あらすじ
王位継承の最有力候補として注目を集める、気高く誇り高い領主・アラン。彼に仕える従者ヴォレクは、恋慕と情欲を孕んだ、ゆがんだ忠誠をアランに向けていた。
そんな折、アランのかつての配下が「禁忌の愛」を理由に異端として処刑される。国王選定の儀を目前に控えたアランは、民に誤解されないよう、かつ自分の名誉のためにヴォレクを冷たくけん制するが、彼の変わらぬ献身と想いに、次第に心が揺れ始めていた。だがその頃、ヴォレクが教会の司祭のもとへ足繁く通っていると知り、アランの胸には言葉にできぬ苛立ちが広がっていく。
そして迎えた戴冠の日――王として選ばれた喜びも束の間、アランは信じていたヴォレクの裏切りに遭い、王座を奪われてしまう。
なぜヴォレクはアランを裏切ったのか。忠誠と執着、愛と裏切りが交錯する、運命の物語が今、幕を開ける――