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ブラコンを拗らせたら恋になりました

burakon wo kojirasetara koi ni narimashita

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表題作ブラコンを拗らせたら恋になりました

御園慧史
大学助教授,27歳
御園健
解体職人,20歳

その他の収録作品

  • ブラコンは愛を育んでいます
  • あとがき
  • とある助教の一日

あらすじ

健が五歳の時、母の再婚により七つ年上の慧史と兄弟になった。それ以来、健は兄の慧史が大好きだ。子供の頃はつねに隣について回り、慧史が進学で上京するとほぼ毎週末マンションへと押しかけた。健の高校卒業後、同居を始めて一年半。
口の悪い慧史から時に駄犬呼ばわりされても、健は毎日が幸せだ。ところがここ半年ほど、慧史にくっつくとなぜか健の心臓は倍速で脈を打つようになってしまった。
健の知らない職場での姿にもやもやしたり、見合いが持ち込まれたという噂を聞いて胸が痛くなったり。
親友に相談すると「やっと気付いたか」と呆れられ、それは極度のブラコンだからじゃなくて慧史への恋心だと初めて自覚する健だったが……? 
理系×ガテン系、恋のスクラップ&ビルド!!

作品情報

作品名
ブラコンを拗らせたら恋になりました
著者
幸崎ぱれす 
イラスト
佐倉ハイジ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784403525711
3.9

(31)

(12)

萌々

(10)

(6)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
10
得点
120
評価数
31
平均
3.9 / 5
神率
38.7%

レビュー投稿数10

我が家にもポチが欲しい


義兄弟もの


健(受け)は母親の再婚で義兄になった彗史(攻め)が大好き。
出会った時からずっと、大好きなご主人様にまとわりつく犬といった感じです。
上京して彗史とルームシェアを始めましたが、一年程だった半年くらい前から、彗史が側にいると何故だかドキドキするのです。
親友に相談すると、やっと気付いたかと。
ブラコンだと思ってきたら、実は恋だったとは。
彗史には絶対に知られないようにと余計に挙動不審になってしまいます。


表題作と中編の書き下ろしとあとがきのあとにSS。
表題作と書き下ろしは健視点。
SSのみ彗史視点。

2人の両片思いがすっごく楽しいです。何度笑ったことか。
健視点なのに彗史が欲望に耐えるため頑張っているのが凄く分かるのです。楽しいったら。
仕事は解体屋で空気を壊すのも得意なクラッシャーな健の駄犬ぶりも可愛い。

彗史は彗史で、健を庇って交通事故に遭った時、彗史が死んだら一生不幸だと言われたことで、自分が死んでも代わりになるものを作ろうとAIの研究者になってしまうという、優秀な能力を健に全振りする残念具合。
そして、食事が何故かゲル化してしまう謎な能力も(後に父親からの遺伝の判明)

自分をトレースしたロボットを作るための情報収集ロボのポチ(某ロボットアニメのハ◯のよう)がまた優秀で、ちょっとした会話もできるし、いろんな情報を教えてくれるし、私もこれが欲しいです。

特に後半は笑ってばかりです。

前半でも一緒に寝て欲しいと言われて長ーいトイレの後、修行僧のようになってやってきたりしてましたが、両思いになっても平日は肉体労働の健を慮って手が出せないのに一緒に寝たいと言われ、やはり長ーい風呂の後、ベットに入ってきて、彗史の思考をトレースしたロボ・タマがそばで念仏を唱えているのも笑えるし、いたそうとして何度も断念せざるを得ないのも。ずっとにやにやしていました。

2人が楽しいのはもちろんですが、忘れてはいけないのが、健の親友の俊春。
彼の懐の深いこと。相談に乗ってくれるのはもちろんのこと、ルームシェアを解消するからと俊春の部屋に越してくると準備させておきながら、最終的にドタキャンしてしまうということになっても笑って許してくれる。クリスマスだったのに。結果、自分も新しいことを始めようとして新しい友人作ってきたという。
新しいカップルの予感が。
お相手が、私が思ってたの違うひとだったのにも驚き。なんと面倒な人とお友達になったのだろうかと、そしてスピンオフが出るのかなーとちよっと期待しています。

とにかく甘々で笑いいっぱいのとてもとても楽しい話でした。

1

ツンツン塩対応でも心の中では溺愛です

このギャップ、最高of最高
塩対応で口が悪いけど、言動の節々から受け大好きオーラだだ漏れな歳上攻めが最高です!!!!!
普段は塩対応なのに、内心では受けの事をデロデロに溺愛しまくっているギャップが堪りません!
言動と心情がチグハグな天邪鬼ツンデレ攻めが焦れったくて、めちゃくちゃニヤけてしまう……笑
ツンデレ攻め好きとしては、垂涎モノのキャラ属性に拍手が止まらない!

一方、尻尾ブンブンで懐きまくる〝攻め大好き受け〟も破茶滅茶に可愛い♡
攻めから「駄犬」なんて言われてますが、正しく大好きなご主人様に懐きまくるワンコそのもの。
攻めの言動に一喜一憂して、一人で空回る姿がアホなのに健気で非常に可愛いです……!
次第に「こんなに可愛いくて大丈夫なのか?」と、攻め同様に謎な心配をしてしまいました笑

比較的キャラ萌え重視の作品なので、ストーリーは割と平坦です。
勘違いからの切ない展開(若干)はあるものの、大きな起伏が無いためストーリー重視の方には少し物足りないかも……?
とは言え、幸崎先生のお茶目な表現や文体が好みで読みやすく、「大好きオーラ」ダダ漏れ同士の可愛い両片想いをクスッとしながら楽しめました◎

0

ブラコンを拗らせているのは…?

爽やかでキュンとくるお話でした♪

個人的な事情ですが…最近読んだ義兄弟作品が闇堕ち系だったり監禁・拘束アリものだったので、いやーー何てピュアでホッコリするんだ!の気持ちが今昂っているところです(^ ^)
可愛いイラストと可愛いストーリーに、サクサクと安心して読み進めることが出来ました。


タイトルにもあるように「ブラコン」がテーマのこの作品。
親の再婚で義兄弟となった有能な兄・慧史に恋をしてしまったワンコな弟・健の心の葛藤、ピュアな恋心に迫るストーリーです。

とにかく可愛い恋のお話です♡
話の流れや展開は王道めいていて、私の予想範囲内ではありました。
2人はルームシェアをしていて、食事は健、掃除は慧史といった分担をしていますが、ちょっとした事故で健が手を怪我してしまいます。
しばらく仕事も出来ず家事もできない状況の中、いつも健にぶっきらぼうにしている慧史が何かと世話を焼く姿を見て、どんどん好きの気持ちを募らせていく健。

お使いで訪れた慧史の職場の大学では、生徒に接するいつもと違う慧史の姿と、教授の娘とのお見合い情報に胸をざわつかせたり……恋を恋のままで終わらせようとする切ない決心に、私の方も胸の奥がツキンと痛くなりました。

親の再婚のときから慧史に懐き、慧史の後ばかりを追っていた健が、慧史から初めて離れようと思ったのはそんな事情から。
慧史の未来と幸せを願い、このまま仲の良い義兄弟の関係でいるための決断が、果たして慧史のためになるのか…ってところがこの作品の見どころです。


慧史視点で動いているストーリーなので、全貌は半分しか分かりませんが、慧史視点でなくとも健への愛がダダ漏れなのは一目瞭然。

健は慧史が嫉妬したり、健の可愛い姿・顔・仕草を見て眉を顰めたり心を無にしていることに全く気付きません。
読者の目には、健の無自覚可愛いに振り回されている慧史の姿がありありと映っているので、ニヤニヤと安心感で見守ることができます。


この2人の両片想いはふとした拍子に決着がつきますが、1つの告白から両片想い→両思いに、そして義兄弟→恋人へとステージがいきなり180°変わるのが面白かったです。
慧史の想いがやっとこさ語られて、健の思い込みや誤解や疑問の答え合わせがようやく出来ました。
多少見え隠れしていましたが、慧史は健への執着心をかなり持っておいででした〜( ̄∇ ̄)


そこでこの作品のタイトルを考えてみるとですね…
健視点でのお話なので、タイトル『ブラコンを拗らせたら恋になりました』の主語は健だと思っていました。でもこれって慧史が主語としても当てはまるんですよね。
読み終わったからこそ気付く表と裏の2つの意味を含んだタイトルに、おお〜!!となりました。

今まで拗れてきたぶん、2人にはたくさんラブラブして欲しいですね。義兄弟で恋人同士の2人なら、ずっと「家族」という関係は変わらないままなのが素敵だなと思いました(*´︶`*)


あとがきの後ろにちょっとしたボーナストラックがありました。もしやもしや、スピンオフに繋がる伏線カップルですか?
意外な組み合わせ過ぎて、もしもこの予想が本物ならすごく嬉しいし楽しみです!

6

兄弟ラブコメ

兄弟ものです。義理なので血は繋がってませんが、エリート助教授兄27歳×ワンコ系解体業者弟20歳です。親同士の再婚で兄弟になったけど幼い頃から10年以上は普通に家族として過ごしていたので、まあちょっとお互い変態かな。

シリアスではなく終始明るいラブコメディー。兄は口が悪くていかにもSっぽい口調だけど実は甘々の溺愛体質なのが面白かったです。弟はただただ可愛いワンコですが、天然小悪魔的な所もあり時々兄を生殺し状態にさせます。

悪い人は出てこない楽しい話なので、ドロドロ系が苦手で溺愛ものが好きな方にはおすすめです。登場キャラの中で別カップルもできるのですが、そちらはスピンオフになりそうで個人的にはこちらのカプの方が好きそうです。強がりエリート受け、好物なので。

佐倉ハイジさんのイラストもエロ可愛くて素敵でした。

6

バカップル万歳

先に他社から商業デビューされてましたが、幸崎ぱれす先生がBL作家を目指すキッカケが「小説Dear+」だったと知り、念願のディアプラスデビューおめでとうございました。

残念ながらこちらが雑誌に掲載された時は読んでないのですが、ほのぼの楽しい作品になってて何度もクスッと笑ってしまいました。

お互いに大好き同士だという事は読んでて分かるので、安心して細々としたエピソードを楽しむ事が出来る作品でした。
ただその分、片思いの切なさとかは無かったので、そう言う萌を求めるならば何か違うと思うかもしれません。

お馬鹿な忠犬である健は分かりやすいのですが、クールで口が悪い慧史のチラチラと見え隠れする嫉妬や執着、また健が幼い時の慧史のエピソードに激萌えするんですよ。

余りにも他人の入り込む余地ない2人なので、当て馬とか2人の仲に割り込む様な強者も居ませんでした。
安心して読める判明、そこが物足りなさでもありました。

書き下ろしの両親のお話は凄く良くて、特にこのお母さんだからこそ健が真っ直ぐに育ったんだと思いました。
それから、「とある助教の一日」の2人のお話がもっと読んでみたかったです。

2人の部屋に居る慧史の作った「ポチ」がうちにも欲しいですね。アレクサにイラッとする私にはとても羨ましかったです。www

個人的に小説Dear+ Vol.82 2021ナツ号に載った作品も文庫化して欲しいです。

4

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