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表題作平行線上のモラトリアム

新進気鋭の映画監督・弥刀紀章
大学受験を控えたフリーター・佐倉朋樹

同時収録作品平行線上のモラトリアム

志澤知靖 弥刀の先輩
志澤藍 朋樹の友人

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

自分とは全く方向性の違う「青春」を題材にした映画を撮れと援助先のプロデューサーに言われ、制作に悩む映画監督の弥刀紀章は、大学受験を控えた佐倉朋樹に、映画の取材をさせて欲しいと頼む。
それは、独特な雰囲気を持つ佐倉への興味からでもあった。
近づこうとすればするほど、なお佐倉への興味が増す弥刀。
それに反するようにしてあがらない脚本。
ジレンマに苛まれながら、弥刀は自らの青春ともいえる過去の恋に目を向けることになるのだが―!?遂に新シリーズスタート。

作品情報

作品名
平行線上のモラトリアム
著者
崎谷はるひ 
イラスト
高永ひなこ 
媒体
小説
出版社
角川書店
レーベル
角川ルビー文庫
シリーズ
キスは大事にさりげなく
発売日
ISBN
9784044468217
3.6

(27)

(9)

萌々

(5)

(10)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
8
得点
96
評価数
27
平均
3.6 / 5
神率
33.3%

レビュー投稿数8

弱い大人と強い子供

 白鷺シリーズのスピンオフとなる作品でした。
 本編にも出てきた、弥刀と佐倉の話。

 大きな映画賞を受賞した弥刀は、今まで自分がまったく作ったことがない泥臭い「青春」に関する物語を作れ、と言われ、今までやったことがないことをうまくできずにテンパってしまう弥刀。
 そして、自分を信頼してくれる佐倉についつい八つ当たりしてしまう。

 それもこれも、実は弥刀には思い出したくない過去があって……

 という話でした。
 なんというか、大人がみっともなくて、悲しくて。
 そして子供が思ったよりも大人で強くて。
 自分の不甲斐なさに愕然として。
 久々に、泣きました。
 いやまあ、BL読んで泣くなよ、という話だと思うんですが(別にBLをバカにしているわけではなく)、本当に本当に切実な思いが胸に迫ってきて、我が身の不甲斐なさに泣きました。

 あー! しんどい!!
 なんで、こんなにみんな、ちゃんと一生懸命生きれてるのだ! と思いました。

 強くて優しい少年のまっすぐさに胸を打たれる小説でした。
 是非、白鷺シリーズの藍の強さを味わってから、それとはまた別種の佐倉の強さも味わってほしいと思います。
 オススメです!

2

シリーズ本編は大好きなんですが・・・

白鷺シリーズ・スピンオフ1作目。私はこのシリーズの本編は崎谷さんでいちばん好きなんですが、このスピンオフはちょっと無理でした。

まずキャラクターが好みじゃなかったです。いえ、弥刀(攻)も朋樹(受)も、本編で脇だった時は結構好きだったんですけどね。メインになったらどうしてここまでダメなのか、というくらいどうにも好きになれませんでした。

私は、もともと(肉体的にも精神的にも)『攻×攻』的なCPがダメなんですよ。リバもダメ。これ絶対近い将来にリバるよな~と思っただけでも盛り下がりました。そういう関係性が好きな方には楽しみなんでしょうが。

『重い・辛い』のは本編もそうなんですが、本編では作品としてプラスにさえ捉えられたのに、こちらではただ疲れただけでした。

ラブストーリーとしては、まったく入り込む余地もなかったです。

1

大人と子供

映画賞を受賞して、着実に映画監督への道を歩みはじめた弥刀紀章。
プロデューサーから出された課題は「青春」を題材にした物語のある映画の脚本を作ること。
今までの自分の作品とは正反対の課題に悩んだ紀章は、大学受験を控えた知人の佐倉朋樹に映画の取材をさせて欲しいと頼み込む。
取材するうちに少しずつ朋樹の若さと強さに惹かれ始める紀章だったが、そんな時かつて深く傷つき、心の奥底に沈めたはずの過去と再会してしまい……

元シリーズとはうってかわった弥刀さんのダメダメっぷりに度肝を抜かれたけれど、普段飄々としているだけにこのギャップにはぐっとくる。
過去に縛られて今を見失ってあがく大人と、今を生きる強い若者。
基本男前受が好きなので朋樹の潔さと懐の大きさにキュン。

だがしかしシリーズ一の大物は藍でしょうね。
知靖の過去を知ってもすべて許して受け入れる器のでかさ。

なんだかんだ不思議な関係_朋樹が弥刀さんを許すというか甘やかす?というか_に落ち着いた二人ですが、今後この関係がどうなるのかが気になります。
ここまで受けが大物だとまさかのリバ?とか思ってしまう。
だって朋樹見た目は細いけど、実は結構ガテン系……
あああ、弥刀さん(笑)
続き買ってこよう。

2

びっくり

思っていたのと受け攻めが逆だったので、それが妙に新鮮で、わりと楽しめました。攻っぽい受と、受っぽい攻が楽しめる人にはいいと思います。そのうち、リバってほしい。是非!

0

大人になるのは年齢じゃない

いい年なのに、大人になりきれない自分に、うじうじ悩むおっさんと、
まだ年若いのに、急いで大人になろうと、苛烈に生きている若者の物語。

登場キャラが、誰彼みんな、ここまで濃い人生を背負っちゃってなくってもいいんじゃないかと、、、

そんな中で、ただ一人、「普通」の家庭で育った弥刀のお悩みは、甘っちょろいモラトリアム。
ぐらぐら悩んだ末に、自覚もないまま、佐倉とセックスして、
そしてようやく自分の心に気付きます。

この、弥刀という男、この先年を重ねても、ぐじぐじ、ぐらぐらは続きそう。
すぐに佐倉のネコちゃんになって、甘やかされながら、くじくじぐらぐらし続けそうです。

0

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