電子限定かきおろし漫画2P付
優等生と狡猾な人たらしの二重人格×片想いの劣等生
和耶が二重人格なので、別人格を交えた三角関係モノです。
因みにヤンデレです。
二重人格も三角関係も病みも好きな私は、そうと知ったとたん即ポチしました。
以下(↓)ネタバレしかありませんので、未読の方はご注意ください。
諒雨が酔っ払いに絡まれていた和耶を助けたことで、友人だった中学時代から6年振りに2人は再会することになります。
諒雨は当時、和耶のことが好きでした。
再会した和耶は雰囲気もノリも変わっていて、諒雨のことが好きだ、抱きたいとキスしてきて...。
実は和耶は二重人格で、とある出来事が原因で優等生な主人格とは真逆の陽気で軽い別人格が生まれていたんですね。
諒雨と再会したのは別人格の方。
和耶は別人格が体を乗っ取って色んな男と寝たりするせいで学校で変な噂がたっており、何故か分からないけど別人格がいて、そいつに自由にされていているようだと察しており(人格交代時の記憶はない)、迷惑をかけられているという状況にいます。
なので、別人格が諒雨と再会したと知って、何かしたんじゃないかと心配し、二重人格であることを説明します。
説明されたあと、一時は突き放そうとした諒雨でしたが、やっぱり気になって放っておけず、それからたまに会うように。
そして、部屋の雨漏りをきっかけに和耶の家に居候することになります。
入れ替わる人格、最初は警戒していた別人格にも気を許しはじめ、主人格別人格と2つに切り離せず、好きな人(和耶)に触れられることを求めてしまうように。
和耶の方も、本当は諒雨とそういう関係になりたくて、本当の自分を知って欲しかったのだけど言えなかったそうで、別人格のお陰で諒雨と体を重ねられるようになり、恋人(付き合おうとかそういう言葉はないのですが)になり、希望が叶うんです。
でもどうしても別人格に嫉妬し、諒雨が好きなのは別人格なのではと拗らせていき───。
実を言うと、和耶がこんなに病んで不安定な理由が私には分からなかったんです。
あの件が理由というのは分かるけど、あれも頻繁に暴力を受けていたという記載はなくて...あの1度でここまでの傷になってしまったのかな...?それだけ酷い暴力を受けたのかな?と想像したのですが。
回数ではなく深さなのかもしれませんし、いつ何がきっかけで心が壊れるかなんて誰にも分からないものですが、少し引っかかってしまうものがあって。
和耶は優等生で友達も多くて憧れられるような子だけど、驚く程自己肯定感が低いというか自信なさげなので、そういう気性も影響しているのかな?とか考えていたんです。
けど、えぇ?!という衝撃の事実に、やっぱり元々彼が持っていた歪みと弱さもあるのだなと思いました。
それは分かったんですが、なぜそんな歪みを抱えているのかは分からない。
諒雨の家庭環境が悪いことは描かれているんですが、和耶の家庭環境は問題があったわけでもなさそう...なんだけど、見えないところで何かあったのかな...。
正直な話、別人格も言っていたように面倒くさい子だなぁと思ってしまって...。
だからって、こんな結末は想像していなかったんですが。
あれって遺書...ですよね?でも卒業式の写真だし...卒業までは耐えたってことかな?と思ったんですが、そのあと大学生もしてるし...。
死なせないために別人格が出てきていた...とも考えたけど、再会するまでひたすら迷惑をかけていたし、心労を増やしていたらしょうがない気がするし。
なんか...考えるほど謎に...。(私の理解力のせいかもしれませんが...)
あのベランダからの自殺未遂で別人格は死んだってことですよね?
いくら主人格といえど都合よく別人格の方を殺せるとも限らないと思うんですよ...なので、考えれば考えるほどモヤっと。
諸共死ぬつもりで、たまたま別人格だけ死んだということなのかな?
別人格を殺して成り代わるというシナリオはとても面白いんですが、モヤモヤっとしてしまう点がいくつかあって。
別人格は和耶の邪魔をしたいのか結ばせたいのか真意が掴めなかったけど、結局はキューピットでした。
でもどこまで計算していたんだろう?
というか、ハッピーエンドにはたどり着いたけど、和耶が歪んでいるせいで予期しない結末に流れ着いたのがこのラストなのではと思う。
私はハッピーエンドだと思うんですが、人によってはメリバと感じるかもしれないお話でした。
話が変わるんですが、個性的なペンを使われて描かれていらっしゃって。(インク溜まりがある感じ)
癖のない丁寧な絵柄にペンの癖が混じり、情報量が増えて絵の印象が強くなっていて、絵柄とよく合っていらっしゃるなぁと思いました。
シーモア→白短冊
「イドの遺言」というぐらいだから、粗野な方の和耶(イドと呼ぶことにする)の遺言だとは思うが、遺言と言うからにはイドの言葉でないといけない。一番遺言めいているのは写真の裏だけれど、これは「自分で用意した」との発言から和耶が用意したようだ。楽になる方法"がイドの遺言なのか。
結局のところイド=和耶ですよというオチなのかもしれない。結局のところも何もそうなんだけど。和耶はイドがした行動を覚えていないが、どうやらイドは和耶がした行動を覚えているようで、かつ、イドが出てくる前の記憶もはっきりしている。イド自身の発言を信じるならイドは和耶の本心なのだから、イド=和耶だよね、むしろイドこそ和耶だよね、と二重人格に対するありがちなところに落ち着く。
イドとしては和耶が消えたら本心のまま生きられるからまんまと操作されたというか自分を操作したというか。和耶は「成りきってやるよお前(イド)に」などと言って(考えて)いるけれど、これは「本心だして生きるわ〜」と言ってるに過ぎない。「自分らしく生きるよ⭐︎」ぐらいの。
本心だして生きられれば楽なのに言い訳が作れないから二重人格とか余計なもん作って自分でややこしくしたんだなこの子は。二重人格が治ってよかったね!
(以上、個人の解釈です)
と、オチについて色々考えるのは楽しかった。正直BL漫画的な萌えというか楽しみどころは薄め。
ところで、写真の裏の言葉は和耶が書いたとすると本心ではなく、本心では"和耶"のことを忘れてほしくはないのかもしれない。では描き下ろしでの「早く忘れてよ」はどうだろう。諒雨の前ではないから自称"フリ"はしていないかな。それとも本心かな。全ての言動が本心の人も嘘の人もいるわけないのに。
初めての作家さんの作品です。
タイトルからして不穏な匂いが…
これは好みなやつだなと思いおもわず手に取りました。
はて、イドとは何ぞや?と言う状態でしたが、
とりあえず読み進めてみることに。
帯に歪んだ三角関係とありましたが、成程。
二重人格。そういう事でしたか。
表紙の和耶(攻め)の表情が水面に映ってる姿と
そう出ないのとで違うところが、またそれを
彷彿させてて素晴らしいなと。
作中でも鏡が出てきたり、映し出す物体に
もう1人の自分が出てきてる表現がとても好きでした。
理想の自分と本来の自分、どちらも自分なのにな。
涼雨はどちらの和耶も好きだと思います。
理想を追い求めるが故に本来の自分を消す、
これが良い選択だったのかは分かりませんが、
なんだか現実にも起こりえそうな心情でのめり込んで読んでました。
ちなみにイドとは無意識の領域のことらしいです。
本能のままに理想の自分になることに結びついてるのかな?あくまで私の考えですが…
またアサヮ先生の作品読みたいなと思わせてくれる
面白い作品でした。
こちらが初コミックスですね。
ちるちるのBLニュースで、ラストに度肝を抜かれる作品として取り上げられていて、気になっていたので読んでみました。
なるほど最後に驚く展開があるので、前知識少なめで読むことをおすすめします。
決定的なネタバレはせずレビューしますが、気になる方はご注意ください。
攻めの和耶(かずや)が二重人格。元々の生真面目で考えすぎてしまう人格①と、後から出てきたチャラくて男遊びをする人格②が、頻繁に入れ替わる。
受けの諒雨(りょう)は、中学のある出来事から和耶と疎遠になっていたが、偶然再会、成り行きから同居することになり…というお話。
和耶が人格によって全然性格が違って、顔つきも変わってきます。和耶①は優しいけど弱々しい。和耶②は、チャラいけど表情に色気があって魅力的です。②の方が出てくると楽しかったです。
二人が一線を超えるきっかけを作るのも人格②の和耶。諒雨を誘惑する表情がエロいです。諒雨はクールだけどピュアっぽくて、元々好きだったせいか、簡単に落ちちゃったな〜。
後半に攻め視点になって、和耶①が自分をどんどん追い詰めていく様子がつらい。
二重人格のBLって多分初めて読んだけど、これってもうほぼ三角関係なんですね。
和耶①と②は全くの別人格で、諒雨も①だけを好きでいたいのに、②にも惹かれて葛藤するし。
和耶①は②に嫉妬してるし。
人物は二人なのに、実質三角関係になってしまうとか、なかなか恐ろしい関係性に感じました。巻き込まれた諒雨が、ちょっと気の毒な気もします。
ラストは曖昧な感じで終わったように思いました。読む人によって受け取り方が変わってくるかな。
結局①が変わることにより②が無くなったということ?それとも実のところ統一したんだろうか…。前者っぽいけど、実は後者ってのもありかな。面白いですね。
淡々と静かに進んでいくストーリーでした。普段読まないタイプの作品なので新鮮でした。先生の今後の作品も楽しみにしています。
(そういえばイドって何だっけと調べたら、『無意識の本能的衝動、欲求など精神的エネルギーの源泉』とのこと。とするとタイトルは『無意識の遺言』てことかな。)
電子 白短冊修正(「電子のみで楽しめるスペシャル修正仕様」。短冊も多めでエロス少なめ、修正箇所も少なめですが、作風に合ってるかと。)