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ついに最終巻です。
手に手を取って駆け落ちしたセルジュとジルベール。
パリの下町の狭くて汚い部屋で暮らしはじめたものの、『生活』するにはお金が必要で、お金のためには働かねばならず、働くといってもまだ15歳そこそこにしかならない二人にはマトモな仕事などなく。
二人の関係は少しずつ少しずつ歪んでくる。
真面目に働くセルジュをジルベールは理解できないのだ。
知らない人はいないと思いますが、悲劇的結末です。シェークスピア的な。
セルジュのその後のストーリーも構想してたらしいですが、竹宮恵子さんはここで筆を置いてます。
改めて読むと、竹宮恵子さんは、ジルベールという少年の脆く儚い美しさをいちばんに描きたかったんだろうなと思った。どれだけ蹂躙されても変わらないジルベールを。天使と悪魔を矛盾なく同居させている彼の魂を。散るからこそ美しい、桜のような美しさを。
BLという言葉もヤオイという言葉もない時代、もう三十年以上も前に連載がはじまり、当時の女子たちを熱狂させた漫画です。
永久に不滅です。BL界の大河漫画だね。
久しぶりに読み返して一番に思ったのは、BL好きにとって、今は本当に恵まれてる時代だなァということでしたw
昔の名作も読めるし。
いろんなパターンやシチュエーションのある最近のBLも読めるし。
もし未読なら、ぜひぜひ一度読んでみてください。
オリジナルの第1巻発売が1977年ですから、今年でちょうど40年が経つのですね。
若い時に読んだ作品を歳を取ってからもう一度読んでみることはとても意味のあることだと、今回しみじみと実感いたしました。
約20年振りに読み返してみて思ったのは、本作のラストシーンはこんなにも力強く美しいものだったのかと。昔とは別の意味合いの涙でいっぱいになりました。
今思うと若者らしい感覚だったと思いますが、当時の私には最愛の半身を亡くしたにもかかわらずあっさりと立ち直った(ように見えてしまった)セルジュの姿がうまく受け入れられなかったのです。ジルベールの死をうまく昇華させられないまま、私の心は行き場を無くして取り残されてしまったように感じながらこの作品を読み終えていました。当時の私にとっては、セルジュに光射すこの終わり方こそ更なる悲劇的結末の上塗りだったのです。
ジルベールの最期は悲しくてやるせない。それは今読み返したって変わりません。同じシーンで同じように泣いてしまうし、彼らに他の道はなかったのかと立ち止まってぐるぐると考えてしまいます。
だけど現在の自分は人は遅かれ早かれ死にゆくことを現実的な実感として知っているし、自分なりの「死生観」もある。そのことが作品の読み方を大きく変えてくれたのだろうと思います。
“きみは わがこずえを鳴らす 風であった
風と木ぎの詩が きこえるか 青春のざわめきが
おお 思い出すものも あるだろう 自らの青春の ありし日を”
最初と最後を飾る有名過ぎるこのモノローグには、第一章の方にだけこの先にもう一文ありますよね。
“聞こえるか 自らの 風がこずえを鳴らす詩───”
この一文の意味するところを、20年経ってやっと理解出来た気がします。
「NON!」作中のこの台詞が好きでした。
なんだか可愛くてしょうがなかった(ノ∀`)フフ
と、笑って話せるのは読み終わってからしばらく間が空いたから。
この作品を読み終わってしばらく。
思い出した今でも胸が苦しい。
ただ幸せな結末だけを祈っていた。
壮絶なけれど、まだ幼いジルベールの人生を描いたこの作品。
ようやく見つけた恋だから。
ただ純粋に好きだという気持ちをしったジルベール。
そんなジルベールが可愛くて、愛おしくてしかたなかったセルジュ。
それなのに(つд`。)・。
ジルベール登場の1巻。誰よりさきに「妖精か!」とツッコミを入れたワタシですがよもや本当に最後までそれで行っちゃうとは思わないじゃない。
切なすぎて、寂しすぎて引きずります。
これはこれでハッピーエンドといえばそうなのかもしれない
けれども。。。語り継がれる作品ってわりとこういう作品多いきもしますがね。
うん。スッキリハッピーしちゃえば終わりだし。
なんにせよ切ない。
あのとき、こーしていれば、あーしていれば。
思いはしても事実は変わることはない。
なのだけれどあまりに・・・・・・
最後に呼んだ名前。結局のところ。。。。
考えてもどーにもならないのだけれど(悲
eBookJapanが全巻無料をした際に読み返しましたが、大きな鉛の塊が胸を押しつぶしそうな読後感です…
次々と愛する者を亡くしたセルジェと、親の因果で歪んだ愛情で洗脳されたジルベールはパブリックスクールで出会った。
初めて読んだのは二人と同世代の頃、彼らは少年だけど愛に生きた大人のように感じました。
でも大人になった今読むと、彼らはどうしようもないくらい子供で、誰かを愛したい、誰かに愛されたいって子供があがいてるようなやりきれなさを感じてしまいます…
子供、少年だからまっすぐで激しくて、気持ちを隠さない危うさと脆さと。
彼らの生い立ちがもう少し幸せだったなら、
あのタイミングがもう少し違っていたら、
たくさんの”たら”と”れば”を考えずにはいられない。
彼らはもっともっと幸せに生きられたはずなのに、
どうして運命はあんなに悲しくて残酷なんだろう…
心を揺さぶられて涙が止まりません。
30年前に描かれたもので古い表現もありますが、読み始めてしまうとそんなことは全く気にならないくらい世界観に引きずり込まれます。
文庫版のあとがきだったと思うのですが、作品の構想を出版社に話したところ少年愛にストップがかかり、先に『ファラオの墓』の連載をこなして地盤をつくって『風と木の詩』の執筆を始めることができたと竹宮先生が仰ってました。
そうやって切り開かれた道があって、そして”いま”につながっていること、竹宮先生に感謝します。
(※eBookJapan電子版にあとがきは付いていませんでした)
ネタバレします。
駆け落ち後の…
セルジュに向けるジルベールの素直な愛情表現がようやく!って感じで可愛くて、健気で泣けてしまいます。
セルジュもまた、迷い、後悔しかけるものの自らの「半身」ジルベールがいなければ駄目なのですね…
世界にこの二人だけなら良かったのに!!
ジルベールの壮絶な最期には
しばし放心状態。気付けば声を出して泣いてしまっていました。
ボナールの所で暮らしていれば…
パリではなくチロルへ行っていたら…
親が子へ向ける愛情を少しでも与えられていたなら…
二人は幸せだったのか…正直分かりませんが、少なくとも愛し愛される事を強く求めて精一杯生きていましたよね。
途中何度読むのを断念しようと思ったか知れない位胸が締め付けられる様な辛い内容で、ここ数日は寝る前に二人に思いを馳せてはグズグズと涙を流す日々。
若い、感受性豊かな時期でなければ読んではいけない作品の様な気がしていましたが、全然そんな事は無かったです。生涯忘れられない作品になりました。
読むきっかけをくれたe bookjapanに感謝です。