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表題作あいしてほしい

中條
診療所の医師 
加東
保健所の主任 

あらすじ

閉鎖的な村の診療所の医師は過去を背負っていた。人と深く付き合うことをしない彼が出会ったのは、ジャガイモのような容姿の子連れの研究員だった。

作品情報

作品名
あいしてほしい
著者
月夜堂 
媒体
小説
出版社
メディアチューンズ
レーベル
書肆月夜堂
電子発売日
4

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萌々

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中立

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趣味じゃない

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レビュー数
1
得点
4
評価数
1
平均
4 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

不憫主人公が幸せになる話

すごい始まり方の作品。一般客もいる銭湯をハッテン場として使い、股間を握り合う主人公。お風呂にはしゃぐ子供に勃起を見せつける小児性愛者(性犯罪歴有り)。それらがなんでもない日常のように淡々と綴られ、リアルな感覚を伝えてくる。
この導入を除けば、主人公が不幸と忍耐の末にウソのような幸せを手に入れる良いお話。

中條は複雑な背景を持つ医師。犯罪被害者であり、加害者家族でもある。また、それとは関係なしに、ヨソ者という理由で村人たちから嫌がらせを受ける日々を送っている。閉鎖的な村の雰囲気がよく分かる陰湿さで辛い。

そして中條を取り巻く男たちは主に三人。恋愛はしない約束でセフレ関係を続ける加東、家庭に問題があり面倒を見ている近所の子供ジュキア、銭湯で出会った好みド真ん中のジャガイモ顔の相楽。
村人がどんなに酷くても、味方も多いのでそこまで嫌な気分ばかりでもないかな。

が、幕切れは唐突。最初から去る日のことを考えて過ごしていたのかと思わせる中條の手際の良さが切ない。
三年後の結末は笑ってしまった。心温まるほっこり感で良かった。

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