という男の子の正体は、読んでいるうちに何となく見えてきます。いったい誰なのか、という部分に関してはぜひとも手に取って確認していただきたいですが、彼の謝憐への執着というか懐き具合がヤバいくらい強い。けれどそれがどこから来ているのかまだ現段階では分かりません。分からないのですが、帯に「八百年、貴方に焦がれ続けた」という文句が記載されているので、謝憐が初めて神官になったころに二人の間に何か接点があったのかなと推測しています。あとは「あのセリフ」は三郎に向けての言葉だったのか…。
読んでいて、とある人物(今作品のキモなのでここではお名前は書きません)の謝憐への想いがとにかく萌える。溺愛、執着、いろいろな言葉がありますが、もうそんな陳腐な言葉では書き切れないほどの深い愛情を感じて萌えがストップ高です。薬指に巻かれた紐だったり、指輪だったり謝憐のピンチの時にはもれなく助けてくれたり。「彼」の行動のすべてが美しくそして萌える。ヤバいです。
「鬼」とか「死者」という存在が常に横たわっている作品なので、ベースとしてはダークよりな作品かと思われます。が、それを上回る萌えと面白さがぎっちり詰まった作品でもあります。
正直に白状してしまうと『魔道祖師』を超える萌えにはならないんじゃないかと危惧していました。が、全くの杞憂で終わりました。今作品も素晴らしいの一言です。
『魔道祖師』と同じく濡れ場はナシ。
ないですが、それをはるかに上回る萌えと面白さがギュギュっと詰まってる。早く続きが読みたくて、1巻を読み終えた今、すでに悶絶しています。
小説『天官賜福』は外伝を含め全252話構成という長編ストーリー。
台湾版は全6巻ですので、日本語版も大体その位を予想します。
中国語、韓国語、タイ語、ベトナム語、英語、ミャンマー、ロシアで書籍化しており、待ちに待った日本語版です。
以下、ネタバレ含みますので、お気をつけ下さい。
悶絶する位辛い場面、甘く萌える場面が、ご褒美→つらい→ご褒美→のスパイラルで先が読めません。
伏線が沢山散りばめてあり、終盤にかけて回収されていく手腕に痺れます。
舞台は架空の古代中国。仙楽国の太子である謝憐は天から与えられた才能を持ち、人々を救うために修行を積みつつ飛昇して武神となったが、2度にわたって天界から追放されてしまった。
800年が経過し、謝憐は3度目となる飛昇を果たすも、「三界の笑い者」と呼ばれる彼に対して祈りを捧げる者はどこにもいなかった。謝憐は功徳を集めようと、人々が住んでいる下界に降り立ちガラクタ集めをしつつ神官として出直そうとしていた日、帰り道で三郎という謎の少年と出会うことに…
謝燐
優しい外見とうつくしい心根を持った花冠武神。
一念橋で、そこの鬼を退治し、1度目の飛翔を果たすが…
滅亡した仙楽国の太子。
人のために労を惜しまず、 損得勘定をしない真っ直ぐな武神。
色々あって二度も天界を追放され、世間からは
落ちぶれた存在。 馬鹿にされてもいつも朗らかに笑っている。
めげない謝燐は、人たらし
ある少年を800年狂わせるだけはあります。
はじめは汚れがない聖人君子か〜と油断していたら、彼の過去を知ると、とんでもなかった。 詳しくは4巻に…
花城/血雨探花、絶境鬼王
鬼の王で、もう一人の主人公。
壮絶執念愛、スーパー献身攻様
戦闘力・智力・財力・家事能力を完璧に備えている。
彼が謝燐と出会わなければ全ては生まれなかった。
人間のあらゆる感情を現す壮大な物語、登場人物全員がモブではなく、重要な役どころ。
私的に、魔道祖師よりも好きな作品になりました。
翻訳機で全巻読了済みですが、やはりプロの翻訳された文は違います。読みやすいので、この素晴らしい作品を読んでみて下さい!
首を長くして待っていた日本語版やっと読めました!
魔道祖師のファンでそこから天官賜福のアニメを見て、周りの評価も聴きつつなんとなく気になっていたので購入しました。魔道祖師の時に比べると今回はアニメも視聴済みで、世界観も魔道祖師と似てる部分があるため予習ばっちり、頭に入りやすかったです(あと他の人が言われている通り魔道祖師に比べると最初の登場人物が少ないからこんがらないかも?)
アニメで天官賜福を観ていたときはところどのろ、(?)となる事がありイマイチ理解できてなかったのですが、小説だと補足や解説があるので話を理解できました。(アニメでざっくり知って小説で細かい疑問点を埋めていく感じでした)
個人的、痺れたのがまず花城(攻)初登場回です!(ここは試し読みの段階で読めます)鬼花婿を装って(?)謝憐(受)の手を引くシーンは何とも言えないミステリアスさと包容力がありました。花城(攻)を鬼花婿だと怪しんでる謝憐が、この人は怪しいけど、でも所作のひとつひとつがとっても紳士で言葉を交えなくても大切にされてると思ってしまう振る舞いがあって戸惑っている所は読者として感無量でした。アニメもこのシーンあるんですけど、やっぱり小説の方がより大切にされてると感じられる表現があるため凄く良かったです。
後は不思議な少年三郎(花城)と謝憐の日常的なやりとりもとても癒されます。三郎はもう頭から怪しいんですよね笑
正しく絶境鬼王という名前に相応しい頭脳と力をもっています。でも能ある鷹は爪を隠すという感じで、ただの人間とは思えない知識量や力に関してはのらりくらり交わします。ちなみに三郎は自分が花城であることを言いはしないけど隠してもいないという感じです。最初は謝憐はなんとなく勘づいてはいるけどあえて言及していません。逆に謝憐の使いである南風と扶揺は一度花城姿で彼と手合わせしてるので花城の名は出さずともめちゃくちゃ喧嘩腰で花城に激怒しています。笑
ここ3人の会話も面白いです。
天官賜福の何がいいって勿論壮大なストーリーだったり色々あると思うんですが(おい)、三郎(花城)の謝憐を特別扱いするさりげないけど、目の奥にある言葉では表現できない情熱とか執着心がめちゃくちゃ良いです。凄い長文になってしまいましたが、メインの2人だけでなく脇キャラの登場人物一巻の時点で魅力あるキャラクターばかりなのでぜひ見てみて欲しいです。
作者の墨香銅臭先生は恐らく3作品BL小説をだしていると思いますが、デビュー作の人渣反派自救系統(さはん)、陳情令で人気爆発の魔道祖師、今回の天官賜福、3作品ともとても面白いです。(3作品はまとめてMXTXと呼ばれています。知らない方の為に一応。)
現在、天官賜福2巻を魔翻訳中ですが意外と難しくないです。軽率に始めましたが結構上手く翻訳できて読んでます。(というのもTwitterなどで先人のネタバレ感想などが充実してるおかげでもあります。)一見、難しそうに見えるんですがやってみればコツが掴めますし、ひたすらやる事は同じ事の繰り返しなので、○島に野球を誘われたカ○オのくらいの軽率な気持ちでやってみてもいいのかなあと思います。
翻訳は根気はいりますが、それを上回る面白さなので是非ジュンク堂などの大型書店で天官賜福の台湾版(完結まででてるのだと)手に取ってみて欲しいです。
追記
一巻を電子で買うか、紙で買うかですが、個人的には電子をお勧めします。というのも、わからない単語が出てきたときに電子だと文字選択→検索が一瞬でできます。でも紙だと、そもそもその漢字をどう変換すればでてくるのかわからず四苦八苦するのでわからないまま進むこともしばしば、、。ちりつもですが理解度に差が出てくると思うので個人的には時代背景や特殊な設定をあるため検索をかける事が多く、電子>紙と感じました。人それぞれかと思いますが参考になれば嬉しいです。
×3作品はまとめてMXTXと呼ばれています
◯作者の墨香銅臭先生はMXTX先生とも呼ばれています
中国のファンタジーBL小説の日本語訳版。
昨年、日本でも吹き替え版のアニメが放映され、その美しくも怪しい独特の世界観にハマって、原作小説の日本語訳版が日本で発売されるのを楽しみにしていました。
1巻はアニメ1期までの内容+αなのですが、アニメを観ていても理解しきれなかった設定が小説では細かく語られていて良かったです。
登場人物の名前や人間関係もアニメを見ただけではなかなか覚えられなくて混乱しましたが、小説の方が分かりやすいと思いました。(それでも複雑で、私は何度か読まないと理解するのが難しいと思いましたが。)
面白い上に内容が濃くて1冊が長いので、大満足でした。まだ明かされていない伏線がたくさんあるので2巻以降が楽しみです。
人がその行いにより神になったり鬼(魔の物)になったりする世界が舞台の中華ファンタジー。
ざっくり大筋は
その行いから神になった謝憐が、人界で起こる様々な鬼がらみと思われる事件に対処するため奔走します。三郎は人界の道中で出会った、天界・鬼界にやたら詳しい少年で、成り行きで生活を共にし、後にとある事件に一緒に向かうことになるが…。
というところですかね
1巻ではアニメ+αくらいです。想定してたのでむしろ+αあってうれしかった 笑
文化の違いからかアニメ1度見ただけだと訳わからなかったところが、小説でしっかり補完されました!逆にアニメ1度見ると、小説読みながらの脳内映像化がめちゃ捗るのでおススメです。
登場するキャラクターのせいか、全体的にコミカルで今のところ雰囲気は割と明るめです。魔道祖師が重いツライ暗い(でもオモシロイ‼)かったので、メンタル気にせずにいつでも読めそうでちょっとほっとしました。今のところは!まだ色々なんでもありうるので警戒はしつつ、2巻楽しみ!早く出てほしい。