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作家買い。
作家買いですが、小山田さんが挿絵を描かれているとか…!嬉しすぎて発売日を心待ちにしていました。小林先生の新刊はファンタジーもの。小林先生作品でファンタジーモノってちょっと珍しいな、と思いつつ手に取りました。
ネタバレ含んだレビューです。苦手な方はご注意ください。
主人公はダートシー王国の王子・フラン。
フランには姉が二人おり、三番目の子にして唯一の男子だが、ダートシー国では長子制度を取っているため長女が次期国王になる。長女も次女も賢く聡明で、フランは自分が次期国王になることはないと高をくくりのんびり過ごしてきた王子だ。
だが、姉二人が相次いで本当に愛する人と駆け落ちしてしまう。
(ちなみに、長女のリリティアの元婚約者が、小林作品の「王子ですが、お嫁にきました」の受けさん・アシェルという繋がりがあります)
次期国王になることはないと座学を真面目に学んでこなかったフランは今更ながら焦りだし、そしてお妃候補を選ぶためのパーティーにも辟易するが…。
というお話。
フランは次女の元婚約者のフェリウス殿下に憧れを抱いていたこともあり、なぜ姉はフェリウスを振ってしまったのか分からない。優しくイケメンで、物腰の柔らかいフェリウス殿下ではあるが、いや、もしかしたらフェリウス殿下は人に言えないような何かを抱えているのでは?と、そんな雑談を、子どものころから自分の乳母の様に育ててくれた魔女のラフェルテと何の気なしに話ているところに、一人の男が現れ激高されてしまう。
要は、昼寝が大好きでぼんくらな王子(フランのこと)と、フランにかこつけくだらない妄言を話し続けるラフェルテに怒り、暴言を吐かれたのだった。
そのことに激怒したのはラフェルテ。
腹立ちまぎれにその男に子狼になる魔法をかけ、そして、こともあろうに魔力を使いすぎて倒れてしまう。ラフェルテが回復しなければ男にかけられた魔法は解除されることはない。フランはラフェルテのために、子狼は元に戻してもらうために(理由はそれだけではないのですが)、ラフェルテを救う薬を求めてともに旅立つことになるのだけれど。
フランはちょっとすっとこどっこいな王子ではあるのですが、それでも次期国王になるべき人物で、彼を護衛するために一人の妖精・デューを付けてもらい、3人で旅に出てー、と話は続きます。
妖精のデュー、そして子狼(名前がないのは不便なのでウルヴァーと名付けた)
とともに、薬をゲットすべくフランは奮闘していく。もしかしてシリアスベース?とちょっと思ったのですが、いやいや、小林節は健在。ほのぼので、思わず吹き出してしまうようなコミカルなやり取りもあり、フランは薬を手に入れることができるのか、そしてウルヴァーの正体は?というあたりを軸に進むお話です。
フランという男の子はですね、のんびりな男の子でして。
あとがきで先生が「の〇太のような」と書かれていますが、言い得て妙。怠けることが大好きで、何とか苦労せずに事を運びたいと思う男の子なのです。が、この子がめっちゃ可愛い。王子という高貴な身分のためか。とにかく、人を疑うことをせず、そしてどんな相手にも真摯に向かうやさしさと強さがある。
それゆえにトラブルに巻き込まれることもあるのですが、そこをサポートするのがデューとウルヴァーの二人。タイプの違うイケメンさんであること、そして彼らの素性(何しろ一人は妖精でもう一人は子狼だ)という正反対のバックボーンが上手に絡む描き方は素晴らしいの一言です。それを小山田さんの美麗絵柄で拝見できるという眼福さよ。思わず拝んでしまう麗しい挿絵でした。
見た目だけではなくって、ウルヴァーは時々人の形になり、しかも少しずつ成長していきますが、子どもの時のおぼこい話し方がめっちゃ可愛くって悶絶しました。
ほのぼのハートフルなお話なのですが、いや、それゆえに、か?
エロは控えめ。小林作品は好青年に見えてむっつり×純朴なのに快楽にヨワヨワな受けさん、って鉄板なCPですが、今巻はちょっと待って、ちょっとそれ高度なプレイ過ぎない?という描写もあってちょっとびっくりしましたです。
どんなプレイかはぜひとも手に取って読んでいただきたいですが、ヒントは、「子狼」でしょうかね。
とはいえ、小林さんらしい温かさに終始満ちた1冊で、しかもストーリーもめちゃめちゃ面白くて、これ、いったいどうなるんだろう…、とページをめくる手が止められませんでした。
序盤、大丈夫かと心配になってしまうようなポンコツの(褒めてます)フランが、デューとウルヴァーに助けられ、そして彼の持つ優しさでピンチを潜り抜けていくさまがなんとも爽快。人として、王子としての成長物語でもある。
キャラは最高だし、ストーリーは面白いし、お次はデューの話も読んでみたいなと切望中であります。評価でちょびっと悩みましたが、ちょっとオマケして☆5つで。
今作も典雅節が炸裂していて何度クスッとしたか分かりません。www
ヤル気は無いし緩いけど善人であるフランのキャラがとても魅力的でした。そして意外にも苦労人だったフェリウスがひょんな誤解から、ラフェルテによって仔狼に変えられてフランと一緒に珍道中を繰り広げるさまは読んでてとても楽しかったんです。
フランは楽をしようと知恵を張り巡らせたり、また悪人にもちゃんと救いを残してたりと自由で柔軟な頭を持っていました。そんなフランと旅をするうちにどうやら誤解があったと気が付いて、フェリウスが仔狼から狼獣人の子ども姿になり段々と成長して行く様子にワクワクするんです。
読者はとっくに仔狼に変えられた謎の男の正体に気が付いているので、フランがいつ彼の正体に気が付いて仰天するのかをまだかまだかと期待してしまうんです。
もともとフェリウスはフランの姉である第二王女の婚約者だったので、どうやってLOVEが育つのだろうと謎に思ってましたがフランをそんな風に思って居たのねってニヤニヤしてしまいました。
そしてそれ以前にやはり駆け落ちしていた第一王女の婚約者が2021年刊の「王子ですが、お嫁にきました」のアシェルだったと知り、やはりニヤけてしまいました。あのお話の裏側がここに繋がっていたと思うと楽しく思いました。
最後はホッコリとする結末で幸せな気持ちになり読後感の良いお話でした。
めちゃくちゃ可愛いかった〜〜…!
正にタイトルの〝フェアリーテイル〟の通り、魔法が溢れる優しいお伽話BLでした!
作者曰く、今作は〝の●太くん受〟と言う事で、趣味は昼寝でぐうたら三昧、常に自分が楽になる事を考え、他力本願なのに憎めない…!不思議な魅力のある受け様でした♡
いやー、の●太くん受けイイですね!のんびりおっとり&純粋で優しい心根に癒されます。
確かに、フランを甘やかして何でも魔法で解決してしまう乳母のラフェルテはドラ●もん感があるな!笑
フランの「ドラ●もん、助けてよー」が聞こえてくるw
そして狼に変えられてしまった謎の暴言男・ウルヴァー
一方的に罵詈雑言を浴びせて、口汚く罵る姿はジャ●アンでしたが、本当の姿は努力家な出●杉くんだった訳ですね
血の滲むような努力で、出●杉くんになっていた彼には同情しかない……
昏睡したラファルテを救うべく魔女の里へ秘薬を貰いに、の●太的な受け様と、ジャ●アンのように吠えまくる仔狼と、ナルシストなイケメン妖精の珍道中をクスクス堪能しました◎
狼なのに表情や吠え方で感情表現豊かなウルヴァーが可愛いく、素直じゃ無い天邪鬼な所もツンデレ好きとしては堪らんです♡
ただ、スパダリを装いつつも本性はウルヴァーのような毒舌粗暴男なんだと思っていたのに、素性が分かった後は単なるスパダリになってしまったのが少し残念
毒舌粗暴なウルヴァー好きだったんですけどね……
ハラハラしたり切なくなる展開も無く、終始リラックスして楽しめる作品でした!
お伽話のように〝めでたしめでたし〟でスッキリ大団円なラストも大満足◎
『王子ですが、お嫁にきました』のスピンオフのようですが、本作単体でも問題なく楽しめました!
スピン元になった『王子ですが〜』も是非とも読みたいです((̵̵́ ̆̂̑͟˚̩̮ ̆̇̑)̵̵̀)
ラブコメファンタジー
「王子ですが、お嫁にきました」と内容に絡みあり
大きな山場なく、展開先読みしやすい疲れないラブコメ
ルドヤード:父王
アドミラ:母妃
フラン・ローゼミューレン:18才 ダートシー王国王子 三人姉弟の末っ子
母似の美貌 父似のぐうたら・・姉達の出奔で王位継承者になる
乳母の薬の為に魔女の郷へ試練の旅に出る
リリティア:7才上の姉 侍女と出奔
クローディア:2才上の姉 竜人と駆け落ち 連れ戻し失敗
ラフェルテ:700才 面食いの恋多き魔女 フランの乳母 魔術の後、昏睡
ダルブレイズ:350才 国王付の魔導士 妻帯歴あり
シルヴァリーデュー:母妃の騎士妖精 イオルク村出身
黒マントの男/ウルヴァー:素性不明の侵入者 美男
「婆とぼんくらは●して寝てろ」の罵詈雑言でラフォルテを怒らせ狼にされる
物語中ほどで、素性が分かってくる
既に皆様が素敵なレビューを書かれているので、私はまったくの個人的感想に走らせていただきます。
大好きな小林典雅先生に大好きな小山田あみ先生のタッグなら買うしか無い!と電子で購入しましたが、どうにも我慢出来ず、紙本も購入してしまいました。その結果、honto様と中央書店様とで電子と紙の両方の特典を入手でき、甘々で胸がいっぱいです。電子特典はサプライズプレゼントのお話で、紙特典は文通のお話でした。
これは「王子ですが、お嫁にきました」から続く小林先生の王子シリーズだと勝手に思っていましたが、「王子ですが」のおしゃべりシマリスのピム、本作の仔狼ウルヴァー(二歳のケモミミウルヴァーもたまりませんが)ときて、「小説ディアプラスもふもふ特集アキ号」にも、なんとまたまたシマリスが登場!実はもふもふシリーズなのではないかと思い直しているところです。もちろん、次のもふもふ本が発売になったら、迷わず買わせていただく所存です。
それにしても小山田先生のW王子は本当に眼福ですね。あと、愛すべきポンコツ王子フランの、いかにも育ちの良い、丁寧な話し方も個人的ツボでした。ビタミンBLごちそうさまでした。