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表題作穢れのない人 下

木場恭介,神父
秋鷹一郎,元神父,元受刑者

同時収録作品穢れのない人 下

恭介の実父
木場恭介

同時収録作品仮面のなかみ

今井,劇場のアルバイト
安斉夏希,舞台俳優,30歳

その他の収録作品

  • trust you(描き下ろし)

あらすじ

“これは、彼らの罪と罰。”

闇を抱えた神父×人生に絶望した男

好き
あなたの心を楽にしたい
何があっても君の味方だ


▼あらすじ
「私はあなたに左の頬を差し出しましょう。」

15年前、冤罪で逮捕された秋鷹(あきたか)。
自分に罪を着せた真犯人が心を許していた木場(きば)だったとわかり、秋鷹は絶望する。
しかし、嘆き怒り追い詰められた秋鷹は木場と出会った意味を、自分がここに遣わされた意図を朝日の中で見出すのだった。
木場を赦し、受け入れることを決めた秋鷹。
彼の瞳に見えたのは、この悲しい人間を救わなければならないという使命。
それとも或いは共に堕ちる地獄かもしれない。
この感情は慈悲なのか、愛なのか、2人の新しい生活が始まるーー。

狂おしくて切ない愛の物語。

表題作他、セックスにトラウマを抱えた売れっ子役者を描く短編『仮面のなかみ』も収録。

作品情報

作品名
穢れのない人 下
著者
虫飼夏子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ふゅーじょんぷろだくと
レーベル
POEBACKS Baby comic
発売日
電子発売日
ISBN
9784865897487
4.3

(65)

(40)

萌々

(15)

(6)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
21
得点
281
評価数
65
平均
4.3 / 5
神率
61.5%

レビュー投稿数21

衝撃に打ちのめされた!

久しぶりに読後しばらく何も出来ない作品に出会った。
6歳の男児を犯して殺した罪を着せられ服役した秋鷹は、出所後も犯罪者のレッテルを貼られ行き場がなく自殺しようとしたところを神父の木場に助けられる。絶望しかなかった自分に優しく手を差し伸べてくれる木場に癒される秋鷹。ところが木場には隠された恐ろしい過去があって…。
震えるようなまさかの展開。木場もまた被害者でありその罪を赦し支えようとする秋鷹。冤罪であれ程苦しんだのにそれでも相手を赦せる秋鷹こそ、まさに神のような存在だ。罪とは何なのだろう。究極の状態で育まれた2人の愛の尊さよ…。
そしてこのお話には後日譚があると教えて貰い読んだ #穢れのない人後日譚Jam これに私は更に打ちのめされた。完全に穢れのない人っているのだろうか。犯した罪は一生消えないのか?
殺された子供の親の立場になれば、その怒りも悲しみも無くなる事がないのはわかる。それでも2人には新しい人生を一緒に幸せに過ごして欲しかった…。
2巻のまま終わっていれば先の幸福を胸に描く事が出来た。でも敢えて続きを描いたのには作者の拘りを感じる。罪は罪なのだ。木場はやっと本当に赦されたのか。ラストの彼を照らす光に、一縷の望みを託したい。

0

色々考えさせられる

上下巻まとめての感想ですが、終わり方がよかったです。
絆されて2人で一緒にいるために木場の罪をなぁなぁにするのではなく、きちんと罪を償う…15年経ってから服役したところで自己満で綺麗事かもしれないけど、2人がこれから一緒にいるために必要なことなのかなぁと思う

木場の『セックスだけが愛だよ』からも子どもは親にとって世界の全てで、思考に影響を与えているなぁと思いました。
木場の父親が木場にしたことはもちろん、見て見ぬ振りをしていた母親も同罪ですよね…

15年の時が違えどお互いだけが唯一助けを求めていた時に、相手に手を差し伸べていたのだなぁと感じました。

穢れのない人なんていないよなぁ…

短編『仮面のなかみ』の続きが読みたくなる!!
本編の後に読んだからかより2人がかわいく感じた。

0

いわゆる、恋愛ではない。しかし名作!

幼児に対してや、性行為の強要を許せない方は注意してください。
この作品は、そういう行為を許さない立場で描かれています。
だからこそ、辛い。
キュンキュンと胸がときめくこともないです。
いわゆるBL、恋愛ではないです。博愛から生まれた唯一の結びつき。

萌2評価なのは、胸がときめく話ではなかったから。この作品に必要のないものですが、私が神評価にするポイントだからです。
誰でも読めるわけではないですが、BLの枠を超えて多くの人に読んでほしい素晴らしい作品です!

1

穢れのない人…!

【下巻の感想】
一見穏やかな木場と秋鷹。
恋人同士のような雰囲気も流れるけれども、あのような始まりと因縁の二人なので、いつ秋鷹が手のひらを返すのだろうという不安も感じる…。

昔の写真をきっかけに語られる木場の過去は、本当に胸糞悪くて辛くて悲しかった。酷すぎて読む手が止まりそうになる。

話を聞いた秋鷹の、愛についての言葉がよかった。

その後の展開は、転がるように、流れるように。
いつの間にか、秋鷹にとって木場が庇護の対象になって「この子」と言い表すようになっていたのが印象深かった。

全編通して、秋鷹の心の清さ、圧倒的な光に胸打たれる物語だった。タイトルの『穢れのない人』はそのまま秋鷹のことだった。
どうしてこんなにも穢れなくいられるのか。

どんな理由があっても、どんなに悔いても、失われた子供の生命が戻ってくることはないので、そこだけはずっしりと重く心に引っ掛かった。


収録作の『仮面の内側』はガラリと雰囲気が変わって明るく楽しいお話なので、読後感をだいぶ軽くしてくれる。

上下巻、とても完成度の高い良作だった。

0

下巻まで読んで!文句無しの神作です

上巻では物語の起承までのところで終わってたので、え?!どういうこと?ってすんごくモヤモヤさせられた。しかも、同時収録のお話にもモヤモヤは加速させられた。
下巻は、転結まで描かれています。
ここまで読んでいくと話の全貌がわかるので共感や同情、敬服してしまった。
主人公は、元神父であっただけに[赦す]事が出来る人で、彼がどうして罪を犯してしまったのかを注意深く探っていくの。愛をもって。

心で接していく事で、現実を見つめ直して罪を償う気持ちにさせていくところが、素晴らしい聖職者だなと思いました。職業神父ではなく、本当に神父になるべき人物。
人の罪を被って15年服役した事も恨むのではなく過去の事として[赦す]
とにかく、あの両親は地獄に堕ちてしまえばいい。息子に手を出すペドフィリアの父親ときっと気付いていたのに知らないふりをしていた母親。
あの2人に関しては[許せない]です。

同時収録のお話は愉快で大好きな感じでした。
30歳のイケメン俳優10代からモテモテだったけど実は10代の性体験のトラウマでEDになって以来童貞。王子なんてあだ名つけられているけど、経験ないのがコンプレックスで…ってお話ならこの先どうなるかもうお分かりですよね。
恥ずかしながら流されて感じてしまう王子最高でした。

ちるちるのインタビューで漫画描くの初めてとおっしゃられてましたが、心理描写が巧みで今後も要チェックだなと思いました。
ストーリー重視の方は絶対読んで欲しい。

シーモアで購入
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2

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