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表題作天使にならなきゃ

奥村晴海:ホテルのボーイ
亜藤(岩坂)遵希:晴海に拾われた少年

その他の収録作品

  • 待っているよ【※非BL】
  • その後のランナー【※非BL】
  • 「出口」
  • 遂に最後のREQUEST ―LAST REQUEST AT LONG LAST―
  • 太陽の下の17歳

あらすじ

ホテルのボーイとして働く晴海は、ある日、遵希と名乗る少年の面倒を見る羽目になった。
少年との生活の中で何時しか晴海の心は…。
【出版社より】

デビュー作を含むJUNE掲載の初期
作品群を中心に編まれた作品集。

作品情報

作品名
天使にならなきゃ
著者
西炯子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
小学館
レーベル
PFコミックス
発売日
ISBN
9784091720214
3.8

(5)

(2)

萌々

(0)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
19
評価数
5
平均
3.8 / 5
神率
40%

レビュー投稿数3

『出口』は社会人ラブ好きになったきっかけの作品

収録作品『出口』が大好きです。
ずいぶん昔、小説Juneで掲載されたものをリアルタイムで読みました。
当時は私もかなり若かったので。二十歳過ぎたオジサン同士の恋なんて興味ない!
Juneはやっぱり受けが美少年でないと!と、痛い固定観念を持っていたのですが。
この西さんの『出口』を読んで、成人男性も切なくていい……と、目覚めてしまいました。
今ではすっかり枯れたオヤジ好きになったのも、この作品があったからだと思います(笑)

幼い頃から生活を共にしてきた佳蓉と恵。
主従に近い関係で結びついている二人の間に、割って入る佳蓉の別れた妻。
恵が何十年も隠しつづけてきた佳蓉への思い。
佳蓉と恵の強い絆に何かを感じる元妻。

元妻の妊娠・出産など、痛いシリアスな展開が続き、やりきれない感を残したラスト。
小説Juneでは確か前後編で掲載され、
前編がとてもモヤモヤするところで終わり、
早く続きを読ませて~!とイライラしたことを覚えています。
レビューを書くにあたり、単行本を探し出して読みましたが。
いま読んでも充分面白く、心にしみました。

私のオススメは『出口』ですが。他の収録作品もどれも面白いです!
最近の西さんしかご存知ない方にはぜひ、読んでもらいたい短編集です。

4

刹那の切なさ

これもまた古典でありながら出版レーベル故にか
見過ごされがちな作品群です。
この本以外に西さんのJUNE掲載作品群を観る事が
出来るのは評者確認の限りでは「JUNE全集」第11巻
だけであったかと。

表題作で肌を重ねる描写と言うのはほんの半頁程度
しかありません。濃密な空気を伴いながら、それで居て
さり気ない愛の言葉が交わされる風景です。
そう言う濃密さが、収録作全編を満たしています。

表紙に登場しているのはデビュー作「太陽の下の17歳」の
受に相当する位置に居る後輩君でしょう。
彼の経験した恋もまた鮮烈です。それはきっとBLの
原風景の一つなのでしょう。

1

ジュネ時代の西炯子

最近『娚の一生』で話題になった西炯子さん。『娚の~』は一般向けなのですが、この人BLの人じゃなかったかなあと思い、お友達に聞いてみると、「今はおとなしくなっちゃったけどジュネに描いてた頃は本当に良かった!!」という力強いコメントが。彼女のオススメがこの『天使にならなきゃ』です。なるほど尖った作品集でした。

表題作の『天使にならなきゃ』はホテルのボーイとして働く晴海が、記憶喪失の少年・遵希の面倒を見るはめになる話です。
晴海は一文無しの遵希をエレベーターボーイとして働かせるのですが、目を離した隙に客にお金で買われてしまいます。不本意に抱かれたことに泣きだす遵希を哀れに思いつつ、晴海は「汚い」と思う気持ちをぬぐいきれません。
このへんの描写の痛々しさはさすがのジュネでした。晴海の気持ちは残酷だけどリアルです。そこから遵希がいなくなり、再会してエンディングを迎えますが、たったこれだけのページしかないのが信じられないほど密度の濃い物語でした。

それから藤棚さんもおっしゃってますが、『出口』がとても良かったです!主従関係に奥さんが絡んで泥沼です。
最近のBLではなかなかお目にかかれない、胸の奥を引っかかれるような作品集でした。願わくば中~高校生くらいの頃に出会っておきたかったな、と思います。

1

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