その瞳に、これからも映っていたい。

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作オレンジッシュスカイ

喜屋武祐介、大学4年生
斉藤宙、大学4年生

その他の収録作品

  • 描き下ろし

あらすじ

大学4年生のキャンは、高校からの友人・宙に片想い中。
同じ大学の違う学部で教師になる夢を一緒に追いながら、宙の友人という立場を貫いてきた。
一方の宙はキャンの気持ちには全く気付かない様子で彼女を欲しがる毎日。
しかし卒業が近づき、宙と共に居られる日々が終わることに対し、キャンの中には焦りが生まれ始める。
友人のままだとこれからも宙の近くに居られないのではないか、と悩むキャンだが――

作品情報

作品名
オレンジッシュスカイ
著者
あたる 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リイド社
レーベル
SPコミックス mimosa
発売日
電子発売日
ISBN
9784845862399
4.3

(19)

(9)

萌々

(7)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
82
評価数
19
平均
4.3 / 5
神率
47.4%

レビュー投稿数4

恋するオレンジデイズ

キャン×宙


主人公のキャンは大学4年生で、
出会って6年の同級生である宙に片想いしている。
2人は同じ大学に通っているけど、
違う学部に所属していて、
共に教師になる夢を追いかけている。
2人は教職の教育実習で母校の高校に戻る。
というお話。

キャンは大人っぽくて落ち着いた態度だけど、
実は自信がない一面もある。
そんなキャンの隣にいてくれるのは、
笑顔が絶えなくて明るくて陽気な宙。
彼は自信にあふれていて、
キャンが悩んで上手くいかない時には理解してフォローしてくれる。

宙はキャンの気持ちに全然気づいてない。
そのズルい天使の笑顔にキャンの心はときめき。
長い間友達として接してきたけど、
キャンの心の中は切なさでいっぱい。

卒業が近づくにつれて、
キャンは宙との関係が変わっていくことに焦りを感じている。
ふたりの距離が離れてしまうかもしれないという不安が増していく。

後半の宙の視点で、
宙もキャンが弱音を吐く姿を見て、
宙もキャンとの関係について考えるようになる。
キャンの気持ちだけではなくて、
実は宙もキャンの存在を大切に思っている。

キャンの一途な恋心や焦りと、
宙の微妙な気持ちの変化が絡み合って、
宙はキャンが自分に特別な気持ちを抱いていることに気づきつつも、
キャンが宙の隣にいる自信がなくなってしまう。

そして、2人は心の中で不安や嫉妬のような感情が揺れ動いている。
キャンの『ドロドロ』と
宙の『もやもや』。
ウズウズとした感情が湧き上がってくる。

キャンが宙に「お前の『もやもや』と俺の『ドロドロ』が同じだったらいい」と言うのは、
キャンが宙とお互いに同様な感情を抱えることを望んでいる。
このキャンの静かな大きな本心が、
宙との繋がりをもっと深めたくても叶わない気持ちに
なんだかいたたまれない感じがするのだ。

友達は大事だけど、
恋愛も経験したい。
友達としてずっと一緒だった関係が当たり前だったのに、
それが変わっていくと不安になる。
複雑な気持ちがわかるよ。

2人の関係がどう変わっていくのかーー?

不安や心配を抱えながらも、
2人は一歩ずつ前進していける。
同じ教師として友情と恋愛を両立させながら、
自分たちの幸せを探求していって、
素敵な未来を切り拓いていけるはずだ。

全体的に柔らかく読み心地が良かった。
キャンの穏やかな恋心や、
2人が大学生活の終わりに向かう中で、
お互いに関係が変わっていくことに焦り、
教師にとっての悩み、
将来に不安が抱える感情、
すべてがリアルすぎて、
2人の成長や恋愛の行方にドキドキしながら、
心が和む作品でした。

2

切なさと、あたたかさと

同じ大学に通い、共に教職を目指す喜屋武(キャン)と宙。
高校からの付き合いの彼らは、いつも元気いっぱいな宙をキャンが冷静に落ち着かせるという感じで、バランスの取れた友人関係に見えますが…
実はキャンは宙に片想いをしているので、その心の内はなかなかに複雑で。

気持ちを伝える気はないものの、なんだかんだ一緒に過ごしてきたこれまでの日々。
大学も卒業が近付くなか、この先別々の道へ進むことになったらこの関係はどうなるのか?というところで揺れ始めたキャンの焦りと切なさがうまい具合に表現されていたなと思いました。

ちょっぴり子供っぽいし恋愛に対しても夢見がちな宙の気持ちが変わるようには思えなくて、キャンの恋は報われないまま終わるのかとも思いましたが。
色んなことがギリギリのところで重なっていく様子がタイトルにも合っていてすごく素敵でした。

激しく恋い焦がれたり、強い想いを感じるような恋ではないけれど。
日常の何気ないやり取りのなかでゆっくりと育まれていくその恋を見守ることができて良かったです。

周りのキャラ達もみんな良い人で、あたたかい気持ちにさせてくれるようなお話でした。

0

お熱が足りない

お熱がもの足りない…( *´•ω•`*)
ついでに言うと、この長い長い片想いの顛末を描くには
たぶんページ数も足りてなかったんじゃないだろうか。

高校時代に知り合って以来、ずっと友達同士の喜屋武と宙。
だけど、喜屋武の方は密かに友情以上の気持ちを抱えていて…。

『あずきとすきはバカに煮らせろ』で一読み惚れの作家様。
ほどよく所帯じみていてBLらしくなく、
そんなところもむしろ味わい深いと感じていました。

そして、そんなほのぼのとした空気感は今作でも健在です。
あたたかくて、優しくて、時折きゅっとなるような切なさが。

だけど、なんだろう。
読み終えて本を閉じた後にじんわり沁みわたる感動とともに、
押し寄せるあれ?もう終わっちゃったぞ?感。

ラブみが足りてないのだ。
高校生から大学生に至るまでの長い間、
友人の宙に想いを寄せ続けてきた喜屋武。

いつも隣にいながら気持ちを伝えることもできず、
宙の無自覚ゆえの距離の近さや思わせぶりな態度にも耐えてきた。
募らせてきた想いはどれほどのものだろう。
「彼女が欲しい」と言うその口で「お前ん家好きなの!」
なんて罪深さMAXな宙に喜屋武の我慢も限界でしょうね?

にもかかわらず、喜屋武ってば落ち着きすぎじゃない?
若者なので隠れて宙をおかずにこっそり…はあるものの、
普段宙の前では穏やかで、ときに甘やかし、見守りスタイル。

初老の男性同士とかならこれくらい穏やかな恋もわかるのだけれど、
大学生にしてこの落ち着きよう…達観しすぎでは?

そして、共に教職を目指す二人、というメインストーリーもあり、
途中からは喜屋武の意識が宙よりも教職の方に重点的に注がれているため、
ラブがそっちのけなんです。
宙が親友ポジとして満点すぎてこの二人、本当に恋に発展できるのか?
と心配しながら読んでいました(笑)
色恋に溺れず将来の夢に向かって邁進するキャラというのも
もちろん魅力的だけど、もっと宙のことも構ってあげて!!

一方の宙もずっと友人だった喜屋武を意識し始めるのですが、
それがなんだか唐突な気がするんです。
今まで喜屋武の気持ちに気付かなかった宙が告白?くらいで
今更、そんないきなり、恋愛モードに!?

きっかけは紛れもなく喜屋武に対する独占欲ではありますが、
友達へのそれから恋ってなかなかのハードルありません?
読者の見えないところで何か起きてた?と疑いたくなるくらいの
突然の宙のものわかりのよさにちょっぴり違和感が…。

そのせいか4話以降の宙の気持ちの変化が少し駆け足気味に感じました。
長い間想い続けてきたからこそ、時間をかけて喜屋武に恋してゆく宙が
見たかったのです…。
160ページちょいでは喜屋武の重い愛を描きつくすには足りなかったのかな…。

ただ、喜屋武への特別な想いを自覚してからは自分の気持ちに
まっすぐ向き合い、潔く受け止められる宙が格好良かった!

恋人同士になってからも友情と恋人を行ったり来たりする
二人の関係性も微笑ましかったです。
念願のイチャあまを堪能して幸せそうな喜屋武を見られてよかった。。。

2

長い長い片想い

初作家様でした。

誰よりも近い友人への長い長い片想い。
高校から大学までが描かれていました。
長いけれど最後までシてはないです。
受け攻めもふわっとしたものでした。


なんと言いますか…読了感が浅いと言うか…うぅん…なんでしょうね?熱が足りない?盛り上がりにかける?起伏が乏しい?萌えたりキュンキュンしたりは無かったです。二人のことをそっと見守っていた友人には好感度高かったです。めっちゃ良い人。
長い割にいまいち刺さりませんでした。いい話ではあるんでしょうけども、たぶん。

1

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP