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表題作キスができない、恋をしたい

厳しいけれど面倒見のよいSE・岩佐憲之
甘ったれで軽そうだけど素直な天野脩

同時収録作品キスができない、恋をしたい

皆川春海 憲之の仕事相手
安芸遼一 脩の友人

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

ライブハウスで働く天野脩の六歳年上の恋人・岩佐憲之は、フリーのSEで超多忙。
わかってはいるけれど最近話さえしていないのはさすがに切ない。
駄目な恋ばかりしていた脩を叱ってくれ、ちゃんとセックスしてくれた憲之―それから付き合い始めた二人は、好きあって始まった関係ではない。
でも今は憲之のことが大好きなのに…落ち込む脩に憲之は―。

作品情報

作品名
キスができない、恋をしたい
著者
崎谷はるひ 
イラスト
街子マドカ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344812055
3.6

(48)

(9)

萌々

(19)

(14)

中立

(5)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
13
得点
168
評価数
48
平均
3.6 / 5
神率
18.8%

レビュー投稿数13

相性ってほんと大事

関連作の『恋愛証明書』と共にCDから聞いて、お気に入りで何回聞いたかわかりません。
この二作の原作を読みたくなって、原作買って読んで。
脩(しゅう)のバカっ子ぶりがもう、たまらなく可愛くて可愛くて♪
ただのおバカじゃないからたまらないんですよね。
CDには無い細やかなエピソードも多々あり、原作読んで良かったなぁ~と、しみじみ思いました。
興味ある方はぜひとも、恋愛証明書から順に読んで頂きたい二冊です。

2丁目のバー「止まり木」で知り合い、一年後にひょんなキッカケで付き合い。
一年の交際を経て、同棲に至り。
同棲して二年目というところから、お話は始まります。
もともとホレたはれたで付き合いだした訳ではない二人。
知り合ってから四年という月日の中で、甘い空気も無いままスレ違いの生活になって半年。
憲之(のりゆき)にとって、俺ってなんなの?!
と日々悶々とする脩なんですが。
まわりにはワガママだのバカだの言われながらも、なかなか相手を思いやる一途ぶりにキュンキュンします。
憲之の、口に出さないわかりにくい性格によくついていく。
あんたは偉い!と脩をほめてあげたいです。

それにしても、前にもどこかのレビューに書いた気がしますが。
人には相性ってのがあるなぁ、と。
ウマがあう、波長があう、とか言うやつですよね。
なんとなく、ピピッ!とくるものがあるんですよね。
例えはじめは嫌な印象でもそれはおきる。
マイナスからはじまったほうが、かえってプラスへのふり幅が大きくて印象深かったりしますし。
不思議なもんです。

憲之と脩は、まず相手をプラス方向へ変えるものをお互いに持っていて。
それを見逃さなければ、ものすごいベストカップル。
身体も心も相性抜群な二人。
その事に気づけた奇跡と、スレ違った時間を無駄にしなかった。
脩は、憲之がいかに大事な存在かを再確認した大事な時間にできたし。
描かれていないその後のある時間で、憲之は脩の欲しかったものを惜しみなく与えたはず。
そんな素敵な未来しか想像出来ないくらい、ベストカップルだと思います♪

前作の春海と遼一のハラハラエピソードもあったり、あとがきの後にも、春海&遼一のさらにオマケのエピソード話があったり。
二つの作品は漂う空気もかなり違いますが、すごく繋がっていて楽しかったです!
そしてなんと、今月のルチルの付録にこの二人のその後の話が!
タイムリーにもこの本を昨日読み終えたばかりで、嬉しいかぎりです♪
ほんとに偶然なんですけどね。
私には、限りなく神に近い萌×2な作品でした。

2

「好き」から始まらない恋愛模様!

「恋愛証明書」のスピンオフ。
前作よりは、この作品の2人の方が好きだったかも‼

コメディタッチの、ゆるいお話だったので、余り深く考えずにつるっと楽しんで読める作品でした。

怒りんぼの理系鏡攻•憲之 × おバカ系純情受•脩のツンツンツンデレな年上攻もの。

あとがきにもあるように、『ばかっ子』と『いじめっ子』という設定でした(笑)

見た目も中身も軽い印象で見られてしまう、敬語すらまともにしゃべられない、ばかっ子キャラの脩。
仕事も住んでいるところも、すべて適当‼
付き合う相手ですら、ほぼ行きづりのように始まる関係ばかり。
当然、長続きしない始末。

それに対し憲之は、技術者として、その世界ではまあ有名で、仕事での信頼もあつく、財力もある出来るいい男。
でも、脩と顔を合わせて、口を開けば意地悪と、嫌味ばかりで容赦がありません。
だからいつもの反発ばかりしてしまう脩。

そんな中、いつものパターンで振られ大泣きする脩に呆れかえる、憲之達だったんですけど…
脩のセックスに対する臆病さと、コンプレックスが発覚し…
流れで、憲之が実地で、ばかっ子脩に教える事になります。
と!あれよあれよと身体の関係から入っていくんですけど(笑)

少しいつもと関係性が違うのが、恋愛感情の部分が微妙なまま、なんとなく付き合うことになった2人だったところ‼

憲之が最初に修に叩き込んだのは、きちんと仕事につき、身だしなみに気を配り、遅刻は絶対に厳禁だと!
不規則な生活を改めさせ、誰かに甘えるのではなく、一人で自活した生活送る事を教え込んでいきます。
2人の関係も、学生並みの「普通の恋愛」からスタートさせるという…
1番脩に教え込んだのは、「我慢」かもしれません(笑)

でも、根が素直な脩は、怒られてばかりだけれど、自分の事をこんなにも考えて扱われたことがなかったため、素直に受取り、一生懸命頑張っていきます。
ばかっ子だけれど、健気で可愛くて、一途さが好感でした。

そして憲之の教育の賜物で、脩は本当に大きく変わります。
甘えるのが大好きな修が、憲之の体調を気遣いに、言いたい事も、嫌われたくないから我慢するまで成長させたんですから、習慣的なものって大切なんだなあ、と感心してしまいます(笑)

同居も2年目に入り、急に仕事を詰め込んで忙しくなった憲之への不満を抱えつつも、我慢する脩。
会えない、話せない、触れられない寂しさを、ずっと我慢する脩。
そんな時、「好きかも」とやっと自覚するんです…えっ今頃みたいな(笑)
そしたら、些細な事でも不安になってきて、ひょっとしたら浮気かも⁉と嫉妬に駆られたりと、
我慢も限界に近づいていく脩が、せつなくもありました。

脩の視点でしか描かれていないので、憲之の心情は分かりにくいんですけど、
両思いなのは確かなのに、最後まで憲之は「好き」と言ってはくれないんです。
でも、さすが理系だと思ったのが、初めて修と寝ることになった時から、責任は取るつもりで、脩を自分の人生設計に組み込んで考えていたという…
非常に分かりにくい結末でした(笑)
でも、意地悪い事や、厳しい事ばかり言っているようで、仕事や家族の問題、身体の関係についても、決して見捨てることなく、押したり、支えてくれたりと、誠実な部分もみせてくれていたので、愛がなきゃできないよなあと、安心して読めました。
こういう方向での包容力タイプも良かったです。
本当は、先延ばしにしながらも、言葉にするのが恥ずかしいのが本音だと思うと、可愛くても思える憲之でした。

Hシーンもですけど、ちょっと普通の形とは違ったタイプの恋人関係でしたけど…
読み終わってみたら、お互いに一途に思いあっていた、ラブラブカップルでした。

いくら脩の憧れの夢の世界の為に、仕事を引き受けて忙しかったにしても、半年もほっておけるのかなあと…現実的に考えてしまう部分もあったんですけど、
ここは、気にせず、流して読まさせて頂きました(笑)

あとがきの後に、『恋愛証明書』のその後のエピが登場してます。
短編ながらも、良い意味で、前進している2人が微笑ましかったです。

さらりと読めて、読後感も爽やかで楽しめる作品でした。

1

人を信じるって本当に難しい


可愛いなあ、と思いつつ、軽く読めました。
でも、本当に、この主人公はすごいなあ、と思ったのは、最後にはちょっと嫉妬したところ会ったけど、でも、それも寂しさがひどかったから、というだけで、無条件に相手を信用できるって凄いことだなあ、とおもいます。

素直とバカ正直って、近いようで遠いものだと思うんですけど、でも、その中間くらいで本当に一途に前を向いているんだなあ、と思ったら、すごくいじらしいと思いました。

でも、バカっこではあるけれど、ただのバカじゃないな、と思います。
信じるっていう簡単なようで難しいことを素直に普通のこととしてやってのけるって凄いなあ、と思いました。

人を信じてみたいとか思う人にはお勧めだと思います。

1

こんなバカっ子もたまにはいい☆

おバカだけど、なんだか憎めない受けでした。

攻めの憲之と付き合うまでは、本当にどうしようもない人間だった受け・脩。周りの人間もだいぶ呆れていました。そんな中、なりゆきで憲之と付き合うことになります。
今までは最長でも半年しか保たなかった脩ですが、憲之とは3年も続いています。
しかも、憲之と付き合ってからだいぶ
人間らしくなりました。と言っても、一般的に見て普通の人レベルなんですけどね(笑)前があまりにもひどすぎたから(^_^;)
そんな脩ですが、最近悩みがあります。それは恋人である憲之と、まったく会話ができないこと。それどころか、顔を合わせることすらままなりません。不安な日々を送っています。
それでも、忙しい憲之の身を案じて仕事がひと段落するのを信じて待ちます。
だいたいこの流れだと、普通は攻めの周りに女性の影がちらついたり、他の男の影がちらついたりして受けが口では信じてるといいながら疑心暗鬼になっていく…ってパターンが多いと思うんですけど、偉いことに脩はちゃんと憲之のことを信じ抜きます。まぁ多少不安になったり、ちょっと疑惑を向けたりはありますが事態がややこしくなるようなものではありません。
変に疑ったりしないとこが、良かったかな。
ただ、そうすると事件が起きないわけです!そう、ほぼすれ違いに重点を置いていて事件らしい事件が起きないんです!
崎谷作品にしては、まったくもって珍しいパターンではないでしょうか?
だからかな…ちょっと物足りなかったのは否めません(^_^;)
でも、ウジウジしない、脩みたいなバカっ子もたまにはいいなぁと思いました。
憲之はちょっとわかりづらいかなー。彼は彼なりにちゃんと脩のこと、愛してるんですね。
いつかちゃんと『好き』って言ってあげてほしいな。
そんなこと言われたら、脩は悶絶しちゃいそうだけど。

なんだかんだ、合ってるカップルだと思います。

1

なんか好き

この作品、なんかツボをついてくれているようで、
「何か分からないけど、妙に好き」っていう位置づけです。

脩は、何度も同じような変な男にひかかってばかりで、
同じように痛い目にあうのを繰り返している。それもあって、
尻軽と皆から見られているけど、
あほっこなこともあり、それを受け入れてしまっています。
で、いつものバーにて、叱ってくる憲之とお付き合いをすることになります。

普段、あほっこ受の本って、つい敬遠してしまうのですが、
この脩は、読めました。
また、憲之もいい味だしてます。根っからの真面目男。
脩と付き合うにしても、脩を「まともに」教育してくれています。
やさしさも、目には見えない男ですが
脩も、そんな憲之だからついていこうと思えたんですかね。

なんだかんだで、甘いお話で、楽しめました。

2

この作品が収納されている本棚

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