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表題作ブランクコード

三浦恵介
高校生→24歳→26歳,バンドのベーシスト
宮瀬藍
高校生→24歳→26歳,バンドのギタリスト

その他の収録作品

  • 描き下ろし -instrumental-

あらすじ

「愛に音があるなら俺に下さい」
心に傷を負ったギタリストと寄り添い続けたベーシスト。
8年分の「音」で綴る想い。

高校時代の出来事で心に傷を負い、
現実から逃げるため音楽に依存してきた藍。
バンドメンバーの恵介は、自分の独占欲が
招いた8年前の事件を悔い、音楽が居場所
になるならと支え続けてきた。
生きる理由を失った藍と、
藍が恐れる好意を押し殺す恵介。
あの日から止まっていた2人の関係は、
ラブソングの制作依頼で動きはじめ……。

「何を恨んで生きればいい」
「生きてくれるなら何でもしてやる」
どれだけ、泣いても離れられない──。

作品情報

作品名
ブランクコード
著者
サノアサヒ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
プランタン出版
レーベル
Canna Comics
発売日
電子発売日
ISBN
9784829686768
3.7

(40)

(18)

萌々

(8)

(4)

中立

(4)

趣味じゃない

(6)

レビュー数
11
得点
138
評価数
40
平均
3.7 / 5
神率
45%

レビュー投稿数11

私にはわからなかった

「俺はヒロインになれません」がとてもテンポとセンスがよくって唯一無二感のある作品で好きなので、デビュー作のコチラも読んでみました。

二つしか読んでないですが、病んでるキャラお好きなのかな?
トラウマに囚われてずーっと病んでる子とそばでずっと支えてるのに責められたりして気の毒な子のお話でした。
私は「人に寄り添う」がどうやら出来ないのかもしれない。藍みたいな子には付き合えない。
まぁ、好きだからしょうがないんだろうけど。
いつまでも落ち込んでて(8年…)メンタル系だからいつになったら変わるってもんじゃ無いんだろうけど、よほど自分を持ってて引っ張られない強さがある人じゃないと付き合えんな。

唐突にBLのエロ無理やり足したような抜きシーンがあるのが違和感。何であんな事するん?友達関係なんでしょ?

バンドモノでしたが、演奏してステージに立ってるシーンが全くなくてそこって見せ場じゃ無いの?とも思わされました。

シーモアで購入
白抜き修正

0

ただ傷や痛みを与えるような重く痛いだけのダークな作品ではなかった。

KindleUnlimitedにて読了。
「俺はヒロインになれません」からサノ先生に出会ったので、こちらの作品が重くて痛いテーマだと聞いて中々手が出せませんでした。

まだ拙いところはあれど、登場人物の傷や思い、堂々巡りのような袋小路のような生きづらさを、素晴らしい描写や表現力で描ききっていてすごく引き込まれました。
読みながら理解したいような理解できないだろうと分かっているような…それでも感覚として分からされるような…不思議な体感の漫画でした。

前向きにすべて乗り越えてハッピーエンドという結末ではないけれど、ただ傷や痛みを与えるような重く痛いだけのダークな作品でもなく。底に流れる2人の感情が切なく胸に迫る物語でした。読んで良かったです。

0

気持ちは分かるけど苦しい

バンドマンのお話でしたが、チャラくもないし、苦しいながらも、音楽で繋がっている二人の話です。

サノ先生の絵の雰囲気と内容はとてもマッチしています。表紙の藍の手が傷ついているのが気になっていましたが、読んでみると、予想以上に苦しい経験から出来ている傷でした。
トラウマから抜け出せなくて、辛くて苦しくて、それでも音楽だけは手放せないし、好きな人を手離したくない。そういう切ない気持ちが溢れているお話でした。
恵介の独占欲はとても深いけど、恋人でもなく、名前の無い藍との関係性。そこにあるのはただ音楽を作り出す事。気持ちとしてはとても崇高で尊い感じがしますし、サノ先生のお顔の描き方がとても気持ちが伝わってきます。
ただ、それだけ唯一二人が大切に育んでいる音楽が、言葉で語られるだけで、実際の音楽を演奏するシーンなどがなかったのが、何となくふわふわとした着地点になってしまって、二人の関係がこれで正解なの?という疑問が最後まで残ってしまい消化不良でした。

0

綺麗事で終わらせない作品。二人の未来が明るいものでありますように

高校時代に性被害に遭ったギタリストと、それを支え続けたベーシストのお話。
実際こういう被害に遭うと、警察に行くとか心療内科を受診するとか、早々できないんですよね。そういった点でも、非常にリアルな作品だったなと思います。

これから読もうとしている方に安心していただきたいのは、性被害のシーンやギタリスト・藍の自傷痕などはワンシーン映る程度で、いたずらに描かれることはありません。登場人物のセリフや表情、モノローグから登場人物の苦しみが十分伝わってきます。(ワンシーンでも苦手という方は注意が必要だとは思いますが)

最終話、「ハッピーエンド、楽になれて良かったね」なんてことはなく、やっぱり楽にはなれないんです。それでもほんの一筋、温かな光が見えた気がして、一つひとつ大切に紡がれたモノローグに涙が出ました。

非常にセンシティブで、考えさせられる作品。描き切ってくださった作者様にスタンディングオベーション!

0

愛の物語だと思いました

表紙から、ビターな雰囲気が漂っていたので覚悟して読みました。

ビターではあるけど、闇雲に暗かったり、はたまた暴力的な作品ではなかったです。
どんな物語かと聞かれると「愛の物語」だったとしか言えない。



いや、それじゃあレビューにならないのでちょっと解説すると高校時代のある事で心に闇を背負った藍と、その事に負い目を感じながらも藍を支えようとする恵介。この二人と先輩を入れた四人で組んだバンドにラブソングの依頼が舞い込み過去との精算が始まる――。そんな感じです。


高校で出会ってから藍と恵介が8年もすれ違うのですが、その時その時に、藍は誰を思っていたのかな? とか、恵介はなんでずっと藍から付かず離れずなのかな? とか、すれ違ってしまった時に感じた疑問が後から分かってきます。
藍の記憶のせいで、前後関係(情報の開示)がバラバラになってるので何回でも読み込めるストーリーになっていて面白いです。

主な登場人物である、藍、恵介、郁人先輩、サネさん、皆優しい人達だなぁって思いました。優しさゆえに、すれ違って傷つけてしまって、つらいなぁとは思うですが、読んでいてしんどいとは思いませんでした。やっぱり根底にある気持ちが優しさや思いやりだと感じるからでしょうか。私みたいに表紙だけで、暗くてしんどい作品かもしれない……。読んだら元気なくなるかもしれない……。そう感じて距離をおいたりしないでほしいです。

(※ネタバレなしのレビューではありますが、一つだけ。性被害に関するシーンがあります。避けてる人は気をつけてください)


私は、なんで表紙で怯んでしまったんですかね。表紙大好きです。藍くんのお顔がとても可愛い。サノ先生の描くキャラクターのお顔をこんなにも高解像度で拝見させて頂いてもよろしいの? と表紙を見るたびに驚きます。顔のパーツ全部可愛くて艶っぽくて色っぽいです。影のある色味が深い藍色のようで素敵。

色と言えば、藍の髪色が青みがかったグレーで、恵介の髪色は赤みの強い焦げ茶色です。漫画は白黒なんで藍は白っぽく、恵介は黒っぽくなってます。表紙だけだと恵介の髪色が分からないと思ったので一応。(合ってますよね? 色って人によって言葉での表現がバラバラなので自信ないです)

あと、日常でふと気づけば藍や恵介のことを考えてしまいます。じわじわとしみしみと、遅効性の薬のように効いてくる感じです。
何回か読み、しばらく時間を置いてまた読む。少しずつ理解して飲み込んでいって、やっと物語が腑に落ちたのでレビューが書けてます。



ブランクコードは、静かで集中しやすい冬に読むのがピッタリだと思いました。(ブランクコードってタイトルもめちゃめちゃ良いですよね)
春がくる前に、桜が咲く前に、気になる人にはぜひ読んで欲しい作品です!

(あっ! ちるちる内にサノ先生のインタビューがあるので合わせて読むのもおすすめです)

0

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