手加減を知らない竜の寵愛

tekagen wo shiranai ryuu no chouai

  • 手加減を知らない竜の寵愛
  • 電子専門
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×21
  • 萌2
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

248

レビュー数
1
得点
10
評価数
3
平均
3.3 / 5
神率
0%
著者
稲月しん 

作家さんの新作発表
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イラスト
柳瀬せの 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784199010989

あらすじ

魔力が一切ないせいで、魔法使いはおろか、憧れの騎士にもなれない――。それでも夢を諦めきれず魔剣を探すタムル。そんなある日、遺跡の探索中に魔獣に襲われてしまった!! 危機一髪のところを助けたのは、謎の青年ラスだ。膨大な魔力と威圧感を纏いながらも、なぜか無邪気に懐いてくる。その得体の知れなさに何度も拒絶し逃げ帰ったけれど、なんと幼い子供の姿のラスが目の前に現れて…!?

表題作手加減を知らない竜の寵愛

ラス、タムルを助けてくれた膨大な魔力を持つ青年
タムル、魔力がない騎士見習いの剣の指導者

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数1

竜なのにワンコ

竜に愛される騎士のお話。

竜というのはあとあと分かる事実でして、中盤くらいまでは不思議な力を持つ謎の人物という感じです。傷の治癒能力もあり、姿形を子どもから大人まで自由に変幻させられる彼は騎士のタムルを魔獣から助けます。
ラスと名乗る彼は、何故かタムルのことを見知っていて、やけにタムルを慕っています。タムルの側にいたいラスは、見た目を子どもの姿に変え、半ば強引にタムルの住む家で同居生活をスタートさせることになりました。
何だかんだでラスとの生活にも慣れていくタムルですが、あるときラスの真の姿に気付いていく…というストーリーで話が進んでいきます。

タイトルに"竜"とあるので、あー…これはあの登場人物がおそらく竜で間違いだろうなと、非常に分かりやすかったです。(あとイラストね)
でもストーリーは竜がどうこうする…っていう話じゃ無く、タムルの魔剣探しがメイン。
魔法使いの家系に生まれながら魔力が全くないことを引け目に感じているタムルは、騎士として活動するために自分に合った魔剣を探し続けています。タムルは魔力は無いけど、魔獣の知識の深さや剣の腕は最高。クールで塩対応だけど、部下からはすごく慕われています。

父親に騎士になることを反対されて家出同然に出てきたタムルは、騎士になりたい気持ちが強く、また魔力が備わってないことがトラウマになっていて、人を寄せ付けないオーラが漂っています。余裕がないというか、取っ付きにくい気難しいキャラでもありますね。(でも好かれキャラ)


あるとき、森の異変を調べるため王都から調査隊がやってきたことから物語が一気に加速します。
タムルの魔力がない理由、タムルが大事にしている黒い誕生石などなど…それまで与えられていた小さなヒントの数々が一本の線になって繋がっていきます。

ラスの正体判明にも関係していく流れの中で、タムルの家族の物語が別ルートで展開していくのが面白かったです。タムルが苦手意識を抱いていた父親が実は息子可愛さ故の……だったとは。お父さん、めちゃくちゃ楽しい!
タムルは不遇な環境だったのかなと思っていたけど、実はタムルの勘違いフィルターでそう思わされていただけで、本当は周囲の人たちからすごく愛されるキャラクター。
終盤になると、それまで冷ややかだったタムルのトゲが取れて優しい雰囲気になっているのが印象的です。これはラスのお陰とも言うべきかも知れませんね。


表紙をみると、なんか怪しげ笑みを浮かべる子どもの表情がこわ…と思っちゃったんですけど、読んだら全っ然!でした。ワンコで恋に一途なかわいい"子ども"でした(笑)

この物語の世界観で、竜の立ち位置(魔獣と同じカテゴリーなのか、人間にとって良いものかそうでないのかetc…)がよく分からなかったので、それに関する描写があれば良かったかな。

タムルの悩みが全部きれいに解消し、幸せな結末に満足です。

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