【イラスト入り】【電子限定かきおろし付】
小説


初読み作家様。こちらは25年のアワード3位の作品で、ずっと気になっていてやっと読みました。以下ネタバレ含みます。
まずは序盤、読みやすくて内容も面白く、読む手が止まらなくなりました。
天涯孤独なΩ和馬と、裕福な家の息子で超美形のα咲也。全く共通点も接点もなかった二人が、いくつかの偶然の連続で関わるようになり、次第に打ち解けていく。
二人が運命の番ではなく、ただのαとΩとして知り合い、少しずつ惹かれあって関係を深めていく様子を丁寧に描く序盤は、とても好みでした。
また受け視点と攻め視点が交互にきて、同じシーンをそれぞれの視点で読めるのも楽しかったです。
高校時代のΩ差別やいじめシーンは、かなりヘビーな描写でゾッとする感じではありました。
また和馬に暴行やいじめをした生徒達に、咲也が報復をするシーン。咲也が怒りに任せて暴行していく様が鬼気迫る描写で、壮絶な折檻に震えました…。苦手なはずなのになぜか読み返してしまうような迫力がありました…。
和馬は幼い頃両親を亡くし、天涯孤独でかなり不憫なんだけど、実は咲也もかなり複雑な生い立ちであることが明らかになっていく。
咲也が幼い頃Ωの生みの父を亡くし、αの父とは打ち解けられず、異母妹の側で父に叱責されパニックに陥るシーンは切なかった。
そのあと義母が、咲也のために父を叱責するシーンでは号泣してしまいました。
義母が優しい人で本当に良かった。壊れそうだった咲也の心は、義母によって救われたんだなぁと、読み手の自分も救われるような気持ちになりました。何度読んでも泣けてしまう、好きなシーンです。
その後、咲也が不良みたいになっている理由が明らかに。咲也の優しさ、家族への想いにグッときました。咲也、いい子だなぁ。
そんな咲也が、橘に指摘されてようやく恋を自覚するシーンはコミカルで面白い。初恋か〜。鈍感すぎる咲也にニヨニヨしてしまったw
夏休み明け、前髪を切って眼鏡を外した和馬が美人すぎて、周りがざわつくのが面白い。わざわざ牽制しに来る咲也の執着っぷりも良いw
和馬は咲也にこれだけ溺愛されてるのに、咲也は自分を好きだとは思わない。この激しい鈍感さが、いかにもBLのピュア受けという感じですw
咲也の卒業まで穏やかな日々だったけど、一緒に旅行に行く直前に不幸な事故が起きてしまう。ここでタイトルの「番になってしまったので消える」の理由が明らかに。
以前に咲也の友人の美久の「合意のない番はαの加害に」というセリフにひょっとして…と思ったけど、やはりそういうことだったのか…。
和馬は姿を消し、咲也は絶望するが、友人達の助言で芸能界に入ることに。全ては和馬を探すためだったのね。7年間ずーーっと一途に和馬を想い続け、メッセージを発信し続ける咲也が切なかったです。そんな一途さが身を結んでとうとう見つけ出せたんだなぁ。
橘と未央の写真が、過去の二人の会話に繋がるという伏線回収も素敵でした。
あと和馬が見せてもらった咲也の写真集。店長が書いた《ハッピーか?》にまた泣けてしまいました。咲也はこんなふうに、ずっとメッセージを発信し続けていたんだろうなぁ。
7年という年月に意味があるのも、おおーと感じました。咲也が見つけ出せなくても、そのうち再会はできていたのかも?でも7年は長かったなぁ。和馬も咲也もがんばったな…。
とうとう二人が再会するシーン。
予想していたけど、思っていた以上に感動して号泣してしまった…。ドラマチックだし感動的でした!
かなり長い作品でした。
ちょっと心理描写が長すぎるなと感じる箇所も時々ありました。また描き下ろしの『もう一度』もちょっと長いなと感じました。
それで最終的にちょっと間延びしているという印象を受けたので星4つになりました。
とはいえ上記の通り、グッときたり、泣けてしまったり、心揺さぶられるシーンも多くあり、全体的に面白く拝読しました。
先生の他の作品も読んでみたいと思いました。
電子(ebookjapan) 挿絵あり(まつだいお先生の挿絵、美しくて素敵でした)
大好きオメガバースの、可哀想で泣けて、大好きすぎて泣けるお話!!
なんでそんなにΩってだけでイジメるのだろう(`ω´)こんなヤツらいつか酷い目にあうんだ!!クソー!って思ってたら うん、先生しゅごい(^^)ハァスッキリしちゃったもんね(^^)
番になってしまって7年間も逃げ続け、時効日に迎えに来てくれた(^^)2人ともずっと思い続けてやっとお互い気持ちが1つになれたその後、一緒に暮らすところの気持ちの描写がすっごくよかったです!!
新進気鋭の作家さんなので期待していたのですが、私には合いませんでした。
本作は好き嫌いが分かれます。
作品に「受けはかわいそう」「攻めはお金持ちでかっこいい」を演出するためのバイアスがかかっており、
「過度に完璧で不自然な活躍をする登場人物たちがメアリー・スーを想起させる」と思いました。
本作は「受けはかわいそう」「攻めはお金持ちでかっこいい」を雄弁に語りすぎて、「ありえない」と感じる場面が多くあります。
・受けは天涯孤独で貧乏なので「ゲーセン」という言葉を知らない(高校生です)
・ゲーセンは飲食店だと思っていた
・貧乏なので「美容院」という言葉も知らず、病院だと勘違いする
・飲食店のデリバリーのバイトで商品を落下させるも
「食べられたら問題ない」と主張し、「配達先が悪人だから怒られた」という展開になる
・ピザ屋やウー〇ーイーツの宅配で落下した商品を渡されたら嫌な気持ちになるのは当然では…
・攻めが受けのボロアパートの部屋に防音工事をする(賃貸では?)
・他の部屋には何もせず、受けだけ恵まれるように振る舞う
・攻めが権力を使って気に入らない相手を家族ごと左遷させることを何度もやっている
・上記にかかる費用はすべて親の金
・それらを見て受けは「攻めは優しい人だ」と思っている
・攻めの美貌をアピールするために「庶民的なハンバーガー店で食事をしたら芸能事務所のスカウトマンにひっきりなしに声を掛けられた」というエピソードがある。
・マッ〇みたいな店のホールに複数の芸能関係者がたむろしている状況が不可解
etc…
攻めがαの富裕層で、Ωの受けが不遇な扱いを受けるというのはよくある事なのですが、
攻めも受けも行動に「品格」というものが伴っておらず、私は愛着が湧きませんでした。
「メアリー・スー」という言葉に苦手を感じる人にはおすすめできません。
ページ数や物量の多さは素晴らしいのですが、読み進める事が苦しくなってしまいました。
「不可解設定が気にならなくなるぐらいの展開が来たら受け入れられるのではないか」と期待をしていたのですが、受けの
「びよういん?知らない!なんでそんな紛らわしい名前を!」
という美容院がわからないセリフを見て限界を感じ、ギブアップをしてしまいました…。
天涯孤独で美容院に縁がないのは仕方ないですが、小学校のひらがなドリルでも「びょういん」と「びよういん」の文字の違いを学ぶことはなかったのだろうか…
番になれませんでした。
BLアワードノミネートの段階で知り、
友人もおすすめしてくれたので初読みSKYTRICK先生。
長いお話です。
同じことがらが攻め受けそれぞれの視点で
丁寧に書かれているので、より理解が深まりました。
和馬の徹底的な自己犠牲に泣き、
咲也の徹底的な仕返し(Gが嫌いな方はご注意!)におののき、
カレー屋の店長の「ハッピーでネ!」に最後まで泣かされました。
あとがきにもありましたが、周りの人たちとの助け合い、あたたかい関わり合いが主軸になったオメガバースです。
読み始めた時は芸能人設定が出てくるし、表紙の感じから昔流行ったライトな携帯恋愛小説かなーと思い、読むのをやめようかと一瞬思ったのですが、踏み止まって良かったです。
シリアスで文芸小説のように読み応えがありました。ボリュームは多いですが、読みやすかったです。展開や文章表現も上手なのでうるっとくる事が多かった。
クライマックスシーンは松本清張の小説を読んでいる気分になったのが面白かった。
読者はかなりのページを読んでから、タイトルの意味を知る事になるですが、切ない…。離れる事こそが1番の愛情表現なんて。和馬は人魚姫みたい。
最後まで読んでしっくりする表紙。ここに至るまでの長い過程が泣ける、泣ける。
大河チックなラブストーリーでした。
シリアスを求める人には伝わりにくい表紙である所は、勿体なく思いました。
表紙やタイトルに引っ掛かりを覚える人は手に取るだろうけれど…。
表紙絵の難しさを感じました。ちるちるの評価を見なかったら、手にしていなかったので。裏表紙や挿し絵は好きです。
2人が巡り合うまでにそれぞれに壮絶な生い立ちがあって、困難を乗り越えて番として真に結ばれる、という壮大なラブストーリーに引き込まれました。
オメガバースをベースにした格差社会とお家騒動や胸キュン少女マンガ展開や過酷な学園でのイジメなど盛り沢山な内容が上手くまとまっていました。
作家さんがこの作品で人気作家になられたのも納得です。
咲也が一見優しいイケメン風から歪さの片鱗を現し、ゆがみを加速していく姿や理由が明かされていく過程も興味深かったです。歪んだイケメンだからこそ、咲也にハマリました。
パパ世代と重なる想いにはグッときました。
庶民には理解できない咲也と橘と未央の関係性も面白かった。
和馬が応援したくなる健気な主人公だし、恋愛描写が丁寧なのが良かった。
周囲の人達も置き去りにされずに、クローズアップされているのも好印象でした。
物語の軸としてはオメガバース設定を効果的に生かし切られていましたが、結ばれてからはオメガバース色が薄くなったのは気になった。
追加ストーリーは本編の焼き直しのような所があったので、蛇足に感じました。
今後作家買いしたい…!と思った作品でした。
