表題作キスに煙
- 攻志藤聖
- アイススケーター
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- 受塩澤詩生
- デザイナー、元アイススケーター
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あらすじ
あいつが殺したのだろうか――。
愛した人は、殺人者かもしれない――。
かつてフィギュアスケーターとして活躍し、引退後はデザインの仕事をする塩澤。
彼と好敵手として競り合い、今もトップスケーターの地位にある志藤。
互いに、自分の持たないものを持つ相手として意識し続ける二人だが、塩澤にはライバル心だけではない、ひた隠しにするもうひとつの思いを抱き続けていた。
ある日、塩澤の昔の恋人であり、志藤とは犬猿の仲であったコーチのミラーが転落死したとのニュースが入る。孤高のスケーターで敵も多かったミラーの死は、周囲に動揺をもたらす。あいつ、殺されたんじゃないか? 火のない所に煙は――とばかりに広がる不穏な噂に搦めとられるように、塩澤と志藤は互いにこれまでとは違う視線を向けるようになる。
告げるだけで重荷になると秘めた恋心、自分のために罪を犯したのではという疑心。二つの感情の狭間で、互いを守るための選択とは――。
作品情報
- 作品名
- キスに煙
- 著者
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織守きょうや
- 媒体
- 小説
- 出版社
- 文藝春秋
- 発売日
- ISBN
- 9784163917993