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タッグ 不器用刑事は探偵に恋をする

tag bukiyou keiji ha tantei ni koi wo suru

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表題作タッグ 不器用刑事は探偵に恋をする

鏡深雪,元捜査一課の刑事で、現在は探偵
都築一也,所轄署刑事課に配属されている刑事,28歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

刑事になって二年目。学生時代の友人の死をきっかけに刑事を目指していた若手警察官の都築一也は、ある不可解な事件に遭遇する。内容は何の変哲もない自殺だが、現場の酷似した事件が過去にも二件発生していた。ただの自殺として処理されたことにどうしても納得のいかない一也は、見かねた刑事課長から一人の探偵を紹介される。鏡深雪ーー警視庁・元捜査一課のエリートであり、一年前に発生した事件の解決後突然辞職した、一也の憧れの人だ。彼の驚くべき推理力で、無関係だった三件の事件が少しずつ明らかになっていく。さらに、鏡の側で一緒の時間を過ごしていくうち、憧れだったはずの一也の気持ちが次第に変わってきていて…?

作品情報

作品名
タッグ 不器用刑事は探偵に恋をする
著者
真式マキ 
イラスト
亜樹良のりかず 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
電子発売日
ISBN
9784344851030
2

(2)

(0)

萌々

(0)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
3
評価数
2
平均
2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

事件と恋愛がミスマッチ

真式さん、好きなんだけどなぁ……亜樹良画伯のイラストも美しいし。
でも私にはダメだったんです。このお話。
酷評で申し訳ないのですけれど感想を書いておきたい。
ミステリと言ってもハードボイルド系で、謎解き要素は少ないと思うんで、犯人とか動機とかの派手なネタバレをしちゃいますがお許しください。


まず、どうもちぐはぐな感じがしたのは2人の恋愛と、操作する事件のトーンが合わないこと。
お話は都築視点の所為もあり、切々と想いを寄せるのは都築の方なんですね。
彼は友人を亡くした経験から刑事になったという、正義と(それほど暑苦しいわけではないけど)熱血の人なんですね。だから鏡に寄せる思いも真直ぐ。

ところが事件の方は自死がらみって言うか、自殺幇助事件で。
お話に出て来る自死を願う人たちが『なぜそう思うのか』について書き込まれていないんです。だからなんか『世相として自死に向かっている人たち』っていう感じの集団になっていて、とにかく暗い。
真直ぐな恋愛部分と理由不明で暗い事件部分が同居しているので、場面が切り替わる度にムードが変わっちゃって、ついて行けなかったんです。

更に決定的だったのは下記の2点です。

ひとつは、自殺した人たちの部屋に同じ種類の珍しい花が置かれていたことを『自殺者は全員がこの花に関わる同一人物と接触した』と推理しちゃうこと。
『自殺した人の処に花を置いて行った』という可能性もあると思うんですね……って言うか、ミステリではこっちのパターンの方が多い様な気がします。

そしてもうひとつは、いわゆる犯人の犯行の動機が都築の説得、と言うか都築の話をたった一度聞いただけで揺らいでしまうこと。
「いや、そんな簡単にくつがえる動機なら、ここまでのことはやらんでしょ」と思ったら気持ちが一気に冷めちゃったんです。
これは悲しかったなぁ……

キャラクターは素敵。
あと、私が予想していた攻め受けが逆だったりした驚きとか(私は予測が外れた方が好きだったりするんです)好きになれる要素が満載だったのに、なんだか悔しいなぁ。
真式さんの『共鳴』とか『身元引受人』とかすごく好きなんで、また次作を期待して待ちます。次は私に合うお話だと良いなぁ……

1

もう一声ほしい

作家買い。
真式さんて、ちょっとシリアスベースだったり切ない系のお話を多く描かれる作家さま、のイメージが個人的に強いのですが、今作品は刑事さんが主人公。ということでミステリ要素が詰まったお話でした。




主人公は刑事の一也。
正義感が強く、まっすぐで仕事熱心な彼は先輩たちからも可愛がられる好青年。
そんな彼が捜査することになったのは1件の不審死だった。その事件は練炭自殺として処理、捜査終了となるが、一也には引っかかるものがあった。かつて彼が捜査した自殺の現場と共通している「もの」があったからだった。

納得のいかない一也は刑事課長に直談判、そこで刑事課長に告げられたのはかつて捜査一課で有能な刑事として名を馳せていた鏡という男性(今は探偵として働いている)に相談してみろ、というものだった。そして鏡の元を訪れた一也は、鏡と共に不審な自死事件について捜査することになるが―。

自殺と処理された事案。
それは果たして本当に自死だったのか―?

というミステリ要素を軸に進むお話です。

んー、なんて言うんだろうな。
既視感モリモリ、と言えばいいのか…。

一也にしろ、鏡にしろ、彼らは心の中にトラウマを抱えていて、それが今現在の彼らを形成しています。鏡は元敏腕刑事。それが今は探偵。なぜそういう経歴なのか、という部分についてもさもありなん、といった感じ。

心に傷を負った鏡が、天真爛漫で明るく元気な一也に少しずつ癒されていって…、という、ザ・王道のストーリーです。でもまあそれは良い。良いのですが、二人が追いかける事件はシリアスベースなのに、終始二人の間には甘い空気が漂っていて、それが個人的にはいかんせん馴染めなかった。展開が早い、っていうのか…。BL作品だし二人の恋の成就メインで読みたいのよ!という方にはお勧めかと思いますが、ミステリで始まった作品なので、二人の色恋という部分よりもそちらに比重をおいてほしかったなあ、と。まあ、完全に好みの問題です。はい。

で、肝心の事件の真相も。
うーん。
という感じ。肩透かしを食らった、っていうか。
ああ、そういう…、という感想を持ってしまったことは否めない。途中まで、うんうん、それでどうなるの?と思いつつ読み進めたのに、最後は急にはしごを外された感がしました。

シリアス、でもないし、ミステリというには少し詰めが甘いし、二人の恋愛の成就の部分の比重が一番大きかったかな?いろいろなものが詰め込まれていてバランスが良い、という感想を持たれる方もいらっしゃると思いますが、個人的にはどれもが中途半端な感じがしてしまったのが残念でした。決して面白くないわけでも萌えないわけでもないのですが、もう一声ほしいというのが正直な感想です。

一也しかり、鏡しかり、二人ともドツボに突き刺さるキャラでした。設定も面白かったので、ぜひとも二人で事件を解決していくシリーズものにしてほしいなと思います。

5

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