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表題作獅子は兄を狭愛する

アザード・サザルード,アキハルの義弟,若き実業家
秋晴(アキハル),アザードの義兄,男娼

その他の収録作品

  • 番外編(描き下ろし)

あらすじ

若き実業家・アザードは、子供の頃に姿を消した義兄・アキハルをずっと求めていた————。

かつて親同士の再婚により、義理の兄弟となったアザードとアキハル。血の繋がりは無くとも、アキハルを慕い懐いていたアザード。
そんな幸せな日々も突然の事故で終わりを告げる。
両親を亡くし孤独に苛まれる中、義兄の存在だけが心の支えとなっていくアザードを残し、アキハルが消息を絶ってしまったのだった。
取り残されたアザードは、アキハルに対する愛憎が膨らむ一方で…??

作品情報

作品名
獅子は兄を狭愛する
著者
いさき李果 
媒体
漫画(コミック)
出版社
コアマガジン
レーベル
drapコミックスDX
発売日
電子発売日
ISBN
9784866537443
4.2

(11)

(6)

萌々

(2)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
47
評価数
11
平均
4.2 / 5
神率
54.5%

レビュー投稿数2

義兄弟、主徒関係、両想いの攻防戦

アザード×アキハル


いさき李果先生の久しぶりの
クール(クーデレ)受け。

アラブの異国情緒の美しさの中で、
2人の心情が繊細に描かれている。

義兄弟の少年たちの未熟な恋心が、
離れてしまって、再会。
新しく主徒関係から始まる関係が、
両想いなのに、
必死な感情の攻防戦が切なすぎて、
長年抱えてきた積み重ねた想いを越えた
2人の愛情が
じんわりと心にグッと刺さりました!


主人公、アザードは、
超硬派男前なスパダリで、褐色肌が駆け引き!
実業家として成功し、王族や政治の地位まで手に入れている。

そんなアザードが、昔から
4つ年上の義兄・アキハルへのもどかしい感情がからみついている。
その感情正体はーー愛と執着!

少年時代に事故で両親を失い、
アキハルが突然姿を消してしまった。
アザードがそれからずっと彼を探し続けていた。
ついに見つけたアキハルが娼館で働いている。
金をばらまいて彼を買い戻す。
という展開。

でも、そこで、
2人が恋人どころか、
兄弟のような関係さえ戻れない・・・。
アキハルは男娼として、
主徒関係になってしまう。

アザードが、
アキハルへの気持ちはどんなに深くて大きくても、
なかなか伝えられない・・・。
アキハルと体が繋がっても、
ただの主人様のように扱われて、
近いのに遠い感じが、
アザードの愛憎が育まれて、なんだか痛いよ。

でも、それは、
アキハルの、
外から見える強気な態度とは裏腹に、
中身はアザードへの想いを隠すための強がり。

アキハルが
アザードの地位を守るために、
男同士という関係が絶対ダメだと思い、
逃げたり、
自分の恋心を押し殺したり、
必死に男娼ととしての態度を演じる健気さに心がズキズキするし、
アザードに触れられる時、
隠れた恋心と抑えようとする心の境界線を揺らめかせる様子が、
辛くて、叫びたくなる!

愛と悲しみがさらにグッと伝えってくるのは、
2人の過去のエピソード。

エッチが、
エロい、激しいイメージもしないけど、
萌えが燃え上がっていくみたいな熱さが潜んでいるのが最高!

一冊で、過去から現在にかけて、
2人の関係が鮮烈に伝えられている。
しつこさも進み過ぎもない。
いつもちょうどいい感じが作品にギュッと詰まっているのが、
いさき李果先生の魅力なんだよね。大好きです。



・コミコミスタジオ限定特典描き下ろし4Pリーフレット
描き下ろし漫画4P:
アザードがアキハルとの関係を
社内でカミングアウトする経緯、面白い!

・コミコミスタジオ限定特典描き下ろし12P小冊子(有償特典)
描き下ろし漫画8P:
本編だけで物足りなかったエッチ!
アザードが俺様っぷりを発揮!
何度も読み返したくなる!

・電子共通描き下ろしマンガ4P(Kindle購入):
エッチ 後の夜中に、
アザードが目を覚まし、
アキハルが子守唄歌おうとしているけど、
またエッチで過ごすことになってしまう2人。
電子版も手に入れて大正解!

3

静かに燃えるような執着愛

「溺愛王子の執愛」のスピンオフ作ではありますが、独立した作品です。舞台となる架空のアラビア風の国が同じというだけなので、こちらだけでも問題なく読めるかなと思います。

異国を舞台にした血の繋がりがない義兄弟ものです。
褐色肌の義弟×日本人の義兄が繰り広げる、長きに渡る執着愛が描かれています。
静かに燃える執着といいますか、甘みが少なく一筋縄ではいかないビターな味わい。カカオ80%な印象でした。

両親の再婚をきっかけに義兄弟となったアザードとアキハル。4つ年上の義兄を愛し慕っていたけれど、不運な事故により離れ離れになり、やがて突然姿を消したアキハルをずっと探していたアザード…と、非常に切ない予感しかない設定なんですよ。
男娼をしていた義兄の居場所が見つかり、再会するところから始まる物語。
これがなんとも拗れていて、互いのことを強く想うがゆえにすぐにトントンと上手くはいかないんですね。合間に描かれる義兄弟の過去のエピソードも、それぞれの視点によって印象が異なる切なさでいっぱいなのです。
両視点で進む中、再会を果たした2人の心の葛藤が苦しい。
ですが、そこはやはり狭愛の獅子が。
2人の行く末がどうなるのかは、ぜひあなたの目で。

ものすごく萌えたとはなりませんでしたが、静かで熱い執着愛は読み応えあり。
ラスト1ページが非常に印象的な1冊でした。素敵な締め方です。

0

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