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2008年発表の連作的短編集。
2008年?と驚くけど古さは感じない。
「MEGA キミ FREAK」
漫画家の兄のデッサンのために女装をしていた所にやってきたアシスタント・島に一目惚れされちゃった美和(ヨシカズ)。
自分も島に好かれたくて女のフリをしてたけど…
「MEGA 恋 メランコリア」
美和の兄・上久保正一の過去話。
昔付き合ってた彼女に一緒に死のうと首絞めをされてから情緒不安定になり、女性が皆その子に見えて怖くてたまらない。助けてくれたのが友達の由利。
だが両想いになった途端、今度は男がみんな由利に見える!アンダーソン君か⁉︎
「HOME」
漫画の編集者である由利大輔は、仕事トラブルが続いたので午後休を取り思い立って諏訪へ向かう。
だが電車に乗り合わせたのは…
親の離婚で別れた兄・百瀬克己。
兄に複雑な感情を抱く由利だが、本音でぶつかって新しいフェーズへ。
「コル・レオニスー獅子の心臓ー」
表題作。
百瀬克己が関連してる。だからここまで他の話を読んできてやっとココ!という感覚になる。
主人公は、政治家の息子で引きこもりの繁。
弁護士の克己が、顧客の政治家に頼み込まれて繁の話し相手になる。という話。
はじめは反発、すぐベタベタ懐く繁。
困るけれど、気づいたら自分も繁が可愛くて。でも自分から一定の距離を取る克己。
「Destinationー鳥と飛行機ー」
克己に諭され引きこもりをやめて外の世界に踏み出した繁のターン。
クラス委員長の岡が気になるが、彼には秘密が…
自分だけの世界から外に出ると、新しい痛みとも出会う。
この連作はここで終わり。
でも岡の話は続いてほしい。死んでほしくないよね。
「CAFE HICKORY HOUSE」
ワイルドセクシー系なカフェ店主と、若いお客さん。
マスターは素敵だけど男だし…という気持ちがぐらぐらしちゃう駆け引き。
「誰がためにのばす手」
この作品だけ時代物。
村の医者が拾ったのはおそらく異人の子。だが村人は彼を「鬼の子」と排除する。
BLというより人間愛を貫くお話のよう。
連作なので構成の技巧を感じる。私はカフェのお話が好きでした。なんか可愛い。
連作短編集みたいな作りで、エロは無し。
絵が好き。ストーリーの進め方も好き。キャラの心情描写も好き。
つまり全部好きでした。
中でも表題作が特に好みでした。
年の差モノ好きなんですけどね、年上が手を出さないで成長するまで待つっていうのが、どストライクなんです。
ちゃんと待つ年上、最高です。放置するわけじゃなくて、ちゃんとメンターしてるのが垣間見える描写ほんといい。
ただね、どの話も、この先続いてくんだろうなぁと思う所で止まってるんですよ。
もっと!続きを!読ませて!!!
何度も読み返したくなる作品。
正直神がないのにびっくりでした。好き嫌いあるのかな、やっぱ。
キャラはがっしりめ、線は太め。カッコイイ絵を描く人だと思います。
エロなしで恋人未満なお話が多いものの、どれもとても面白いです。
正直今の車折さんよりもこの頃のが好き。オリジナルまたやらないのかな。
MEGAキミFREAK
女装した主人公が、女っぽくないんですがそれに対して一途に好き好き言ってる相方がかわいい。
キャラががっつり動いてくれてて楽しいです。
個人的にはあのかわいいパンツをはいてキャーキャーいちゃついてる二人もみたかったなと思います(笑)
あと、表題作のコル・レオニス。
態度の悪いツンがデレて、デレデレになついてくのが楽しいです。
もっとがっちりとくっつくのかと思いきや、親ライオンがそうするかのごとく、とはいえまあ崖から突き落としたりはしないんですが、もっと広い世界を見ておいで、と愛をもって送り出す。
次の作品で、恋愛ではない所でも少しずつ挫折を知って、成長した上で抱きしめあって、っていう流れがとてもよかった。
CAFE HICKORY HOUSE
あ、この人となら、いいかな、みたいな人に優しくされて、これからどうにかなりたいなみたいな甘酸っぱいような、駆け引きが見てて楽しいです。
誰がためにのばす手
恋愛要素はほんとんどないと思います。
が、個人的に無垢な子供に愛情を注ぐみたいなのは大好きなのでとてもよかった。
と、感想を飛ばした短編も入ってるのですが、もちろんそちらも大好きです。
恋愛要素少なめだし、エロもほとんどないし、好き嫌いはあるんだと思いますが
私はとても大好きな本です。まあ、でもみんなががっつりくっついたラブラブ編があったらもっと嬉しいかなとは思います(笑)。
BLと言うには・・・という部分ありきなのですが、
これはこれで私は好きかなという印象(o´∀`b)
エロもなければ「好きだ」「俺もだ」的なハッスルするイベントはない。
なのだけれども、雰囲気で読む作品と思えば全然あり。
もともと絵柄が気になってて手元に置いていた作品だったので
そういう意味では悪くないのかなと
短編が始まり~中盤~後半~に向けて
ある意味、自分からはじまったものが、自分の話→兄の話→そのまた・・・
と、近しいものを巡り巡ってな展開。
いっそのこと皆ホモなの?この界隈wwと思ったのだけが
難だったのかなと思ってみたりはしましたが
作者さん初の単行本。表紙も中身も絵がとっても綺麗。
しかし一ページ一ページに積み込みすぎで、心をゆさぶるような「間」が少なめだったので話が駆け足な印象でした。あと、恋する過程があまり描かれていなかったり心理描写が物足りない部分もありました。
表題は弁護士とひねくれたぼっちゃんのお話でした。
高飛車でわがままだけど、可愛いとこもあってみたいなキャラは非常に好きで、子供に翻弄される大人も好き。でもやはり性格が突然変わったりと展開が急な印象。
悪くはないのですが萌え度は低めでした。
全体的に、あともう少し発展してたら面白いのになぁという作品が多かったかなと思います。