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表題作Reset

望月優梧 
中学生→高校生→教師 
ローラン留加 
中学生→高校生 

同時収録作品Reset

望月優梧 
教師 
三崎晴日 
高校生 

あらすじ

 カナダ人の父と日本人の母を持つローラン留加と、その父が営む英会話教室に通っていた望月優悟は、幼馴染で内緒の恋人同士。わがままで感情表現の豊かな留加と、論理的でクールな優悟は、しょっちゅうケンカと仲直りを繰り返しながらも、このまま二人はずっと一緒にいられるのだと、お互いそう信じていた。
 高校生になって恋人同士になれたけれど、それ前の優悟には、いつも綺麗な『彼女』がいた。今は自分だけだと信じていても、やきもち焼きの留加はいつもつまらない嫉妬で優悟を怒らせてしまう。それでも、留加がちゃんと反省して謝れば、いつだって優悟は許してくれた。
 だが、高校二年生の冬、いつものように優悟と喧嘩中の留加は、両親から急遽カナダに帰国することになったと聞かされて――。
 
 第一章 Reset
 第二章 Refrain
 第三章 Rebirth

 全編書き下ろし。表紙イラスト/青城硝子

作品情報

作品名
Reset
著者
冬木真魚 
イラスト
青城硝子 
媒体
小説
サークル
サバクノバラトウミノホシ*<サークル>
ジャンル
オリジナル
発売日
5

(1)

(1)

萌々

(0)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
5
評価数
1
平均
5 / 5
神率
100%

レビュー投稿数1

ネタバレなしで読むのがオススメ

とても良かった。ネタバレなしで読むのが良いと思う。めちゃくちゃ泣きそうになっていたところで、ん?となって、ピタっと涙が引っ込んだ。少々トンデモ展開と言えるかもだけど、ラストは感動の涙があふれた。長く余韻に浸れるお話。

メインは優梧と留加という幼なじみの同級生二人で、物語の始まりは中学時代から。甘やかされて育った留加はわがまま三昧、優梧はいつも留加の世話を焼いているような関係性。揃って同じ高校に合格した二人は、恋人として付き合うことに。

高校時代の描写は、留加視点の一人称で、読むのがしんどい場面も多い。というのも、留加は優梧が女子と話すだけで嫉妬に狂い、束縛が尋常じゃない。毎回メールも全部見せて留加をなだめる優梧は、本当に忍耐強い。

今しか見ていない留加と、将来を見据えて今は我慢のときだと考える優梧は、些細なことですれ違い、ケンカが絶えない。思い合っているのは伝わってくるけど、若さゆえのお互いの理解不足というか話し合い不足というか。
そうして、ついにキレてしまった優梧の一言で、決定的な別れが。

で、次の場面は十六年後。高校教師になった優梧視点の物語が始まり、三崎という生徒とゆっくり仲を深めていく。留加と似ているところ・違うところを探しながら、過去を振り返っては自分と向き合い、三崎と向き合い。

一方で、三崎のセリフには小さな違和感があちこちに散りばめられている。また別方向へのミスリードも同時進行でいくつか置かれていたりして、先の展開への仕掛けが面白い。紙の本なら、ページをめくる手が止まらない!と言いたくなるやつ。

全ての種明かしがされた後は、すっきり爽快、そして感動。約二十年分ではあるけれど、人生をまるっと見せてもらえたような満足度。きっとこれから先は大丈夫だろうと思える安心感。この無敵設定最高だと思う。

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