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表題作ifの世界で恋がはじまる

大狼誠司
彰人と犬猿の仲の営業部の社員
加納彰人
技術部から移動し営業部内で浮いている社員

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

「ありがとう」も上手く言えない俺のお手本は、
もう一人の俺!?
待望のキャラ文庫初登場! !

専門知識はあるけれど、
口下手で愛想笑いも作れない――
SEから営業に異動し、部内で浮いている彰人。
今日も些細な口論から、
密かに憧れる同僚・大狼を怒らせてしまった…。
落ち込むある日、偶然訪れた神社の階段で、
足を踏み外して転落!!
目覚めた彰人を待っていたのは、
気さくに声をかける同僚や、
熱っぽい視線を向けてくる大狼――
昨日までとは一転、彰人にとって居心地のいい世界で!?

作品情報

作品名
ifの世界で恋がはじまる
著者
海野幸 
イラスト
高久尚子 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199009679
4.2

(151)

(70)

萌々

(54)

(21)

中立

(3)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
15
得点
632
評価数
151
平均
4.2 / 5
神率
46.4%

レビュー投稿数15

理想とはほど遠い、落ち込むばかりの毎日。でも、精一杯頑張った証。

上手く行かない毎日に、落ち込んでばかりの主人公。
そんな彼がある日突然、理想通りのパラレルワールドに来てしまったら?
と言うお話になります。

これ、読み終えた後に、何だかあたたかくて幸せな気持ちになれる、とても素敵なお話でしたよ。
いや、そうじゃなくても、主人公が愛しすぎる・・・!
不器用で頑なで、意地っ張り。
でも、その裏に隠れた素顔は、努力家で真面目でとても真っ直ぐ。
周囲に誤解されてるのが、読んでてめちゃくちゃ辛いんだけど!
もう、こっち(パラレルワールド)で幸せになっちゃえよ!てなもんですよ。
いや、そうはならない所に、グッと来ちゃうんですけどね。
そう、理想とはほど遠い毎日ですが、それでももがき苦しみ、一生懸命頑張った結果が今日なのです。
人生の教訓的なものまで来たよ。


ザックリした内容です。
技術部から営業に異動となり、部内で浮いている彰人。
密かに憧れている同僚・大狼とも、いつも口論になってしまい、落ち込む毎日なんですね。
そんなある日、偶然訪れた神社で足を滑らせて転落。
目を覚ますと、そこは気さくな同僚やとても優しい大狼と、自分にとっての理想的な世界でー・・・と言うものです。

こちら、主人公である彰人ですが、技術部から「営業技術」として突然営業部に異動させられ、しかもとても負けん気が強く意地っ張りな部分がある為、完全に部内で浮いてるんですね。
こう、営業なんて分からないじゃ無く、食らいついてでも自分の仕事をしようみたいな。
が、そんな部分が空回りして、周囲から冷たい態度。
こう、責任感も非常に強い為、余計周囲と軋轢を生んじゃうと言いますか。
なんとも読んでいて、もどかしい受けなのです。

で、そんな彼が来てしまったパラレルワールド。
そこでは同僚は皆、気さくに話し掛けてくれ、大狼は過保護に仕事のフォローをしつつ、優しい態度。
いや、これ、まさに理想の世界なんですよね。
周囲があたたかく接する為、彰人自身も素直に人当たりよく出来と、これまでの辛い毎日が嘘みたいなんですよ。
とても厳しかった大狼が、甘く優しい笑顔を見せてと、すごく幸せなんですよ。

と、そんな毎日に、このままでいいと思い始める彰人。
しかし、少しずつ違和感を覚えはじめて・・・と言う展開。

えーと、こちらの世界で皆が親しげなのは、この世界の「彰人」が素直に周囲を頼ったからなんですよね。
そう、「彰人」が頑張った結果で、周囲が受け入れてるのは自分では無い。
また、大狼は常に過保護にフォローしと、仕事での失敗も無くなる。
しかし、彰人を営業の一人では無く、あくまで自分の補助として扱う彼に、鬱屈を覚えるんですね。
そして、元の世界で大狼があれほど厳しかったのは、自分を一人前の営業として扱ってくれていたからだと気付く。
そこで、元の世界に帰ろうと決意するー。

実はここまでで半分くらい。
こういうお話だと、元の世界に戻ってメデタシメデタシと言うのが定番だと思うんですけど。
が、今作が面白いのは、戻ってからがガッツリ書かれてる所なのです。
そう、ここからが萌えまくりの展開。

戻った彰人ですが、向こうでの経験も生かし、積極的に部内に溶け込もうと努力するんですね。
また、大狼に対しても、頼る所は素直に頼り、またツンケンした態度を改める。
いやね、周囲から誤解されて浮いていた主人公が、どんどん受け入れられて行くと言う展開が、なんだかすごく嬉しいんですよ。
オマケに、素直にお礼を言って笑顔を見せる彰人に、大狼がグイグイ惹かれて行くのが良く分かる仕様になってまして。
いや、何でしょうね?
この逆転劇が楽しくて楽しくて仕方ないと言いますか。

と、ここから、ちょっとした誤解なんかを乗り越え、晴れて二人は結ばれると言った感じになります。

まぁ大抵、気持ちが通じあう瞬間と言うのはクライマックスもクライマックス。
とても滾るワケですが、今回はゴロゴロ転がっちゃうくらい楽しくてですねぇ!
こう、大狼の口から彰人に対する本音が語られるのですが、これが甘い甘い。
とにかく負けん気が強く、ハラハラした事。
クールで全然動揺しないと思っていたら、手が冷たくなっている事に気付き、とても緊張していたんだと初めて知った事。
実はとても努力家で、必死で頑張った結果があの頑なな態度だった事ー。
いやもう、こんな調子で延々と語ってくれちゃうのです。
そう、よくぞ分かってくれました!
甘い!
甘すぎるなー!!と。

あとですね、彰人はこちらの世界に帰ってきてから、ふとした拍子に向こうの大狼の事を語るんですね。
「過保護なくらい自分を見守ってくれるヤツが居た」的に。
それに大狼が、ヤキモチを焼くのにもニヤニヤしました。
ついでに、彰人は妙に素直な所があるのも可愛くて。
エッチでですね、かなり強引にラブホに連れ込んだ大狼の「急に大人しくなったな」に対して、「よく考えたら、抵抗する理由が無かった」みたいな会話も吹きましたよ。

と、読み終えた後はとても幸せな気持ちになれる、素敵な作品でした。

28

小説としての面白さ

受けが平行世界の自分と入れ替わる、という王道だけではない面白さがありました。

平行世界の自分と入れ替わったことで、自分を客観して見つめ直し、成長していく受けに感動しました。

その成長がきっかけで攻めとの恋が進んでいく物語の構成にも脱帽です。

恋愛ストーリーとしても、ひとつの小説としてもおすすめです!!

5

なりたい自分になる努力をする覚悟ってかっこいい。

 システムエンジニアとして技術職で働いてした受け様である彰人は、人事異動で今は営業職として自分のやり方で頑張っているけど、なかなかうまくいかず、ため息をつく毎日。
 そんな中、立ち寄った神社で石段から転がり落ちてしまい、気付いたら今までいた世界とはあきらかに違う世界にいて。
戸惑いつつも、自分を受け入れてくれている、居心地のいい世界に、前の世界に帰りたい気持ちが持てなくなる彰人。
何より、前の世界ではギスギスした関係とか築けていなかった攻め様である同僚の大狼が、こちらではどうも自分に恋情を抱いているように感じるし、もうこのままこちらの世界で゛加納彰人゛として生きていきたくなる。
 うんうん、その気持ちよくわかるなぁ。

 でも、この世界はこの世界の自分が変わろうと努力した結果の世界であり、今度はこの世界で学んだことを生かしたい、いや、やるんだ、と覚悟を持って前の世界に帰る彰人に拍手でした。
今までの自分の生き方に責任を持とうと、なりたい自分に変わる努力をしよう、と一歩を踏み出した彰人はかっこよかった。
不器用だけど、努力することは厭わないので、頑張ってる彰人の姿はとても気持ちよかったです。


 そして、誰かの影響をちらつかせながらいい感じに変わっていく彰人の姿に、嫉妬を見せてくる大狼がいいわー。
誰の影響だ、ともんもんとしてるであろう大狼の心中を妄想するとにやにやが止まりませんでした。


 自分が生きてきた今までがあるからこその今の自分があるんだよね、としみじみしちゃいました。
とても好きだなぁ、と思える1冊です。


 

5

頑張り屋さん好きです

お仕事もの。
すごく良かったです。
電子書籍でセールになっているのを、何気なく試し読みしていたら、面白くてそのまま購入して一気読みしてしまいました。

攻めは、できる営業大狼。
受けは頑張り屋の元技術部の彰人。

技術から営業に異動になって溶け込めなく苦労していた彰人が、ifの世界では営業部のみんなに可愛がられてた!

でもなんだか違うとモヤモヤしてしまう彰人。
思い切って元の世界へ。

後半は元の世界で今までとは違う方向性で頑張って、本当に営業部で認められていくように。

簡単に攻めに好かれるようになるのではなく、長い間の頑張りで認められるのが味噌かな。
頑張ってるキチンとした受けが大好きなので、超好みのお話でした。

個人的には攻めの心情がわかるパートがあると嬉しいので、最後に攻めの心情がわかってウフフと楽しみました。

これを機に海野先生の本を色々読んでみよう思案中。

2

仕事も恋も!!

影では認めあってるのに拗れに拗れてぶつかってしまう。
こんな2人でどうやってラブに発展してくの!?ってくらい関わり無く、関わったら関わったで険悪!?
加納の頼りにされたいのに上手くいかないジレンマが苦しい!!

そんな時に周りとも大狼とも上手くやってる並行世界へ飛ばされる。
そこで何が足りなかったのかどうしたいのか仕事も恋も真面目にもがくの胸にきました。

加納の気持ちを汲んで 素っ気なかった大狼が真に加納の意図や変化を知って ガツガツし出すのも良かった~
並行世界の過保護な大狼姿も、それに対抗してでろ甘になってくのもどっちの大狼も良い!!さっぱりした性格なのかと思ったら…な攻め方も良い。ダメの判断が的確なの素晴らし!!

加納の必死に仕事に取り組む姿とどっちの大狼にも戸惑う可愛さと両方堪能できたのも良かった。
しっかりお仕事しつつ、高め合い認めあえる関係から恋に発展してくの大好きです!!

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