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悪いな。俺、こうなんだわ
あらすじも読まずに作家さん買いしたので、読む前に改めてあらすじを拝見した時
思わず『チャラ男×ビッチ受』のお話…?と、苦手分野もありマイナスな気分からスタートしたのですが…。
このお話、本当に好きでした!!
ここ最近読んだ本の中でもダントツかもしれません。
受けさんの光成視点で進められるのですが、光成を通して攻めさんの諏訪の男前さや誠実さが伝わってくるので、両視点分楽しめたような気がします。
それくらい、諏訪の愛情がダダ漏れで、光成の惚れ具合も尋常じゃなくて…。
実は、『溺愛隠れS気質×一途健気純情』のまるで中学生同士のような展開に、こちらも当てられた感がありました笑。
光成は本当に健気でいい子なんです。ただ不幸体質?のせいか、自分をおざなりにすることが当たり前で生きてきたので、クズ男にばっかり嵌ってしまう可哀想な子で。
対する諏訪さんも、見た目と中身のギャップから、告白されて付き合っても結局振られるパターンという、おかん気質を受け入れてもらえない可哀想な攻めさんで。
まあ、割れ鍋に綴じ蓋ということわざがこれほどぴったりな2人はいない気がします。
なんだかんだあって、やっと想いが通じ合った後半からの2人のイチャイチャぶりはただただ圧巻でした。
草食に見えていた諏訪の、Sっ気ある愛情表現がなんかもう読んでるこっちが恥ずかしくなるくらいで。
一気に肉食獣と化した諏訪さん、嫌いじゃないです!
そんな諏訪さんにぐずぐずに愛されて(やっと)幸せそうな笑顔を見せた光成も、大好きです。
これからは人並み以上の幸福せをいっぱい堪能してね…光成!!
コミコミさんの特典も、幸せなオーラがただただ溢れている素敵な2人のその後なので、この本のお話やこのお2人が好きになった方は是非読まれることをオススメします。
久しぶりに、繰り返し読むだろう…綺麗に保管しておきたい、そんな本に出会えた気がします( *´︶`*)
よくよく考えてみたら「悪い」の裏なんだから「良い」に決まってるんですよね。
はぁ・・・表紙が好きだ。
作家買いしている作者さんですが、違う方が書かれていたとしても購入する予感しかしないほど「あらすじ」だけ読んでも好きです。
描写も挿絵の表情も非常に淡々としているので最初は さほど感じなかったけれど、これはかなりな不憫受けの話だと思う。
過去の恋愛での苦い経験にがんじがらめに捉われており、諏訪(攻め)に対して自然に振る舞えない光成(受け)。
意を決して性癖を晒してくれた相手を無下にはできないからと本当は苦手にもかかわらず、相手に望まれればドS役も担ってくれる お人好しで誠実で懐の深い諏訪。そんな彼は、ホスト崩れのような どこか危うい色気の漂う風貌なのですが…。
とにかく物語の序盤からお互いの意外性の応酬で、ぐんぐんページを捲る手が進みます。
二人とも長々と喋るタイプではなく、どちらかと言うと ぶっきらぼうな台詞のやり取りですが、どんな表情で会話を交わしているのかが挿絵がない場面でも不思議と手にとるように分かり(きっと胸の中が色々と忙しいんだろうなぁ…)と胸中を察し、終始ニヤニヤしながら読んでいました。でも時にホロリと。
光成がうまく笑えなくなった原因として高校時代の先輩とのエピソードが絡んできます。
この先輩の矢槌が表も裏も悪い男というか、正真正銘のクズ男だったので光成の初恋に一切のセンチメンタリズムを挟まずに済んだ事に関しては、海野先生ありがとうございます、と言いたいです。
諏訪に出会うまでの光成は、どんなに努力して頑張っても それを肯定する言葉を一度も言ってもらえず、ゴールのありかも知らぬまま長らく走り続けていたような日々でした。
それを真正面から抱き止め「到着」と笑って言ってくれたのが諏訪なんです。
諏訪の大きな手と身体なら、本当は孤独で満たされなかった昔の光成ごと、きっと抱きしめてくれる。
いい歳をした大人二人が天気のいい休日に『くちなしの花言葉』について、あれこれ幸福そうに話しているラストは とてもとても愛しく思えたので、迷わず神評価です。
最近読み漁っている海野先生、この作品めちゃくちゃ好きです!
受けの光成くん、不憫さ日本一って感じでクズにばっかりひっかかってしまうのですが……
もうね、自己肯定感の低さときたら!
でもなぁ、分からなくもない
子供の頃に培われるであろう情緒の面が見事に育ってないのは家庭環境なんだろうなぁ
寂しかっただろうなぁ
それに本人気づかないってどんだけだよ、不憫すぎる……
そのせいで話としては面白いんですけどね、思考が斜め上というか飛んでいってる感じでwww
攻めの諏訪さん
なんすかもう、こんな攻めモテるに決まってんじゃん!
色気垂れ流しなのに中身オカンで
なのにエチになると獣と言うか(ブツも獣)
でろでろに甘やかしてくれちゃってさ!
しかもその時だけちょいSってもう最高かよ!
ひっさびさに悶えるくらい素敵な攻めでございました
きっと何度も読み返すな〜
『……俺のだ』って囁いた諏訪さんにこっちの腰が砕けそうでした
いいなぁ、普段温和なのに独占欲と嫉妬丸出しで獣になるとこ
BLの萌がつまった神作品です
ワルっぽくて自堕落な雰囲気が漂っている男に惹かれてしまう光成が付き合ってきた男は一人残らずクズばかり。
「経理部の狂犬」として知られるほど厳しい仕事ぶりで有名で、見た目も良いのに、やたら自己評価が低い光成が付き合うことになったのは、見た目どストライクの同僚・諏訪。
どうせ諏訪も過去の男たちと同じだろう……と思う光成に対して、諏訪が初デートに選んだのは山梨の桃狩り&野菜詰め放題バスツアー。
フェロモンダダ漏れのホスト崩れのような外見の諏訪がおばちゃん達に混じって真剣に桃を選び、一個も妥協するな!と野菜の詰め放題の限界に取り組む素敵な攻め様(笑)
諏訪は女たらしのヒモみたいな顔して実はとことんオカン気質。
冷蔵庫にはいつも数種類の常備菜をストックし、飴ちゃん常備。
フェロモン垂れ流しなのに1ヶ月キスすらしない。
クールでドSっぽいと思われがちだけど、実は隙あらばベタベタひっついていたい……etc
もうギャップの連続、ギャップの塊で萌える〜!!
さて一方の光成。
都合の良い財布兼オナホ代わりにされてきた今までのクズ男たちと諏訪があまりに違うので戸惑いつつも、諏訪には遠慮しなくてもいいのか……と少〜しずつ近づこうとするところがいじらしいというか、かわいいんです。
自己評価が低い=自己卑下が強い受けってウジウジしがちで、そういうウジウジ受けは苦手なんですが、この作品の受け様は「経理部の狂犬」というだけあって他部署のムカつく部長を容赦なく切り捨てたり、諸悪の根源である初恋の先輩をプロレス技で自ら撃退するという男らしくてスカッとするところがある。
攻め様に助けてもらうのではなく、初恋の呪縛を自ら解いて「(先輩を)蹴り倒してやったぞ!」と笑顔で告げるところなんかほんといい。
でもそれができるようになったのも、諏訪の存在があったからこそ。
光成が「もし諏訪と別れることがあったとしても、今度から恋人を選ぶ基準は諏訪になる」と思うところなんか、ジーンとしちゃいます。
ここがすっごく好きなんです。
人の優しさって人を変えるんだなぁって思うし、もし別れることがあっても…なんてこの後に及んでも覚悟してる光成の健気さというか不憫さにはたまらないものがあるし。
包容力のある諏訪と一緒にいることで、少しずつ少しずつ花がほころぶかのように変わって、くちなしの花の香りに包まれる二人の姿がイメージできるラスト、良かった。
お互い出会えて良かったねと言ってあげたいです。
半年ぶりに読み返しましたが、冒頭のギャップの連続〜については良く覚えていたものの、最後こんなに光成の心の深いところまで辿り着くことをすっかり忘れていたので、うわぁ!なんかすっごくいい話だったわ!!と興奮しちゃいました。
エロ度は「少なめ」となってますが、回数が少ないだけで、焦らしに焦らしまくった末に巨根で遅漏で絶倫の諏訪にトロッッットロにさせられる濃ゆ〜いのを最後に一回してます。
電子版には二つの番外編SS(「ささやかな変化」&「プレゼントの口実」)が収録されていて、挿絵もついてますので電子版、おすすめです。
2018年12月初めに発表された『不朽の名作 BL小説100選』のキャンペーンで手に取りました。
面白かった~っ。
まず『タイトルの勝利』がありますよね。
『悪い男』だし『裏がある』ですもの。
このお話の真実を素直に、端的に表しているのに、こちらはそうじゃない受け取り方をしちゃう。
お話の構造をまるっと示しているタイトルだと激しく感心いたしました。
流石……海野さんったらテクニシャン。
某『不朽の名作』にも書いてありますが、目には見えないのですね。本当に大切なものは(笑)。
主人公、光成の付き合う男はクズばかりっていうのも凄いです。
だから、無理目だろうけど「いいな」と思っていた諏訪とひょんなことからお付き合いをすることになっても、クズ男だろうと勝手に思っちゃう。もう、金をせびられたり、ヤリ捨てられる気満載だったりする。
諏訪が実はその見た目と違って『心が通い合ってしか体の関係を結ばない』人で、誘ってくるデートは『桃の食べ放題バスツアー』だったり、諏訪宅での『手料理ふるまい』だったりするんです。
もう、オカンそのもの。
でも、それが解ってからも、身についた悲しい性故に、すぐお財布を出しちゃったりするのが、可笑しくてねぇ(いや、よく考えると悲しいんだけどね)。
この『すれ違いコメディ』にはかなり笑わせていただきました。
ところが、お話のムードが途中からちょっと変わるのですよ。
光成がダメ男に惹かれてしまうきっかけとなった高校時代の先輩が現れます。
自分を大切に扱ってくれる諏訪に光成はもう心を奪われているのですけれど、この先輩、孤独だった光成の高校時代に輝く思い出を作ってくれた唯一の人なんです。
なので、逆らえない。
内緒で会っていることが諏訪にバレて、2人の関係もギクシャクしちゃう。
何故、光成が彼にそれほど惹かれたのか。
そして『クズ男ばかりと付き合ってしまう』のはどうしてか。
この先輩との関係を見つめなおす中で、その真実が明らかになります。
本来なら子ども時代に与えらるべきものが、光成には与えられなかったこと。
あまりにも孤独で、その辛さから事実を捻じ曲げて見ていたこと。
そのことに光成が気づくシーンはとてもつらい。
それと同時に『どうして光成がクズ男ばかりに惹かれるのか』その理由が、霧が晴れるようにハッキリ納得できるんです。
コメディ部分とシリアス部分が違和感なくマッチした緩急のあるストーリーも素晴らしいですし、過去の自分と向き合い間違った認識を改めていく光成の真摯さにも心を揺さぶられます。
そして何より、その後に自分の間違いを諏訪にきちんと話そうとする光成の勇気に、そしてそれを受け止めてくれる諏訪の大きさに感動しました。
こんなに感動させた後に『実は諏訪は……』っていうオチがあって、もう一度タイトルの『悪い男には~』に戻って行くという、ラストの小粋さも素敵!
『笑って、泣いて、あのシーンではちょっとばかり夢を見て』というBLの醍醐味が詰まった本作、まさに『不朽の名作』に挙げられるべき作品だと思います。