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なんで?と思うぐらいポロポロ泣きながら読みました。
常識のない「お姫様」な受けの健気さと男前さがツボに入りました。
片思いがひたすら切なかったです。
最初の数十ページまでは、「うげ、この受け苦手」と思ってたのに、いつのまにか感情移入しまくってました。
設定や受けのキャラじたいは完全なコメディ路線なんだけど、そこで展開される片恋の切なさみたいなものは、ものすごくリアルです。
コミカルなのにドタバタにはなってなくて、バランスがいいなと思いました。
主要登場人物に、誰ひとりイヤな人間はいません。(ロクデナシとか借金取りはいるけどさ)
みんなそれぞれに自分の基準とする正義感みたいなものがあって、しかも不器用でさー。とくに攻めの不器用さは天然記念物です。
「男の沽券」みたいなものにこだわりすぎて、仕事でも恋でも賢い立ち回りができないでいるのがヒシヒシと伝わってきて、「アホか!こだわる場所間違ってるわ!」とケツを蹴りたくなりました。
最終的には、世間知らずに見えてた受けが、いちばん常識人だと思いました。相手の負担にならないように手助けしたり身を引いたりするすべを知っている。
賢くて潔くて可愛くて男前な受けでした。
あー、泣いた泣いた。
ここまで泣く作品ではないぞと冷静に思うんですが、不思議なくらい私の琴線に引っかかっちゃったな。
蝶よ花よと育てられて根っから箱入りの浮世離れしたお坊ちゃま花時雨が、元当主の末裔一心殿にお仕えしようと奮闘するお話。(ザックリ言いすぎですが、他に言いようが……)
何せ設定はアレだし、キャラはアレだし、コメディのはずなんですけどね。
なぜか気付くと泣いちゃってる場面がいくつもあって、「ドキドキ」と「切ない」と「アホか!」を全部堪能できる作品でした。
要所要所でアクセントを効かせてくる凪良ワールドが、また大好き!
床がミシミシ言うから鴬張りかと思ってぴょんぴょん飛んでみたら「床が抜ける」と怒られたり。(←単にボロ家;)
「随分薄いお布団ですね」
「これは日本古来からの伝統の寝具、煎餅布団だ」
「お心遣い痛み入ります」
みたいな「んなアホな~」な会話はしょっちゅう(笑)
……と、ホントにコメディなのですが、なぜか泣けるんです。
とにかく花時雨の片思いが切ない!
基本的に思考回路が浮世離れしていて、世間知らずで、素直なので、自分の感情の追い方や表現がものすごく素直。というか、独特!
アトガキにも書いていらっしゃったのですが、普通の人の思考回路が「A→B→C」だとしたら、花時雨の思考回路は「A→C→Z」なんですよね(笑)
だったらもうちょっと傍若無人に「僕を抱け」とか言うかと思ったら、お育ちが良いので「人を治める者は」的な帝王学のようなものを自然と身に着けていて、人の気持ちをむやみやたらと折ったり、心に土足で踏み込んだりはしないし、弱みや涙も見せちゃ駄目だと思ってる。
遠慮の仕方がつつましいと言うか……。
なにせ作品はコメディなので楽しんで読んでいるのですが、ある言葉や態度でいきなり前触れも無くホロっと泣かされて、泣いてる自分にビックリ!みたいな感じの作品でした。
私はオムレツのシーンでホロホロ泣きました。
卵を割る人を料理人以外見たことが無いから「両手で割る」という発想すらなく、ひたすら片手で割り続けて5パック+店の卵まで駄目にするお馬鹿さんなのに……。
大好きな作品だったので、「あのシーン」とか「このシーン」とか言いたすぎて、まとまらない……。
ターさんのその後とか見たかった気がします。
今でも時々花時雨が廃屋に入り浸ってたり、定期的に真田がお使いに行ってたりすると良いなぁ。
それか、月一回一心の店で、ターさんとお仲間たち貸し切り感謝DAYがあるとか。
お姫さま育ちの受けが攻めのところで住み込みで働くことになるものの、何もしたことがないので怒らせてばかりで……という王道っちゃ王道なストーリー。
この手の話は、お姫さまたる受けにイライラしてしまうのはもはややむを得ないものというべきですが。
ところがなんと!
このお話の受けは、もう本当に何もできないし常識もないし偉そうだしで酷いのですが、しかし本当に悪気がないのでイライラしなかったのです!
むしろ、本当に突拍子もなさすぎて面白い……(笑)
そして段々と成長していくのが微笑ましい。
攻めとの関係が深まってくると、どんどん健気になってくる。
終いには、大変な男前になりました。
ラストの方の、思いが通じ合ったあたりは受けが本当に男前でキラキラしていて眩しかった。
コメディタッチの凪良先生で、とっても楽しかったです。
不満という不満はほとんどないのですが、申し訳ないことに一つだけ。
私、この本の表紙絵が好きで、本文読み始めてからもずっと表紙絵の二人のイメージで読んでいたのですが。
中の挿絵はちょっと感じが違った…。
ので、あれれ?と思いました。
なんか割と少女漫画っぽい(?)絵でした。
もう主人公(受)が可愛くて可愛くて( ´m`)
生まれも育ちも完璧な箱入り息子でとてもか弱く見えるのですが、
そんなBLによくいるタイプではありません。
もうとにかく純粋で根性があります!
見た目と性格のギャップに、完全に落とされちゃいました////
相手(攻)にも押して押して粘り勝ちw
お話のテンポもよくて、ぐいぐい読めちゃいます。
笑って泣いて幸せになって、一粒で何度もおいしい作品です!
大・大・大好きですっ♪
とにかく受け様が魅力的でホレました(≧▽≦)
笑っちゃうし泣けてくる、大好きなお話です。
受け様は、蝶よ花よと育てられた高貴な生まれの箱入り息子、花時雨。
攻め様は、両親から引き継いだ定食屋を切り盛りしている一心。
ご先祖様の御恩返しのため、と一心の所へ住み込みでお仕えにあがる事になる花時雨。
のっけから、すっとんきょうとも言える姫様過ぎる花時雨の言動に、吹き出しました。
最初はポンコツすぎでしたけど、素直で努力を惜しまない。
一生懸命で頑張ってる姿がとてもかわいくて、自然と応援したくなっちゃう。
酔っ払った一心と、一夜の過ち的な事を致した時。
一心の、ヤリ逃げではないけど、それはどうよ、と思った態度に対する花時雨の言葉が胸にきた!
うわ、かっこいい、これはホレる、と思った次には、ポジティブ過ぎてかわいくて笑わせてくれるし。
花時雨の、矜持を持つという姿勢がとてもかっこよくて男らしい。
一心を案じて笑ってみせる花時雨に、泣かされました。
なにもぅ、ホントにいい子じゃないの〜(つд;*)
一心、自分の意地だけで花時雨泣かすなや!
もっと情けなく懇願するがいい、なんて思っちゃったけど、花時雨が幸せなら仕方ない。
駆け落ちの時、花時雨の護衛だった真田と一心とのやり取り、感動かと思いきやにやにやです。
最後まで油断ならなくて、さすが凪良先生でございました。