いやだと言ったらお仕置きだ。

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作愛の言葉を囁いて

ジェラルド,26歳,ハートリーグループ総帥
津本春彦,23歳,中小企業の小久保精機総務課社員

あらすじ

「教えてやろう――男に愛されるすべてを」
ハートリー・グループ総帥のジェラルドに見初められた春彦は、契約を結ぶ為に身体で接待をさせられることになる。半ば騙された形での拘束に春彦は抗うが、逆らう毎に繰り返される淫らなお仕置きに、心は次第に麻痺していく。人格を無視され、人形のように抱かれる日々。ジェラルドにとって自分は恋人でなく、所詮愛玩物でしかないことに戸惑いを抑えられなくなった春彦は脱走を試みるが!?
出版社より

作品情報

作品名
愛の言葉を囁いて
著者
いとう由貴 
イラスト
東野海 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
カルト・コミックス X-kidsセレクション
発売日
ISBN
9784773099287
3.5

(24)

(6)

萌々

(7)

(7)

中立

(2)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
8
得点
81
評価数
24
平均
3.5 / 5
神率
25%

レビュー投稿数8

言葉の概念の違いが生むすれ違い

読後雑感。

ジェラルドは、魅力もあるし、財力も地位もある男性という設定。
こんな性癖丸出しの恥をかくような罠的取引をビジネスの取引で仕込まなくても、
子リスのような、一目ぼれの春彦と相愛に成れたと思う、

話を面白くするために、下劣な手段を取る変態設定になった・気の毒なキャラ。

始まりが良くない二人の出会い。
おぼこい春彦がドップリ罠に落ちて、二人は親密になり、春彦は溺愛される「お気に入り」になっていく、

ジェラルドのお気に入りと恋人の概念と、春彦の概念が異なるために
元恋人のガブリエルの登場で、春彦は「お気に入り」という立場に酷く落ち込む。
ここが一番面白かった。

---
『束縛は甘い罠』の改訂版らしいのですが、
著者ブログは2013年より以前の記事を誤って削除したらしくて、確認できなかった。

2

攻めの余裕がすごい

タイトル通り、攻めの余裕がすごいです。
もちろん途中途中で焦る場面や苛立つ描写はあるのですが、受けに抵抗されようが罵倒されようが、基本可愛いやつめって感じで受け止めてます笑
こんな余裕のある攻めは初めてかも。

あと今作のポイントである「好き」と「お気に入り」について。
確かに好きなものは変わるけど、お気に入りのものって変わらないよなぁと納得。
だけどそこはきちんと言葉にしないと、そりゃ受けはモヤモヤするでしょうよ笑

ただ受けもすぐに絆されずにギリギリまで抵抗してるのが大変好みでした。永久脱毛…勝手にされたらそりゃ嫌だよね、逃げ出したくなるよね…

電子版で購入したので挿絵がないのが残念ですが、買って満足な一冊でした!

1

思ったよりも良かった

あらすじから予想していたよりも、読後が良かったです。
私は「あの本と同じレベルの本じゃないと同じ評価にしない」というより、その本単独で判断するので評価が甘いかもしれません。今回は「予想よりも良かった」ので、萌2です。(ちなみに、「予想どおりの良さ」は萌です。)

お金持ちの攻めに見初められた受けがカラダから入ってメロメロになって…といういわゆる王道ストーリーなのですが、受けの思考がそれほどネガティブじゃなく好感もてました。普通の男の子という感じで。23歳という年齢を立派な社会人ととるか世間知らずの新入社員ととるか、読み手の意識の問題でもありますが、私は後者でしたので、受けが自分の身を嘆くのをうんうんとうなずいて読めましたよ。広いベットが落ち着かないからとクローゼットで寝るのも、なんだかとても共感しました(笑)。

攻めが受けにそれほどほれ込んだ理由はこれだ!という決め手があるわけではないのですが、実際の恋愛もそんなもんだろうと流れに任せて読んでいけば、受け攻め両方の視点がある分、親密になっていく過程がそれほど不自然ではありません。

とはいえ、いくら「お気に入り」だからといって、ちょっと攻めは好き勝手しすぎじゃないのー、もっと受けの気持ちを考えてあげてよ。とは思うラストでした。受けの将来が心配ですね。

5

言葉は通じてないけどずっと溺愛してました

kindleでベストセラーになっておりそこでのレビューも良く、unlimitedでもあるので読みました。
春彦が拉致られても、会社の人や登場してこない友人達が心配する描写がなかったり、今後どうするのさ…とか、そんなリアリティはお構いなしで溺愛や監禁が楽しめる方にはお勧めです。お仕置きはあっても痛いことはせず甘〜〜くエロ〜〜く丸め込んでいきます。

ジェラルドは典型的超エリートで完璧な雄。こういったキャラは漫画的で余り好きではないのですが、彼は春彦が怒ったり反抗するとき、怒っても可愛いなぁと思うか、どうして?意味がわからないよと興味深く思うかのどちらかなので、どちらにしても笑んでいるのが面白いです。春彦に会う為早く帰るのも可愛い。

春彦は新人会社員でちょっとしたすれ違いから豪華愛玩生活(語弊)に巻き込まれるんですが、あまり特別可愛いだとかピュアな感じで描かれず一般的日本人男性として描かれているのが良かったです。欲を言えば初めに感じていた、こんな快楽を知って普通の家庭や家族を築けるのだろうか…みたいのをジェラルドにぶつけて欲しかったな。

序盤のこれじゃ枕営業ぢゃないか!断る!威勢の良さが段々快楽と甘さにへし折られていくところから、アメリカに連れ去られれば社交界的なところでの春彦の分不相応さや嫉妬(嫉妬する春彦も可愛がるジェラルドも可愛い)が生まれ、そして人気作の続編!的なライバル美人が登場と、舞台ごとに楽しく読めました。

後半は、愛情表現も言葉足らずでもないはずのジェラルドが、その言葉選びの為に春彦をモヤモヤさせます。そこが面白かったです。
彼は悪気なく充分すぎるほど愛を与えていると思っているのに、拗れるでもなく単純な考え方の行き違いが起こってしまう。同じ言葉で繰り返し愛を呟けば、その言葉の意味が相手には軽く扱われていると感じてしまう。

言葉はその人の生きてきた人生や生き方を反映し、国や民族、言語など距離があればそれだけ誤解が生じ易くなります。日常生活で気をつけるべきものであり、またその日常生活で起きやすい事象がこのリアリティ薄めな小説で起きるというのが面白かったです。

2

王様ジェラルド!

取引提携先の総帥に見初められてしまった春彦。
提携話が進むまで、接待させられると言う前代未聞のシチュエーションに全力拒否の春彦も逃げ出すことができずに…
無事、提携も完了したにもかかわらず、ジェラルドは春彦を気に入ってしまい「お気に入り」としてアメリカに連れていくことに。

春彦の方は、たまらず逃げたいと思うものの、ジェラルドの優しさに触れてしまい、だんだんと従順に、そして好きになっていくのです。そりゃ、両親の仏壇の手配までされたらなびいちゃうよね。屋敷も寝室も広すぎて落ち着かない、だからクローゼットがちょうど六畳一間的に落ち着くってのはわかる気もするな。
ぷっ、て笑えた。
当初はウケの春彦をあんまり好きになれなかったんですが、お気に入りの生き物としてみられることに悲しくなり、役に立ててないことを卑下しながらも気持ちはジェラルドに惹かれて行くのを読んでると、可愛らしくも見えました。

そして一番の誤解の元が
「お気に入り」「生き物」
というキーワード。コレがために、距離が縮まっていた二人の間に決定的な溝を作っちゃうんですよね。あー、そりゃジェラルドが悪いよなぁ。
まー、恋人とお気に入り、なら恋人が上って思っちゃうよなぁ。
最後には誤解も解けるんですが、もー、最初っから愛してるって言ったげなよ。と微笑んでしまう二人でした。しかし、春彦にもなんか仕事させたげて〜

0

この作品が収納されている本棚

ちるちる評価ランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP