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待ちに待った『天官賜福』の2巻目。
比べたらアカンのかもしれませんが、『魔道祖師』は3か月連続で刊行されたので、それと比較して『天官賜福』のこの待ち時間の長さよ。でも良い。焦らしプレイの一環かと思えばそれも味か。
と、くだらないことを書いてしまいましたが、本編のレビューを。
何をどう書けばいいのか、何を書いてもネタバレになってしまう感がありますが、なるべくネタバレなしで書きたいと思います。
偶然出会い、謝憐に懐いていきた少年・三郎。
彼の正体が分かったところで1巻は終わっていましたが、2巻はその続きから。
三朗、もとい花城が実は鬼の王だと知った謝憐は、だがだからと言って接し方に変化もなく。
もともと神官の失踪事件を追って鬼市にもぐりこんだ謝憐は、花城の庇護を受ける形で捜索を始めるが…。
と、序盤は1巻からの続きが描かれていますが、2巻のページ数の多くを占めるのは、謝憐の過去のお話です。彼が神官になったころの800年前のお話。
もともとは一国の太子だという高貴な身分の彼ですが、え、え、ちょっと待って?
四大害の一人の「彼」の正体(正体というとちょっと違うか?)が描かれています。殿下と「彼」って、そんな繋がりがあったの?
という驚きのエピソードをぶっこみつつ、1巻でも登場した包帯の少年のお話も描かれていきます。いかんせん427ページという分厚い1冊。それはもう、エピソードもてんこ盛り。あれとそれがここで繋がって?で、このシーンは、ああ、そういう意味か―!という、終始『天官賜福』という波に翻弄されっぱなし。
殿下と花城との絡みという点で言うと、序盤の、時系列で言うと「現在」の部分でしか描かれていませんが、まあこの時の花城のスパダリ感がマジでヤバいです。殿下に対する忠誠心、さながらワンコのような懐き方が可愛くってほのぼの。なところに、ピリッとスパイスのように効いてくる不穏な因子がまた良い。
個人的な萌えポイントは、謝憐は花城のことを呼ぶときに「三郎」と呼ぶところ。
謝憐にとって、彼は敵対する鬼の王・花城ではなく、自分を兄さんと呼び慕い守ろうとしてくれる三郎でしかないんだなあ、と。花城の本質は、優しい少年なんだと感じているからなのかな?と思うので。
そこから過去編に移行していきますが、あれ、この子はもしかして…?という人物も登場しています。二人が出会ったとき、そこから見えてくる花城の殿下への想い。
はよ続きを…!
花城×殿下(身体的な絡みは皆無です)のやり取りは糖度120%。
が、そこから移行していく過去編がまた読みごたえがある。
困った時は神頼み。
けれど、その願いが叶わなかった時、人は。
人の持つどす黒い感情、期待からの蔑み、その描き方が半端なく秀逸。人間の持つ黒い部分をしっかりと描き切った秀作です。「神」と「鬼」、そして「人」。読み始めていた時にイメージしていたそれらが、少しずつ形を変えていった、そんな感じ。その3つの区分に明確な違いはあるのかなあ、と。人を助けたいという思いで飛翔した殿下が心を痛めていく姿に胸が痛む。最後のシーンの、あの意味は。
1巻を読み始めたとき、殿下はなぜ2度も追放されることになったのかなと疑問だったのですが、彼にとって「神官」という立場は固執するものではないのだなあ、と。彼にとって一番大切なものは、己の身分ではない。カッコよすぎない?
単に花城×殿下の恋のお話ではないので、壮大だし、面白い。
表紙に描かれている、包帯を巻かれている男の子ですが、彼は1巻から登場していたあの男の子ですが、彼が重要なキーパーソンです。1巻からの伏線を回収…、かと思いきや新たな謎も見え始め、続きが待たれます。
あと、特筆すべきはその美しい世界観かと思われます。
読み進めるごとに目に浮かぶように殿下の艶々の髪、衣類、花城のご尊顔が思い浮かぶ。そして、彼らが扱う武器とか、指輪とか、そういった小道具の魅せ方も良い。
その美しい世界観を思い描きつつ読み進めているので、途中で差し込まれる凄惨なシーンの描写の激しさが、よりリアルというのか。墨香銅臭さんの書き方ももちろん上手なのだと思いますが、翻訳もお上手なんだろうな、と。そして、この美麗絵柄の表紙も。
この麗しい絵柄で、挿絵も入れてはいただけまいか…。
と、絶賛切望中であります。
ぬぬぬっっ…!
えっ?これどーゆーこと!?っていう2巻の終わり。
ひー…これを数ヶ月待てさせられるってツラいものがありますね…。読み終わった側から、3巻読ませて欲しいって激しく思うこの状態を「天官賜福シンドローム」とでも呼びましょうか。
かくして、続きくれくれ乞食と化した私ですが3巻の発刊を楽しみに日々頑張っていこうと思います!
2巻はまず表紙から素晴らしいです。
1巻は朱が目立つ禍々しいオーラすら感じましたが、2巻は謝憐の優しさが際立つ神々しいオーラにメロメロになりました。表紙のクオリティ高すぎです。
そして内容ですね。
2巻もギッチギッチにド濃厚なストーリー展開と、魅力ある登場人物たちの動きに魅了されっ放しでした。
行方不明の神官の捜索を始めとして、謝憐の知られざる過去について紐解かれていく今巻。鬼が関係する事件解決が主だった前巻とはまた違った趣きでした。それはあまりにも驚きの事実も存在しており、まるでパンドラの箱を開けてしまったかのような秘匿的内容の数々……。
ですが、これは序章に過ぎません。その後は謝憐の過去を知ると共に、「天官賜福」の深層を知ることになっていきます。
謝憐の周辺部がだいぶ騒がしくて、謝憐の関係者が神官だったり鬼だったり…そんなことも露呈し、より一層物語の奥行きと深みが増し増しです。
謝憐の徳の高さを知り得た巻でもありましたし、何よりこの2巻はある意味"始まりの巻"。謝憐が飛昇する前に実は関わりがあった、あの彼との出会いもありました。明確な記述はないので今の時点では憶測ですが、おそらく謝憐を慕う彼で間違いないかと…
ずーっと気になっていた、なぜこんなに謝憐に執着するのかの疑問が徐々に解明されていきました。いやね…これは納得の繋がりです。
彼は謝憐のために生き、謝憐によって生かされていた。謝憐にとってみれば何てことないひと言だったかも知れないけど、彼にとってみたら天界の神官たちの誰よりも神様のように見えたことでしょう。
三郎(花城)の決して良いとは言えない過去に、胸が酷く痛みました。今後語られるか分からないけど、彼視点からも物話をみてみたいと思いました。
あっ。三郎(花城)についてはムフフなシーンもちゃんとありますよ!序盤からの甘さは萌えるしニヤニヤです。
謝憐以外にはスンッの塩対応なのに、謝憐だけには優しいし甘いし肯定的なのがすんばらしー。三郎自体まだまだミステリアスで謎多き人物なのに、間違いないスパダリオーラにKOされてしまいました。
文章でしか判断できませんが、理知的な人(鬼)柄と色っぽさと艶やかさが際立っているのが何とも素敵。
彼が謝憐を「あなた」と呼ぶのが超絶好きです。
まだ明確なBLはなくて、ほんのりくすぐる感じですが、それでも面白いのはこの濃厚で壮大な物語だからこそ。BL以外の見どころがたくさんあるので楽しいです。
謝憐は母国の舵取りに翻弄され、あまり楽しくない局面での終わりはシンドイものがありますが、この作品に関しては待つのも1つの楽しみだと思っています。
実は2巻が発刊すると聞いてから専用のブックカバーを作って待っていたので、装着しての読者タイムはとても楽しい時間でした。
床でゴロ寝読書スタイルの私ですが、今度は本を踏んづけたり、しおりを蹴飛ばしたりしないで済んだので良かったです。(1巻ごめんね)
3巻はどんな話になるんだろうと今から楽しみで仕方ありません!
待ち望んでいた2巻、やっと読み終わりました…!
もっとちまちま読んでいくつもりだったのに、あまりに文章が素敵すぎるから読み始めたら止まらないんですよね。続巻まで放置プレイ再開です^^
まず表紙が大優勝すぎる。もし天官賜福を知らなくても本屋で見かけたら表紙買いする自信ある。1巻の肉食系な表紙も好きでしたが2巻の草食系も良いですね。爽やか〜
内容です、かつて永安国の太子であった郎千秋、その永安の皇族が皆殺しにされた鎏金宴大殺戮の真相が前半170ページほどで語られ、そこから第2巻「太子悦神」が始まります。
800年前、謝憐がまだ人間で仙楽国の太子だった頃の上元祭天遊から、飛昇して神官となった後までの話です。
これがね〜…またとにかく重い!想像以上に重いよ!!
あんな草食な表紙でこのストーリー、最近流行りのロールキャベツか…
1巻がワクワクミステリーツアーだったおかげで平和ボケしていましたが、4分の1くらいまで(鎏金宴大殺戮のところまで)読んだところでやっと あ、この先生って重い話書くの得意なんだっけ と思い出しました。
風の噂で同作者の『魔道祖師』より重いらしいとは聞いていましたが、流石主人公の過去の話というだけあって2巻から割とぶっ飛んでますね…
謝憐、可哀想すぎる。
優しいが故に色んな角度に手を差し伸べすぎて、全てが中途半端になり、だんだん収拾がつかなくなっていきます。
「神だからなんでも出来る」
その圧力に疲弊していく謝憐が発した一言がとにかく痛ましいです。
ここ読んだのが寝る前だったので普通に大泣きしました。
でもやっぱりこれはBL小説、重い話の中でもしっかりひとつの恋が芽生え始めているのが読んでてワクワクします。
あとこの2巻、ちょっと嬉しい事件が1つありましたね。
温柔郷という花の妖怪が放つ香りに謝憐があてられて、1人の少年兵の前で体を火照らせてしまいます。
少年兵…私たちが想像してる通りの人物だといいですね!続編に期待しましょう^^
前作1巻はアニメのおかげもあって、ストーリーは割とスッと入ってきましたが、本作は準備なく読む人にはちょっと難しい…言葉がわからなかったり、人物がわからなくなったり(わからないんじゃないけど、すぐ忘れて戻ることになる)、戦いや妖怪の話だったりと、なかなか読み進めることができず、結局かなりの日数をかけて読了。
内容は非常に重く、辛いものでした。
本作は2巻という体裁をとっていますが、第二巻 太子悦神は1/3すぎたあたりからです。
第二巻は過去の話なので、花城との関係が進展するどころか、出会いのところから〜となっており、甘いシーンをおねだりする心に蓋をして読み進めねばならない試練の回なのです。でも、ここを読み進めねば、二人の関係性が掴めなくなる…と思い、少しずつ読みましたが、結果胸にずっしりと残るものになりました。
墨香銅臭先生の作品を拝読するのは、魔道祖師に続く2作目なのですが、作中に政治、倫理、道徳、宗教のようなものが見え隠れし、単にBLファンタジーと言い切れない世界観を感じます。「人として」という深いテーマ…普遍的なものを感じるのです。謝憐が抱く、人を助けたいという心、悪を倒したいという思い、間違っていないはずなのに、それが歯車を変えていくというストーリーに「こんなはずではなかった」という違和感とともに「こういうことってあるな」という既視感を覚え、胸がざわつきました。魔道祖師の中にも感じた「正しいはずだった行為が恨みを買っていく」という展開は読んでいて非常に辛く、歯がゆい感情を持ちます。だからこその救いを求めるようになるのですが…本作ではまだその回収はありません。
中国作品にあるあるの名前が覚えられない問題を整理しクリアすれば、ストーリーが腑に落ちてきます。1巻冒頭の飛昇して武神となったが、2度にわたって天界から追放されて…に?となった謎が徐々にわかってきて、ますます物語の世界に没入することになりました。頑張っても問題ばかり身に降りかかる、でも果敢に立ち向かっていく謝憐は、1巻の彼と印象が違うところもあり、主人公としての謝憐に引き込まれていきます。花城(三郎)との出会いと二人がどのように関係していくのかは、進行途中ですが、描かれていますので必読と言えましょう。
今後どんな展開になるのか心惹かれています。そしてこの後、三郎がどのように花城になっていくのか…800年の話でしょう?神様の時間軸ってすごい!まだまだゆっくり物語は進みそうですね。衝撃的なところで本文は終わっていますが、3巻を待ちたいと思います。それにしても壮大なスケール…墨香銅臭先生って本当に素晴らしい。日本の文化と違うところも含めて非常に興味深く、魅力的な作品です。