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この傷があるかぎり、君は僕のものだと思ってもいい?
「空色スピカ」で楠ノ瀬くんと高科くんをくっつけた(笑)いえ、次期会長と副会長に指名した、彼らの前の生徒会長、峰先輩のお話です
「空色スピカ」で暗躍していた峰先輩。
いったいどんな中学高校時代を過ごしていたのでしょう。
相変わらず、小椋ムクさんのカバーが素晴らしい~
衛守くんにぺったりくっついてる峰くんが本当に愛らしい
私立英明大学付属清泉学院シリーズ?2作目。
生徒会長は「清泉に峰あり」「清泉学院の白馬の王子様」と称えられる峰秀一。
副会長は「王子を陰になり日向になり支える寡黙な黒の騎士」衛守啓士。
「空色スピカ」のふたりは、生徒会に入ったところで互いを意識したというか知り合いましたが、今回のふたりは、それ以前からの知り合いです。
峰くんと衛守くんは遠縁の幼なじみ。それぞれ、複雑?な家庭の事情があり、遠縁ですが血は一滴もつながっていません。
幼い頃から、親戚の集まり等で顔を合わせる程度でしかなかったふたりですが、互いに、清泉学院中等部に入学。寮で同室になります。
そこで、峰くんは、幼い頃、木から落ちそうになった自分を助けた衛守くんが大怪我を負っていたことを知ります(衛守くんの背中には大きな傷跡がありました)
幼い頃からとても可愛らしかった峰くんは、中学生になってもまるで女の子のような容姿です。
小学生の頃には、変質者にねらわれたという過去があります。
そんな過去も手伝って、自衛はしていたのですが、部活の先輩に絡まれ、またまた衛守くんに助けてもらいます。
そのあたりで、峰くんにとって衛守くんは特別な存在になります。
女の子のような容姿だった峰くんも中学2年生あたりからぐんぐん成長します。
お姫様から王子様へ華麗に変身してしまいますが・・・実は、本人はずっとお姫様でいたかった。
「空色スピカ」では、高科くんにかなりブラックな一面を見せていましたが、本当の峰くんは、たったひとりの人を思い続ける可愛らしい乙女でした。
衛守くんのそばにいたい。いつも一緒にいたい。
たったひとつの願いのために何もかも引き受け、完璧に遂行する。
誰にも見せない健気さを持っていました。
そのあたり、何も言いません(ホントに寡黙なんだわ~この子)が衛守くんも気づいていたのだと思います。
読んだ方は、わかると思いますが、衛守くんに対する峰くんのうっとおしいまでのまつわりつき方(笑)
普通ならちょっとひくかな~と思うのですが、このお話に関してはそういうのなかったな~峰くんが可愛くて可愛くて
あまりBLを読んでいて思うことなかったですが、この峰くんに関しては「ああ、女の子だったら良かったのにね」と「女の子だったら衛守くんと結婚して家庭をつくって幸せになれたのにね」と思いました。
そして、余談ですが・・・この本、間違いが多いです
とにかく登場人物の名前の取り違えとか、間違いとか・・・本当に校正したのかな?という・・・
作者が間違ったのか、出版社が手抜きしたのか、謎ですが・・・ノベルズは高価なのでそのあたりちょっと気になりました。
このシリーズ、キラキラ・ドキドキ・ピュアな感じがとても素敵なのに、本のできあがりのお粗末さが本当に惜しい。
いい話だった。
ラストシーンの卒業式では涙滲みました。
シリーズ2作目は前作『空色スピカ』の主役カップルの前期の会長&副会長がメインカップルです。
前作でもキラキラ王子さま(実は計算高い腹黒)な会長が気になっていたので読んでみました。
時系列から言うと、彼らの幼い頃から中高時代なのでこちらを先に読みたかったような気もします。
後半の楠ノ瀬らが出てくるあたりから彼らの別視点が見られて楽しめたので 、2冊セットで読むことを勧めたいです。
ストーリーは峰が子供の頃、遠縁の衛守に助けられた時に怪我を負わせた記憶はあったが幼かったためその後のことはあまり知らなかったのです。
やがて共に中学から寮生活をするようになった時に初めて、その時の怪我で今でも大きな傷痕が残っていることを知るのです。
羽根をもがれた跡のようだと言い背中の傷に触れるシーンが仄かにエロちっくでした。
そして、自分を受け止め守ってくれた衛守のことを密かに想うようになります。
ここで、ただ見ているだけとか、実家の本家筋の命令で側にいさせるといった安易な策を弄するのではなく、嫌われ者の舎監を手懐けて同室になるよう仕向けたり面倒な生徒会役員を引き受けるなど涙ぐましい努力をしつつそばにいられる状況を作り徐々に距離を縮める健気君なのですね。
一方衛守の方も、可愛くてか弱いお姫様な峰を子供の頃から気になっていて、寮の風呂場で背中の傷をみて裸で羽根のあとみたいだとか僕のためにごめんねなんて言われて、はっきり自分の気持ちを自覚することになり、可愛くて弱いお姫様を護衛する騎士が誕生したわけです。
峰がよからぬことを仕掛けてきた先輩にむりやりキスされてしまったとき、助けてくれた衛守に抱きついて唇を合わせてしまうのです。まるで浄化かあるいは上書きしたかったみたいに思えました。そんな峰のびっくりな行動も衛守はちゃんと受け止め抱きしめてあげるところが良かったです。そのシーンがカラーイラストになっているのも良かった。
衛守が先輩を撃退しそのあとも的確に処理する姿に惚れ惚れしました。
寡黙でストイック、剣道で鍛えた立派な体格、名前がまた衛守ですからね、騎士とか護衛になるべくしてなったようですね。
お互い相手への思いを自覚しても、相手の気持ちが違っていたら失うことになるかも?と悩んだりグルグルする月日を送るのかと思いましたが、割とあっさり難なく成就します。
剣道の練習の後、更衣室で峰から仕掛けます。
2度目のキスです。
それからが、甘いんです。
衛守がベタ甘なセリフを恥ずかしげもなく吐きます。寡黙なくせに峰に対しては惜しみません。
凹んだり自信喪失した時に「欲しい言葉をくれる」のですね。
二人とも家庭がちょっと複雑なところがあって特に峰の方はより深刻では居づらいところがあるのです。
計算高かったりいつも笑顔で敵を作らない生き方、というのは出生からくる処世術だったわけです。
か弱いお姫様じゃいられなくて、自分で運命を切り開いていく女王様でした。
峰は母親のことを知ったあと、誰にも必要されないし愛されてもいないような寂しさや孤独感を感じましたが、衛守に「ぎゅっとして」「背中とんとんってして」と甘えるシーンにキュンキュンしました。
そして衛守が、もし母親に本当の気持ちを確かめたいと思ったら一緒に行ってあげるというセリフに救われた思いです。
同じ付属大学の法学部に進学する2人は将来同じ弁護士事務所で辣腕を振るうことでしょう。
そして、白馬に乗った王子様のような弁護士と、寡黙なナイトのような弁護士と有名になるかもしれない…などと妄想しました。
峰と衛守が中等部に入学して、高等部を卒業するまでの6年間を描いたお話です。
期間が長いので、詰め込みすぎだと感じてしまう方もいるかもしれませんが、私は長い時間の中で2人がお互いに惹かれ、かけがえのない存在へと変わっていく姿に胸がはち切れそうでした。
このお話、もしも峰が待ってるだけのお姫様的な受だったら、このお話も好きになれなかったかもしれません。(イライラしてしまって…)
でも、峰は衛守を好きになってから、行動するんですよね。衛守と一緒に過ごす時間が少しでも増えるように、衛守に少しでも可愛いと思ってもらえるように。
そこに、好感が持てました!
普段は余裕なのに衛守のことにだけ必死なのが可愛くて可愛くて…
まさしく女王様健気受です(笑)
衛守は多くは語らないけど、いざという時に一番近くで峰を守り、峰の一番欲しい言葉をあげる男です。峰の脆いところも強がってるところも全部見抜いて、包み込んであげるんです。なんていい男なんだ!(感動)
峰も衛守も大好きです!
ここまで、受も攻も文句なしに大好きな作品に久しぶりに出会いました。
『空色スピカ』で主人公達の一期上で登場した生徒会長・副会長のお話です。
単独でも読めますがスピカの方にかなりこちらのキャラも登場しているので、先にスピカを読まれることをお勧めします。
学院内と寮を中心に話は進み、攻め受けの両視点で語られます。
受けの峰は、幼い頃に自分のために大怪我をした遠縁の攻めに執着愛を抱いています。
家庭の事情で家に居づらく、寮のある清泉へ入学。
中等部時代は少女のようでしたが、高等部で背も伸びていわゆる王子様的ビジュアルに本人の気持ちもよそに変化していきます。
攻めの衛守は峰の同級生として清泉学院中等部で再会します。
寡黙で体も大きく、剣道が強いという理由で清泉へ進学を決めた自立型の少年。
峰の危うい魅力を理解し、それによる弊害が起こるのではないかと心配しています。
峰は幼少時代から生みの母そっくりの危うい美しさがあり、変質者に狙われたり女性から過度のライバル意識を持たれてきました。
そのため、いつも笑顔を絶やさず他人を否定せず自分を殺すことを当たり前とすることで、自分で自分を守ってきたと言えるでしょう。
家族愛を諦め自分自身の価値を見出せないまま成長してきましたが、清泉で衛守に再会し、自分のために残った彼の背の傷を「天使の羽」と称し目の当たりにしたことで、自分が守られたことがあることを実感します。
そこが、無意識に愛を欲してきた峰の衛守への執着の原点かなと。
後に衛守が峰へ防犯ブザーをプレゼントするのですが、このことも峰が衛守に間接的に守られていることを実感させています。
そんな峰も中等部ではテニス部へ入部し楽しく過ごしてきましたが、三年の先輩にしつこく迫られ困惑と過去の変質者への不快さ、自分が執着される恐ろしさを感じます。
放課後の用具室で先輩に押し倒された時、助けにきてくれたのはやはり衛守でした。
この事件によって峰は一歩衛守へと踏み出し、衛守もその一歩を受けとめます。
峰は、衛守が自分に対して抱いてくれている気持ちが変化してしまわないか、年々青年体型に変化する自分に冷めてしまわないか不安を常に抱えています。
が、衛守視点でも描かれている作品ですので読み手には衛守の愛情の深さが理解でき、ホッとできます。
峰と衛守の関係は卒業後どのように変化していくかはわかりませんが、今現在のお互いへの愛情は本物だと言えます。
今こちらのシリーズは三冊発行されていますが、ぜひかわいさんには続けて頂きたいと熱烈希望です!
かわい先生の小説もすごくいいですが、ムク先生の挿絵が作品のよさを引き立ててくれています。かわいいお話なので、ムク先生の挿絵がすごくあっています。小学生、中学生のときの峰はとってもかわいく、高校生になった姿はかっこいいです。また衛守も素敵です。たまに、小説と挿絵があってなくてがっかりすることがありますが、この作品でそんなことはないです。
私は、今作『流星シロップ』を読む前に『空色スピカ』を読んでいましたが、スピカでの峰と印象がガラッとかわりました。スピカでは計算高い王子様というかんじだったので、女王様受けかな、なんて予想していましたが、逆でしたね。健気な乙女受けでした。
峰は、父親と銀座のホステスさんとの子で今の家では、父親としか血がつながっていません。なので、家での立場はかなり微妙・・・
また、母親譲りの美貌から、小学生のときは変質者に悪戯されそうになり、中学では、先輩に襲われそうになります。あまり、いいことがないです・・・。
衛守は峰のイトコになりますが、小学生のとき木に登り降りられなくなった峰を助けてくれ、中学でも先輩に襲われそうになった峰を助けてくれます。また、峰の心が弱っているときにうれしい言葉をかけてくれたりします。
峰にとっての衛守は自分を守ってくれるナイトだったんです。そして、自分は衛守のお姫様になりたいのに、高校生になった峰は身長も伸びて王子様のようになっていきます。男っぽくなっていく自分をなげく峰がほんと萌えます。衛守には自分をかわいくみせたいみたいですが、他の人に対する策士で腹黒っぽいところもいいです(そのギャップが)。でもそれも、衛守と一緒にいたいがためだと思うとかわいくみえてきます。
衛守は、高校生とは思えないくらい落ち着いた包容力攻めです。でも、たまに余裕ない様子がいいです(初エッチのときとか)。
ほんと、かなりおすすめな作品です。
また、9月に清泉学院シリーズの3作目『星屑シトロン』がでるみたいなので、それも楽しみです。峰や衛守、楠ノ瀬や高科もでてくるといいな。