「なんで俺のこと誘ったの?」「いつもと一緒が良かったんだよ」

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作嘘つきなステラ

アル
学生
ミロ
学生

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • 電子限定描き下ろし

あらすじ

同級生のアルとミロは、家が隣で幼なじみ。
素直で正直者のミロに対し、アルはいつも飄々としていて何を考えているのかわからない。
けれど不思議と、二人はずっと一緒に過ごしてきた。

ホリデーシーズンを間近に控えたある日、
ミロはアルから二人きりでの旅に誘われる。
突然の誘いに戸惑いはあったものの、断る理由もなく快諾するミロ。

――行き先もわからないまま始まった旅の目的地は、幼い頃に家族ぐるみで訪れた場所だった。
理由を聞いてもはぐらかしてばかりのアルは、何か隠し事をしているようで…。

【描き下ろし15pあり】

作品情報

作品名
嘘つきなステラ
著者
ocha 
媒体
漫画(コミック)
出版社
一迅社
レーベル
gateauコミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784758025461
4

(25)

(12)

萌々

(8)

(2)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
7
得点
99
評価数
25
平均
4 / 5
神率
48%

レビュー投稿数7

上質なロードムービー

舞台はイタリアだろうか?幼なじみの二人がホリデーを利用して、ひと夏の旅に出る。一人は純粋に旅を楽しみ、もう一人は思惑を持って旅をする。徐々にそれぞれの思いが交差しそうになる時、旅の終わりが近づく。
溢れそうな思いに蓋をして、何事も無かったように日常に戻る。第三者目線で見ると各々の気持ちが切なくて、何となく懐かしい気持ちを思い出す。
表紙、絵柄、背景、どれを取ってもこれから始まるであろう物語にワクワクした。地図を片手にどこの国かを検索するのも楽しかった。一本の青春映画を堪能した気分に浸れた。

1

ずっと近くに

外国を舞台に、幼馴染同士の友情と恋の狭間を描く
キラキラとした物語でした。

家がお隣同士で小さい頃からずっと一緒のミロとアル。
ある日、ミロはアルから
「ホリデー期間中に一緒に旅でもしない?」と誘われ…。


飄々としていて、感情をあまり表に出さないアルは
ミロ視点だと“何を考えているかわからない幼馴染”ですが、
読者から見るとそんなことはちっともなくて、
むしろいつだってアルの目にはミロしか映っておらず、
その心の中だって丸見えなんですよね。

そして、始まった二人きりの旅。

幼い頃に互いの家族と一緒に訪れた場所で、
二人の思い出を辿るアルとミロ。

実はアルがこの旅行にミロを誘ったことには
ある理由がありました。
それが明かされるのは後半になってからだけれど、
きっと読者は勘付いてしまうであろう別れの匂い。

だからこそ、アルはこの旅にわずかばかりの期待と覚悟をもって
出かけるのですが、肝心のミロはちっとも気付いてくれません。

それだけにミロの笑顔をいとおしそうに、寂しそうに見つめる
アルに切なさが募ります。
そして、旅の最終日、想いが溢れたアルはミロにキスをしてしまうのでした。

以来、旅から帰ってからもぎこちなくなってしまう二人ですが、
年に一度の町の祭り“正直者の夜”でアルから気持ちを伝えられたミロ。

けれど、この告白に対するミロの口から出たのは
「冗談キツいって!」「こんな日にウソなんかつくなよ」
というあまりにも残酷な言葉。

このときのアルのどこが冗談言っているように見えるの?
たぶん、ミロはまだ子供だったんだろうな、と。
素直で無邪気だけれど、ゆえにときに他人の心に鈍感なのです。

アルとの関係を変えたくなくて、今まで通りを望むあまり、
逃げ出してしまったんだよね。

翌日にはまた元通り、と願いながら一夜を明かしたミロですが、
翌朝目覚めるとアルは遠くの町へ引っ越してしまっていました。

後悔先に立たず、とはまさにこのこと。
もう手の届かない距離になって
ようやくアルの存在の大切さに気付くのでした。

報われぬアルが不憫で仕方なかったので、
ショックを受けるミロがちょっとザマァでした(*`艸´)

だけど、その後、アルに会いに行こうと
自分から行動を起こす姿はちょっと見直したよ!

数か月の準備期間を経て、アルの引っ越し先を訪ねたミロ。
勢い余ってアルを押し倒してしまうミロですが、
ボロボロとこぼれる涙がアルの顔に滴って、
形は違ってもミロもアルのことが大好きだったんだなぁと
救われた気持ちになりました。

ただ、ここまできてもまだ
「お前に会えなくなるのはイヤだよ」止まりなのは
ちょっとじれったすぎるけれど。

本編中ではアルへの気持ちの変化を自覚はできたミロですが、
それでも“幼馴染み以上恋人未満”で、まだ恋には至ってません。

ついでにせっかく想いが通じたのにラストでは遠距離のまま。
だけど、離れてみないとアルの大切さに気付けなかったミロなので、
そういう意味では距離を置くというのは二人にとって必要だったのかも。

結局“アルが好き”まで辿り着いたのは描き下ろしで、でした。
もし、雑誌派だったら…お預けを食らったままなんて耐えられない!
そんなわけで、ぜひ、コミックスでの購入をおすすめしたいと思います。

1

ゆったり、あたたかい

昔からずっとそばにいて一緒に成長してきた幼馴染のアルとミロ。
はじめて行ったふたり旅をきっかけに大きく関係が変わっていき、やがて恋が始まるような展開になっていました。

性格は正反対なふたりがこれまで一緒にいたのは"幼馴染だから"という理由だけではないのがジワジワとわかっていくので、過去を辿るようなふたり旅が進むごとに空気感が変わっていく様子にドキドキ。

自分の気持ちに気が付いてほしいようなそのままでいてほしいような…そんなアルの葛藤を見ながら、ミロにはなかなかその想いが届かないことにヤキモキしてしまいましたが。
一緒に居られなくなってから大切な存在だったことを実感し、そしてそれを直接伝えにいくミロの行動にアルへの想いを感じ取ることができてすごくあたたかい気持ちになりました。
距離は遠くなってしまったけれど、心は確実に近くなったふたりを見ることができて嬉しかったです。

外国の街並みを見ていると時間すらもゆったり流れている気がして癒やされて、そういうところも楽しめた作品でした。

0

帯から深い話かと思ったら以外と浅い

超超超ピュアラブな話。
物語の舞台がヨーロッパ系?だから建物とか景色とか食べ物とか、すごい新鮮というかたまにあるけど結構好き。

で。

早速すごいネタバレするけど、ただ好きを隠してまであなたと一緒にいたいっていうもうBLネタのテッパン中のテッパン過ぎて深読みしちゃったジャン!!という感じの漫画。←

これ多分ほとんどの人が勘違いすると思うけど帯ウラ見たとき絶対ピュアではないなと思ったの。全然健全でした。これ狡いよね…。

正直言って一緒にいられなくなる理由もただ遠くに引っ越すだけって、しかも全然ちょっとお金貯めれば会いに行けちゃう距離だし、なんか絶望感とか胸をかきたてられる程の幸福な時間?空間?とかが全く感じられなくて拍子抜けだった。

期待するほどBL感も無いし表紙も爽やかだし、初心者向けではある。
たまにエグいBL読んでる勢がたまにピュアラブ読みてえってなった時に読む本としては如何せん内容も浅ければイチャコラも無いのでそういう人には向かないかな。
全体的に物足りなすぎる。

0

幼馴染の延長線

イタリアのお話でしょうか。高校生のひと夏の旅行から幼馴染との関係が少しずつ変わっていくお話になっています。
なんとなくアルが攻めっぽいけれど、攻め受けは読んでもはっきりとはわからないです。

アルがなにかを秘密にしながらミロを旅行に誘います。どこに行くのかわからないまま一緒に行くことにしたミロ。
行き先はふたりが家族と一緒に小さい頃に旅行した場所へのロードトリップでした。
いつもと違う環境と過去の思い出に触れながら、なんとなく違和感のあるアル。そんな中、ミロは様子の違うアルにはぐらかされたりドキドキさせられたりキスをされたりします。

ふたりが互いの瞳の色のカップを買うのがかわいくてよかったです。見上げた星、ステラが煌めいてふたりの薬指が指輪のように表現されていたり、建物や風景なども素晴らしかったり所々で素敵な表現をされている先生だなと思いました。

地元のお祭りである「普段言えない感謝や気持ちを伝える」「正直者の夜」にふたりの友だちのルイスと3人で参加します。
ふたりきりになった別れ際、アルが告白をします。
でもずっと変わらないふたりの関係・友だちでいたいミロにアルは「冗談だよ」と告げます。

その後ふたりは離れ離れになり、再会の為にミロががんばります。ずっと一緒にいたいという想いはふたりとも一緒でした。
ふたりの友だちのルイスもとてもいい子で、ふたりを見守ってくれています。

ゆったりとふたりの幼馴染から好きだと意識した関係へと変わっていくハピエンでした。
ふたりはキスだけします。でもそのキスシーンもはっきりと口が重なるような絵ではありません。
この後、ふたりは恋人同士としてどうなっていくのか、セックスをするのかもわかりません。物足りないと思う方もいるかもしれませんが、それがよかったとわたしは思います。
激しい感情や劣情、セクシャルなシーンなどありませんが、ないからこそこの作品は光り輝いたと思います。

0

この作品が収納されている本棚

ちるちる評価ランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP