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表題作その指だけは眠らない

架月裕壱,大学生
藤井渉,高校3年生

その他の収録作品

  • 春休みの秘密
  • その指までの一週間

あらすじ

NYに渡った恋人・裕壱(ゆういち)の帰国が延期、しかも揃いの指輪まで返送してきた!! 浅香(あさか)との辛い別れに落ち込む渉(わたる)は、理由もわからず呆然自失。やっと電話が繋がっても、裕壱はなぜか口を濁すばかり…。堪えていた不安と怒りを爆発させた渉は、ついに「同居は考え直したい」と告げてしまい!? 卒業を迎えた、新たな旅立ちの春三月──恋する痛みと切なさを甘く紡ぐ、対の指輪の物語、感動の完結!! 
出版社より

作品情報

作品名
その指だけは眠らない
著者
神奈木智 
イラスト
小田切ほたる 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
その指だけが知っている
発売日
ISBN
9784199004940
4.2

(8)

(5)

萌々

(0)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
34
評価数
8
平均
4.2 / 5
神率
62.5%

レビュー投稿数2

恋のいとしさ

「その指」シリーズ最終刊。このシリーズ大好きなので、漫画以外の作品に何もレビューが付いていないのが不思議!
漫画読んだ方には是非、小説も読んでほしい。

このシリーズは全体的に、二人の心のゆれ動きがとても丁寧に描かれていて、切なさや暖かさ、恋愛の醍醐味がぎゅっとつまっている作品。
読んだ後に、恋愛がしたいな(BLばかりじゃなくww)と思わせてくれる。
ひとつひとつの台詞も、とても心に残るものが多い。
「初めに永遠を約束するのではなく、最後に永遠にたどり着ければいい」
「長続きさせるために恋をしているのではない、幸せになるために恋をしているのだ」
恋愛の本質的な部分を思い出させ、その素晴らしさに改めて気づかされます。

キャラクターもとても魅力的!
受けの渉は、意地っ張りで頑固で、だけど優しくて芯が強くて肝心なときは素直で、すごく好感がもてた。架月と恋をすることで、だんだんと強くなっていく渉の姿は素敵でした。
攻めの架月は、完璧な優等生なんだけど、渉を手に入れたことで、人間らしさを露呈していく。もちろん優等生架月もかっこいいけど、弱さとか欲とかが見られるようになって、内面がよく伝わってきた。
この2人が恋をして、ひとつひとつ課題を乗り越えて、成長していくようすが、2人が出会って、惹かれあった意味を伝えてくれました。
メイン以外のキャラクターもすごく魅力的!
過去の恋人に似ている渉を心配する中で、その意外な強さに惹かれ、横恋慕する浅香。
弟を思うあまり、渉と架月の前にあえて立ちはだかりその覚悟を見極めようとする兄・祥平。
2人のよき理解者である、渉の妹・花鈴、悪友・川村。
浅香や祥平と渉とのパラレルも読んでみたい、と思わず思ってしまうようなキャラクターの豊富さでした。

終わってしまってとても寂しいけれど、「その指」シリーズらしい、ハッピーエンドで満足でした!
番外編はまだ企画や、同人の方でもあるようなので、そちらも楽しみです。

1

対の指輪の行方...

「その指だけが~」シリーズ5作目で、ついに最終巻となります。
あっという間の5冊でした。
リアルタイムで読まれてた方は7年間の長い付き合いだったと思います。

4巻のラストで説明もないままエアメールに同封されて
渉の手元に戻ってきた架月の指輪。
その理由が架月視点で語られています。
でも、架月が見栄を張り、肝心なことを説明しなかったせいで
2人の溝は深まり、同居することを白紙に戻そうとする渉。
近くで触れ合って直接話せたらこんなこじれる話じゃないのに、
離れているだけでこんなに不安で、何もかも信じられなくなってしまう...
10代の恋って、やっぱり一緒にいることが大前提になっているから、
この距離は好きって気持ちだけで埋められるものじゃないんですよね。

今回、祥平がやっと2人の仲を認めてくれた....みたいです。
そもそも、弟の幸せを何より望む彼は、たとえ相手が同姓であろうと
架月本人が幸せならそれで良かったんです。
お互いを大切に思うがゆえ、遠慮したり、我慢したり、気を遣いすぎて
いつか壊れそうな脆い関係の2人の絆を試していただけなんですよね。

はっきりと渉に振られた浅香ですが、より強い男となって
また2人の前に現れることだと思います。
『俺は、多分、一生渉くんのことが好きだよ』ってセリフが
切なさよりもホッと安心感を与えてくれました。
過去のつらい思い出も、渉に振られたことも、忘れるんじゃなく
それを糧に成長した彼がいました。
浅香がNYへ旅立つ時の架月とのやりとりが大好きです。
一人の男を想う2人がお互いを認め合うセリフが格好いいんですよね。

そして、やっと迎えた再会シーンと、ラストの卒業式のシーンには
感極まって涙がポロポロこぼれました。
乙女の夢を詰め込んだラストシーンは
小田切さんのマンガで読んでみたかったなぁ...
7年の間に磨き上げられた美しい絵が各巻の表紙を飾り
並べて飾っておきたいぐらいキレイです。

「春休みの秘密」
またもや秘密主義の架月のせいで不安だらけの渉。
一人暮らしのための家を探してるから会えない、
と一言渉に言えば済む話なのにね。
完璧な状態で渉に見せて驚かせたいって子供心がかわいい架月です。
でも、渉にはそれが不満なんですよね♪
いつまでもこんなことの繰り返しなんだろうなぁ、この2人ww

「その指までの一週間」
1作目で、渉が貴子ちゃんに指輪をあげたシーンの架月視点のお話です。
天の邪鬼な架月の行動はやっぱりかわいいなぁ~
あの時こんなこと考えてたんだ、と思うとジ~ンとなりますね。

もうこれで2人のお話が読めないのは寂しいです...
新しい環境での学生生活と、社会人としてのこれからのことを考えると
まだまだ2人にはいろんな困難があると思いますが、
2人で乗り切ってくれることと思います。
この作品はやっぱり10代の人にこそ読んで欲しいなぁ~
(いえ、私みたいなアラサーが読んでもキュンってなれましたが...)
純粋に人を好きになることの大切さと、それだけでは乗り切れない
こともある人生の大変さ。
ちょっと大袈裟過ぎて、自己満足なレビューになりましたが、
たまにはありえないだろ!?って思えるぐらいの純粋なお話を
読んで心をリセットするのもいいことですね★

1

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